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「う、嘘だ・・・・・・、嘘だそんなの」
自らを騙すように必死で頭を振るが、利玖は俺の逃げ道を塞ぐみたいに淡々と追い詰めてくる。
「嘘じゃないよ。秋兄ィのあの時の顔、覚えてるもん。秋兄ィ自分じゃ分かってなかったかもしれないけど、すっごく気持ち良さそうだったよ?」
「う、ううう・・・・・・」
忘れてなどいない。
ずっと記憶の奥底に隠してたんだ。
・・・・・・というか、利玖自身の記憶に残っているなんて思ってなかった。
(・・・・・・だって、あの時の利玖は、普段の利玖と同じとは思えなかったから)
あの日。風呂に入ってひとしきり二人で温まって、全身綺麗にして、そして再びゆっくり湯船に浸かって。雨の中でショックを受けていた利玖も、落ち着いたように見えたのだ。
お湯が少しぬるくなってきて、追い炊きをしようと俺が姿勢を変えた時だった。
不意に、なんの前触れもなく利玖が俺の胸部を見つめた。そして、猛然と頭を突っ込んできた、・・・・・・かのように感じた。
次の瞬間、俺の右乳首にぬめっとした柔らかい感触が走る。
「ひあっっ!!????」
浴槽の中で自由が利かない。逃れようともがくが、バシャバシャという水音が空しく響くだけだった。吸いつかれた乳首はふわふわな利玖の唇で挟まれ、ちゅうちゅう吸われた。それだけでも今まで体験したことのない感覚で頭が沸騰しそうなのに、さらに舌でチロチロとほじくられる。温かく弾力のある舌の先端。本当にこれはいたいけな小学生に付属しているものなのか。そう思えるほど、卑猥な器官に感じた。
「ぉお゛っっ、やあ゛っ゛♡や゛あ゛ぁ゛っ゛っ゛♡!!?」
利玖のふにゃふにゃで未発達な口淫は俺の敏感な乳頭をえぐるように舐め上げる。熟練したその道のプロかと感じるほど、利玖の舌の動きは的確に執拗に俺を追い込んだ。
「な、な゛に゛こ、れ゛・・・・・・♡♡ああ゛っ゛、あ゛ぁ゛ぁ゛っ゛っ゛♡♡!!」
ちゅうちゅうっ♡ちゅうちゅうっ♡
いくら暴れてもちっとも離れてくれない。肩を掴んでやっとの思いで引き剥がした。しかしじんじんという疼きは一向に収まらない。
(・・・・・・な、なんなんだ一体?)
「秋兄ィ・・・・・・」
「えっ・・・・・・!?ちょ、ま、待て利玖!」
息つく間も与えてもらえず、再び利玖がにじりよってくる。俺の静止も耳に入っていないみたいだった。
追い詰められた俺は側の蛇口から冷水を出すと、水流に指を当てて思い切り利玖に浴びせた。
「ごめんっ、利玖!」
「ぶわああっ!?」
びしゃびしゃと顔に冷たい水が命中し、利玖の目がやっと正気を取り戻したようにしゃんとする。
「つ、つめたぁ・・・・・・。あれ、秋兄ィ・・・・・・?」
状況が飲み込めていないような顔に、俺はそ知らぬ顔で言う。
「あ、ああすまん!ちょっと考え事してて・・・・・・、お湯入れるつもりが間違えちゃったんだ。お前のほうこそ大丈夫か?ボーっとしてたみたいだけど、だいぶ浸かってたからのぼせちゃったんじゃないか?もう出たほうがいいかもな」
内心は心臓バクバクだった。しばらくぽかんとしていた利玖だが、じきに頷く。
「うん・・・・・・。もう出るよ」
じゃばっと音を立てて出て行く利玖を見送り、すぐあとに続けて出ようとする。だが、ふと下半身にとてつもない重苦しさを感じた。
覚えのありすぎるその感覚に、ばっと下を確認する。
「まじか・・・・・・」
俺のペニスは、今すぐ吐精したいと訴えるようにガチガチに勃っていた。年端もいかない小学生に乳首を吸われて、俺は興奮したのだ。
その場で抜きたいのはやまやまだったが、あの状態の利玖を一人にしておくわけにはいかない。
俺は急いで冷水を浴びて一息つき、急いで風呂場を出る。乳首を吸われたときに、何か気持ち良い以外の感覚がぐっと込み上げてきていたような気がしたのが心に引っかかったが、気にしないようにして。
