毒におかされた隊長は解毒のため部下に抱かれる

めぐめぐ

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 初めてなのかと問われ、リースの顏が耳元まで真っ赤に染まった。

 自身の経験が浅いと指摘してきされたようで、恥ずかしかったのだ。同時に、男性経験があるように思われていたことも、少しショックだった。

(あれだけひどい姿を見せてたら……、そう思われても当然……か……)

 今まで散々乱れ、あさましいを醜態しゅうたい見せたことを思い出すと、頬の熱が増す。
 しかしすぐさま彼の指と舌の感覚が思い出され、欲情じょうよく羞恥心しゅうちしんを塗り替えていった。
 
 火照る身体を持て余しながら、リースは顔をおおった指の間から、恥ずかしそうに問う。

「初めてだったら……だめ?」

 少し困った表情と言葉の破壊力に、レフの理性が飛んだ。

(可愛い……、たまらない……、ぜんぶ欲しい……)

 顔を覆う両手を組み伏せると、むさぼるようにリースの舌を吸い、唾液と共に絡ませる。

 夢中で彼女の口内を味わいながら、指で真っ赤に染まった耳をいじった。耳の穴周辺を探ると、リースの身体がピクッと震え、唇の端から甘い反応が洩れる。
 
(この顏も声も、ぜんぶぜんぶ、知っているのは俺だけだ……)

 独占欲が暴走するにまかせ、リースの唇を攻め続けた。

 夢中で口内を犯した後、唾液の糸を切りながら顔を上げると、荒い息遣いをしながらも表情をくもらせるリースの姿があった。困惑の理由が、彼女の言葉に答えもせず、衝動的に身体を求めてしまったからだと気づく。

 レフは理性を取り戻すと、申し訳なさそうに赤い瞳を少し伏せた。

「あっ……、すっ、すみません、隊長……。初めてとは知らず、乱暴に指を……。あなたが過去、誰かに抱かれたのではないかと想像したら……、悔しくて……」

 今まで優位を保っていたレフが、慌てふためいている。

 先ほどまでのギャップを思い、リースは小さく笑った。彼女の笑い声を不思議そうに見つめる部下に、そっと手を伸ばし頬に触れる。

「ぜんぶ、初めてだった……。キスも、身体に触れられるのも……」

 驚きに見開かれる赤い瞳を見つめながら、リースの指はレフの唇をなぞる。
 鍛えられた身体が密着する息苦しさを感じながらも、不自然な熱が全身を駆け巡る。

 一方レフは、自分の唇に触れた細い指にキスをすると、嬉しくも、どこか悲しそうな表情を浮かべた。

「あなたの初めての男になれて……、光栄こうえいですよ、隊長……」

「……ありがとう、レフ……。嘘でも……嬉しい……」

 再び、二人の唇が重なる。
 
 求めあいながら、彼女の言葉を思い出しレフの胸がめ付けられた。

 苦しさと嬉しさ。
 相反あいはんする気持ちが、彼の心を激しく揺さぶる。

 リースは、ずっと純潔じゅんけつを守ってきたのだろう。
 いずれ出会う愛する人のために。

 それなのに毒におかされ、生き残るために守ったものを捨てなければならないのだ。
 初めての相手が自分で本当にいいのかと、冷静れいせいな部分が語りかける。

 しかし止められなかった。

(初めての男として、この人の心に残りたい……)

 そう思い、舌を再び絡めながら手を秘所へとあてがった。指に愛液をまとわせると、彼女を気遣うようにゆっくりと蜜穴に指を入れていく。

「んっ……」

 ナカに入る違和感が彼女を襲った。しかし、先ほどとは違う優しい手つきに、ナカがうねって指に絡みついているのが分かる。リースの意思とは関係なく切なくうずき、咥えて離さぬよう、肉壁が指を締め付けている。

 ぎゅっと目を閉じ、指の感覚を味わっていたリースに、息遣い荒くレフが声をかけた。

「ほら……、ちゃんと全部入りましたよ? ……隊長のナカ、凄く……温かい」

 指から伝わる体温を感じながら、レフの指がナカを探る。
 熱くも柔らかいそこは愛液でうるおい、彼の指をぬるぬると滑らせる。少し指を引き抜いただけで、粘っこい音がいやらしく響き渡った。
 
 ナカを慣らすため中指をゆっくりと動かすと、リースの腰が浮いて反り返った。レフの指が壁を擦るたびに、彼女の細い喉から短い喘ぎ声が洩れる。
 
(ナカが……、すごくキツイ)

 指を締め付ける力を感じながら、レフは下部の滾りを抑えるのに必死だった。指に感じる締め付けを、解き放ちたいと硬くなる自身に重ねていたからだ。

 しかし、眉根を寄せているリースを見ると、気持ちよさよりもまだ違和感が強そうに思えた。

(もう少し慣らさないと……)

 そう思い、反対の手で、秘所のとがりを弄った。

「あああっ!」

 突き抜ける直接的な刺激に、リースの身体が大きく跳ね上がる。ガクガクと身体を震わせ、開いた唇から唾液が零れたが、それをぬぐいとる余裕など本人にはない。

「あっ、あっ、あっ……」

 突起をいじる指が動くたびに、喉から勝手に悦びの声があがった。

 ナカも外もこすられ、どちらで気持ちよくなっているか、分からない。朦朧もうろうとする意識のなか分かっているのは、もたらされる快楽の波が次第に大きくなってきているということ。

「はっ……あう……」

 ナカを探る指が、もう一本増えた。
 ぬるりと侵入してきたそれも、リースの蜜穴は取り込み貪欲どんよくに咥え込む。

 先ほどまでの痛みは快楽となり、身体中の中心で、今にもほとばしりそうに激しく情欲じょうよくを突き動かした。

(ほしい……、もっと、もっと……!) 

 彼女の頭の中は、更なる欲望を求めることしか考えられない。それに答えるように喘ぎ声を発しながら、刺激に身体を震わせて身もだえする。

 痛みも違和感もなくなり、ナカの動きは全て容赦ようしゃない快楽となって、休む間もなく彼女を襲った。

「あんっ……、いやぁっ……なにか……へんなのが……」

 あふれる快楽に限界がきたリースは、羞恥と耐えられない気持ち良さに涙目になりながら、得体の知れない感覚への戸惑とまどいを口にした。

 身体が湧き上がる情欲に耐えられず、甘いき声と共に胸が揺れる。

「いいですよ、隊長。そのまま、俺の指でイって下さい」

 愛しい人が初めて絶頂を迎える姿を、レフは興奮した表情で見つめた。指がナカと外で激しく動き、最後へと導く。

 大きな波が襲ったかと思うと、リースの息が止まった。
 同時に、今まで溜まっていた下腹部の熱がほとばしり、一瞬にして脳も心も溶かしていく。痺れるような絶頂の余韻を味わいながら、リースはぐったりと床に身体を預けた。

 ただ蜜穴だけは、レフの指を咥えて離さないよう締め付け、痙攣けいれんを繰り返していた。
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