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始まりの始まり
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京都 神代組
桜が暗闇に紛れて散っている。
花びらがひとつ部屋にはいってくる。
一人の男がそれを拾い、月夜にかざす。
その男は真っ黒な髪と瞳。
まさに漆黒だった。
その姿を見ていた耳にたくさんのピアスをつけた男は誰にともなく話しかける。
「あの三人にいかせてよかったのか?」
漆黒はそれには反応しない。
反応しないのを見て白いかみの男が髪をなびかせながら口を開いた。
「だって俺はここで情報網張らせときゃならんしー、
かなちゃんだってそんなこと言ったって“森羅”の総長だから離れるわけにはいかんしー、、、って
考えたら妥当じゃないー?かなちゃん?」
耳にピアスをつけている男を「かなちゃん」と呼んだ男はにっこり笑った。
「まー、そうだけどよー、、
なんか初めてのおつかいにやった親みてーな
きもち」
「まー、そうだねぇ、、けどあの三人なら
大丈夫だよ、ね?ただちゃん?」
「ただちゃん」と呼ばれてずっとみているだけの漆黒が口を開いた。
「‥、、あぁ、俺らの仲間だ、うまくやるだろ
やれなかったらそれまでってことだ」
ぶれない漆黒「ただちゃん」に身震いする二人。
けれどそんなこと言っても二人はわかっている。
「そんなこといってぇ、一度引き入れた人間
を手放したことなんかないくせに」
「ただちゃん」こと神代組若頭 神代唯斗は一度つかんだものは離さないということに。
白いかみの男の茶化すような言葉に漆黒の男は美しく笑った。
「当たり前だろ、だから俺は美しく、
できるやつしか手元におかねぇんだ
今に始まったことじゃねぇだろ」
「かなちゃん」と呼ばれた男も笑う。
「そうだったな、んじゃ、連絡来るまで
俺らはゆっくりここの治安を守りつつ
待とうかね」
漆黒の男は桜の花びらを月夜にかざしながら強く言った。
「‥、そうだな、頼んだぞ、
琉生斗」
桜が暗闇に紛れて散っている。
花びらがひとつ部屋にはいってくる。
一人の男がそれを拾い、月夜にかざす。
その男は真っ黒な髪と瞳。
まさに漆黒だった。
その姿を見ていた耳にたくさんのピアスをつけた男は誰にともなく話しかける。
「あの三人にいかせてよかったのか?」
漆黒はそれには反応しない。
反応しないのを見て白いかみの男が髪をなびかせながら口を開いた。
「だって俺はここで情報網張らせときゃならんしー、
かなちゃんだってそんなこと言ったって“森羅”の総長だから離れるわけにはいかんしー、、、って
考えたら妥当じゃないー?かなちゃん?」
耳にピアスをつけている男を「かなちゃん」と呼んだ男はにっこり笑った。
「まー、そうだけどよー、、
なんか初めてのおつかいにやった親みてーな
きもち」
「まー、そうだねぇ、、けどあの三人なら
大丈夫だよ、ね?ただちゃん?」
「ただちゃん」と呼ばれてずっとみているだけの漆黒が口を開いた。
「‥、、あぁ、俺らの仲間だ、うまくやるだろ
やれなかったらそれまでってことだ」
ぶれない漆黒「ただちゃん」に身震いする二人。
けれどそんなこと言っても二人はわかっている。
「そんなこといってぇ、一度引き入れた人間
を手放したことなんかないくせに」
「ただちゃん」こと神代組若頭 神代唯斗は一度つかんだものは離さないということに。
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「当たり前だろ、だから俺は美しく、
できるやつしか手元におかねぇんだ
今に始まったことじゃねぇだろ」
「かなちゃん」と呼ばれた男も笑う。
「そうだったな、んじゃ、連絡来るまで
俺らはゆっくりここの治安を守りつつ
待とうかね」
漆黒の男は桜の花びらを月夜にかざしながら強く言った。
「‥、そうだな、頼んだぞ、
琉生斗」
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