42 / 47
41 パーティーが始まる
しおりを挟む
王宮で一番の広さを持つピレネー城の間で、パーティーは始まった。
夜空を流れる星のような光を放つシャンデリア、まるで絵画が飛び出したみたいな色とりどりの料理とお菓子が並んで、会場全体を柔らかく包み込むような弦楽器の音……どれも建国記念に相応しい華美だけど品格のある様子だった。
「オディール……そのドレスは……?」と、アンドレイ様が目を見張って呟くように言った。
「えぇ、式典では殿下の側近の方と色が重なってしまったので着替えましたの。さすがに王子殿下が直々に指名をされた側近が罰せられるのは可哀想ですわ」
わたしはわざとらしい憐憫の視線を彼に向ける。
「そ、そうか……」と、アンドレイ様は少したじろぐ様子を見せた。
ナージャ子爵令嬢の罪は重い。下の者が上の者を挑発するような行為はご法度だ。
礼儀を知らない令嬢だと貴族社会では爪弾きにされる可能性が高いし、仮にわたしがアンドレイ様と婚姻を結んで既に王族になっていたら、それだけでは済まされなかっただろう。
だから彼女の批判を和らげるためにも、高い身分のわたしが敢えて着替えてあげたのだ。
……ま、ドレスコードが昼と夜では異なるので、もとよりイブニングドレスを用意していたのだけど。
それに侯爵令嬢側が一歩引くことで子爵令嬢の非常識さ――同時に王子の愚かさが浮き彫りになるし、一石二鳥ね。
今夜のわたしのドレスは鮮やかな赤紫色だ。本当は真紅のドレスが良かったのだけれど、まだアンドレイ様の婚約者なので彼の瞳の色の青い要素をほんの少しだけ取り入れた。
デコルテが大胆に開いたマーメードラインのドレス。裾は波紋のように広がって、歩くとゆらりと揺れて優雅に泳いでいるようだ。
「変でしょうか?」と、素知らぬ顔で訊いてみる。
「いや……」アンドレイ様は考えるように一拍置いてから「似合っているじゃないか。普段のものより、ずっといい」
「そうですか。ありがとうございます」
意外な言葉に驚きながらも、ニコリと笑ってみせた。
わたしとアンドレイ様は王族用の扉から会場へと入場する。すると、瞬く間に貴族たちの注目の的になった。手前から波のようにざわめきが起こる。
囁き声に耳を立ててみると、その内容は主にわたしのドレスだった。
彼らは昼に侯爵令嬢が王子の側近の子爵令嬢と色被りをしたことが非常に気になっているようで、様々な憶測が飛び交っているようだ。
わたしは「なにも知りませんわ」というような澄まし顔で王族用の定位置に着く。数段高いこの場所は会場の様子がよく見えた。
両親と目が合う。二人とも娘のドレス姿に苦虫を噛み潰したような顔をしていた。
お母様には今日のドレスを事前に見せていた。でも、それはフェイクだ。
アフタヌーンドレスは実際に式典で着用したものを見せたが、イブニングドレスは王子の金髪をイメージした黄色のパステルカラーのフリフリした可愛らしいドレスを提示していた。
それが蓋を開けてみれば胸元が大胆に開いたセクシーなマーメイドドレスだ。両親の驚きは相当のものかもしれないわね。
不意に視線を感じたので、目を向ける。
……案の定、ナージャ子爵令嬢だ。驚愕した様子でまるで珍獣でも眺めるみたいにわたしをジロジロと見つめていた。
彼女は昼間と同じアンドレイ様の瞳の色のドレスのままで、式典のときより豪華なパリュールを装着していた。それは子爵家の財力では用意できないような最高級品だと一目で分かる宝石だった。
きっとアンドレイ様が今日のためにプレゼントしたのね。もしかしてあれらも盗品かしら……なんて、他人事のようにぼんやりと考える。
