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空波遥の章
最悪の出会い③
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「どれどれ~?ちょいと小柄プリティー男子のお身体ボディチェックさせてっ!ボディチェック~♪ふふふふ♪」
いきなり手を伸ばしオレのわき腹や腰をぺたぺた触り始めたのである。
「っっ!!??どうわああっ!!???」
服の上から感じる、きわどい部分へ施される美少女の繊細な指での圧力。触れられたところが、瞬時に沸騰しそうなレベルの熱を持った。
「あわわわっ、うわわわあぁっっ!!」
ビンッと強ばるオレの背筋。思わず飛びのいてしまったのをばっちり見られ、「あははははっ」と笑われる。
あまつさえ。
「かーわーいーい・・・・・・。ねえ、彼女いるの?てかどこ住み?LINEやってる?」
「いや、出会い厨じゃねえか!」
百人中百人ができそうなクソつまらん突っ込みをしてしまった。謎に恥ずかしい。
「ふふふっ、ノリいーねー君!気に入っちゃった~・・・・・・って、ああごめんごめん。そんな露骨な反応しないで?」
そろそろと間合いを作ろうとしているのがバレた。片目だけを閉じて両手を顔の横で合わせてみせるその仕草もいちいち絵になる。それはもうもはや腹立つほどに。
「そういえば名前言ってなかったね。空波遥って言います!・・・・・・君は?」
オレが空波遥の名を知った瞬間である。名前までなんだか透明感があって漫画チックだ。
「・・・・・・結城、聡(ゆうき さとし)」
嫌々ながらフルネームを伝えるオレ(怪しい人には名前を教えちゃいけませんと教えられてきたので)。正直、とっととこの会話を切り上げてどこかよそに行きたい。その一念がオレの中で満ち満ちていた。
しかし。
「結城くん!よろしくね!」
ぱっと顔を輝かせた空波が、片手をオレの右手に伸ばしてきたではないか。そのまま握られて、揉むようにして上下に振られて・・・・・・。
「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
見たことない数のびっくりマークを並べて、オレは声にならない悲鳴を上げる。服の上から触られた時の比ではない。自身の手から直に伝わる、しっとりと温かくて柔らかい感触・・・・・・。
顔が沸騰する。頭の中が真っ赤に染まった。全ての毛が逆立ち、穴という穴から何かが噴出しそうになる。
ああああああああああああああああ!!!!!
オオオオオオオオオオオオオレ、今じょしゅとてぇちゅっ、噛んじゃった。オレ今女子と手繋いでる!!!!!!!!!!!!!!!!!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・まあ認める。オレこと結城聡が彼女いない暦=年齢だってことは。
けど、ここでみんなにも一つ知っていてほしいことがある。
すっげー美人って、至近距離で見るととんでもねえ迫力なんだ。
冗談ではなく、空波悠の顔面は輝いていた。街で見かけた芸能人はすごいオーラを放っていた、とよく聞くがこれがあの!といった感じだ。
硬直しているオレと、子犬動画かなんか見ているような目をしている空波。
「ふふっ、ゆーうきくーんっ」
そして空波は。
「か~わ~い~い」
立ち尽くすオレの前で身体を曲げ、じっとりとした目線を向けてくる。じわじわと顔が近づいてきて、吐息がかか る。
「え、え、・・・・・・あ?」
一歩も動けない。オレは足がすくんでいた。
長い睫毛に縁取られたビー玉のような目が、まっすぐオレを捉えている。
いきなり手を伸ばしオレのわき腹や腰をぺたぺた触り始めたのである。
「っっ!!??どうわああっ!!???」
服の上から感じる、きわどい部分へ施される美少女の繊細な指での圧力。触れられたところが、瞬時に沸騰しそうなレベルの熱を持った。
「あわわわっ、うわわわあぁっっ!!」
ビンッと強ばるオレの背筋。思わず飛びのいてしまったのをばっちり見られ、「あははははっ」と笑われる。
あまつさえ。
「かーわーいーい・・・・・・。ねえ、彼女いるの?てかどこ住み?LINEやってる?」
「いや、出会い厨じゃねえか!」
百人中百人ができそうなクソつまらん突っ込みをしてしまった。謎に恥ずかしい。
「ふふふっ、ノリいーねー君!気に入っちゃった~・・・・・・って、ああごめんごめん。そんな露骨な反応しないで?」
そろそろと間合いを作ろうとしているのがバレた。片目だけを閉じて両手を顔の横で合わせてみせるその仕草もいちいち絵になる。それはもうもはや腹立つほどに。
「そういえば名前言ってなかったね。空波遥って言います!・・・・・・君は?」
オレが空波遥の名を知った瞬間である。名前までなんだか透明感があって漫画チックだ。
「・・・・・・結城、聡(ゆうき さとし)」
嫌々ながらフルネームを伝えるオレ(怪しい人には名前を教えちゃいけませんと教えられてきたので)。正直、とっととこの会話を切り上げてどこかよそに行きたい。その一念がオレの中で満ち満ちていた。
しかし。
「結城くん!よろしくね!」
ぱっと顔を輝かせた空波が、片手をオレの右手に伸ばしてきたではないか。そのまま握られて、揉むようにして上下に振られて・・・・・・。
「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
見たことない数のびっくりマークを並べて、オレは声にならない悲鳴を上げる。服の上から触られた時の比ではない。自身の手から直に伝わる、しっとりと温かくて柔らかい感触・・・・・・。
顔が沸騰する。頭の中が真っ赤に染まった。全ての毛が逆立ち、穴という穴から何かが噴出しそうになる。
ああああああああああああああああ!!!!!
オオオオオオオオオオオオオレ、今じょしゅとてぇちゅっ、噛んじゃった。オレ今女子と手繋いでる!!!!!!!!!!!!!!!!!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・まあ認める。オレこと結城聡が彼女いない暦=年齢だってことは。
けど、ここでみんなにも一つ知っていてほしいことがある。
すっげー美人って、至近距離で見るととんでもねえ迫力なんだ。
冗談ではなく、空波悠の顔面は輝いていた。街で見かけた芸能人はすごいオーラを放っていた、とよく聞くがこれがあの!といった感じだ。
硬直しているオレと、子犬動画かなんか見ているような目をしている空波。
「ふふっ、ゆーうきくーんっ」
そして空波は。
「か~わ~い~い」
立ち尽くすオレの前で身体を曲げ、じっとりとした目線を向けてくる。じわじわと顔が近づいてきて、吐息がかか る。
「え、え、・・・・・・あ?」
一歩も動けない。オレは足がすくんでいた。
長い睫毛に縁取られたビー玉のような目が、まっすぐオレを捉えている。
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