13 / 14
第13話 自惚れ
しおりを挟む
私たちは戦いの後、救護テントに行き、負傷した兵士たちを魔法で癒した。
私の魔法であらゆる負傷を癒すことができたけれど、【奇跡】で死んだ人を蘇らせることは出来なかった。
恐らくそれは、女神様の領域だから。
聖女といえども、超えてはならないのだろう。
悔しさを滲ませる私に、マーヴィさんが優しく声をかけてくれた。
「こればかりは仕方がない。あんたはやれる精一杯をやったんだ。死んだ者たちには、祈りを捧げよう」
「……はい」
彼の言葉に頷くと神官として、戦いで亡くなった人々が、天上で女神に仕える栄誉を得たことを祝福し、祈りを捧げた。
私の正体を知った副官には、大教会に相談するまでは黙っていて貰うようにお願いした。
「聖女の言葉は、女神の神託の次に尊ばれるもの。あなた様がそう仰られるなら、時が来るまで私の胸に秘めておきます」
「ありがとうございます。でもその前に、ダグが言いふらしたらどうしよう……」
「それならご心配なく」
副官はにっこりと笑った。
というのも、ダグは私たちと別れた後暴れ出し、現在は猿轡をつけて拘束されているのだという。
「まああの男が今更何を言っても、誰も信じないとは思いますけどね」
そう言って陰のある笑みを浮かべていた副官の表情が、印象に残った。
こうして私たちは一度、マーヴィさんの故郷であるスティア村に戻ることにした。
帰りは馬車。
行きは馬でやってきたので、せめて帰りは馬車で帰るようにと、馬車と御者そして数人の護衛を与えられたのだ。
隣にはマーヴィさんが座っているけど、馬車はそれほど大きいわけじゃないから、自然と互いの距離が近くて気になる。
それにしても……
(私が聖女だなんて、また信じられない……)
ダグの勇者の力は、私が彼を信じ、深く愛したことによって与えられたギフトだったなんて。でも思い返すと、私が彼に夢中になっていた時と、ダグに勇者の力があることが分かった時期は近かった気がする。
それを考えると、私は本当にダグのことが好きだったんだなと思う。
騙されているとは知らず本当に馬鹿だったと思うけど、あの時の私は本気だった。
一人の男性を愛し、助け、支えたいと強く思っていた。
その気持ちだけは否定したくない。
愛する人を守るため、直向きに頑張っていた自分の想いだけは。
そして今は――
(それ以上の想いを、私はマーヴィさんに感じてる)
だから、女神に剥奪されて私に戻ったギフトが、マーヴィさんに与えられたわけで。
それはいい。
今、私にとっての一番の問題は、マーヴィさんに勇者の力が与えられたことではなく、与えられた理由を彼が知っていること――
「アウラ」
「は、はい⁉︎」
名を呼ばれ、声がひっくり返ってしまった。だけどマーヴィさんは、小さく笑っただけだった。
「落ち着いたら、大教会に行くんだろ?」
「はい。でも教会は私のことを、聖女だと認めるでしょうか? マーヴィさんが以前送った手紙には私のことを、伏せていたんですよね?」
「ああ。でもすでにバレていたけどな」
「……えっ?」
教会が、私の存在を認識してた⁉︎
目を見開く私を見て、マーヴィさんは堪らず吹き出した。
話によると、ダグの勇者の力が認められた時、その力の出どころである聖女を、教会は秘密裏に探していたらしい。
まあそうだろう。
聖女がいなければ、勇者は存在しないのだから。
そして、私を見つけたのだという。
「でも、どうして今まで教会は黙っていたのですか?」
「聖女が自身の素性に気づき、教会に報告や助けを求めない限りは、教会は不干渉を貫く決まりらしい。愛し子の精神を鍛えるための、女神の采配なのだとか」
「へ、へぇ……」
「まあ、かわいい子には旅をさせよってことだろうな。大教会に行けば詳しく教えて貰えるだろう」
そういえば、そんなことも習った気がする。
聖女の言葉や行動は、女神のご意志と一緒。
だから女神を崇める教会は、聖女の行動に一切の制限をしないのだと。
まあ結果的に私の心は、失恋と裏切りで強くなった。
マーヴィさんがいてくれたから――
チラッと彼の様子を伺うと、目が合った。
視線が合うと気恥ずかしさが先立ち、思わず目を逸らそうとしてしまう。だけど、どこか熱を帯びたマーヴィさんの声色が、それを許さない。
「……魔族を倒したときな。正直、ダグよりも強い力を発揮できたように思えたんだ」
「私も……そう思いました」
「そうか。なら少しは自惚れてもいいのか?」
彼の手が、私の肩を抱き寄せた。
耳の奥に、今まで聞いたことのない甘さを纏った囁きが響く。
「あの男よりも愛されているって――」
何も言えなかった。
だって、本当のことだから。
マーヴィさんが勇者になったと分かった以上、隠すことなんて出来ないわけで。
でも、
「……ずるくないですか? 分かりきってること聞いてくるなんて……」
少し唇を尖らせながら、俯く。
ずっと隠していた恋心がバレバレだったと突きつけられた、私の身にもなって欲しい。
いや、それはマーヴィさんも同じか。
自分に宿った勇者の力の真相知った時はさぞかし驚き、困惑しただろう。
きっと今だって……
ずるい? とマーヴィさんが片眉を上げた。まるで心外だと言わんばかりだ。
「まさかアウラ……気づいてないのか?」
「? 何がですか?」
「俺があんたを好きなことだ」
えっ?
