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ハーレム第4章 ショタと俺
二限には間に合いました
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「おいひかり」
無言で座っている俺に、赤火が振り返って話しかけてくる。窓の外がかなり暗くなり始めていることに、そこで気が付いた。みんなの迎えがやってくる時間が近い。
「・・・・・・な、何?」
「なんか、暗い顔してんな」
俺の心を見透かすような・・・・・・、いや、見定めるような目をしている。
先ほどまでの年相応の少年然とした様子からがらりと姿を変えたその態度に、俺の心臓は跳ね上がる。身動きが取れない。赤火から視線を反らせない。でも、なんだろう、この・・・・・・。
胸の高まりが治まらない。追い詰められているのに。心身共に弱みを握られているのに。
なんで、俺はちっとも嫌な感情が沸かないどころか・・・・・・。
「・・・・・・したくないのか?やっぱり」
赤火の顔が険しくなる。他の子供たちも俺たちの会話に気づき次々に振り向く。
「ち、ちが・・・・・・」
言葉が上手く出ない。舌がカラカラに乾く。身体の末端が冷えていくのに、鼓動だけは俺の中心でドクドク動いている。
「ひかり・・・・・・」
赤火が俺の名前を呼ぶ。切なげな気持ちの入り混じる、でも熱い瞳。思わず見とれてしまうくらいに、強い瞳。
いつの間にか、大人っぽい表情するようになったんだなあ。まだ三年生だけどさ、初めて会ったあの頃の彼とは全然違う。大きくなったんだ、あの頃はただ可愛いだけだったのに。そんな思いがじわりと胸の奥から滲む。
青太が、梨黄が、緑葉が、紫音が、真白が。俺のことを見ている。早く自分達の元に来ればいいのにと待ちわびているような表情の子。不安がちな、戸惑いがちな子。でも分かる。みんな、俺のことを心の底で信じている。怖がりな俺が自分たちの所に飛び込んでくるのを待ってくれている。そんな目で俺のことを・・・・・・じっと見ている。
逃げ腰の俺とは違って、俺の真正面で。
ならば答えないと。何か。この子たちに。そうしないといけない。俺は。
子供に対する態度が、とか大人のしての対応が、とかそんなことから遠い遠い場所にあるもの。
俺は、この子たちが大好きだ。この子たちのためなら、俺は何だってしてしまうかもしれない。
あの時とは比べ物にならないような強い気持ちが、今俺の中から湧き上がってきていた。
正直、怖い。この子たちと歩いていく道で、一体何が起こるのか、想像すらできなくて。なのにそんな俺の迷いを消し飛ばしてしまうくらいに真っ直ぐな彼らが、俺の背中を押した。
「嫌じゃ・・・・・・、ない」
搾り出した声は、俺の思っていた以上に大きく部屋の中に響く。
「気持ち・・・・・・、よかった・・・・・・」
やがて彼らが浮かべた笑顔が、俺の心を温かい温かい幸福で満たした。
あれからほぼ一週間が経つ。
ふらふらと立ち上がり、ようやく俺は出かける支度を始めた。擦りすぎてパンツの中がヒリヒリする。そんなになってもまだ熱を帯びているそこを躍起になって宥めつける。どうかすると頭に浮かぶ彼らの眼差しを消し去らなければ、もうとても日常が送れそうにない。
彼らに身を任せようと決めたあの時の自分を思い出す。みんなの俺へ向けられる視線を思い出すだけで、俺は切なく甘い気持ちでいっぱいになり・・・・・・。そして何度でも俺の中心に熱いものが込み上げる。
何度自分で処理をしても収まる気がしない。俺は、俺の身体は、彼らに触られ、高められ、翻弄され、そして一緒になることを望んでいる。
家を出てやっとの思いで駅に着く。出かけに寄ったコンビニで購入した栄養ゼリーを流し込みながら、虚ろな目でスマホのカレンダーを見た。
