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第47話 お別れです(別視点)②
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”お義母様”
いつまでも聞いていたくなるほど心地よい幼な声が、リュミエールの耳の奥に蘇った。
閉じていた瞳が、勢いよく見開かれた。
今の声によって、身を預けようと力を抜いていた身体全体に激しく血が巡る。
”リュミエール”
今度は、穏やかで安らぎを感じる男性の低い声。
それを思い出すと、心の奥がキュンッとなり、頬から耳にかけて熱が上がる。
心から溢れた愛おしさが、力へと変わる。
(そう……だわ。私には、レオン様とビアンカがいる。私が全てをなげうってでも守りたいと願う、愛する家族が……)
瞳を閉じると、瞼の裏に、レオンとビアンカの姿が浮かび上がった。
彼らは笑っていた。
優しい笑顔をリュミエールに向けながら、ビアンカは大きく手を振り、レオンはリュミエールに向かって手を差し伸べていた。
母親の作られた不気味な笑顔ではなく、心の底からの笑顔を――
鼻先で、チェリックの香りがフワッと漂った。
「……ごめんなさい、お母さま。私はあなたと一緒にはいられません」
リュミエールは瞳を開くと、笑顔を貼りつかせた母親に向かって毅然と言い放った。
今まで僅かにも動かなかった母親の笑顔が、突然豹変した。目頭と口が裂け、バケモノのような形相へと変わる。
今までリュミエールに対して隠していた恨みが、バケモノという形で現れたのだ。
『どう、して⁉ お前は、いっつもそうだっ‼ どうしてお母さまのいうことが、きけないの⁉』
リュミエールを締め付ける腕に更なる力がこもった。先ほどまで優しい声だったことが信じられないような、ひび割れた甲高い声がリュミエールの鼓膜を貫いた。
だがリュミエールは、たじろがなかった。
自分を絞め殺そうとせんばかりの力も、不快な金切り声も、全てを受け入れてもなお、毅然とした態度を崩さなかった。
ただ真っすぐ母親に伝える。
「私には愛する家族がいるのです。こんな私を……お母様を殺した私を受け入れ、愛してくれる家族が……」
『いるわけがないだろぉぉぉ‼ 呪われたお前を愛する者など‼』
母親が激しく首を横に振る。綺麗にまとまっていたはずの髪の毛が解け、首を左右に振る度に乱れたが、何かを思ったのか裂けた口角がニヤリと上がる。
『狭間の獣に取り憑かれたお前などぉ、誰が愛するものかぁ?』
リュミエールの心を傷つけようとしたのだろう。
しかし母の言葉を受けても、リュミエールの心には僅かな傷もつかなかった。
「お言葉ですがお母さま。今この瞬間も、私の愛する人たちが……家族が、私を狭間の獣から救う為に、尽力してくださっています。それに家族は言ってくれました。獣を祓い、共に幸せになろうと言ってくれたのです!」
『うるさ、い……うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい、黙れぇぇぇぇ――――っ‼』
母親の絶叫が響き渡る。
裂けた口から涎を垂らしながら、リュミエールを睨みつけた。
『呪われろ、これから先もずっとずっと呪われろ‼ お前だけが幸せになるなど、許さないっ‼ 私の前から消えた夫に似たお前が、私の夫を唆した売女のお前が、幸せになるなどぉぉぉぉっ‼」
もう母の心は完全に壊れていた。発言も支離滅裂になっている。
たった八歳のリュミエールを、父を唆した売女だと思う程、狂ってしまっているのだ。いや父が戦死したことすら、正しく認識しているのかあやしい。
哀れだ。
同情の視線を感じたのか、母親は絶叫した。
『私はずっと一人だったっ‼ 私はなにも悪くない、なのに、誰も私の傍にいてくれなかったっ‼ お前も、私と同じ孤独を味わって死ねっ‼』
私と同じ孤独――
その言葉が、リュミエールの中にある母親を救えなかった後悔と同情を消し去った。
「そう……でしたか」
何故か、ホッとしている自分がいる。
何故か、諦めている自分がいる。
今まで母と過ごした辛い日々が走馬灯のように流れて消えたが、何も感じなかった。
リュミエールの口元に、笑みが浮かんだ。
「私は、ずっとお母さまに寄り添っていたつもりでした。お母さまを一人にしてはいけない、私だけは最後まで味方でいたいと。しかしあなたにとって私は……いない存在だったのですね。いない存在なら……あなたを殺すことも出来ませんね?」
孤独にさせないため、あれだけ傍にいたのに、母の心に自分はいなかった。
ただの……憎しみの対象にすぎなかった。
母からの暴力も暴言も耐えたというのに、自分の気持ちは母には欠片も伝わっていなかっただなんて、滑稽な話ではないか。
(私は……十分にやった。母に寄り添い、自分の出来ることを精一杯やった。もう……いい)
これからは、リュミエールの傷ついた心を癒やしてくれた、愛する家族のために心を尽くしたい、と――
だから、
「もうこれ以上、私はお母さまに寄り添うことは出来ません」
『リュミエール‼ 私を捨てるのか⁉』
「私を先に捨てたのはお母さま、あなたですよ」
母親の裂けた口から、息を飲む音がした。リュミエールを締め上げていた腕から、一瞬力が抜ける。
リュミエールは一瞬の隙を、見逃さなかった。母親の腕の中で思いっきり身体を捻り、勢いよくしゃがむと、母親の拘束から抜け出すことに成功した。
リュミエールの身体が母親から離れた瞬間、
『あああああああ、りゅみえーるぅぅぅぅ――――っ‼』
母親が鬼のような形相を浮かべながら、リュミエールに向かって手を伸ばした。母親の身体が、リュミエールという支えを失った今、底が見えない闇へ落ちていっているのだ。
しかしリュミエールは手を伸ばさなかった。
代わりに、別れの言葉を贈った。
「――お別れです、お母さま。さようなら」
母は、亡くなるべくして亡くなったのだ。
例えリュミエールが叔父に、毒殺されそうになった真実を伝えなくとも、あの母はきっと別の方法で亡くなっていた。
だからもう、母親を殺した罪人だと思う必要はない。
レオンが言ってくれたとおり、リュミエールは幼いこの身を、必死に守っただけなのだから。
落ちていく母親の姿が消えるその瞬間まで、リュミエールは一時も瞳をそらさず見つめていた。全てが見えなくなると、記憶の中にある母の姿に向かって呟いた。
「私はこれから、私を愛し、私が愛する者たちのために生きます。幸せに、なります――」
そして瞳を閉じ、自分の中に意識を向けた。
いつまでも聞いていたくなるほど心地よい幼な声が、リュミエールの耳の奥に蘇った。
閉じていた瞳が、勢いよく見開かれた。
今の声によって、身を預けようと力を抜いていた身体全体に激しく血が巡る。
”リュミエール”
今度は、穏やかで安らぎを感じる男性の低い声。
それを思い出すと、心の奥がキュンッとなり、頬から耳にかけて熱が上がる。
心から溢れた愛おしさが、力へと変わる。
(そう……だわ。私には、レオン様とビアンカがいる。私が全てをなげうってでも守りたいと願う、愛する家族が……)
瞳を閉じると、瞼の裏に、レオンとビアンカの姿が浮かび上がった。
彼らは笑っていた。
優しい笑顔をリュミエールに向けながら、ビアンカは大きく手を振り、レオンはリュミエールに向かって手を差し伸べていた。
母親の作られた不気味な笑顔ではなく、心の底からの笑顔を――
鼻先で、チェリックの香りがフワッと漂った。
「……ごめんなさい、お母さま。私はあなたと一緒にはいられません」
リュミエールは瞳を開くと、笑顔を貼りつかせた母親に向かって毅然と言い放った。
今まで僅かにも動かなかった母親の笑顔が、突然豹変した。目頭と口が裂け、バケモノのような形相へと変わる。
今までリュミエールに対して隠していた恨みが、バケモノという形で現れたのだ。
『どう、して⁉ お前は、いっつもそうだっ‼ どうしてお母さまのいうことが、きけないの⁉』
リュミエールを締め付ける腕に更なる力がこもった。先ほどまで優しい声だったことが信じられないような、ひび割れた甲高い声がリュミエールの鼓膜を貫いた。
だがリュミエールは、たじろがなかった。
自分を絞め殺そうとせんばかりの力も、不快な金切り声も、全てを受け入れてもなお、毅然とした態度を崩さなかった。
ただ真っすぐ母親に伝える。
「私には愛する家族がいるのです。こんな私を……お母様を殺した私を受け入れ、愛してくれる家族が……」
『いるわけがないだろぉぉぉ‼ 呪われたお前を愛する者など‼』