す……き……?
えっ?
ええっ?
いや、勘違いするな。
これは言葉に複数の意味があることを利用した、高度な罠だ。
「友達とか、感謝してる寄りの意味ですよね?」
「……この流れで、全部言わないといけないのか?」
ツイッと私から視線を逸らすマーヴィさんの顔は、頬だけでなく耳まで真っ赤だった。
私の肩を抱く手に力がこもる。
「あんたは俺に、『こんな馬鹿な私たちを、あなたは見捨てずに最後まで盾となって守ってくれました』と言ってくれたな? だけどそれは……半分だけ嘘だ」
「……嘘? どの部分が?」
「俺が最後まであのパーティーにいたのは、あんたがいたからだ」
マーヴィさんの視線が、再び私をとらえる。
「始めは、あんたに感謝の気持ちを抱いているのだと思ってた。だけどダグがあんたを大切にしていないと気付いた時、感謝だけではない気持ちに気付いた。だから離れられなかった」
「で、でも、あの時の私は、ダグに夢中で……」
「もちろん、俺の想いは決して叶わないと承知の上だ。だから、あんたがダグと幸せになるところを見届けて、この気持ちにケリを付けたかった」
「……勇者の力の真実を知った時、困ったとかは……」
「困った? まさか。嬉しすぎてその日の晩は、寝られなかったくらいだ」
マーヴィさんらしくない、子どもっぽい発言に、不覚にもキュンとしてしまった。
とにかく、今までの発言をまとめさせてもらうと、つまり……
「……私も自惚れちゃって……いい感じですか?」
「あんたが嫌でなければな」
さっきの言葉が、罠でも何でも無い私の思ったとおりの意味だったと知り、今度は私の顔がみるみる熱くなっていく。
信じられなかった。
私とマーヴィさんが両想いだったなんて――
やれやれとため息をつきながらも、嬉しそうに頷くマーヴィさん。だけどその笑みは、少し意地悪さを含みながら、私の方に近づく。
「それで……さっきの俺の質問の答えは?」
「うっ……わ、分かりきってるのに、答えなきゃ駄目ですか?」
「もちろん」
ここまで言われたら、答えないわけにはいかない。
でも彼の気持ちも分かる。
私だって、何度でも聞きたいから。
声をうわずらせ、馬車が移動する音でかき消されそうな小ささで、私は僅かに残った勇気を振り絞った。
「……………………大いに自惚れちゃってください」
次の瞬間、私は大きな体に抱きしめられていた。
マーヴィさんの体はとても大きくて、一見柔らかそうに見えるくせにとても鍛えられているから、思った以上に硬い。
だけどとても温かくて、
その力強さに安心ができて、
守られるだけでなく、私も彼を守りたいと力が湧き出てくる。
「アウラ。例えあんたが聖女としての力を失っても、俺の気持ちは変わらない。だからこれからは……俺とともに生きてくれないか? この先ずっと一緒にいて欲しい」
「……嬉しいです……凄く……」
何とかその一言を出したけれど、喉の奥が詰まり、それ以上の言葉が出ない。代わりにこの両手を彼の背中に回して、強くしがみついた。
うれし泣きを見られて、また彼を困らせないように――
私の魔法であらゆる負傷を癒すことができたけれど、【奇跡】で死んだ人を蘇らせることは出来なかった。
恐らくそれは、女神様の領域だから。
聖女といえども、超えてはならないのだろう。
悔しさを滲ませる私に、マーヴィさんが優しく声をかけてくれた。
「こればかりは仕方がない。あんたはやれる精一杯をやったんだ。死んだ者たちには、祈りを捧げよう」
「……はい」
彼の言葉に頷くと神官として、戦いで亡くなった人々が、天上で女神に仕える栄誉を得たことを祝福し、祈りを捧げた。
私の正体を知った副官には、大教会に相談するまでは黙っていて貰うようにお願いした。
「聖女の言葉は、女神の神託の次に尊ばれるもの。あなた様がそう仰られるなら、時が来るまで私の胸に秘めておきます」
「ありがとうございます。でもその前に、ダグが言いふらしたらどうしよう……」
「それならご心配なく」
副官はにっこりと笑った。
というのも、ダグは私たちと別れた後暴れ出し、現在は猿轡をつけて拘束されているのだという。