ハロウィーンイベントは明日に迫っている。
無言で座っている俺に、赤火が振り返って話しかけてくる。窓の外がかなり暗くなり始めていることに、そこで気が付いた。みんなの迎えがやってくる時間が近い。
「・・・・・・な、何?」
「なんか、暗い顔してんな」
俺の心を見透かすような・・・・・・、いや、見定めるような目をしている。
先ほどまでの年相応の少年然とした様子からがらりと姿を変えたその態度に、俺の心臓は跳ね上がる。身動きが取れない。赤火から視線を反らせない。でも、なんだろう、この・・・・・・。
胸の高まりが治まらない。追い詰められているのに。心身共に弱みを握られているのに。
なんで、俺はちっとも嫌な感情が沸かないどころか・・・・・・。
「・・・・・・したくないのか?やっぱり」
赤火の顔が険しくなる。他の子供たちも俺たちの会話に気づき次々に振り向く。
「ち、ちが・・・・・・」
言葉が上手く出ない。舌がカラカラに乾く。身体の末端が冷えていくのに、鼓動だけは俺の中心でドクドク動いている。
「ひかり・・・・・・」
赤火が俺の名前を呼ぶ。切なげな気持ちの入り混じる、でも熱い瞳。思わず見とれてしまうくらいに、強い瞳。
いつの間にか、大人っぽい表情するようになったんだなあ。まだ三年生だけどさ、初めて会ったあの頃の彼とは全然違う。大きくなったんだ、あの頃はただ可愛いだけだったのに。そんな思いがじわりと胸の奥から滲む。
青太が、梨黄が、緑葉が、紫音が、真白が。俺のことを見ている。早く自分達の元に来ればいいのにと待ちわびているような表情の子。不安がちな、戸惑いがちな子。でも分かる。みんな、俺のことを心の底で信じている。怖がりな俺が自分たちの所に飛び込んでくるのを待ってくれている。そんな目で俺のことを・・・・・・じっと見ている。
逃げ腰の俺とは違って、俺の真正面で。
ならば答えないと。何か。この子たちに。そうしないといけない。俺は。
子供に対する態度が、とか大人のしての対応が、とかそんなことから遠い遠い場所にあるもの。
俺は、この子たちが大好きだ。この子たちのためなら、俺は何だってしてしまうかもしれない。
あの時とは比べ物にならないような強い気持ちが、今俺の中から湧き上がってきていた。
正直、怖い。この子たちと歩いていく道で、一体何が起こるのか、想像すらできなくて。なのにそんな俺の迷いを消し飛ばしてしまうくらいに真っ直ぐな彼らが、俺の背中を押した。
「嫌じゃ・・・・・・、ない」
搾り出した声は、俺の思っていた以上に大きく部屋の中に響く。
「気持ち・・・・・・、よかった・・・・・・」
やがて彼らが浮かべた笑顔が、俺の心を温かい温かい幸福で満たした。
あれからほぼ一週間が経つ。
ふらふらと立ち上がり、ようやく俺は出かける支度を始めた。擦りすぎてパンツの中がヒリヒリする。そんなになってもまだ熱を帯びているそこを躍起になって宥めつける。どうかすると頭に浮かぶ彼らの眼差しを消し去らなければ、もうとても日常が送れそうにない。
彼らに身を任せようと決めたあの時の自分を思い出す。みんなの俺へ向けられる視線を思い出すだけで、俺は切なく甘い気持ちでいっぱいになり・・・・・・。そして何度でも俺の中心に熱いものが込み上げる。
何度自分で処理をしても収まる気がしない。俺は、俺の身体は、彼らに触られ、高められ、翻弄され、そして一緒になることを望んでいる。
家を出てやっとの思いで駅に着く。出かけに寄ったコンビニで購入した栄養ゼリーを流し込みながら、虚ろな目でスマホのカレンダーを見た。
ハロウィーンイベントは明日に迫っている。
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