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24 噂とスキャンダル
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キアラとレオナルドの不貞の噂が、凄まじい勢いで社交界へ広がっていった。それは、令嬢にとって不名誉な尾ひれまで付いて。
ある程度は予想はしていたものの、集団ヒステリーのような暴発的な膨らみは、明らかに誰かの陰謀によるものだった。
レオナルドは婚約解消の際にヴィッツィオ公爵家と契約書を交わしていた。
その項目には「今後は婚約解消について一切言及しない」「不名誉な噂を流さない」……なども盛り込まれてあった。それを破ったら、莫大な賠償金を請求する、と。
その件をダミアーノが知らないはずはないが、現に噂は広まっている。
となれば、公爵家より身分が上の者が仕掛けているのだろう。
そんな人物は、一人しかいない。
噂を広げている貴族たちは、次の議会で皇太子の資質について問うつもりのようだ。
英雄である皇太子が公爵令息の婚約者を無慈悲に奪い、あまつさえ婚約前に純潔を奪った……という大スキャンダルは、敵対派閥にとって打ってつけの攻撃材料だった。
◇
「ほら、来ましたわよ!」
「よくも顔を出せたわね」
「公爵令息の次は皇太子だなんて、なんて品のない!」
「厚かましい女よね…」
キアラがお茶会の会場へ入るなり、たちまち令嬢たちの注目の的となった。瞬く間に視線が彼女の全身に突き刺さる。そのほとんどが軽蔑や疑惑の目だった。
今日は令嬢のみ参加の交流会だ。若い貴族たちにも派閥を越えた繋がりを……と、年に一度行われている大規模なお茶会である。
ここには、皇都に住まうほぼ全ての貴族令嬢たちが来ていた。
(あの令嬢たちは……ミア子爵令嬢と仲がいい方たちね。分かりやすいこと)
キアラは令嬢たちを冷めた目で見る。
彼女たちは楽しそうに陰口を叩くくせに、キアラが近付くと黙り込んで、遠ざかると再び根拠のない悪口に花を咲かせていた。
「あの女は尻軽よ。ずっとダミアーノ様が大切にしてくださっていたのに、皇太子が現れるとすんなり乗り換えて。……ここだけの話、噂によると今は別の男に乗り換えたらしいわ」
「まぁっ!」
「なんてことかしら!」
「ほら、あの女はダミアーノ様との婚約期間から皇太子と肉体関係があったでしょう? ……一人の男だけじゃ体が満足しないらしいわ」
「まぁ……」
「最っ低! 汚らわしい!」
「あんなのが次期皇太子妃だなんて……。帝国はどうなるのかしら?」
「ねーっ!」
(……やっぱり)
下世話な噂の中心には、案の定マルティーナ・ミア子爵令嬢がいたのだった。
彼女は令嬢たちのコミュニティ――特に、下位貴族の間で存在感が強かった。
可憐な容姿で令息たちからの人気が高く、高位貴族の令息たちとの繋がりを持とうという打算的な関係ではあるが。
(ま、それもすぐに覆るけどね)
キアラは気にする素振りも見せずに、堂々と彼女たちの前を通り過ぎる。醜い噂話などどこ吹く風で。
令嬢たちの双眸には悔しさや羨望も混じっていて、思わず笑いそうになった。
皇后は「たった一言から始まって国が傾くこともある」と言っていた。
だが、所詮は「噂」に過ぎないのだ。
例えば社交界にもっと強烈なスキャンダルが巻き起こったら、人々は掌を返したようにそちらに夢中になるだろう。
今日はリグリーア伯爵令嬢にとって、皇太子との婚約を発表してから初めての公の場だった。
妙な噂が広まっている今、一人だと危ないのではと何度もレオナルドが不参加を促したが、キアラは頑なに首を縦に振らなかった。
ここで逃げたら不名誉な噂を認めたことになるし、なにより噂の元凶の一部である令嬢に仕返しをしたかったのだ。
それに、今日のお茶会の真の目的は――……、
「きゃあっ! 第二皇子殿下がいらしたわよ!」
「今日も素敵だわ!」
「かっこいい~」
令嬢たちの黄色い声が一斉に上がる。彼女たちの視線は、ある殿方へ一直線だった。
その人物はスラリとした細身の体躯で、整った顔立ちをしていた。
オレンジ味のある金髪に、南方の海を思わせる青緑の瞳。堂々としているが美しい所作は、絵本に出てきそうな王子様そのままの姿だった。
彼は、皇后ヴィットリーアの嫡子――第二皇子アンドレアである。
今日のお茶会は皇子の婚約者探しも兼ねていた。アンドレアは既に多くの浮名を流しているが、まだ婚約者は決まっていなかったのだ。
実のところは、皇后が適切ないくつかの家門から息子の婚約者候補を挙げているのだが、未来の皇帝の妻として相応しいかを見極めるために、こういったお見合いの場を定期的に設けているのだった。
「やぁ、待たせたね」
彼は笑顔を振りまきながら令嬢たちに手を振る。途端に波のように令嬢たちがざわめいた。彼女たちは皇子に顔を認められたいと、押し合いながら前へと進む。
キアラは壁際でお菓子をぱくつきながら、作られた舞台みたいな滑稽な様子を冷めた目で見る。
(同じ皇帝の血を引いているのに、兄弟は全然似てないわね)
兄であるレオナルドが男らしいと形容すれば、弟の第二皇子は少し中性的な美形と言ったところだ。彼の親しみやすい性格も加えて、世間知らずの令嬢たちからはアンドレアのほうが人気が高かった。
単に兄のほうは軍の生活が長く、剣も魔法も飛び抜けて実力が高いので恐れられているのもあるが。
第二皇子は顔の系統がどことなくダミアーノに似ている気がして、キアラはちょっと気分が悪くなった。
(やっとお出ましね! ついにアレを使う時がやって来たわ!)
マルティーナはポケットに忍ばせてある魔道具を、確認するようにぎゅっと握り締める。恋人の説明によると、これは今はもう消滅した魅了魔法のマナが封じられているものらしい。
彼はこれを使って、元婚約者を操って己の功績を作るつもりのようだった。愛しの恋人と結婚するために。
しかし、これはもう無用の長物だ。それ以前に、恋人の物は自分の物。これは自分が使用する権利があるはずだった。
(見てなさい、伯爵令嬢! あなたの不名誉な噂を真実にしてあげるわ!)
子爵令嬢はそっとその場を離れて、標的のほうへ動き始めた。
ある程度は予想はしていたものの、集団ヒステリーのような暴発的な膨らみは、明らかに誰かの陰謀によるものだった。
レオナルドは婚約解消の際にヴィッツィオ公爵家と契約書を交わしていた。
その項目には「今後は婚約解消について一切言及しない」「不名誉な噂を流さない」……なども盛り込まれてあった。それを破ったら、莫大な賠償金を請求する、と。
その件をダミアーノが知らないはずはないが、現に噂は広まっている。
となれば、公爵家より身分が上の者が仕掛けているのだろう。
そんな人物は、一人しかいない。
噂を広げている貴族たちは、次の議会で皇太子の資質について問うつもりのようだ。
英雄である皇太子が公爵令息の婚約者を無慈悲に奪い、あまつさえ婚約前に純潔を奪った……という大スキャンダルは、敵対派閥にとって打ってつけの攻撃材料だった。
◇
「ほら、来ましたわよ!」
「よくも顔を出せたわね」
「公爵令息の次は皇太子だなんて、なんて品のない!」
「厚かましい女よね…」
キアラがお茶会の会場へ入るなり、たちまち令嬢たちの注目の的となった。瞬く間に視線が彼女の全身に突き刺さる。そのほとんどが軽蔑や疑惑の目だった。
今日は令嬢のみ参加の交流会だ。若い貴族たちにも派閥を越えた繋がりを……と、年に一度行われている大規模なお茶会である。
ここには、皇都に住まうほぼ全ての貴族令嬢たちが来ていた。
(あの令嬢たちは……ミア子爵令嬢と仲がいい方たちね。分かりやすいこと)
キアラは令嬢たちを冷めた目で見る。
彼女たちは楽しそうに陰口を叩くくせに、キアラが近付くと黙り込んで、遠ざかると再び根拠のない悪口に花を咲かせていた。
「あの女は尻軽よ。ずっとダミアーノ様が大切にしてくださっていたのに、皇太子が現れるとすんなり乗り換えて。……ここだけの話、噂によると今は別の男に乗り換えたらしいわ」
「まぁっ!」
「なんてことかしら!」
「ほら、あの女はダミアーノ様との婚約期間から皇太子と肉体関係があったでしょう? ……一人の男だけじゃ体が満足しないらしいわ」
「まぁ……」
「最っ低! 汚らわしい!」
「あんなのが次期皇太子妃だなんて……。帝国はどうなるのかしら?」
「ねーっ!」
(……やっぱり)
下世話な噂の中心には、案の定マルティーナ・ミア子爵令嬢がいたのだった。
彼女は令嬢たちのコミュニティ――特に、下位貴族の間で存在感が強かった。
可憐な容姿で令息たちからの人気が高く、高位貴族の令息たちとの繋がりを持とうという打算的な関係ではあるが。
(ま、それもすぐに覆るけどね)
キアラは気にする素振りも見せずに、堂々と彼女たちの前を通り過ぎる。醜い噂話などどこ吹く風で。
令嬢たちの双眸には悔しさや羨望も混じっていて、思わず笑いそうになった。
皇后は「たった一言から始まって国が傾くこともある」と言っていた。
だが、所詮は「噂」に過ぎないのだ。
例えば社交界にもっと強烈なスキャンダルが巻き起こったら、人々は掌を返したようにそちらに夢中になるだろう。
今日はリグリーア伯爵令嬢にとって、皇太子との婚約を発表してから初めての公の場だった。
妙な噂が広まっている今、一人だと危ないのではと何度もレオナルドが不参加を促したが、キアラは頑なに首を縦に振らなかった。
ここで逃げたら不名誉な噂を認めたことになるし、なにより噂の元凶の一部である令嬢に仕返しをしたかったのだ。
それに、今日のお茶会の真の目的は――……、
「きゃあっ! 第二皇子殿下がいらしたわよ!」
「今日も素敵だわ!」
「かっこいい~」
令嬢たちの黄色い声が一斉に上がる。彼女たちの視線は、ある殿方へ一直線だった。
その人物はスラリとした細身の体躯で、整った顔立ちをしていた。
オレンジ味のある金髪に、南方の海を思わせる青緑の瞳。堂々としているが美しい所作は、絵本に出てきそうな王子様そのままの姿だった。
彼は、皇后ヴィットリーアの嫡子――第二皇子アンドレアである。
今日のお茶会は皇子の婚約者探しも兼ねていた。アンドレアは既に多くの浮名を流しているが、まだ婚約者は決まっていなかったのだ。
実のところは、皇后が適切ないくつかの家門から息子の婚約者候補を挙げているのだが、未来の皇帝の妻として相応しいかを見極めるために、こういったお見合いの場を定期的に設けているのだった。
「やぁ、待たせたね」
彼は笑顔を振りまきながら令嬢たちに手を振る。途端に波のように令嬢たちがざわめいた。彼女たちは皇子に顔を認められたいと、押し合いながら前へと進む。
キアラは壁際でお菓子をぱくつきながら、作られた舞台みたいな滑稽な様子を冷めた目で見る。
(同じ皇帝の血を引いているのに、兄弟は全然似てないわね)
兄であるレオナルドが男らしいと形容すれば、弟の第二皇子は少し中性的な美形と言ったところだ。彼の親しみやすい性格も加えて、世間知らずの令嬢たちからはアンドレアのほうが人気が高かった。
単に兄のほうは軍の生活が長く、剣も魔法も飛び抜けて実力が高いので恐れられているのもあるが。
第二皇子は顔の系統がどことなくダミアーノに似ている気がして、キアラはちょっと気分が悪くなった。
(やっとお出ましね! ついにアレを使う時がやって来たわ!)
マルティーナはポケットに忍ばせてある魔道具を、確認するようにぎゅっと握り締める。恋人の説明によると、これは今はもう消滅した魅了魔法のマナが封じられているものらしい。
彼はこれを使って、元婚約者を操って己の功績を作るつもりのようだった。愛しの恋人と結婚するために。
しかし、これはもう無用の長物だ。それ以前に、恋人の物は自分の物。これは自分が使用する権利があるはずだった。
(見てなさい、伯爵令嬢! あなたの不名誉な噂を真実にしてあげるわ!)
子爵令嬢はそっとその場を離れて、標的のほうへ動き始めた。
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