・・・・・・結局、その件について特にその後利玖の方から言及などなかったが、俺はしばらく気が気でなかった。
(チンコ勃ったところ、利玖に見られてたんじゃ・・・・・・)
親からの愛情を上手く感じられない子供に見られる行動の一つに赤ちゃん返りがあることはその後知った。だとしたら、恐らく利玖もあの日人恋しさのあまりあんなことになったのではないだろうか。母親でも、ましてや女でもない人間の乳首に吸い付いたという事例があるのかは分からなかったが・・・・・・。
どちらにせよ、またあのように暴走されでもしたら大変まずい。それだけは確かだ。
(これからはなるべく利玖にかまってやって、寂しく思われないようにしないと・・・・・・)
そう決心し、俺は今日までせっせと隣家の小学生の元に向かい、一緒の時間を過ごしてきたわけだ。いつ利玖からあの日のことを持ち出されるかと思うと不安で叫び出してしまいそうなほどだったが、俺の心配をよそに平穏な日々が流れていった。利玖はあの日から本来の明るい子供らしい性格に戻り、のん気にアニメを見たりおやつを食べたり、俺に学校で流行っているというカードゲームの対戦相手になってくれとせがんだりしている。じきに俺は、あの日のことはやはり何かの間違いだったと確信できるほどになっていた。
利玖はあの時のことなんて覚えていない。母親のいなくなったショックで、我を忘れていただけなんだ。
(そうだ。俺があえて蒸し返したりしない限り、誰もあの時のことを知ってる人なんていない・・・・・・)
ならば、特段気を使って利玖と接する必要はないだろう。一生黙って、知らぬふりをして、墓まで持っていこうと思っていたのだ。
そうすれば、俺も利玖もきっと普通に毎日を過ごせる。
利玖はそのうち大人になる。俺のことなんか忘れるだろう。そして俺も。あの時のことなんかなかったようにいずれは生きていける。
俺はそのことを心の奥に封印することに決めたのである。単純に、二度とあんなことが起こらないようにというのもあるが、小学生、それも母親が突然いなくなって心に大きな傷を作っている子供からそんなことをされて勃起しただなんて・・・・・・。
(言えるわけない、誰にも・・・・・・)
もし表に出るようなことがあれば、利玖をもっと傷つけてしまうだろう。あんな純粋で、可愛くて、小さな小さな利玖を。
日々を過ごすうち、俺は隣家の小学生を弟同然に可愛がる良きお兄さんとなることに成功した。
しかし、何気ないことがとっかかりになってあの日のことが何度も俺の中で蘇ろうとする。
その手の本で、男の乳首開発に関する記事を目にした時。利玖の家で夕飯を食べ終わって一心地ついた頃、利玖が無邪気に風呂に誘ってきた時。
内定先の研修で見せられた動画で、出産した女性が「初めてこの子におっぱいを吸われた瞬間、それまで感じたことのない母性というものがぶわあっと込み上げてきたんです」と、愛おしそうな笑顔を子に向けていた時。
(このままだと、いつか取り返しのつかないところまで行ってしまうかもしれない)
無意識のうちに、そう思っていた。俺は、インターンに行くためしばらく会えなくなることを利玖に黙っていた。卒業後はなおさら会う時間が減ることも。さらに、実家を離れて会社の近くで一人暮らしを検討していることさえも、利玖に黙って言わなかった。
全ては、利玖の元から静かにフェードアウトするため。なるべく距離を置いて、そのうち利玖の意識からも自分が消えるように。
数年したら、“そういえばそんな兄ちゃん隣に住んでたな”レベルの存在感になれるように。
はっきりとした意思がなくとも、そうなるように俺から仕向けていたんだ。
だがとんでもない思い違いをしていた。
利玖があの時のことを覚えていた。
そればかりか、小学生離れしたエロテクを自分のものとするほどに、俺に執着していただなんて。
思っていなかった。
けれど。
離れようと必死でいたけど、それは俺が利玖のことを大事に思っているからなんだ。
俺は、利玖のことが可愛くて仕方ないんだ。
自らを騙すように必死で頭を振るが、利玖は俺の逃げ道を塞ぐみたいに淡々と追い詰めてくる。
「嘘じゃないよ。秋兄ィのあの時の顔、覚えてるもん。秋兄ィ自分じゃ分かってなかったかもしれないけど、すっごく気持ち良さそうだったよ?」
「う、ううう・・・・・・」
忘れてなどいない。
ずっと記憶の奥底に隠してたんだ。
・・・・・・というか、利玖自身の記憶に残っているなんて思ってなかった。
(・・・・・・だって、あの時の利玖は、普段の利玖と同じとは思えなかったから)
あの日。風呂に入ってひとしきり二人で温まって、全身綺麗にして、そして再びゆっくり湯船に浸かって。雨の中でショックを受けていた利玖も、落ち着いたように見えたのだ。
お湯が少しぬるくなってきて、追い炊きをしようと俺が姿勢を変えた時だった。
不意に、なんの前触れもなく利玖が俺の胸部を見つめた。そして、猛然と頭を突っ込んできた、・・・・・・かのように感じた。
次の瞬間、俺の右乳首にぬめっとした柔らかい感触が走る。
「ひあっっ!!????」
浴槽の中で自由が利かない。逃れようともがくが、バシャバシャという水音が空しく響くだけだった。吸いつかれた乳首はふわふわな利玖の唇で挟まれ、ちゅうちゅう吸われた。それだけでも今まで体験したことのない感覚で頭が沸騰しそうなのに、さらに舌でチロチロとほじくられる。温かく弾力のある舌の先端。本当にこれはいたいけな小学生に付属しているものなのか。そう思えるほど、卑猥な器官に感じた。
「ぉお゛っっ、やあ゛っ゛♡や゛あ゛ぁ゛っ゛っ゛♡!!?」
利玖のふにゃふにゃで未発達な口淫は俺の敏感な乳頭をえぐるように舐め上げる。熟練したその道のプロかと感じるほど、利玖の舌の動きは的確に執拗に俺を追い込んだ。
「な、な゛に゛こ、れ゛・・・・・・♡♡ああ゛っ゛、あ゛ぁ゛ぁ゛っ゛っ゛♡♡!!」
ちゅうちゅうっ♡ちゅうちゅうっ♡
いくら暴れてもちっとも離れてくれない。肩を掴んでやっとの思いで引き剥がした。しかしじんじんという疼きは一向に収まらない。
(・・・・・・な、なんなんだ一体?)
「秋兄ィ・・・・・・」
「えっ・・・・・・!?ちょ、ま、待て利玖!」
息つく間も与えてもらえず、再び利玖がにじりよってくる。俺の静止も耳に入っていないみたいだった。
追い詰められた俺は側の蛇口から冷水を出すと、水流に指を当てて思い切り利玖に浴びせた。
「ごめんっ、利玖!」
「ぶわああっ!?」
びしゃびしゃと顔に冷たい水が命中し、利玖の目がやっと正気を取り戻したようにしゃんとする。
「つ、つめたぁ・・・・・・。あれ、秋兄ィ・・・・・・?」
状況が飲み込めていないような顔に、俺はそ知らぬ顔で言う。
「あ、ああすまん!ちょっと考え事してて・・・・・・、お湯入れるつもりが間違えちゃったんだ。お前のほうこそ大丈夫か?ボーっとしてたみたいだけど、だいぶ浸かってたからのぼせちゃったんじゃないか?もう出たほうがいいかもな」
内心は心臓バクバクだった。しばらくぽかんとしていた利玖だが、じきに頷く。
「うん・・・・・・。もう出るよ」
じゃばっと音を立てて出て行く利玖を見送り、すぐあとに続けて出ようとする。だが、ふと下半身にとてつもない重苦しさを感じた。
覚えのありすぎるその感覚に、ばっと下を確認する。
「まじか・・・・・・」
俺のペニスは、今すぐ吐精したいと訴えるようにガチガチに勃っていた。年端もいかない小学生に乳首を吸われて、俺は興奮したのだ。
その場で抜きたいのはやまやまだったが、あの状態の利玖を一人にしておくわけにはいかない。
俺は急いで冷水を浴びて一息つき、急いで風呂場を出る。乳首を吸われたときに、何か気持ち良い以外の感覚がぐっと込み上げてきていたような気がしたのが心に引っかかったが、気にしないようにして。
・・・・・・結局、その件について特にその後利玖の方から言及などなかったが、俺はしばらく気が気でなかった。
(チンコ勃ったところ、利玖に見られてたんじゃ・・・・・・)