会場にはガブリエラさんとリヨネー伯爵令息の姿もあった。目が合うなり、グッと親指を立ててくれた。わたしも目線で合図をしながら深く頷く。
二人の顔を見てなんだか安心したわ。味方がいるってなんて心強いのかしら。
「国王陛下、王妃殿下、及びローラント王国王太子殿下、御成です」
しばらくして、陛下方の御出だ。ゲストの王太子殿下を伴ってのご臨場である。
またもや令嬢たちから黄色い声が上がる。昼の式典では王太子殿下と会話をする機会が設けられなかったので、今夜こそはと彼女たちは必死の形相だった。
わたしは今回も王族の席で貴族たちの挨拶を受けた。若い令嬢は王太子殿下へのアピールに一生懸命で、夫人たちはこれまでのドレス姿とは様変わりした侯爵令嬢に好奇の視線を向けていた。
時折り、近くに控えている王子の側近の子爵令嬢と見比べられる。どちらに付くか決めかねているのかしら。
一見すると、王子の寵愛を受けているように思われる子爵令嬢のほうが有利かもしれないわね。
貴族たちの挨拶が終わったらいよいよ本格的にパーティーの始まりだ。
まずはファーストダンス。今日は隣国の王太子が来賓なので、彼が最初のダンスを務めることとなった。
そのパートナーは……わたし、オディール・ジャニーヌ侯爵令嬢だ。
国の上層部の話し合いの結果、王太子のカウンターパートナーとして一番相応しいのはジャニーヌ侯爵令嬢だろうと満場一致で決定したのだ。
実は……今夜のドレスはレイと踊るために誂えたものだ。
本音を言うと彼の瞳の色のドレスを着たかったけど、まだ立場というものがあるから。軽率な行動をしてアンドレイ様たちと同じになってしまうのは嫌だ。貴族としてけじめはしっかりと付けたい。
「殿下、本日はどうぞ宜しくお願いいたしますね」
「こちらこそよろしく、侯爵令嬢」
挨拶のポーズをして、わたしとレイは手を取り合った。
途端に指先にバチリと電撃が走る。急激に襲ってきた緊張で身体が鯱張った。いよいよ彼と初めてのダンスかと思うと胸に早鐘が鳴って、弾け飛びそうだった。
水を打ったように周囲が押し黙る。静寂。カチカチの心臓の音だけが身体中に響いていた。
ゆっくりと音楽が始まる。
すっかり冷がって固いままの身体を彼に預けた。
レイはそんなわたしの様子をまじまじと見つめて、
「今夜は僕と情熱的に踊ろうか?」と、いたずらっぽく笑った。
「そっ、そんな真似できるわけないでしょう? 王宮主催のパーティーよ」
わたしは思わず言い返す。またからかっているのね。本当に、いっつもふざけているんだから。こんなときまで。
「僕は別に構わないけど?」
「ルーセル公爵令息様に怒られるわよ」
「一緒に怒られよう」
「絶対、嫌」
「つれないなぁ」
「もうっ、真面目にやって。今日は遊びじゃないのよ」
「だんだん指が温かくなってきた。少しは緊張はほぐれた?」
「あっ……!」
気が付くと、身体中がポカポカと温まってきていた。彼と軽口を叩いていたお陰か、バクバクしていた胸も収まった気がする。
「あ、ありがとう……」
「派手に転ばれたら困るからな」
「転ばないわよ。わたしを誰だと思っているの? 侯爵令嬢、それだけが取り柄、よ!」
「そうだった。僕のほうは王太子殿下、それだけが取り柄さ」
わたしたちは視線を交差させて、くすりと笑う。そのあとは彼の流れるようなステップに身を任せた。
なんだろう……不思議な感じ。身体が自由に動き回る。
アンドレイ様と踊るときは必死になって彼のペースに合わせていたけど、レイはむしろ彼のほうがわたしに合わせてくれて、それでしっかり場をリードして自然と上手く踊れている気がする。
それに、楽しい……!
