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空波遥の章
新しいクラス
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空波は、まるで王のような身振りでふんすふんすとドヤっていた。
「おー話したまえ話したまえよ!聡の可愛らしさは、独り占めしないで皆で共有しないとね!だ・け・ど~!」
じっとりオレの顔を見る空波。
「う、うえっ・・・・・・?」
今朝から散々味わわされている、例の嫌な予感がして思わず椅子の上で後ろに身を引く。
「僕が思いっきり堪能した後にねーっ!!!」
勢いをつけてがばっと抱きついてこようとする空波をすんでのところでかわすと、顔面スレスレのところで彼のからぶった腕が横切っていった。
「ぶううぅっ!?どうして避けるの聡っ!?」
不満を露にするセーラー美人。
「なんでもクソもあるかっ!お前なあ、やってることが痴漢のそれと一緒だぞ!」
「ああんっ!聡、何も分かってない!これはこれから愛を深めていくだろう僕らの初めてのスキンシップ・・・・・・。ラブなストーリーの序章なんだよ?さあさあためらわないで僕の胸に顔を埋め・・・・・・」
「ええいっ!しつけーぞこのヒグマ系男子!」
「えっ?誰がヒグマ系男子!?まさか僕っ!?そんなはずない、僕は優雅に踊る熱帯魚や艶やかな鳥のように美しくて綺麗だろっ」
「うるせえっ!それを捕食する側のくせに!!」
ドタバタ劇を繰り広げるオレたちのことを、先ほど声をかけてきた数人の生徒たちがぽかんとした顔で見つめていた。
「な、なんか、結城くんって転校してきたばかりなのにもう空波さんと仲良しって感じがしてくるね」
そんな言葉が聞こえてきてオレはぎょっとしてしまい、なおも覆いかぶさってこようとする空波を両手で押しのけながらそちらを振り向く。
「へ?な、仲良し・・・・・・?」
目を丸くするオレに、彼らはクスクスと可愛らしく笑いながら答える。
「うん、なんか、見ている側も和むっていうか・・・・・・。変だね、二人とも今日会ったばかりなんでしょう?」
予想外の言葉に呆然とするオレと、なぜか誇らしげに鼻を鳴らす空波。
「ふっふっふ、そのとーりっ!もう友達なんだよ~!」
「え・・・・・・」
なんだか微かに心がざわついて、オレは呆けた表情で空波を見る。
友達・・・・・・。
「まっ、じきに“友達”から昇格するから、“今のところは”がつくんだけどね~」
その絶妙に癪に障るドヤ顔に、微かレベルだったオレの心のざわつきは雲散霧消した。
「あっ、オレ予習に戻るから」
「うほほ~い!無視せんといて~!!」
「おー話したまえ話したまえよ!聡の可愛らしさは、独り占めしないで皆で共有しないとね!だ・け・ど~!」
じっとりオレの顔を見る空波。
「う、うえっ・・・・・・?」
今朝から散々味わわされている、例の嫌な予感がして思わず椅子の上で後ろに身を引く。
「僕が思いっきり堪能した後にねーっ!!!」
勢いをつけてがばっと抱きついてこようとする空波をすんでのところでかわすと、顔面スレスレのところで彼のからぶった腕が横切っていった。
「ぶううぅっ!?どうして避けるの聡っ!?」
不満を露にするセーラー美人。
「なんでもクソもあるかっ!お前なあ、やってることが痴漢のそれと一緒だぞ!」
「ああんっ!聡、何も分かってない!これはこれから愛を深めていくだろう僕らの初めてのスキンシップ・・・・・・。ラブなストーリーの序章なんだよ?さあさあためらわないで僕の胸に顔を埋め・・・・・・」
「ええいっ!しつけーぞこのヒグマ系男子!」
「えっ?誰がヒグマ系男子!?まさか僕っ!?そんなはずない、僕は優雅に踊る熱帯魚や艶やかな鳥のように美しくて綺麗だろっ」
「うるせえっ!それを捕食する側のくせに!!」
ドタバタ劇を繰り広げるオレたちのことを、先ほど声をかけてきた数人の生徒たちがぽかんとした顔で見つめていた。
「な、なんか、結城くんって転校してきたばかりなのにもう空波さんと仲良しって感じがしてくるね」
そんな言葉が聞こえてきてオレはぎょっとしてしまい、なおも覆いかぶさってこようとする空波を両手で押しのけながらそちらを振り向く。
「へ?な、仲良し・・・・・・?」
目を丸くするオレに、彼らはクスクスと可愛らしく笑いながら答える。
「うん、なんか、見ている側も和むっていうか・・・・・・。変だね、二人とも今日会ったばかりなんでしょう?」
予想外の言葉に呆然とするオレと、なぜか誇らしげに鼻を鳴らす空波。
「ふっふっふ、そのとーりっ!もう友達なんだよ~!」
「え・・・・・・」
なんだか微かに心がざわついて、オレは呆けた表情で空波を見る。
友達・・・・・・。
「まっ、じきに“友達”から昇格するから、“今のところは”がつくんだけどね~」
その絶妙に癪に障るドヤ顔に、微かレベルだったオレの心のざわつきは雲散霧消した。
「あっ、オレ予習に戻るから」
「うほほ~い!無視せんといて~!!」
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