親からの愛情を上手く感じられない子供に見られる行動の一つに赤ちゃん返りがあることはその後知った。だとしたら、恐らく利玖もあの日人恋しさのあまりあんなことになったのではないだろうか。母親でも、ましてや女でもない人間の乳首に吸い付いたという事例があるのかは分からなかったが・・・・・・。
どちらにせよ、またあのように暴走されでもしたら大変まずい。それだけは確かだ。
(これからはなるべく利玖にかまってやって、寂しく思われないようにしないと・・・・・・)
そう決心し、俺は今日までせっせと隣家の小学生の元に向かい、一緒の時間を過ごしてきたわけだ。いつ利玖からあの日のことを持ち出されるかと思うと不安で叫び出してしまいそうなほどだったが、俺の心配をよそに平穏な日々が流れていった。利玖はあの日から本来の明るい子供らしい性格に戻り、のん気にアニメを見たりおやつを食べたり、俺に学校で流行っているというカードゲームの対戦相手になってくれとせがんだりしている。じきに俺は、あの日のことはやはり何かの間違いだったと確信できるほどになっていた。
利玖はあの時のことなんて覚えていない。母親のいなくなったショックで、我を忘れていただけなんだ。
(そうだ。俺があえて蒸し返したりしない限り、誰もあの時のことを知ってる人なんていない・・・・・・)
ならば、特段気を使って利玖と接する必要はないだろう。一生黙って、知らぬふりをして、墓まで持っていこうと思っていたのだ。
そうすれば、俺も利玖もきっと普通に毎日を過ごせる。
利玖はそのうち大人になる。俺のことなんか忘れるだろう。そして俺も。あの時のことなんかなかったようにいずれは生きていける。
俺はそのことを心の奥に封印することに決めたのである。単純に、二度とあんなことが起こらないようにというのもあるが、小学生、それも母親が突然いなくなって心に大きな傷を作っている子供からそんなことをされて勃起しただなんて・・・・・・。
(言えるわけない、誰にも・・・・・・)
もし表に出るようなことがあれば、利玖をもっと傷つけてしまうだろう。あんな純粋で、可愛くて、小さな小さな利玖を。
日々を過ごすうち、俺は隣家の小学生を弟同然に可愛がる良きお兄さんとなることに成功した。
しかし、何気ないことがとっかかりになってあの日のことが何度も俺の中で蘇ろうとする。
その手の本で、男の乳首開発に関する記事を目にした時。利玖の家で夕飯を食べ終わって一心地ついた頃、利玖が無邪気に風呂に誘ってきた時。
内定先の研修で見せられた動画で、出産した女性が「初めてこの子におっぱいを吸われた瞬間、それまで感じたことのない母性というものがぶわあっと込み上げてきたんです」と、愛おしそうな笑顔を子に向けていた時。
(このままだと、いつか取り返しのつかないところまで行ってしまうかもしれない)
無意識のうちに、そう思っていた。俺は、インターンに行くためしばらく会えなくなることを利玖に黙っていた。卒業後はなおさら会う時間が減ることも。さらに、実家を離れて会社の近くで一人暮らしを検討していることさえも、利玖に黙って言わなかった。
全ては、利玖の元から静かにフェードアウトするため。なるべく距離を置いて、そのうち利玖の意識からも自分が消えるように。
数年したら、“そういえばそんな兄ちゃん隣に住んでたな”レベルの存在感になれるように。
はっきりとした意思がなくとも、そうなるように俺から仕向けていたんだ。
だがとんでもない思い違いをしていた。
利玖があの時のことを覚えていた。
そればかりか、小学生離れしたエロテクを自分のものとするほどに、俺に執着していただなんて。
思っていなかった。
けれど。
離れようと必死でいたけど、それは俺が利玖のことを大事に思っているからなんだ。
俺は、利玖のことが可愛くて仕方ないんだ。
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