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アカデミー入学編
第50話 弟子は勉強を教えた
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お師匠様がアカデミーに入学されて、1ヶ月ほど経ちました。
初日にあんなことがありながらも、その後の生活は大きな問題もなく、順調に過ごされているようです。
魔法紋様の試験では、本当はたった一人満点だったのにも拘らず、裏に落書きをしていた為減点されたり、魔法実践では相変わらず小さな魔法が使いこなせない為、本来の力を発揮できていないなど、優秀すぎる能力を上手く隠されている部分が、さすがです。
その他、魔道具製作にハマり、教師であるエレクトラと親交を深めたり、日常生活ではアーシャとノリスを含めた3人でワイワイ楽しそうにして、充実した毎日を送っていらっしゃるようです。
え? いやいや、お師匠様がノリスと笑いあっているところを見て、歯ぎしりとか拳を壁にぶつけたりとか、そんなことしてませんよー。……っ痛てぇ。
俺の方は毎日のように依頼をこなし、ディディスと共に忙しい日々を送っていました。
晩御飯を用意できる時間に家へ戻れないのが悩みですが、食事はセリスが用意しているようですし、何と言っても帰ってきたら、あの方が笑顔で玄関先まで迎えて下さるのが、控えめに言って最高な日々です。
まさしく、夫の帰りを玄関先で迎える妻ですよ。
きっと俺たちの結婚後は、こんな感じになると思うのです。
帰って来た俺の声を聞き、お師匠様が玄関先まで小走りでやってくるんです。
「おかえりなさい、シオン。お仕事、お疲れ様!」
そう言って、あの方は走った勢いのまま、嬉しそうに俺に抱き着かれるんです。きっと、俺がいなかったので、とても、とっても寂しかったんでしょう。
その気持ちを抱きしめる力で表すと、お師匠様は身体を離されました。そして俺の持っている荷物を受け取り、少し口元を隠すと恥ずかしそうにこれからの予定の案を出されました。
「えっと……、これからどうする? お風呂? ご飯? それとも……わっ、わた……し?」
そんなの、一択に決まってるじゃないですか。
「……こっ、こら! まだ私、身体綺麗にしてないのに! やっ……、ここじゃ声が外に漏れちゃう……あぅっ」
…………
…………
…………
…………
「……凄く……いい」
「えっ? シオン、どうしたの? 何か良い事あった?」
妄想よりも何倍も可愛らしい声が、意識を現実に引き戻しました。
目の前には俺の帰りをお迎えくださったお師匠様の、きょとんとした表情があります。
俺は情欲に満ちた妄想を引っ込めると、笑みを浮かべて答えました。
「はい、こうしてあなたが俺を迎えて下さるのが、とても嬉しいのです」
「えっ、そう? べっ、別に大したことはしてないし……」
当然の事をしていると言いつつも、お師匠様は少し頬を赤くされ、俺から視線を外されました。照れている表情が堪らなく、さらに恥ずかしがる表情が見たくて意地悪をしたくなります。
「……何だか、新婚夫婦みたいですよね?」
「ふっ、夫婦⁉」
ぽつりとつぶやいた言葉を拾ったお師匠様は、予想通り混乱と恥ずかしさが入り交じった最高に可愛い表情へ変化されました。
……やばい。何か色々と押しとどめているものが、決壊してしまう。
元々、こんな魔王エレヴァ級の可愛さの前で、理性と保てと言う方が無茶なんですよ……。いや、ほんと無理無理。
しかしここで襲ってしまうと、金輪際お出迎えはなしでしょう。
それは嫌なので、何とか理性を押しとどめると、あの方への意地悪も控えました。
「あはは、冗談ですよ、お師匠様」
「冗談って……、もうっ! それならいいんだけど……」
まだ火照る頬を持て余しつつ、俺を睨みながらブツブツ呟いていらっしゃいますが、俺に背を向けるとキッチンの方に向かわれました。
お師匠様は、いつも俺が着ているピンクのエプロンを付けられると、魔道具で炎を呼び、鍋に火をかけました。
どうやら、食事を温め直してくださっているようです。さすがにそこまでお手を煩わせるわけにはいきません。
「そんな事は俺がしますから、あなたは自室でもうお休みください」
「いいのいいの。これくらいさせて? それに……、今度アカデミーで筆記試験があって、その勉強もしないといけないから、まだ寝られないし……」
みるみる小さくなる声を聞くと、どうやら試験勉強が難航しているようです。
それならなおさら時間を無駄にするわけにはいかないのですが、多分お師匠様も気分転換がしたかったのでしょう。
俺は一つの提案をしました。
「それなら、困っていらっしゃる部分を俺がお教えしましょうか? 差し出がましいかもしれませんが……」
「え? そんなことないわ! 教えて、シオン!」
師匠に教授するなど、大変失礼な行為でしょうが、お師匠様はこういう部分には寛大なのです。
お師匠様は温まった料理を皿に盛り、俺の前に用意されると、急いで自室から教科書とノートを持ってこられました。
あの方の時間を無駄にしたくありません。行儀が悪いとは思いましたが、食事をとりながら困っている部分を見せて頂きました。
「えっと……、歴史の授業で、ここからここが試験範囲なんだけど……、覚えられないの……」
……なるほど。
歴史は暗記系。忘れっぽい師匠様にとって、最も苦手とする教科でしょう。
俺の経験ですが、暗記は絶対に覚えなければならないという必死さが必要だと思うのです。極端な話、覚えなければ身に危険が及ぶとなったら、死ぬ気で覚えようとしますよね?
お師匠様にはまず、この必死さに目覚めて頂く必要があると思いました。
「では10分ほど、こちらの範囲を読んで覚えて頂けますか? その後、俺が問題を出すので答えて下さい」
「えー、覚えられないから教えて欲しいのに……」
不満そうに唇を尖らせながら、お師匠様は教科書に目を通し始められました。
10分後。
さて……、どれくらい覚えていらっしゃるか……。
教科書を受け取った俺は、過去のお師匠様の度忘れ話を思い出し、不安を胸に問題を口にしました。
「では、簡単な部分からいきますね。過去の5代目までの勇者の名前、全部答えて下さい」
「ううっ……、前から疑問だったんだけど……。過去の勇者の名前なんて情報、生きるのに必要?」
「知らなくても生きていけますが、この間のように奇怪な目では見られるでしょうね」
「うっ……」
お師匠様は諦めた表情を浮かべると、視線を空に向けて考え始めました。そして、しばらくの間の後、解答とは呼べない解答を口にされました。
「えっと……、初代は……誰だっけ?」
……初っ端からこれですか。
ほんとあなたにとって、過去の勇者情報はどうでもいいことなんですね……。
え? 少しは興味を持てって? そんなのお師匠様に言ってくださいよ。
「では二代目は?」
「えっと……、アレグロ……だっけ」
「正解です。三代目は?」
「うーん……、後は五代目のリティシアしか覚えてない」
……5人中2人しか答えられないなんて。
絶望的な状況に、俺は思わず教科書を持っていない手で顔を覆いました。そんな俺の様子を見てお師匠様は、てへへっと後頭部に手を当てて恥ずかしそうに笑っています。
思わずお師匠様に背を向けると、皿を浸けている流し台に手を付き、可愛さで吐血しそうになっている口元を手で覆いました。
……何だあれは……。てへへって、何なんだ……。あんな可愛い仕草を無自覚でされるなんて、お戯れが過ぎるだろ……。
「……シオン? どうしたの?」
「かわいす……いえいえ、中々大変だなーと……」
「やっぱり、そうだよねー……」
シュンっとするお師匠様に、思わず尊死しそうになりましたが、ぐっと現世に留まると、あの方に後ろに立ちました。
突然背後に立たれ、振り返るお師匠様。これから何が起こるかも知らず、不思議そうな表情を浮かべていらっしゃいます。
「俺、思うのですが、お師匠様は覚える以前に、覚えようとされてないと思うのです。覚える必死さが感じられないのですよ」
「……必死さ? そんな事を言われても……」
「なので……、答えられなかったり間違った場合は、場合はこうします」
「えっ……、きゃぁぁぁっ‼」
お師匠様が悲鳴をあげられました。
何故か?
それは、後ろからこの手であの方の胸を鷲掴みしたからですよ。必死であの方が俺の手をどけようとされていますが、これもお師匠様の為。絶対に離しません。
「なっ、何するの! 手を離してっ……、やっ、指を動かさないでっ!」
「と、まあこんな感じで、お仕置きしますので必死で覚えて下さいね? 俺だってこんなこと……、本意ではないのです……」
「って言いながら、すっっごく嬉しそうにしてんだけどっ‼︎」
「何を仰ってるのか分かりませんね。後、間違えるたびにお仕置きはエスカレートしていきますから。次間違えたら……、舐めます」
「ひえぇぇぇぇっ⁉」
あなたの為なのです。
決して俺が楽しむ為では……。
俺自身、お師匠様にこんな事をしなければならないなど、非常に心苦しい。しかしこれもあなたに試験で良い点を取って頂く為。苦渋の決断なのですよ……。
あー、ツライツライ。
「って事で次ですが、アカデミーの設立の時期とアカデミーの目的をお答えください」
「手っ‼ 手が胸に当たったまま……、だ、だから動かさな……」
「さあ、お答えをっ!」
「えええっ⁉ えっと……、勇者候補育成や援助、勇者候補の力や魔王を研究をしてるのが目的で……、設立時期は……えっと……えっと……」
「……分からないのですか?」
「思い出すっ‼ すぐに思い出すからっ……、あっ……やめっ……て……」
この後、物凄い集中力を発揮されたお師匠様は、みるみるうちに教科書を丸暗記され、当日の試験ではかなり上位の点数を取られたそうです。
いやー、楽し……いやいや、心を鬼にして本当に良かったです。今思い出しても、息遣い荒くお答えを口にするお師匠様に興奮……、心が苦しくなります。
でもその後、俺に一切の勉強を聞くことはなく、アーシャに教えて貰っているようなんですよね。
何故でしょうか?
……え? 自分の胸に手を当ててよく考えてみろって?
初日にあんなことがありながらも、その後の生活は大きな問題もなく、順調に過ごされているようです。
魔法紋様の試験では、本当はたった一人満点だったのにも拘らず、裏に落書きをしていた為減点されたり、魔法実践では相変わらず小さな魔法が使いこなせない為、本来の力を発揮できていないなど、優秀すぎる能力を上手く隠されている部分が、さすがです。
その他、魔道具製作にハマり、教師であるエレクトラと親交を深めたり、日常生活ではアーシャとノリスを含めた3人でワイワイ楽しそうにして、充実した毎日を送っていらっしゃるようです。
え? いやいや、お師匠様がノリスと笑いあっているところを見て、歯ぎしりとか拳を壁にぶつけたりとか、そんなことしてませんよー。……っ痛てぇ。
俺の方は毎日のように依頼をこなし、ディディスと共に忙しい日々を送っていました。
晩御飯を用意できる時間に家へ戻れないのが悩みですが、食事はセリスが用意しているようですし、何と言っても帰ってきたら、あの方が笑顔で玄関先まで迎えて下さるのが、控えめに言って最高な日々です。
まさしく、夫の帰りを玄関先で迎える妻ですよ。
きっと俺たちの結婚後は、こんな感じになると思うのです。
帰って来た俺の声を聞き、お師匠様が玄関先まで小走りでやってくるんです。
「おかえりなさい、シオン。お仕事、お疲れ様!」
そう言って、あの方は走った勢いのまま、嬉しそうに俺に抱き着かれるんです。きっと、俺がいなかったので、とても、とっても寂しかったんでしょう。
その気持ちを抱きしめる力で表すと、お師匠様は身体を離されました。そして俺の持っている荷物を受け取り、少し口元を隠すと恥ずかしそうにこれからの予定の案を出されました。
「えっと……、これからどうする? お風呂? ご飯? それとも……わっ、わた……し?」
そんなの、一択に決まってるじゃないですか。
「……こっ、こら! まだ私、身体綺麗にしてないのに! やっ……、ここじゃ声が外に漏れちゃう……あぅっ」
…………
…………
…………
…………
「……凄く……いい」
「えっ? シオン、どうしたの? 何か良い事あった?」
妄想よりも何倍も可愛らしい声が、意識を現実に引き戻しました。
目の前には俺の帰りをお迎えくださったお師匠様の、きょとんとした表情があります。
俺は情欲に満ちた妄想を引っ込めると、笑みを浮かべて答えました。
「はい、こうしてあなたが俺を迎えて下さるのが、とても嬉しいのです」
「えっ、そう? べっ、別に大したことはしてないし……」
当然の事をしていると言いつつも、お師匠様は少し頬を赤くされ、俺から視線を外されました。照れている表情が堪らなく、さらに恥ずかしがる表情が見たくて意地悪をしたくなります。
「……何だか、新婚夫婦みたいですよね?」
「ふっ、夫婦⁉」
ぽつりとつぶやいた言葉を拾ったお師匠様は、予想通り混乱と恥ずかしさが入り交じった最高に可愛い表情へ変化されました。
……やばい。何か色々と押しとどめているものが、決壊してしまう。
元々、こんな魔王エレヴァ級の可愛さの前で、理性と保てと言う方が無茶なんですよ……。いや、ほんと無理無理。
しかしここで襲ってしまうと、金輪際お出迎えはなしでしょう。
それは嫌なので、何とか理性を押しとどめると、あの方への意地悪も控えました。
「あはは、冗談ですよ、お師匠様」
「冗談って……、もうっ! それならいいんだけど……」
まだ火照る頬を持て余しつつ、俺を睨みながらブツブツ呟いていらっしゃいますが、俺に背を向けるとキッチンの方に向かわれました。
お師匠様は、いつも俺が着ているピンクのエプロンを付けられると、魔道具で炎を呼び、鍋に火をかけました。
どうやら、食事を温め直してくださっているようです。さすがにそこまでお手を煩わせるわけにはいきません。
「そんな事は俺がしますから、あなたは自室でもうお休みください」
「いいのいいの。これくらいさせて? それに……、今度アカデミーで筆記試験があって、その勉強もしないといけないから、まだ寝られないし……」
みるみる小さくなる声を聞くと、どうやら試験勉強が難航しているようです。
それならなおさら時間を無駄にするわけにはいかないのですが、多分お師匠様も気分転換がしたかったのでしょう。
俺は一つの提案をしました。
「それなら、困っていらっしゃる部分を俺がお教えしましょうか? 差し出がましいかもしれませんが……」
「え? そんなことないわ! 教えて、シオン!」
師匠に教授するなど、大変失礼な行為でしょうが、お師匠様はこういう部分には寛大なのです。
お師匠様は温まった料理を皿に盛り、俺の前に用意されると、急いで自室から教科書とノートを持ってこられました。
あの方の時間を無駄にしたくありません。行儀が悪いとは思いましたが、食事をとりながら困っている部分を見せて頂きました。
「えっと……、歴史の授業で、ここからここが試験範囲なんだけど……、覚えられないの……」
……なるほど。
歴史は暗記系。忘れっぽい師匠様にとって、最も苦手とする教科でしょう。
俺の経験ですが、暗記は絶対に覚えなければならないという必死さが必要だと思うのです。極端な話、覚えなければ身に危険が及ぶとなったら、死ぬ気で覚えようとしますよね?
お師匠様にはまず、この必死さに目覚めて頂く必要があると思いました。
「では10分ほど、こちらの範囲を読んで覚えて頂けますか? その後、俺が問題を出すので答えて下さい」
「えー、覚えられないから教えて欲しいのに……」
不満そうに唇を尖らせながら、お師匠様は教科書に目を通し始められました。
10分後。
さて……、どれくらい覚えていらっしゃるか……。
教科書を受け取った俺は、過去のお師匠様の度忘れ話を思い出し、不安を胸に問題を口にしました。
「では、簡単な部分からいきますね。過去の5代目までの勇者の名前、全部答えて下さい」
「ううっ……、前から疑問だったんだけど……。過去の勇者の名前なんて情報、生きるのに必要?」
「知らなくても生きていけますが、この間のように奇怪な目では見られるでしょうね」
「うっ……」
お師匠様は諦めた表情を浮かべると、視線を空に向けて考え始めました。そして、しばらくの間の後、解答とは呼べない解答を口にされました。
「えっと……、初代は……誰だっけ?」
……初っ端からこれですか。
ほんとあなたにとって、過去の勇者情報はどうでもいいことなんですね……。
え? 少しは興味を持てって? そんなのお師匠様に言ってくださいよ。
「では二代目は?」
「えっと……、アレグロ……だっけ」
「正解です。三代目は?」
「うーん……、後は五代目のリティシアしか覚えてない」
……5人中2人しか答えられないなんて。
絶望的な状況に、俺は思わず教科書を持っていない手で顔を覆いました。そんな俺の様子を見てお師匠様は、てへへっと後頭部に手を当てて恥ずかしそうに笑っています。
思わずお師匠様に背を向けると、皿を浸けている流し台に手を付き、可愛さで吐血しそうになっている口元を手で覆いました。
……何だあれは……。てへへって、何なんだ……。あんな可愛い仕草を無自覚でされるなんて、お戯れが過ぎるだろ……。
「……シオン? どうしたの?」
「かわいす……いえいえ、中々大変だなーと……」
「やっぱり、そうだよねー……」
シュンっとするお師匠様に、思わず尊死しそうになりましたが、ぐっと現世に留まると、あの方に後ろに立ちました。
突然背後に立たれ、振り返るお師匠様。これから何が起こるかも知らず、不思議そうな表情を浮かべていらっしゃいます。
「俺、思うのですが、お師匠様は覚える以前に、覚えようとされてないと思うのです。覚える必死さが感じられないのですよ」
「……必死さ? そんな事を言われても……」
「なので……、答えられなかったり間違った場合は、場合はこうします」
「えっ……、きゃぁぁぁっ‼」
お師匠様が悲鳴をあげられました。
何故か?
それは、後ろからこの手であの方の胸を鷲掴みしたからですよ。必死であの方が俺の手をどけようとされていますが、これもお師匠様の為。絶対に離しません。
「なっ、何するの! 手を離してっ……、やっ、指を動かさないでっ!」
「と、まあこんな感じで、お仕置きしますので必死で覚えて下さいね? 俺だってこんなこと……、本意ではないのです……」
「って言いながら、すっっごく嬉しそうにしてんだけどっ‼︎」
「何を仰ってるのか分かりませんね。後、間違えるたびにお仕置きはエスカレートしていきますから。次間違えたら……、舐めます」
「ひえぇぇぇぇっ⁉」
あなたの為なのです。
決して俺が楽しむ為では……。
俺自身、お師匠様にこんな事をしなければならないなど、非常に心苦しい。しかしこれもあなたに試験で良い点を取って頂く為。苦渋の決断なのですよ……。
あー、ツライツライ。
「って事で次ですが、アカデミーの設立の時期とアカデミーの目的をお答えください」
「手っ‼ 手が胸に当たったまま……、だ、だから動かさな……」
「さあ、お答えをっ!」
「えええっ⁉ えっと……、勇者候補育成や援助、勇者候補の力や魔王を研究をしてるのが目的で……、設立時期は……えっと……えっと……」
「……分からないのですか?」
「思い出すっ‼ すぐに思い出すからっ……、あっ……やめっ……て……」
この後、物凄い集中力を発揮されたお師匠様は、みるみるうちに教科書を丸暗記され、当日の試験ではかなり上位の点数を取られたそうです。
いやー、楽し……いやいや、心を鬼にして本当に良かったです。今思い出しても、息遣い荒くお答えを口にするお師匠様に興奮……、心が苦しくなります。
でもその後、俺に一切の勉強を聞くことはなく、アーシャに教えて貰っているようなんですよね。
何故でしょうか?
……え? 自分の胸に手を当ててよく考えてみろって?
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