母親が激しく首を横に振る。綺麗にまとまっていたはずの髪の毛が解け、首を左右に振る度に乱れたが、何かを思ったのか裂けた口角がニヤリと上がる。
『狭間の獣に取り憑かれたお前などぉ、誰が愛するものかぁ?』
リュミエールの心を傷つけようとしたのだろう。
しかし母の言葉を受けても、リュミエールの心には僅かな傷もつかなかった。
「お言葉ですがお母さま。今この瞬間も、私の愛する人たちが……家族が、私を狭間の獣から救う為に、尽力してくださっています。それに家族は言ってくれました。獣を祓い、共に幸せになろうと言ってくれたのです!」
『うるさ、い……うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい、黙れぇぇぇぇ――――っ‼』
母親の絶叫が響き渡る。
裂けた口から涎を垂らしながら、リュミエールを睨みつけた。
『呪われろ、これから先もずっとずっと呪われろ‼ お前だけが幸せになるなど、許さないっ‼ 私の前から消えた夫に似たお前が、私の夫を唆した売女のお前が、幸せになるなどぉぉぉぉっ‼」
もう母の心は完全に壊れていた。発言も支離滅裂になっている。
たった八歳のリュミエールを、父を唆した売女だと思う程、狂ってしまっているのだ。いや父が戦死したことすら、正しく認識しているのかあやしい。
哀れだ。
同情の視線を感じたのか、母親は絶叫した。
『私はずっと一人だったっ‼ 私はなにも悪くない、なのに、誰も私の傍にいてくれなかったっ‼ お前も、私と同じ孤独を味わって死ねっ‼』
私と同じ孤独――
その言葉が、リュミエールの中にある母親を救えなかった後悔と同情を消し去った。
「そう……でしたか」
何故か、ホッとしている自分がいる。
何故か、諦めている自分がいる。
今まで母と過ごした辛い日々が走馬灯のように流れて消えたが、何も感じなかった。
リュミエールの口元に、笑みが浮かんだ。
「私は、ずっとお母さまに寄り添っていたつもりでした。お母さまを一人にしてはいけない、私だけは最後まで味方でいたいと。しかしあなたにとって私は……いない存在だったのですね。いない存在なら……あなたを殺すことも出来ませんね?」
孤独にさせないため、あれだけ傍にいたのに、母の心に自分はいなかった。
ただの……憎しみの対象にすぎなかった。
母からの暴力も暴言も耐えたというのに、自分の気持ちは母には欠片も伝わっていなかっただなんて、滑稽な話ではないか。
(私は……十分にやった。母に寄り添い、自分の出来ることを精一杯やった。もう……いい)
これからは、リュミエールの傷ついた心を癒やしてくれた、愛する家族のために心を尽くしたい、と――
だから、
「もうこれ以上、私はお母さまに寄り添うことは出来ません」
『リュミエール‼ 私を捨てるのか⁉』
「私を先に捨てたのはお母さま、あなたですよ」
母親の裂けた口から、息を飲む音がした。リュミエールを締め上げていた腕から、一瞬力が抜ける。
リュミエールは一瞬の隙を、見逃さなかった。母親の腕の中で思いっきり身体を捻り、勢いよくしゃがむと、母親の拘束から抜け出すことに成功した。
リュミエールの身体が母親から離れた瞬間、
『あああああああ、りゅみえーるぅぅぅぅ――――っ‼』
母親が鬼のような形相を浮かべながら、リュミエールに向かって手を伸ばした。母親の身体が、リュミエールという支えを失った今、底が見えない闇へ落ちていっているのだ。
しかしリュミエールは手を伸ばさなかった。
代わりに、別れの言葉を贈った。
「――お別れです、お母さま。さようなら」
母は、亡くなるべくして亡くなったのだ。
例えリュミエールが叔父に、毒殺されそうになった真実を伝えなくとも、あの母はきっと別の方法で亡くなっていた。
だからもう、母親を殺した罪人だと思う必要はない。
レオンが言ってくれたとおり、リュミエールは幼いこの身を、必死に守っただけなのだから。
落ちていく母親の姿が消えるその瞬間まで、リュミエールは一時も瞳をそらさず見つめていた。全てが見えなくなると、記憶の中にある母の姿に向かって呟いた。
「私はこれから、私を愛し、私が愛する者たちのために生きます。幸せに、なります――」
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