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 レフは再び両ひざを持ち上げると、開かれた足のに視線を向けた。

 顔を近づけると、濃い匂いが鼻をくすぐる。厳しい彼女からは想像出来ない、本能を刺激する女の匂いに、散らばった思考がただ一つに集約しゅうやくされた。

(早く……ナカに入れたい……)

 体内にたまった熱を逃がすように深く息を吐くが、すぐに新たな興奮がとどまることなく湧き出てキリがない。

 気持ちを落ち着かせようとしても、呼吸はすぐに規則性を失い、激しく乱れた。今さらこの状態で気持ちを落ち着かせようなど、無理があった。

 激しく脈打つ指先で、ズボンの上から股の部分をなぞった。

 瞬間、リースの身体が跳ね、緩んだ唇のはしから可愛らしい声が洩れる。
 しかし本当に嫌がっていないのは、どこか嬉しそうな声色が物語っていた。

「んんっ……、や……だ……め」

「何が駄目なのですか? 気持ち良くなって……、ズボンまで湿っていることですか?」

 そう言って、再びズボンの上から秘所ひしょをなぞりあげた。

 指にじっとりと感じる湿しめり気が、内側から湧き出ているものであることは、彼女の反応から一目瞭然りょうぜんだった。

 乱暴に剥ぎ取りたい衝動しょうどうおさえながら、ゆっくりズボンを降ろしていく。独房どくぼうの中で少しだけ目に入った、白くなめらかな肌が少しずつ姿を現した。

(こんな綺麗な身体を、隠していたなんて……)

 誘われるようにももに口づけると、彼女のズボンを下ろしながら、そのまま唇を這わせた。そして愛おしそうに、ももに頬を寄せる。

 リースは身体をもだえさせながらも、普段決して感じる事のない場所からの刺激を受け入れた。

 内腿に彼の頬が当たっていると思うと、一層興奮が掻きたてられ、熱の塊が下腹部に広がって切なさが込み上げてくる。

 レフは、ズボンを乱雑に放り投げた。
 そして再びひざを持ち上げて両足を広げると、ショーツのクロッチ部分に顔を寄せた。

 ズボンで覆われていた時以上の匂いが、レフの情欲じょうよくを刺激する。頭がくらくらして、目の前のそれのことしか、考えられなくなる。

「ああ、もうこんなに濡れて……」

 愛液あいえきで大きな染みを作るショーツを目の前にし、思わず声が出てしまった。

 その興奮を抑えられない声に、リースの心臓が跳ね上がる。

(あんな恥ずかしい場所を見られてるのに……なんでこんなに身体が熱くなるの?)

 自身が興奮していると気づき、リースは困惑したが、身体は彼女が感じている性的興奮を正直に反映はんえいする。

 布からみだした蜜が、クロッチ部分をなぞるレフの太い指を濡らした。

 それは元々あったショーツの染みをさらに広げ、彼の指にまとわりつく。

 下着の上から秘所をなぞるだけで蜜を漏らすリースに、レフは嬉しそうに声をかけた。

「隊長……、下着の色が変わるくらい濡れてますよ?」

「ちっ、違うの! くすり……のせい……」

「ふふっ……、本当にそれだけですか?」

「ほんと……んっ……」

 リースの言い訳は、レフのキスによって永久に失われてしまった。

 薄くいた隙間からレフの舌がねじ込まれ、そのまま口内を無遠慮ぶえんりょに掻き回していく。舌同士が触れるとすぐさま絡み合わせ、互いの唾液を混じり合わせた。

 キスの間も、レフの指は止まらなかった。

 むしろ舌を絡め合わせる興奮からか、秘所をなぞる指の動きが激しさを増す。

 それに合わせ、蜜穴が新たな愛液をき立たせ、彼の指を濡らした。

 唇を離すと、レフは濡れた指をリースの前に持ってきて、意地悪く笑う。 
 
「ほら、たったこれだけで、こんなにも俺の指を濡らして……」

 目の前に示された指先は、ランタンの光を受けて鈍くつやを放っている。

 恥ずかしくなって、リースは両手で顔を覆い隠した。自分の身体の反応を目の前で見せつけられ、薬の催淫効果を超える恥ずかしさが彼女を襲った。

 しかし少し顔を覆った手をずらすと、上目うわめ使いでレフに尋ねる。

「レフ……、こんないやらしい私に……幻滅げんめつ……した?」

 この質問にレフは瞳を見開いたが、あまりにも可愛らしい質問に、口元が自然とゆるむ。

「……まさか。ますます好きになりましたよ」

 リースの言葉に小さく微笑むと、彼女の額に優しくキスをした。

 彼の言葉に、リースは少女のような恥じらいをみせ、頬を赤くする。レフと視線が合うと、性的な高まりとは違う、純粋な照れ笑いを浮かべた。

 だが、少女のような愛らしい表情は、レフがショーツの中に手を入れた事によって、艶やかな女の表情へと変わる。

「んあぁっ! ああっ……、やっ、やぁっ……だめ……やめ……」

 決して人の手が入らない場所に侵入してきた指の感覚に、リースの身体がりかえった。

 しかし言葉とは逆に、さらなる快楽を得ようと両腿が締まり、彼の指を深く味わうように揺れる。

 レフが指を動かすたびに、切なさと暴走しそうな身体の熱が全身を駆け巡って、何も考えられなくなる。
 
 ただ唇だけは、指の動きに合わせて甘く淫らな声をあげ続けた。
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