「まああの男が今更何を言っても、誰も信じないとは思いますけどね」
そう言って陰のある笑みを浮かべていた副官の表情が、印象に残った。
こうして私たちは一度、マーヴィさんの故郷であるスティア村に戻ることにした。
帰りは馬車。
行きは馬でやってきたので、せめて帰りは馬車で帰るようにと、馬車と御者そして数人の護衛を与えられたのだ。
隣にはマーヴィさんが座っているけど、馬車はそれほど大きいわけじゃないから、自然と互いの距離が近くて気になる。
それにしても……
(私が聖女だなんて、また信じられない……)
ダグの勇者の力は、私が彼を信じ、深く愛したことによって与えられたギフトだったなんて。でも思い返すと、私が彼に夢中になっていた時と、ダグに勇者の力があることが分かった時期は近かった気がする。
それを考えると、私は本当にダグのことが好きだったんだなと思う。
騙されているとは知らず本当に馬鹿だったと思うけど、あの時の私は本気だった。
一人の男性を愛し、助け、支えたいと強く思っていた。
その気持ちだけは否定したくない。
愛する人を守るため、直向きに頑張っていた自分の想いだけは。
そして今は――
(それ以上の想いを、私はマーヴィさんに感じてる)
だから、女神に剥奪されて私に戻ったギフトが、マーヴィさんに与えられたわけで。
それはいい。
今、私にとっての一番の問題は、マーヴィさんに勇者の力が与えられたことではなく、与えられた理由を彼が知っていること――
「アウラ」
「は、はい⁉︎」
名を呼ばれ、声がひっくり返ってしまった。だけどマーヴィさんは、小さく笑っただけだった。
「落ち着いたら、大教会に行くんだろ?」
「はい。でも教会は私のことを、聖女だと認めるでしょうか? マーヴィさんが以前送った手紙には私のことを、伏せていたんですよね?」
「ああ。でもすでにバレていたけどな」
「……えっ?」
教会が、私の存在を認識してた⁉︎
目を見開く私を見て、マーヴィさんは堪らず吹き出した。
話によると、ダグの勇者の力が認められた時、その力の出どころである聖女を、教会は秘密裏に探していたらしい。
まあそうだろう。
聖女がいなければ、勇者は存在しないのだから。
そして、私を見つけたのだという。
「でも、どうして今まで教会は黙っていたのですか?」
「聖女が自身の素性に気づき、教会に報告や助けを求めない限りは、教会は不干渉を貫く決まりらしい。愛し子の精神を鍛えるための、女神の采配なのだとか」
「へ、へぇ……」
「まあ、かわいい子には旅をさせよってことだろうな。大教会に行けば詳しく教えて貰えるだろう」
そういえば、そんなことも習った気がする。
聖女の言葉や行動は、女神のご意志と一緒。
だから女神を崇める教会は、聖女の行動に一切の制限をしないのだと。
まあ結果的に私の心は、失恋と裏切りで強くなった。
マーヴィさんがいてくれたから――
チラッと彼の様子を伺うと、目が合った。
視線が合うと気恥ずかしさが先立ち、思わず目を逸らそうとしてしまう。だけど、どこか熱を帯びたマーヴィさんの声色が、それを許さない。
「……魔族を倒したときな。正直、ダグよりも強い力を発揮できたように思えたんだ」
「私も……そう思いました」
「そうか。なら少しは自惚れてもいいのか?」
彼の手が、私の肩を抱き寄せた。
耳の奥に、今まで聞いたことのない甘さを纏った囁きが響く。
「あの男よりも愛されているって――」
何も言えなかった。
だって、本当のことだから。
マーヴィさんが勇者になったと分かった以上、隠すことなんて出来ないわけで。
でも、
「……ずるくないですか? 分かりきってること聞いてくるなんて……」
少し唇を尖らせながら、俯く。
ずっと隠していた恋心がバレバレだったと突きつけられた、私の身にもなって欲しい。
いや、それはマーヴィさんも同じか。
自分に宿った勇者の力の真相知った時はさぞかし驚き、困惑しただろう。
きっと今だって……
ずるい? とマーヴィさんが片眉を上げた。まるで心外だと言わんばかりだ。
「まさかアウラ……気づいてないのか?」
「? 何がですか?」
「俺があんたを好きなことだ」
えっ?