お喋りしながら息を合わせて踊るのって、こんなに楽しくて心地良いものなのね。さっきまで緊張で破裂しそうだった心臓は、今は嬉しく飛び跳ねているようだわ。
わたしたちは一曲だけの束の間のダンスを、噛みしめるように深く味わった。
……曲もそろそろフィナーレだ。
卒然と寂しさが襲って来る。まばゆいシャンデリアの光も悲しい影を落とした。
あぁ、もう終わってしまうのなんて嫌だ。このままずっと夜明けまで彼と二人で踊っていたいわ。
レイが握った手の力が強くなった。名残惜しそうにわたしを見る。思わずわたしも彼に熱い視線を送った。
でも、もう音楽はおしまい。二人のダンスも終焉を迎えるのだ。
ピタリと時間が止まって、また静寂が戻って来た。
「ありがとう、侯爵令嬢。楽しかったよ」
「わたしも楽しゅうございました、殿下。ありがとうございました」
わたしたちは別れの挨拶をする。
すれ違いざまに、
「また踊ろう。次は、倒れるまで」
レイがそっと耳元で囁いた。
わたしは微かに頷く。
夢のような時間はもう終わり。でも、それはいずれまたやって来るのだ。
それまでの、お預け。
◆
ファーストダンスが終わると、今度はわたしの本来のパートナーであるアンドレイ様とのダンスだ。
わたしたちはホールの中央へと向かう。
「宜しくお願いいたします、殿下」
わたしは挨拶をして手を伸ばす……でも、彼の手はこちらに差し出されなかった。
そして、
「オディール・ジャニーヌ侯爵令嬢、あなたとは婚約破棄をする!」
アンドレイ様の声が朗々とホール中に響いた。
夜空を流れる星のような光を放つシャンデリア、まるで絵画が飛び出したみたいな色とりどりの料理とお菓子が並んで、会場全体を柔らかく包み込むような弦楽器の音……どれも建国記念に相応しい華美だけど品格のある様子だった。
「オディール……そのドレスは……?」と、アンドレイ様が目を見張って呟くように言った。
「えぇ、式典では殿下の側近の方と色が重なってしまったので着替えましたの。さすがに王子殿下が直々に指名をされた側近が罰せられるのは可哀想ですわ」
わたしはわざとらしい憐憫の視線を彼に向ける。
「そ、そうか……」と、アンドレイ様は少したじろぐ様子を見せた。
ナージャ子爵令嬢の罪は重い。下の者が上の者を挑発するような行為はご法度だ。
礼儀を知らない令嬢だと貴族社会では爪弾きにされる可能性が高いし、仮にわたしがアンドレイ様と婚姻を結んで既に王族になっていたら、それだけでは済まされなかっただろう。
だから彼女の批判を和らげるためにも、高い身分のわたしが敢えて着替えてあげたのだ。
……ま、ドレスコードが昼と夜では異なるので、もとよりイブニングドレスを用意していたのだけど。
それに侯爵令嬢側が一歩引くことで子爵令嬢の非常識さ――同時に王子の愚かさが浮き彫りになるし、一石二鳥ね。
今夜のわたしのドレスは鮮やかな赤紫色だ。本当は真紅のドレスが良かったのだけれど、まだアンドレイ様の婚約者なので彼の瞳の色の青い要素をほんの少しだけ取り入れた。
デコルテが大胆に開いたマーメードラインのドレス。裾は波紋のように広がって、歩くとゆらりと揺れて優雅に泳いでいるようだ。
「変でしょうか?」と、素知らぬ顔で訊いてみる。
「いや……」アンドレイ様は考えるように一拍置いてから「似合っているじゃないか。普段のものより、ずっといい」
「そうですか。ありがとうございます」
意外な言葉に驚きながらも、ニコリと笑ってみせた。
わたしとアンドレイ様は王族用の扉から会場へと入場する。すると、瞬く間に貴族たちの注目の的になった。手前から波のようにざわめきが起こる。
囁き声に耳を立ててみると、その内容は主にわたしのドレスだった。
彼らは昼に侯爵令嬢が王子の側近の子爵令嬢と色被りをしたことが非常に気になっているようで、様々な憶測が飛び交っているようだ。
わたしは「なにも知りませんわ」というような澄まし顔で王族用の定位置に着く。数段高いこの場所は会場の様子がよく見えた。
両親と目が合う。二人とも娘のドレス姿に苦虫を噛み潰したような顔をしていた。
お母様には今日のドレスを事前に見せていた。でも、それはフェイクだ。
アフタヌーンドレスは実際に式典で着用したものを見せたが、イブニングドレスは王子の金髪をイメージした黄色のパステルカラーのフリフリした可愛らしいドレスを提示していた。
それが蓋を開けてみれば胸元が大胆に開いたセクシーなマーメイドドレスだ。両親の驚きは相当のものかもしれないわね。
不意に視線を感じたので、目を向ける。
……案の定、ナージャ子爵令嬢だ。驚愕した様子でまるで珍獣でも眺めるみたいにわたしをジロジロと見つめていた。
彼女は昼間と同じアンドレイ様の瞳の色のドレスのままで、式典のときより豪華なパリュールを装着していた。それは子爵家の財力では用意できないような最高級品だと一目で分かる宝石だった。
きっとアンドレイ様が今日のためにプレゼントしたのね。もしかしてあれらも盗品かしら……なんて、他人事のようにぼんやりと考える。
会場にはガブリエラさんとリヨネー伯爵令息の姿もあった。目が合うなり、グッと親指を立ててくれた。わたしも目線で合図をしながら深く頷く。
二人の顔を見てなんだか安心したわ。味方がいるってなんて心強いのかしら。
「国王陛下、王妃殿下、及びローラント王国王太子殿下、御成です」
しばらくして、陛下方の御出だ。ゲストの王太子殿下を伴ってのご臨場である。
またもや令嬢たちから黄色い声が上がる。昼の式典では王太子殿下と会話をする機会が設けられなかったので、今夜こそはと彼女たちは必死の形相だった。
わたしは今回も王族の席で貴族たちの挨拶を受けた。若い令嬢は王太子殿下へのアピールに一生懸命で、夫人たちはこれまでのドレス姿とは様変わりした侯爵令嬢に好奇の視線を向けていた。
時折り、近くに控えている王子の側近の子爵令嬢と見比べられる。どちらに付くか決めかねているのかしら。
一見すると、王子の寵愛を受けているように思われる子爵令嬢のほうが有利かもしれないわね。
貴族たちの挨拶が終わったらいよいよ本格的にパーティーの始まりだ。
まずはファーストダンス。今日は隣国の王太子が来賓なので、彼が最初のダンスを務めることとなった。
そのパートナーは……わたし、オディール・ジャニーヌ侯爵令嬢だ。
国の上層部の話し合いの結果、王太子のカウンターパートナーとして一番相応しいのはジャニーヌ侯爵令嬢だろうと満場一致で決定したのだ。
実は……今夜のドレスはレイと踊るために誂えたものだ。
本音を言うと彼の瞳の色のドレスを着たかったけど、まだ立場というものがあるから。軽率な行動をしてアンドレイ様たちと同じになってしまうのは嫌だ。貴族としてけじめはしっかりと付けたい。
「殿下、本日はどうぞ宜しくお願いいたしますね」
「こちらこそよろしく、侯爵令嬢」
挨拶のポーズをして、わたしとレイは手を取り合った。
途端に指先にバチリと電撃が走る。急激に襲ってきた緊張で身体が鯱張った。いよいよ彼と初めてのダンスかと思うと胸に早鐘が鳴って、弾け飛びそうだった。
水を打ったように周囲が押し黙る。静寂。カチカチの心臓の音だけが身体中に響いていた。
ゆっくりと音楽が始まる。
すっかり冷がって固いままの身体を彼に預けた。
レイはそんなわたしの様子をまじまじと見つめて、
「今夜は僕と情熱的に踊ろうか?」と、いたずらっぽく笑った。
「そっ、そんな真似できるわけないでしょう? 王宮主催のパーティーよ」
わたしは思わず言い返す。またからかっているのね。本当に、いっつもふざけているんだから。こんなときまで。
「僕は別に構わないけど?」
「ルーセル公爵令息様に怒られるわよ」
「一緒に怒られよう」
「絶対、嫌」
「つれないなぁ」
「もうっ、真面目にやって。今日は遊びじゃないのよ」
「だんだん指が温かくなってきた。少しは緊張はほぐれた?」
「あっ……!」
気が付くと、身体中がポカポカと温まってきていた。彼と軽口を叩いていたお陰か、バクバクしていた胸も収まった気がする。
「あ、ありがとう……」
「派手に転ばれたら困るからな」
「転ばないわよ。わたしを誰だと思っているの? 侯爵令嬢、それだけが取り柄、よ!」
「そうだった。僕のほうは王太子殿下、それだけが取り柄さ」
わたしたちは視線を交差させて、くすりと笑う。そのあとは彼の流れるようなステップに身を任せた。
なんだろう……不思議な感じ。身体が自由に動き回る。
アンドレイ様と踊るときは必死になって彼のペースに合わせていたけど、レイはむしろ彼のほうがわたしに合わせてくれて、それでしっかり場をリードして自然と上手く踊れている気がする。
それに、楽しい……!
お喋りしながら息を合わせて踊るのって、こんなに楽しくて心地良いものなのね。さっきまで緊張で破裂しそうだった心臓は、今は嬉しく飛び跳ねているようだわ。
わたしたちは一曲だけの束の間のダンスを、噛みしめるように深く味わった。
……曲もそろそろフィナーレだ。
卒然と寂しさが襲って来る。まばゆいシャンデリアの光も悲しい影を落とした。
あぁ、もう終わってしまうのなんて嫌だ。このままずっと夜明けまで彼と二人で踊っていたいわ。
レイが握った手の力が強くなった。名残惜しそうにわたしを見る。思わずわたしも彼に熱い視線を送った。
でも、もう音楽はおしまい。二人のダンスも終焉を迎えるのだ。
ピタリと時間が止まって、また静寂が戻って来た。
「ありがとう、侯爵令嬢。楽しかったよ」
「わたしも楽しゅうございました、殿下。ありがとうございました」
わたしたちは別れの挨拶をする。
すれ違いざまに、
「また踊ろう。次は、倒れるまで」
レイがそっと耳元で囁いた。
わたしは微かに頷く。
夢のような時間はもう終わり。でも、それはいずれまたやって来るのだ。
それまでの、お預け。
◆
ファーストダンスが終わると、今度はわたしの本来のパートナーであるアンドレイ様とのダンスだ。
わたしたちはホールの中央へと向かう。
「宜しくお願いいたします、殿下」
わたしは挨拶をして手を伸ばす……でも、彼の手はこちらに差し出されなかった。
そして、
「オディール・ジャニーヌ侯爵令嬢、あなたとは婚約破棄をする!」
アンドレイ様の声が朗々とホール中に響いた。
0
お気に入りに追加
417
あなたにおすすめの小説
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
【完結】私の望み通り婚約を解消しようと言うけど、そもそも半年間も嫌だと言い続けたのは貴方でしょう?〜初恋は終わりました。
るんた
恋愛
「君の望み通り、君との婚約解消を受け入れるよ」
色とりどりの春の花が咲き誇る我が伯爵家の庭園で、沈痛な面持ちで目の前に座る男の言葉を、私は内心冷ややかに受け止める。
……ほんとに屑だわ。
結果はうまくいかないけど、初恋と学園生活をそれなりに真面目にがんばる主人公のお話です。
彼はイケメンだけど、あれ?何か残念だな……。という感じを目指してます。そう思っていただけたら嬉しいです。
彼女視点(side A)と彼視点(side J)を交互にあげていきます。

【完結】政略結婚はお断り致します!
かまり
恋愛
公爵令嬢アイリスは、悪い噂が立つ4歳年上のカイル王子との婚約が嫌で逃げ出し、森の奥の小さな山小屋でひっそりと一人暮らしを始めて1年が経っていた。
ある日、そこに見知らぬ男性が傷を追ってやってくる。
その男性は何かよっぽどのことがあったのか記憶を無くしていた…
帰るところもわからないその男性と、1人暮らしが寂しかったアイリスは、その山小屋で共同生活を始め、急速に2人の距離は近づいていく。
一方、幼い頃にアイリスと交わした結婚の約束を胸に抱えたまま、長い間出征に出ることになったカイル王子は、帰ったら結婚しようと思っていたのに、
戦争から戻って婚約の話が決まる直前に、そんな約束をすっかり忘れたアイリスが婚約を嫌がって逃げてしまったと知らされる。
しかし、王子には嫌われている原因となっている噂の誤解を解いて気持ちを伝えられない理由があった。
山小屋の彼とアイリスはどうなるのか…
カイル王子はアイリスの誤解を解いて結婚できるのか…
アイリスは、本当に心から好きだと思える人と結婚することができるのか…
『公爵令嬢』と『王子』が、それぞれ背負わされた宿命から抗い、幸せを勝ち取っていくサクセスラブストーリー。

この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが

【完結】【35万pt感謝】転生したらお飾りにもならない王妃のようなので自由にやらせていただきます
宇水涼麻
恋愛
王妃レイジーナは出産を期に入れ替わった。現世の知識と前世の記憶を持ったレイジーナは王子を産む道具である現状の脱却に奮闘する。
さらには息子に殺される運命から逃れられるのか。
中世ヨーロッパ風異世界転生。

【完結】仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり
許婚と親友は両片思いだったので2人の仲を取り持つことにしました
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
<2人の仲を応援するので、どうか私を嫌わないでください>
私には子供のころから決められた許嫁がいた。ある日、久しぶりに再会した親友を紹介した私は次第に2人がお互いを好きになっていく様子に気が付いた。どちらも私にとっては大切な存在。2人から邪魔者と思われ、嫌われたくはないので、私は全力で許嫁と親友の仲を取り持つ事を心に決めた。すると彼の評判が悪くなっていき、それまで冷たかった彼の態度が軟化してきて話は意外な展開に・・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています

完結 「愛が重い」と言われたので尽くすのを全部止めたところ
音爽(ネソウ)
恋愛
アルミロ・ルファーノ伯爵令息は身体が弱くいつも臥せっていた。財があっても自由がないと嘆く。
だが、そんな彼を幼少期から知る婚約者ニーナ・ガーナインは献身的につくした。
相思相愛で結ばれたはずが健気に尽くす彼女を疎ましく感じる相手。
どんな無茶な要望にも応えていたはずが裏切られることになる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる