9 / 11
8
しおりを挟む
side 皇花 金田
がちゃっと、扉を開くと健が入ってきた。
「琉生斗ちゃん」に会いに行くといっていたが帰りが早かったのでうまくはいかなかったみたいだ。
俺はソファにどがっと座る健に声をかけた。
「おかえり、健。どうだった?」
健はソファに手足をほっぽりながらだるそうにいった。
「期待はずれだったぁー」
予想はできるが一応深く聞いてみる。
「え?どういうこと?」
健はむっとした。
「俺を利用して、美王に近づきたいくそ女だった。」
やっぱり。
「………、そう、だったんだ」
期待しなくてよかった。
少し気になってたけど。
そんな女なら
な流星も抱くだけの女として選んだはずだ。
なるほど。納得だ。
なにもおかしいところはない、、
「その子、うまいねぇ。」
「っ!!!!!」
「!!!!」
「……、亜嵐」
、、はずだった。
いつの間にか窓枠に座っている影が揺れた。
窓枠、ここって三階なんですけど。
にいつの間にか座っている。
天然パーマの男。がにやりと笑った。
あまり知られてないがこいつは皇花、もう一人の副総長の片瀬 亜嵐。
立花組では側近として、俺、金田と一緒に美王を支えている。
といっても基本自由主義で。
学校でも、一応在学しているが、生徒会には入っていない。
時々学校に来てはのらりくらりと消えていく。
不思議なやつだ。
流星ともあったことがない。
というか、亜嵐がなぜか会いたがらない。
そのため、亜嵐の紹介は流星にはしてない。
俺は亜嵐の登場のしかたを飲み込みながら今いったことをもう一度聞き返す。
「亜嵐、今、なんて?」
亜嵐は俺を見て「久しぶりだねぇ、金田」と手を降って答えた。
「んー?その子、うまいねぇ~て、。」
それに篝が突っかかる。
「なっ!どーいうこと!?亜嵐!」
健は亜嵐の首根っこをつかんでゆらす。
窓枠で揺れる二人の影。
亜嵐は手をヒラヒラさせながら棒読みでいう。
「うーわー、おちるーおちるよー」
しかし健は逃がしてくれない。
「ちょっと!きーてる!?」
「きーてるよー、もうー、健太郎は激しいな」
やっと止まった二人。
健は真剣な顔をして亜嵐に詰め寄った。
「どーいうこと」
亜嵐は「んーと」といいながら話し始めた。
「別に、俺、その子にあったことないけど
健太郎の性格を上手く利用したなぁて思っただけ。」
「だからっ!」
「しぃーっ、きいて、
るいとっていう子はまどかの紹介で紹介してもらうはずだった。
るいとは健太郎のことがタイプ。
まずおかしいのは、美王と繋がりたいなら、健太郎でなくてもよかったはず、なんで健太郎?」
確かに、美王や幹部と繋がりたいなら健を通さなきゃいけないわけではない。
思わぬ質問に健もこまる。
「えっ、それは、、」
亜嵐はつづける。
「ぶっちゃけ、まどかからの方が短距離で美王に繋がれるよね。
じゃあ、なんで健太郎を経由してきたのか
答えは、頭のいいやつの方が操りやすいから」
「えっ?」
どういうことだ。
「健太郎の頭のよさを知ったるいとは、何かあったとき、操りやすいと思った。
龍生みたいなバカだったら、なにか、条件をつけてなんだかんだいって、美王のもとへつれていく。そうじゃない?」
突然ふられた龍生は眠そうにあくびをしながらも答える。
「確かに、美王紹介しろっ、つったら、別に紹介するけど」
「バカじゃねぇどな」とつけたす。
亜嵐は笑いながらいう。
「健太郎は利用されるのが嫌い。それが自分でわかるから。
それは頭のいい人の考え方であって弱点でもある。
つまり、利用されるってのを目に見えてやられることによって、自分を健太郎の中で嫌い認定させた。」
驚きの考察に健も俺もことばをうしなう。
そんなことって、、。
「ちょっとまって。じゃあ、るいとちゃんは、、、」
「健太郎なんて、眼中にない、ましてや、どちらかというと、かかわり合いたくない。
目立たないようにしてるのかも。」
「なんで、そんなことっ、」
そうだ。
おれらのそんざいは自分でいうのもなんだが付き合うのに喉から手が出るほどの人気だ。
そんなやつらに関わりたくない、、。
亜嵐は「んー」と考えながら話す。
「それは知らないけど、さっきの裏付けとして多分、健太郎が話しかける前に、るいとは会うのをいやがっていたんじゃないかなー?」
健は思い出したように話す。
「い、やがってた、神すぎて、、みたいなこといって、、」
亜嵐が「へぇー」と笑いながらいった。
「うまいねぇ。
あからさまにいやがってると逆に目ぇつけられるしねぇ。
どうやらその子、なんとしてでも、俺らにかかわり合いたくないみたいだねぇ。」
健は思い出すようにポツポツ話し出していく。
「いやがって、た、のに、話してみたらそんなことなくて、、ぐいぐいきて、、」
解説をいれるように話す亜嵐。
「できれば話したくなかったけど話しかけられたから、シフトを変えたんだねぇ、
すごい頭の回転がはやいこだねぇ」
「健。」
今まで黙って聞いていた我らが王が口を挟んだ。
「美王?」
「そいつ、、名前は?」
「っ、………、逢坂 琉生斗」
「おもしれーな。そいつ、」
美王の口角があがる。
美王は獲物を見つけた目をしていた。
がちゃっと、扉を開くと健が入ってきた。
「琉生斗ちゃん」に会いに行くといっていたが帰りが早かったのでうまくはいかなかったみたいだ。
俺はソファにどがっと座る健に声をかけた。
「おかえり、健。どうだった?」
健はソファに手足をほっぽりながらだるそうにいった。
「期待はずれだったぁー」
予想はできるが一応深く聞いてみる。
「え?どういうこと?」
健はむっとした。
「俺を利用して、美王に近づきたいくそ女だった。」
やっぱり。
「………、そう、だったんだ」
期待しなくてよかった。
少し気になってたけど。
そんな女なら
な流星も抱くだけの女として選んだはずだ。
なるほど。納得だ。
なにもおかしいところはない、、
「その子、うまいねぇ。」
「っ!!!!!」
「!!!!」
「……、亜嵐」
、、はずだった。
いつの間にか窓枠に座っている影が揺れた。
窓枠、ここって三階なんですけど。
にいつの間にか座っている。
天然パーマの男。がにやりと笑った。
あまり知られてないがこいつは皇花、もう一人の副総長の片瀬 亜嵐。
立花組では側近として、俺、金田と一緒に美王を支えている。
といっても基本自由主義で。
学校でも、一応在学しているが、生徒会には入っていない。
時々学校に来てはのらりくらりと消えていく。
不思議なやつだ。
流星ともあったことがない。
というか、亜嵐がなぜか会いたがらない。
そのため、亜嵐の紹介は流星にはしてない。
俺は亜嵐の登場のしかたを飲み込みながら今いったことをもう一度聞き返す。
「亜嵐、今、なんて?」
亜嵐は俺を見て「久しぶりだねぇ、金田」と手を降って答えた。
「んー?その子、うまいねぇ~て、。」
それに篝が突っかかる。
「なっ!どーいうこと!?亜嵐!」
健は亜嵐の首根っこをつかんでゆらす。
窓枠で揺れる二人の影。
亜嵐は手をヒラヒラさせながら棒読みでいう。
「うーわー、おちるーおちるよー」
しかし健は逃がしてくれない。
「ちょっと!きーてる!?」
「きーてるよー、もうー、健太郎は激しいな」
やっと止まった二人。
健は真剣な顔をして亜嵐に詰め寄った。
「どーいうこと」
亜嵐は「んーと」といいながら話し始めた。
「別に、俺、その子にあったことないけど
健太郎の性格を上手く利用したなぁて思っただけ。」
「だからっ!」
「しぃーっ、きいて、
るいとっていう子はまどかの紹介で紹介してもらうはずだった。
るいとは健太郎のことがタイプ。
まずおかしいのは、美王と繋がりたいなら、健太郎でなくてもよかったはず、なんで健太郎?」
確かに、美王や幹部と繋がりたいなら健を通さなきゃいけないわけではない。
思わぬ質問に健もこまる。
「えっ、それは、、」
亜嵐はつづける。
「ぶっちゃけ、まどかからの方が短距離で美王に繋がれるよね。
じゃあ、なんで健太郎を経由してきたのか
答えは、頭のいいやつの方が操りやすいから」
「えっ?」
どういうことだ。
「健太郎の頭のよさを知ったるいとは、何かあったとき、操りやすいと思った。
龍生みたいなバカだったら、なにか、条件をつけてなんだかんだいって、美王のもとへつれていく。そうじゃない?」
突然ふられた龍生は眠そうにあくびをしながらも答える。
「確かに、美王紹介しろっ、つったら、別に紹介するけど」
「バカじゃねぇどな」とつけたす。
亜嵐は笑いながらいう。
「健太郎は利用されるのが嫌い。それが自分でわかるから。
それは頭のいい人の考え方であって弱点でもある。
つまり、利用されるってのを目に見えてやられることによって、自分を健太郎の中で嫌い認定させた。」
驚きの考察に健も俺もことばをうしなう。
そんなことって、、。
「ちょっとまって。じゃあ、るいとちゃんは、、、」
「健太郎なんて、眼中にない、ましてや、どちらかというと、かかわり合いたくない。
目立たないようにしてるのかも。」
「なんで、そんなことっ、」
そうだ。
おれらのそんざいは自分でいうのもなんだが付き合うのに喉から手が出るほどの人気だ。
そんなやつらに関わりたくない、、。
亜嵐は「んー」と考えながら話す。
「それは知らないけど、さっきの裏付けとして多分、健太郎が話しかける前に、るいとは会うのをいやがっていたんじゃないかなー?」
健は思い出したように話す。
「い、やがってた、神すぎて、、みたいなこといって、、」
亜嵐が「へぇー」と笑いながらいった。
「うまいねぇ。
あからさまにいやがってると逆に目ぇつけられるしねぇ。
どうやらその子、なんとしてでも、俺らにかかわり合いたくないみたいだねぇ。」
健は思い出すようにポツポツ話し出していく。
「いやがって、た、のに、話してみたらそんなことなくて、、ぐいぐいきて、、」
解説をいれるように話す亜嵐。
「できれば話したくなかったけど話しかけられたから、シフトを変えたんだねぇ、
すごい頭の回転がはやいこだねぇ」
「健。」
今まで黙って聞いていた我らが王が口を挟んだ。
「美王?」
「そいつ、、名前は?」
「っ、………、逢坂 琉生斗」
「おもしれーな。そいつ、」
美王の口角があがる。
美王は獲物を見つけた目をしていた。
0
お気に入りに追加
15
あなたにおすすめの小説
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

後宮の棘
香月みまり
キャラ文芸
蔑ろにされ婚期をのがした25歳皇女がついに輿入り!相手は敵国の禁軍将軍。冷めた姫vs堅物男のチグハグな夫婦は帝国内の騒乱に巻き込まれていく。
☆完結しました☆
スピンオフ「孤児が皇后陛下と呼ばれるまで」の進捗と合わせて番外編を不定期に公開していきます。
第13回ファンタジー大賞特別賞受賞!
ありがとうございました!!

淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

家出したとある辺境夫人の話
あゆみノワ@書籍『完全別居の契約婚〜』
恋愛
『突然ではございますが、私はあなたと離縁し、このお屋敷を去ることにいたしました』
これは、一通の置き手紙からはじまった一組の心通わぬ夫婦のお語。
※ちゃんとハッピーエンドです。ただし、主人公にとっては。
※他サイトでも掲載します。


記憶がないなら私は……
しがと
恋愛
ずっと好きでようやく付き合えた彼が記憶を無くしてしまった。しかも私のことだけ。そして彼は以前好きだった女性に私の目の前で抱きついてしまう。もう諦めなければいけない、と彼のことを忘れる決意をしたが……。 *全4話
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる