強く、咲く。※不定期掲載

zakura

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愁はパソコン作業。

私は実里とお絵描きをはじめてふとじかんをみるともう20時になっていた。

がちゃっとげんかんのとがあくおとがする。

リビングにだるそうに肩をさすりながら流星が入ってきた。

「ただいま」 

実里は流星のもとにとたとたと駆け寄っていく。

「おかえりぃー、りゅーちゃ遅いよー」

流星は実里を抱き上げながら謝る。

「あぁ、悪い悪い、」

私は流星を見て一言。

「お腹すいた」

愁もパソコンの画面から視線をあげて流星をみる。

「俺も」

愁は実里をソファに下ろしながらだるそうに笑った。

「飯作っといてもくれてもええやんけー」

え。

「それは」

「それは」

「「流星の仕事」」

見事にはもる私と愁。

それに流星は呆れて返事しかでない。

「………、はい」

「りゅうちゃが作ったら美味しいからー!」

実里の目は流星に向かってキラキラ光っている。

もう実里はご飯のことしか頭にない。

「みのりぃーーー!!」

ソファに下ろした実里に抱きついてほおずりする流星。

数分、実里を抱き締めていたかと思うと立ち上がってうでまくりをした。

「じゃあ、さっと飯を食いますか」









ご飯を食べて、だらだらとしていたら21時になった。

21時からは神代組の報告会だ。

テレビ通話をパソコンでつなぐ。

愁はこの準備をさっきからしていたようだ。

「唯斗聞こえる?唯?」

流星がパソコンに向かって話しかけると画面が明るくなって、我らの王、神代 唯斗の顔が写し出される。

『あぁ、流星か?聞こえる』

久しぶりの唯斗の顔に実里は身を乗り出してパソコン越しにてをブンブン降った。

「ゆいちゃ!ゆいちゃーんー!!」

その様子を見て画面の向こうの唯斗はくくっ。と笑う。

『ふふ、実里、今日も美しいな』

「美しい」これは唯斗の挨拶のようなものだ。

みんなはなれているため普通に返す。

「ありがとー!ゆいちゃもうつくしー!」

『ああ、ありがとう、実里の報告から聞こうかな』

そういうと実里は今日あったことや流星や私のこと、愁の寝起きが悪いことをたくさん話した。

この報告会は事細かに今日あったことや最近の出来事を話す。

実里の報告はほのぼのするが、、私たちは、

今日あったことを話すということは

キスのこともばれるということでもあり、、

実里の報告が終わって流星と私の番になる。

キスの過程や今日あったこと、怪しまれていることなどをかくかくしかじか話した。

「っつーことで関係図としては今、俺と琉生斗はセフレになってる」

セフレ、、たしかに、そーだわ。

うなだれるしかない私たち。

すると隣から

「っ!くっ!!笑」

笑いをこらえる声が。

「愁!てめぇ!」

流星は愁の肩をつかんでゆらす。

愁は揺さぶられながら「やめてーよ、」といっている。

画面の中の反応も様々だ。

『あっはははははは!ほんとにぃー?笑、

ほしくん、切り抜けかたがすごいよー、

兄妹愛はだめだよー笑』 

と唯斗の右腕、咲也が笑う。

絶対ばかにされてる。

唯斗はーーー

『琉生斗と、流星がキスか、、美しいな』

相変わらずだ。

湊だけが唯斗に注意している。

『はぁ!唯斗おまえ、そーゆーとこだぞ!?』

ほんとに、そーいうとこ。

しかし唯斗はわかってない。

『なにが?』

『美しくねーだろ』

そう、うつくしくない。

咲也みたいな反応ならまだいい。

うつくしいって、、、

どういう反応なんだ。

逆に困る。

しかし唯斗はまるで湊がおかしいというような顔で反論してくる。

『湊こそ、そういうところだぞ。美しくない』

うつくしくないと言われた湊はむっとした。

『このやろ』

『あー、生で見たかったよねぇただちゃん』

咲也があり得ないことをいってくる。

『あぁ、見たかった。』

やば。この流れって。

「ぎく、」

私と流星が固まる。

『できるか?』

できる、、?

流星と、、キス?

流星を見る。

流星もこっちを見て、私たちは顔を見合わせた、、

、、、

「やだ!!

無理よ!唯斗!
そーゆーところよ!
美しいならなんでもいいと思ってない!?
兄妹よ、わてら」

首をブンブンふって拒否する。

流星も同じように首をブンブンふった。

「そーだぞ!
妹にキスて、、

しかもあとのきはどーにかしなくちゃいけないと思ってしたけど、今の状況は違うやろ!!」

必死に拒否って息を整えていると

「……いもうとがおにーちゃんにキスするのっておかしいの?」

実里がいきなり口を開いた。

「え?」

「………、」

思わず声が出る私と、さらに固まる流星。

実里は愁のもとへよっていった。

愁も私たちも実里が何をしようとしているのかわからない。

実里は愁があぐらをかいている膝に乗った。

「私できるけど、しゅうちゃ、ちゅー」

そのまま唇をよせて、愁の口へ

ちゅ、とかわいいキスをした。

「…………、」

静まり返るこの場所。

「かっ、かわいーーーー」

私は思わずたおれ込んだ。

なんだこのかわいい生物は。

「みのり、俺そんなことされたら死ぬ」

「愁ー!!!」

愁も倒れる。

それをみて、画面の中から先程よりも豪快な笑い声が聞こえてきた。

『あはは、おもしろいな。

やはり、六人揃うと。

実里、兄妹でキスするのはおかしいことじゃないぞ。

そして、琉生斗、流星見とけ。

ーーーー咲也』

いきなり真剣な顔になったかと思うと、咲也を手招きした。

唯斗の口元に耳を寄せようとする咲也の顎をつかんで自分の方へ向けたかと思うと

『えっ?』

ちゅ。と軽くキスをした。

!!!!!!!

ちょ!!!!

東京は何が起こったのかわからなかった。

さ、、咲也って男ですけど!!

それは向こうも同じなようで、

『ななななな、なにやってんだてめぇら!!』

湊がべりっと二人を引き剥がす。

すると唯斗は湊の顎をつかもうとする。

『照れている湊はかわいいな』

湊は唯斗のてを押さえつけている。

離された咲也は固まったのち正気に戻ったようで口元にてをあてた。

片方のてで唯斗をポカポカと叩いている。

まさに、修羅場。

『ただちゃんん!!
 
やめてよ!!
俺、彼女いるんだよ!!!泣

やだーー!!』

いやがられたのが癪なのか唯斗はむっとした。

『失礼な。じゃあ薫には謝っとくわ』

薫とは咲也の彼女の名前だ。

『言わなくていいよー!!泣』

咲也、、なんてこった。

『そうか。じゃあ、いうのはよそう。

まぁ、俺が言いたいのはキスっていうのは好きなものに好きと伝えるのに有効な手段だ。

俺はここにいるものなら誰にでもできるぞ。

帰ってきたらしてやろう、』

絶句だ。

唯斗はこういうやつだった。いつでも。

でも、ここまでとは、、

自分達はこんなに愛されているのかと感じると共に

これに答えなくてはというプレッシャーに駆られる

背筋がぞくぞくとする。

しかし、これがいい。

この怖すぎる愛こそが唯斗の持ち味のひとつである。

手を押さえつけていた湊が唯斗の手を離して小さくいう。

『…んじゃ、琉生斗たちが帰ってきたら俺にもしろよ』

唯斗はまた顎をつかもうとする。

『ふふふ、今でもいいぞ?』

それを軽やかに避けると

『いや、今はいい』

とことわった。

「私にもしてね」

私が画面越しにいうと

『もちろんだ』

とにっこり笑ってくれた。

愁も流星も実里も続く。

「もう、じゃあ俺にもしてね」

『もちろん』

「俺にもしろよ!」

「わたしにも!」

『はは、飽きるほどしてやろう』

唯斗は私たちに向かって投げキスをした。

ろくなやつらじゃない。

そう私たちのネジはとっくに外れている

けれど、それをわかっているなら強くなれる

この狂気こそが森羅であり、神代組の強さだと私は思う。

『と、いう話はここまでにして。

愁の報告を聞こうかな』

脱線しすぎた話は戻り、愁の報告へとはいった。

愁は話し始める。

「黎明学園は医療関係の人が多いから頭の切れるやつが多いって感じだった。

黎明学園は今でこそ立花組のしたについているけど、もともとは風間組っていう組のグループの学園だったらしい。

けど、立花組に吸収されてしまって今に至る、、と
まー、この事からわかるように、黎明学園には風間組直系の子供が通っている。

立花組は強さ重視だけど、風間組はいわゆる戦わないやくざってやつで、商業系で持ってたんだって、つまり、」

『立花組とは噛み合わん』

愁は続ける。

「そうなんだよ。

でも立花組は財力をあげるために自分達の得意な武力行使でしたにつけたらしい。」

『不満がありそうだねぇ』

咲也がパソコンを叩き始める。

「しかも、医療関係者の子供も多くて、自分で薬の調合もしてしまうことができるんだよね」

『愁見てーなやつが溢れてるってことか?』

湊の言葉に突っ込みながらも愁ははなす。

「言い方笑 
でも、まー、そーいうこと実際薬、麻薬とかの薬ね。
その授業もあった。
しかも、学園には薬がたくさんあった。
目で確認しました。
流された薬があるかは知らないけど
立花組を崩そうとして風間組が動いたってことはあるかもしれない。」

『なるほど、、風間組か、、咲也、』

咲也は「調べてるよー」といいつつ、パソコンを叩きながらいった。

『一日待ってね。詳しく調べるから。

あと、情報をあつめるのによさそうな場所をいくつかピックアップしておいたからいとちゃんとしゅうくんよろしくね。』

私は咲也からいとちゃんと呼ばれているため返事をした。

「おけー、」

「了解」

咲也は「あ、あと」と続ける。

『注意しておくと、立花組幹部の行きつけの店とかもあるから慎重にね』

私は唯斗に聞く。

「私たちが情報を聞きにきたっていう情報が漏れたら、漏らしたやつを潰してもいい?」

すると唯斗はいった。

『…、そこはお前らの判断に任せる、、

信じてるからなお前らのこと』

判断を任せてくれる、、

これも自分達がしっかりしなきゃというプレッシャーに変わるとともに信頼の表れともとれる。

ほんとに唯斗はうまい。

流星は隣で声をあげた。

「あ!

咲也あと、篝 健太郎のことも調べておいてくれると助かる」

咲也は篝の名前を把握しているようだ。

『皇花の?』

「おう」

『彼だけでいいの?』

意味深な質問だな、と思いつつ、流星は答える。

「ああ、たのむ」

『おっけー』

そこに唯斗が割ってはいった。

先程までの和やかさはない、いきなりしまる空気。

『流星、詰めが甘いな、

もっと慎重に考えてみろ、

情に流されたり、かんがえなしに動けるのはお前のいいところではあるが、今回はお前が軸になっている。

しっかりまなべ。隙なんてみせるな。

今回は完璧人間になれ』

流星の甘さを指摘する。

私に言われてるようでもあり、グサッと来た。

今日だけでヤバイと思ったシーンが何回あったか、、

私も気を引き締めなければ。

「完璧人間、、、、はい」

しゅんとした流星をみて、唯斗は少し笑って優しくいった。

『落ち込むことはない。

なんのために三人いるんだ。

しっかり相談するんだ。

琉生斗も愁も優秀だからな。

三人で流星の隙を埋めるんだ。』

流星も唯斗につられて少し笑った。

「はい。」

唯斗は私の方に目を向けた。

『琉生斗、いつでも電話してこい。

目立たないっていうのは意外に難しいじゃろ。

琉生斗は花があるからな。

今回はその真の強い目を隠す必要がある。

周りをよーく観察してみろ。

琉生斗ならできるはず、、

やろ?』

「はい、がんばります。」

頭を下げて返事をした。

そのまま、愁の方をみる。

『愁、いい働きだ。

薬に関しての知識も含め、いろんなことを吸収してこい。

いまのところ愁が一番美しいぞ。』

愁は嬉しそうに笑う。

「ありがと。

美しいままでいたいから戦闘ははずしてほしいんやけど、

どう?」

『はははは、むりだ』

画面の向こうで咲也と湊が「生意気やわ」と笑っている。

実里が声をあげた。

「ゆいちゃ!みのりはー?」

『最高にかわいい。

お前がここにいないだけですごく寂しいよ。

三人のサポート頼んだぞ。実里。』

実里は唯斗の言葉が嬉しいようでぴょんぴょん跳び跳ねた。

「きゃー、!!はいっ!!」

唯斗は私たちをしっかり見て

『じゃあ、次の連絡を待つ。頑張れよ』

といって、報告会は終わった。





























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