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第五話

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 そう言って、彼の指がコリコリと淡い桃色の突起を探ると、胸の先端から下半身にかけて、ゾクッと落ちる感覚が襲った。乳首を弄られるたび、まるで繋がっているかのように、ピリピリとした感覚が子宮の奥を刺激する。

 未知の感覚に身をくねらせながら、喉の奥からは媚びを含んだような艶めかしい声が零れた。自分の意思では、止めることが出来ない。

「あ、んくぅっ、んっんんっ……」

 普段聞く自分の声とはかけ離れた声色が恥ずかしくて、必死で声を抑えようとしたが、

「せっかくの可愛い声を我慢するな」

 情欲に塗れた声色でヴィンセンが囁くと、両方の胸の蕾の根元を擦りあげた。さらに、親指と中指の間で硬くなっていく膨らみを転がしながら、人差し指で乳首の先端を撫でる。親指と中指でこねるように動かされるたびに、人差し指が敏感な部分に当たり、今までにない快感が走った。

 声が抑えられず、甲高い悲鳴のような嬌声が迸った。

「あっあぅ、ひ、ああっんっ!」
「ああ、いい声だ……サヨ。すごく……そそられる」
「やっ、そ、そん、なに、グリグリしちゃだ……め、ですっ! ひゃんっ!」
「そんなことを言いながら、こんなに硬くして……もっと触って欲しそうだが?」

 淫らに刺激され、益々敏感になっていく桃色の先端を押しつぶすように転がしながら、ヴィンセンが意地悪く笑った。

 彼の言うとおり、いつもは柔らかい胸の突起は、今は存在を主張するように硬く勃ち、僅かに触れられただけでも快感が走るほど敏感になっていた。

(指……気持ちいい……)

 ヴィンセンの指先に弄ばれながら、サヨは今まで知らなかった女の快楽に溺れていた。ズクズクと子宮の奥に、切ない疼きが溜まっていく。それを慰めるように、両腿が勝手にモジモジ動き出す。

 目をつぶって、ひたすら胸の先端への攻めに身を任せていると、突然、ヌルリとした生暖かい刺激が走った。思わず目を見開き、息を止める。

 金色の髪が、サヨの丁度胸辺りに広がっていた。ヴィンセンの片手が、胸の膨らみを揉みし抱きながら、もう片一方の乳房に吸い付いている。

 まるで、子が乳を吸うような光景だが、乳首から伝わる卑猥な刺激が、肉欲に塗れた行為なのだと、言葉無く伝えてくる。

 乳首を甘噛みされながら、執拗に這い回る舌先に、理性が溶かされていく。

「――――っ‼」

 きつく吸い付かれ、サヨは声にならない悲鳴を上げながら、彼の頭を抱えてのけぞった。

 夢中で胸の蕾を弄んでいたヴィンセンの右手が、すっと下に下りる。そしてサヨのズボンに手を入れ、下穿きの隙間から秘所をなぞった。

 クチュリと粘着質な水音が聞こえると、サヨの身体が驚きで震え、ヴィンセンは瞳を見開いた。乳首から唇を離し、こちらの顔をどこか嬉しそうに覗き込む。

「ほら。やっぱり感度が良かったな? 少し胸を弄っただけでこんなに濡れてる」
「そ、そんなことない、ですっ! あれは、単なる噂……」
「ああ、そうか。なら、サヨの感度が特別良いってことだな」
「もっと、違い、ますぅっ!」
「こんなに濡らしていたら、全く説得力がないが?」
「ひぅっ!」

 下生えの奥にある縦筋を、ヴィンセンの太い指がなぞった。

 蜜が滴る花弁の奥にある尖りを探り当てると、愛液で濡れた指先でヌルヌルと擦る。差し込むような鋭い刺激に、思わず身体が強張り、彼の逞しい腕を掴む手に力がこもった。

 眉間に深い皺を寄せながら、吐き出す息をさらに荒げるサヨの姿を、ヴィンセンは楽しむように目を眇めた。

「ここの感度も良さそうだな? なら、胸と一緒に触ったら、どうなるだろうな?」
「あぁあっ! だめですっ! そんなことをされたらっ……おかしく、ひぃっ、んぁあっ‼」

 言葉の途中で、胸の先端と秘所から、強い快感が走った。

 彼の右手と唇で乳首を探り、左手でクリトリスを弄っているのだ。
 左右の胸に、唾液を纏わせたヌルッとした刺激と、指で摘まんで擦りつける刺激が与えられ、気持ちよくて堪らない。

 そして胸の先端から与えられた淫らな快楽は、器用に指で秘所の花芯を覆う皮をめくり、ぷっくりと熟れ勃つそこを指で押しつぶしながら転がす動きで、さらに上乗せされる。

「サヨ、ここも凄く硬くなってる。触る度に、いやらしい蜜が溢れてくるな? これでも、感度が良くないと言い張るつもりか?」
「し、知りませんっ! だから、もうこれ以上はっ……」
「なかなか強情だな? だがサヨのそういうところ、嫌いじゃないぞ? 否定の言葉が吐けなくなるくらい、快楽で虐めたくなる」
「い、あっあああっ‼」

 蜜を纏わせた指先の動きが激しさを増すと、身体の芯の奥に、今にも迸りそうな熱量を感じた。

 先ほどは、指先で集中的に攻められていたが、今は愛液で濡れた数本の指で押し擦るように動いている。

 下穿きの中に入り込んだ手が、クチュクチュという卑猥な音を立てながら、出ては入るという動作を繰り返す。
 その動きに合わせ、サヨの腰も、気持ちよい部分に指が当たるように、自然と揺れた。

 そして、

「あっあっ、な、何か、きま、すっ‼ やぁっ、こわいっ……ヴィンセン、や、やめてっ」
「何も怖いことはない、サヨ。気持ちいいことだけ考えろ。ほらっ、指でイけっ‼」
「はぅっ、あっあぁぁっ‼」
 
 彼の指にクリトリスを擦りつけるように動いていたサヨの身体が、ビクンと大きく痙攣した。呼吸が止まり、開いた唇の端から、唾液がこぼれる。

 子宮の奥で溜まっていた欲情が弾け飛び、浮遊感に似たフワフワした感覚が全身を襲った。だがそんな中でも、膣の肉壁が激しく収縮しているのが感じられる。

 初めての感覚だった。
 はぁはぁと息を荒げながら、サヨはぐったりとヴィンセンに身を預けた。

「サヨ……お前もしかして、男に抱かれるのは初めてなのか?」

 こちらを見つめる青い瞳には、僅かに戸惑いがあった。

 性の知識と経験のなさが、前戯でバレてしまったのだろう。サヨはヴィンセンから視線を反らし、恥じらいながらも一つ頷いた。

「初めて……ですよ。そもそも、男性とお付き合いしたこともないですし……」
「そうなのか? あまりにも可愛い反応を見せるから、他の男の手で教え込まれたのかと……」
「そ、そんなわけないですっ!」

 顔を真っ赤にして否定すると、ヴィンセンの表情が嬉しそうに綻んだ。乱れたサヨの前髪を整えた指が、ツツッと頬を滑り、首筋を撫でる。

 官能を沸き立たせる動きに、腰辺りがゾワリとした。

 ヴィンセンは身体を動かすと、サヨの上に覆い被さった。欲情する雄の視線が、彼の身体の下にあるサヨに注がれる。

 部屋の中は極寒だが、二人の身体は湯気が出るのではないかと思われるほど、熱く燃え立っていた。

 四つん這いになっていたヴィンセンが身体を起こしたかと思うと、布ずれの音がした。

 次に現れた彼の姿は、裸だった。鍛えられ盛り上がる筋肉や厚い胸板に、視線が奪われ、子宮の奥がキュンッと締まった。

 逞しい男の種を早く受け入れたいと、ナカの肉壁が蠕動する。

 彼の手が動き、サヨのズボンを脱がせた。蜜で濡れた黒い茂みが、露わになる。サヨの白い両腿を持ち上げて左右に広げると、その奥にある蜜口に熱く硬いモノをあてがった。

 ヴィンセンをベッドに迎え入れたとき、サヨの臀部に当たった欲情した男の熱い滾り――

 柔らかな唇が、サヨの唇を塞ぐ。
 優しいキスが離れると、ヴィンセンの甘くも獣欲を孕んだ声色が、耳の奥に吹き込まれた。

「なら、私をお前の初めての……そして最後の男にしてくれ」
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