す……き……?
えっ?
ええっ?
いや、勘違いするな。
これは言葉に複数の意味があることを利用した、高度な罠だ。
「友達とか、感謝してる寄りの意味ですよね?」
「……この流れで、全部言わないといけないのか?」
ツイッと私から視線を逸らすマーヴィさんの顔は、頬だけでなく耳まで真っ赤だった。
私の肩を抱く手に力がこもる。
「あんたは俺に、『こんな馬鹿な私たちを、あなたは見捨てずに最後まで盾となって守ってくれました』と言ってくれたな? だけどそれは……半分だけ嘘だ」
「……嘘? どの部分が?」
「俺が最後まであのパーティーにいたのは、あんたがいたからだ」
マーヴィさんの視線が、再び私をとらえる。
「始めは、あんたに感謝の気持ちを抱いているのだと思ってた。だけどダグがあんたを大切にしていないと気付いた時、感謝だけではない気持ちに気付いた。だから離れられなかった」
「で、でも、あの時の私は、ダグに夢中で……」
「もちろん、俺の想いは決して叶わないと承知の上だ。だから、あんたがダグと幸せになるところを見届けて、この気持ちにケリを付けたかった」
「……勇者の力の真実を知った時、困ったとかは……」
「困った? まさか。嬉しすぎてその日の晩は、寝られなかったくらいだ」
マーヴィさんらしくない、子どもっぽい発言に、不覚にもキュンとしてしまった。
とにかく、今までの発言をまとめさせてもらうと、つまり……
「……私も自惚れちゃって……いい感じですか?」
「あんたが嫌でなければな」
さっきの言葉が、罠でも何でも無い私の思ったとおりの意味だったと知り、今度は私の顔がみるみる熱くなっていく。
信じられなかった。
私とマーヴィさんが両想いだったなんて――
やれやれとため息をつきながらも、嬉しそうに頷くマーヴィさん。だけどその笑みは、少し意地悪さを含みながら、私の方に近づく。
「それで……さっきの俺の質問の答えは?」
「うっ……わ、分かりきってるのに、答えなきゃ駄目ですか?」
「もちろん」
ここまで言われたら、答えないわけにはいかない。
でも彼の気持ちも分かる。
私だって、何度でも聞きたいから。
声をうわずらせ、馬車が移動する音でかき消されそうな小ささで、私は僅かに残った勇気を振り絞った。
「……………………大いに自惚れちゃってください」
次の瞬間、私は大きな体に抱きしめられていた。
マーヴィさんの体はとても大きくて、一見柔らかそうに見えるくせにとても鍛えられているから、思った以上に硬い。
だけどとても温かくて、
その力強さに安心ができて、
守られるだけでなく、私も彼を守りたいと力が湧き出てくる。
「アウラ。例えあんたが聖女としての力を失っても、俺の気持ちは変わらない。だからこれからは……俺とともに生きてくれないか? この先ずっと一緒にいて欲しい」
「……嬉しいです……凄く……」
何とかその一言を出したけれど、喉の奥が詰まり、それ以上の言葉が出ない。代わりにこの両手を彼の背中に回して、強くしがみついた。
うれし泣きを見られて、また彼を困らせないように――
81
お気に入りに追加
2,299
あなたにおすすめの小説
氷の王弟殿下から婚約破棄を突き付けられました。理由は聖女と結婚するからだそうです。
吉川一巳
恋愛
ビビは婚約者である氷の王弟イライアスが大嫌いだった。なぜなら彼は会う度にビビの化粧や服装にケチをつけてくるからだ。しかし、こんな婚約耐えられないと思っていたところ、国を揺るがす大事件が起こり、イライアスから神の国から召喚される聖女と結婚しなくてはいけなくなったから破談にしたいという申し出を受ける。内心大喜びでその話を受け入れ、そのままの勢いでビビは神官となるのだが、招かれた聖女には問題があって……。小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。
リストラされた聖女 ~婚約破棄されたので結界維持を解除します
青の雀
恋愛
キャロラインは、王宮でのパーティで婚約者のジークフリク王太子殿下から婚約破棄されてしまい、王宮から追放されてしまう。
キャロラインは、国境を1歩でも出れば、自身が張っていた結界が消えてしまうのだ。
結界が消えた王国はいかに?
