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第42話 初恋
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解散後、ジェネラルはミディに呼ばれ、彼女の部屋に寄った。
もう真夜中だから、という理由で1つしか火が入れられていないランプの明かりが、小さく二人を照らし出している。
「まあ、適当に掛けて」
少年に席を勧めると、ミディはお日様の匂いがするベッドの上に腰掛けた。体が腰ぐらいまで沈む程の柔らかさは、それが超高級品である事を暗に示している。
ジェネラルは彼女の言葉に従い、とりあえずベッド近くに椅子を持って来ると、向かい合わせになるように座った。
「ジェネ、あの二人の事、どう思う?」
「えっ? アクノリッジさんとシンクさんの事?」
ミディは黙って首を縦に振った。
どういう意図で、そのような質問をされているのか分からない。が、とりあえずジェネラルは、正直に感じた事を口にした。
「ん~……、2人に始め会った時は、物凄く抵抗あったけど……、でも本当の姿を見て事情を知った今はとてもいい人たちだと思うよ。早く、堂々と2人が仲良く出来る日が来たらいいのにね」
仲の良い異母兄弟の様子を思い出し、ジェネラルは目を細めた。
彼の感想にミディは表情を緩め、同感だとばかりに小さく頷くと、何かを企んでいるような怪しい笑みを浮かべた。片膝を立て両腕をその上に置くと、出来るだけ前かがみになって魔王に近づく。
「なら一つ、あの2人の為に協力して欲しいの」
「きょっ、協力? 何を……?」
不意に顔を近づけられた驚きと共に、少年は言葉を返した。
ミディは形のよい顎を両腕の上に置くと、ジェネラルから少し距離をあけ、微かに乾いた唇を動かした。
「あの2人は今まで色々ありながらも、上手くお互いのバランスを取り合って生きてきたわ。それが今、崩れようとしているの。私との結婚が原因でね……」
「えっ?」
意外な発言に、ジェネラルの瞳が見開かれる。
あの2人は言っていなかったけど、と小さく呟くミディ。崩れた体勢とは裏腹に、彼女の表情は真剣そのものだった。
「どういう経緯で、私が結婚相手を見つけられなかった場合、モジュール家のアクノリッジ、もしくはシンクを迎える事という、こんな馬鹿みたいな約束が交わされたのかは分からないわ。けれどこの約束によって、保たれていたバランスが崩れ、2人は再び争わなければならなくなったの」
王女は、複雑な刺繍が施されている絨毯に視線を落とすと、心に堪っているものを吐き出すかのように、深い溜息をついた。
「でもそんな事、2人とも一言も言ってなかったじゃないか……」
「馬鹿ね、ジェネ。元凶たる私の前で、そんな事言えるわけないでしょうが」
「そりゃそうだけど……」
拳を顎にあて考える仕草をしながら、ジェネラルが言葉を搾り出す。いまいち納得の行かない少年の様子に、再びミディは顔を近づけ囁いた。
「それに、思い出してみなさい。あなたを結婚相手に選んだって言った時の、アクノリッジの母君であるセレステ様の変わり様を……。どれだけ周囲の人間が、結婚に対し躍起になっているか分かるでしょう?」
ジェネラルを紹介した時の、セレステの変貌。
彼女が出した提案。
王女の為だと、理由を口にするごとに現れる本心。
セレステの野心にまみれた笑みと、ジェネラルに対して放たれた刺客を思い出し、少年の顔にあの兄弟への同情が浮かび上がった。
彼の表情を見つめ、ミディは言葉を続けた。
「何とかしてモジュール家の人間に、私との結婚を諦めてもらいたいの。いいえ、そこまでは無理でも、最低限あの二人が争わなくてもいいようにしたいの」
自分が原因になっている事を悔やんでいる思いが、2人を助けたいという思いが、きつく結ばた口元から伺い知ることが出来る。友を思う王女の様子に、半無意識にジェネラルは呟いていた。
「ミディは、本当にアクノリッジさんとシンクさんを、大切に思っているんだね」
2人と、他愛のない会話を交わすミディ。その表情には始終、笑顔が絶えなかった事を思い出す。
魔王の優しい言葉に、ミディは小さな笑みを浮かべ、言葉を返した。
「そうよ。今も昔も、心を許して話せるのはあの二人だけ。彼らは子どもの頃からの大切な親友なの。そうそう、アクノリッジには小さいころ『お嫁さんにして』って言ったこともあったわ。懐かしいわね」
「ちょっ、ちょおお――――っと、まったあああ――――!」
ジェネラルの叫びが、薄暗闇を突き抜けた。彼の叫びに、訳がわからないとばかりにきょとんとするミディ。
「どうしたの、ジェネ? 大声あげて」
「ちょっと今、物凄く気になる発言を、さらっと言われた気がして……」
額の汗を拭き拭き、半笑いを浮かべながらジェネラルが答えた。彼の発言に、首を傾げ少し視線を上に向けながら、自らの言葉を思い出す。
「物凄く気になる発言? 心許せるってところ?」
「違う……、もう少し後……」
「ああ、大切な親友ってところね?」
「違う―――! アクノリッジさんに『お嫁さんにして』って言った部分だよっ!」
再び、少年の声が部屋に響き渡った。
自分の声の大きさに気づき、ジェネラルは慌てて周りを見回し、外に耳を澄ませた。特に変化はなく、思わず止めていた息を吐き出した。
「えっ? それ何歳ぐらいの時の話?」
身をぐっと乗り出し、ジェネラルがミディに問う。少年のあまりの食いつき様に、あのミディが少し引いた。
「何なのよ、急に……。6,7歳ぐらいの話よ?」
「ってことはそれって……、はっ、『初恋』ってやつではナイデショウカ?」
何故か急に丁寧口調になるジェネラル。それも後半がたどたどしい。
『初恋』というワードを聞き、ミディの頬が真っ赤に染まった。何気ない思い出話から、自分の初恋の相手を暴露してしまったことに遅ればせながら気づいたらしい。
立ち上がり、ジェネラルの両肩を激しく揺さぶる。
「だったら、なっ、何よ!! 私にだって初恋ぐらい経験あるわよ!! 悪い!?」
「わっ、悪いなんて一言も言ってないよっ! ただミディも人の子なんだなって……、ってミディ、痛い痛いっ!!」
「今は一切アクノリッジに恋愛感情なんて、持ってないから!! 今の私にはね、勇者様と結婚するという夢があるのよっ!」
「もう分かったから!! 分かったから離して――――!」
激しすぎる肩の揺さぶりから解放されたジェネラルは、ふらつく頭を押さえながらぐったりとしている。
“もう……、先に話を振ってきたのはミディじゃないか……”
揺さぶりのダメージから回復してきたジェネラルは、何故自分がこんな目に合わなければならないのかと、恨めしそうに思った。
ミディはミディで、顔を真っ赤にし肩で息をしながらベッドに戻っている。
改めて体制を整えると、一つ咳ばらいをしてジェネラルに視線を向けた。
もう真夜中だから、という理由で1つしか火が入れられていないランプの明かりが、小さく二人を照らし出している。
「まあ、適当に掛けて」
少年に席を勧めると、ミディはお日様の匂いがするベッドの上に腰掛けた。体が腰ぐらいまで沈む程の柔らかさは、それが超高級品である事を暗に示している。
ジェネラルは彼女の言葉に従い、とりあえずベッド近くに椅子を持って来ると、向かい合わせになるように座った。
「ジェネ、あの二人の事、どう思う?」
「えっ? アクノリッジさんとシンクさんの事?」
ミディは黙って首を縦に振った。
どういう意図で、そのような質問をされているのか分からない。が、とりあえずジェネラルは、正直に感じた事を口にした。
「ん~……、2人に始め会った時は、物凄く抵抗あったけど……、でも本当の姿を見て事情を知った今はとてもいい人たちだと思うよ。早く、堂々と2人が仲良く出来る日が来たらいいのにね」
仲の良い異母兄弟の様子を思い出し、ジェネラルは目を細めた。
彼の感想にミディは表情を緩め、同感だとばかりに小さく頷くと、何かを企んでいるような怪しい笑みを浮かべた。片膝を立て両腕をその上に置くと、出来るだけ前かがみになって魔王に近づく。
「なら一つ、あの2人の為に協力して欲しいの」
「きょっ、協力? 何を……?」
不意に顔を近づけられた驚きと共に、少年は言葉を返した。
ミディは形のよい顎を両腕の上に置くと、ジェネラルから少し距離をあけ、微かに乾いた唇を動かした。
「あの2人は今まで色々ありながらも、上手くお互いのバランスを取り合って生きてきたわ。それが今、崩れようとしているの。私との結婚が原因でね……」
「えっ?」
意外な発言に、ジェネラルの瞳が見開かれる。
あの2人は言っていなかったけど、と小さく呟くミディ。崩れた体勢とは裏腹に、彼女の表情は真剣そのものだった。
「どういう経緯で、私が結婚相手を見つけられなかった場合、モジュール家のアクノリッジ、もしくはシンクを迎える事という、こんな馬鹿みたいな約束が交わされたのかは分からないわ。けれどこの約束によって、保たれていたバランスが崩れ、2人は再び争わなければならなくなったの」
王女は、複雑な刺繍が施されている絨毯に視線を落とすと、心に堪っているものを吐き出すかのように、深い溜息をついた。
「でもそんな事、2人とも一言も言ってなかったじゃないか……」
「馬鹿ね、ジェネ。元凶たる私の前で、そんな事言えるわけないでしょうが」
「そりゃそうだけど……」
拳を顎にあて考える仕草をしながら、ジェネラルが言葉を搾り出す。いまいち納得の行かない少年の様子に、再びミディは顔を近づけ囁いた。
「それに、思い出してみなさい。あなたを結婚相手に選んだって言った時の、アクノリッジの母君であるセレステ様の変わり様を……。どれだけ周囲の人間が、結婚に対し躍起になっているか分かるでしょう?」
ジェネラルを紹介した時の、セレステの変貌。
彼女が出した提案。
王女の為だと、理由を口にするごとに現れる本心。
セレステの野心にまみれた笑みと、ジェネラルに対して放たれた刺客を思い出し、少年の顔にあの兄弟への同情が浮かび上がった。
彼の表情を見つめ、ミディは言葉を続けた。
「何とかしてモジュール家の人間に、私との結婚を諦めてもらいたいの。いいえ、そこまでは無理でも、最低限あの二人が争わなくてもいいようにしたいの」
自分が原因になっている事を悔やんでいる思いが、2人を助けたいという思いが、きつく結ばた口元から伺い知ることが出来る。友を思う王女の様子に、半無意識にジェネラルは呟いていた。
「ミディは、本当にアクノリッジさんとシンクさんを、大切に思っているんだね」
2人と、他愛のない会話を交わすミディ。その表情には始終、笑顔が絶えなかった事を思い出す。
魔王の優しい言葉に、ミディは小さな笑みを浮かべ、言葉を返した。
「そうよ。今も昔も、心を許して話せるのはあの二人だけ。彼らは子どもの頃からの大切な親友なの。そうそう、アクノリッジには小さいころ『お嫁さんにして』って言ったこともあったわ。懐かしいわね」
「ちょっ、ちょおお――――っと、まったあああ――――!」
ジェネラルの叫びが、薄暗闇を突き抜けた。彼の叫びに、訳がわからないとばかりにきょとんとするミディ。
「どうしたの、ジェネ? 大声あげて」
「ちょっと今、物凄く気になる発言を、さらっと言われた気がして……」
額の汗を拭き拭き、半笑いを浮かべながらジェネラルが答えた。彼の発言に、首を傾げ少し視線を上に向けながら、自らの言葉を思い出す。
「物凄く気になる発言? 心許せるってところ?」
「違う……、もう少し後……」
「ああ、大切な親友ってところね?」
「違う―――! アクノリッジさんに『お嫁さんにして』って言った部分だよっ!」
再び、少年の声が部屋に響き渡った。
自分の声の大きさに気づき、ジェネラルは慌てて周りを見回し、外に耳を澄ませた。特に変化はなく、思わず止めていた息を吐き出した。
「えっ? それ何歳ぐらいの時の話?」
身をぐっと乗り出し、ジェネラルがミディに問う。少年のあまりの食いつき様に、あのミディが少し引いた。
「何なのよ、急に……。6,7歳ぐらいの話よ?」
「ってことはそれって……、はっ、『初恋』ってやつではナイデショウカ?」
何故か急に丁寧口調になるジェネラル。それも後半がたどたどしい。
『初恋』というワードを聞き、ミディの頬が真っ赤に染まった。何気ない思い出話から、自分の初恋の相手を暴露してしまったことに遅ればせながら気づいたらしい。
立ち上がり、ジェネラルの両肩を激しく揺さぶる。
「だったら、なっ、何よ!! 私にだって初恋ぐらい経験あるわよ!! 悪い!?」
「わっ、悪いなんて一言も言ってないよっ! ただミディも人の子なんだなって……、ってミディ、痛い痛いっ!!」
「今は一切アクノリッジに恋愛感情なんて、持ってないから!! 今の私にはね、勇者様と結婚するという夢があるのよっ!」
「もう分かったから!! 分かったから離して――――!」
激しすぎる肩の揺さぶりから解放されたジェネラルは、ふらつく頭を押さえながらぐったりとしている。
“もう……、先に話を振ってきたのはミディじゃないか……”
揺さぶりのダメージから回復してきたジェネラルは、何故自分がこんな目に合わなければならないのかと、恨めしそうに思った。
ミディはミディで、顔を真っ赤にし肩で息をしながらベッドに戻っている。
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