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 怒った理由を問う内容や、謝罪文を詰め込んだメッセージを送っても既読すらつかず、悶々としたまま一睡も出来ずに朝を迎えた。
 重たいまぶたを人差し指で擦りながら学校に向かえば、学校中がザワついていて戸惑う。
 一瞬、俺と希輝のことでまた変な噂が流れたのかと思ったけど、誰も俺を気にした素振りはなく、ヒソヒソと何かを囁きあっていた。

「紡久! はよ」

 疑問で首を傾げた俺の背に、勢いよく友人の体がのしかかってきて、前に倒れそうになった。
 慌てて右手で友人の顔面を押し離して、軽く挨拶を返す。
 友樹からは相変わらず幸せオーラが溢れ出ていて、出来たばかりの彼女とうまくいっている事を示していた。

「そういや紡久、おまえの友人が今日はいつも以上に噂の的だな」
「は? 皆がさっきから話してるのって、希輝についてなのか?」

 学校中がザワついている理由に、希輝が関わっているとは思ってもみなかった。
 衝撃で通学鞄を落としそうになったけど、なんとか自分の席まで運び、友樹の両肩を掴んだ。

「希輝に何があったんだ?」
「え? い、いや。別に悪いことはなにも……」
「じゃあ何で噂になってるんだよ」

 俺の勢いに圧倒された友樹の足が一歩後ずさりながらも、指先で窓の外を指した。
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