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
大好きな旦那様はどうやら聖女様のことがお好きなようです
古堂すいう
恋愛
祖父から溺愛され我儘に育った公爵令嬢セレーネは、婚約者である皇子から衆目の中、突如婚約破棄を言い渡される。
皇子の横にはセレーネが嫌う男爵令嬢の姿があった。
他人から冷たい視線を浴びたことなどないセレーネに戸惑うばかり、そんな彼女に所有財産没収の命が下されようとしたその時。
救いの手を差し伸べたのは神官長──エルゲンだった。
セレーネは、エルゲンと婚姻を結んだ当初「穏やかで誰にでも微笑むつまらない人」だという印象をもっていたけれど、共に生活する内に徐々に彼の人柄に惹かれていく。
だけれど彼には想い人が出来てしまったようで──…。
「今度はわたくしが恩を返すべきなんですわ!」
今まで自分のことばかりだったセレーネは、初めて人のために何かしたいと思い立ち、大好きな旦那様のために奮闘するのだが──…。
聖女アマリア ~喜んで、婚約破棄を承ります。
青の雀
恋愛
公爵令嬢アマリアは、15歳の誕生日の翌日、前世の記憶を思い出す。
婚約者である王太子エドモンドから、18歳の学園の卒業パーティで王太子妃の座を狙った男爵令嬢リリカからの告発を真に受け、冤罪で断罪、婚約破棄され公開処刑されてしまう記憶であった。
王太子エドモンドと学園から逃げるため、留学することに。隣国へ留学したアマリアは、聖女に認定され、覚醒する。そこで隣国の皇太子から求婚されるが、アマリアには、エドモンドという婚約者がいるため、返事に窮す。
何でも欲しがる妹を持つ姉が3人寄れば文殊の知恵~姉を辞めます。侯爵令嬢3大美女が国を捨て聖女になり、幸せを掴む
青の雀
恋愛
婚約破棄から玉の輿39話、40話、71話スピンオフ
王宮でのパーティがあった時のこと、今宵もあちらこちらで婚約破棄宣言が行われているが、同じ日に同じような状況で、何でも欲しがる妹が原因で婚約破棄にあった令嬢が3人いたのである。その3人は国内三大美女と呼ばわれる令嬢だったことから、物語は始まる。
契約破棄された聖女は帰りますけど
基本二度寝
恋愛
「聖女エルディーナ!あなたとの婚約を破棄する」
「…かしこまりました」
王太子から婚約破棄を宣言され、聖女は自身の従者と目を合わせ、頷く。
では、と身を翻す聖女を訝しげに王太子は見つめた。
「…何故理由を聞かない」
※短編(勢い)
結婚するので姉様は出ていってもらえますか?
基本二度寝
恋愛
聖女の誕生に国全体が沸き立った。
気を良くした国王は貴族に前祝いと様々な物を与えた。
そして底辺貴族の我が男爵家にも贈り物を下さった。
家族で仲良く住むようにと賜ったのは古い神殿を改装した石造りの屋敷は小さな城のようでもあった。
そして妹の婚約まで決まった。
特別仲が悪いと思っていなかった妹から向けられた言葉は。
※番外編追加するかもしれません。しないかもしれません。
※えろが追加される場合はr−18に変更します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる