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第9話 自慢のスープ
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「かくかくしかじかで――――」
「それから、ああなってこうなって――――」
「――だから、悪気はなかったんですけど眠ったら、その村の呪術師に眠りの呪いをかけられてしまって、1000年間眠って、今に至ります……」
本当のことを正直に話したらこの人たちはどういう反応をするのだろう。やっぱり幻滅されるのだろうか。そんなことを思いながら話した。
自分たちの村の守り神で大昔に魔王を倒した勇者。そいつは結局ただのクズだった。そう思われたらどんな扱いを受けるのか……まあ、たとえ追い出されたとして、俺にとっては今日出会ったばかりのまだ他人。また1人になるだけだ……。
そこまで考えていたんだけど、話し終わった時の2人の態度は思いもしないものだった。
「眠かったんなら仕方ないですよ……!」
「ええ、そうですとも。勇者様は何も悪くないと思います。不眠で眠たい人間を働かせよう、断ったら呪いをかけるだなんてひどい話ですね……!」
「やっぱり、伝説の勇者様は疑惑の勇者なんかではなく、本当のヒーローだったのですね!」
め……めっちゃ納得された……!
2人の獣人族は俺の境遇に同情してくたようで、怒りや悲しみの感情をあらわにした。両の拳を強く握って、私たちはあなたの味方ですと言わんばかりに。ウールちゃんに至っては涙を流してしまっている。
さすがは眠りを重んじる町と言ったところか。俺は嬉しいと共に驚愕していた。
「あ、ありがとうございます。でもそんなに泣かなくても」
「ひぐっ……だって私悲しいです。安眠様は何も悪くないのにそんな目にあって、世間では安眠様が本当に魔王を倒したことさえ疑う人もいるのですよ」
「そうなんだ……。でも、それは別に気にならないかな」
「私が気にするんです!呪いをかけた呪術師は許せません!」
「あはは……許さないって言ってもその呪術師ももう絶対に……」
感情が高ぶってしまっているウールは涙を拭くために取り出していたハンカチを噛んでいた。
「勇者様、私たちがお力になれることはありませんか?我々2人はもちろん、この村のものも皆きっと、勇者様がこの時代で生きるために必要な協力を喜んで致しますぞ」
メリヤスは力強く言った。
「そうですか。じゃあ……ご飯食べたいです。すごいお腹減っちゃってて……」
長い間眠っていたことと、ここに入ってきてから香ってくる美味しそうな匂いで俺の腹は空腹を訴えていた。
「はい。喜んで。ちょうどお昼時ですし、スープを煮ていたところなんですよ――」
それから、俺は起きてから初めての食事を頂いた。ウールとメリヤスと共に食卓を囲んで。
調理器具や食器には周りのものと同じく、見たことのない魔法アイテムが使われていたりしたけれど、料理そのものは1000年前のものと変わらない。家庭的においしく、野菜もたくさん入ったスープは栄養バランスも抜群である。
やたら腹は減っていたし、どんどん勧めてくるので遠慮せずにおかわりしていると、他の料理やパンも含めて10皿も食べてしまった。
けれど、そんな俺と同じくらい2人も料理をたいらげていた。見ていて気持ちが良いくらい。そもそもスープを煮こんでいた鍋は見たことが無いくらいでかかった。
「ごちそうさまでした。おいしかったです」
「それは良かったです。我が家自慢のスープなので言ってくれたらまたいつでも作りますよ」
「それで、そういえばさっきウールちゃんが頼みたいことがあるって言ってたと思うんだけど、それってまだ聞いてなかったよね」
大量の皿をテーブルに残したまま、俺は聞いた。
「はい。実は魔物退治を楽しみたかったんですけど……もういいです。安眠様の事情を聞いた今、起きてすぐの安眠様を戦わせる訳には……」
「魔物退治?」
「最近のことです、隣の村が数匹の魔物に襲われるという事件がありまして……周辺の魔物達が急激に力をつけ、徒党を組んでいるようで、そのうち本格的に人を襲うのではないかと。我が村にも時折、物騒な爆発音が聞こえてくるのですよ。先程も大きな音がしました――」
「あ、それたぶん俺です」
詳細を語り始めたメリヤスの話の途中で手を挙げる。
「そう。私、森でドラゴンに襲われて安眠様に助けて頂いたの。凄かったんだよおじいちゃん。なんとドラゴンが大きな魔法で1発」
「森でドラゴン!?そんなことがあったのか……孫娘がお世話になりました。ありがとうございます」
「いえいえ。それで話の続きは」
「ええ。ですから冒険者にも依頼して、周辺の村で戦える者も集まって討伐隊を編成しているところなんです。決行予定は10日後。ウールはたぶんそれに勇者様も参加してほしいと頼もうとしていたと思うんですけど」
メリヤスの言葉にウールが首を縦に何度か振る。
「でも、勇者様は少なからず傷心でしょうし、今はゆっくり休まれたほうがいいかと……」
「いやいや。全然問題ないっすよ。やります魔物退治。これからまた俺も冒険者として生きていこうと思ってましたしちょうどいいです」
「え、もうそうやって決められているのですか。しかも冒険者になると?」
「もともとそうやって生きていましたし、というか感覚的には現在進行形で冒険者です。勇者なんて言ってみれば熟練冒険者、魔物を倒してお金を稼ぐのは俺の生活そのものですよ」
「左様ですか。それは私たちにとっては大変心強くてありがたいことです。ただ、今はたぶん冒険者の制度が勇者様の時代と少し変わっているのですよ」
メリヤスは手を口元に持っていって表情を曇らせる。
「え、そうなんですか」
「はい。私が子供の頃の話です。だから、それほど昔の話ではありません。冒険者周りの取り決めが大きく細かく変わりました。勇者様と関係があって1番変わったところは冒険者に資格制度が導入されて、冒険者としてお金を稼ぐのにライセンスが必要になったことでしょうか」
「ええ。じゃあ冒険者になりたかったらまずどっかで試験を受けなきゃいけないんですか」
「そうです。これがまた競争率の高い難しい試験でして……」
「そんなに?」
メリヤスは口にあった手をさらに頭まで持っていって、苦しそうに目を閉じる。
「いや、勇者様の力であれば余裕でしょうね。難しい試験であることは本当ですけど」
そこでメリヤスが冗談を言うのが好きなおじいさんであることは完全に理解したけど、ご飯もご馳走になったし俺はまだツッコミを入れるには至らなかった。
「…………。その試験のことはまた周辺の魔物退治が終わったら詳しく教えてください。魔物退治についての話も後で。俺、ちょっと周辺を散歩してきていいですか?」
「はい。しばらくの寝食はこの家を使ってください。空いている部屋もありますので」
「ありがとうございます。お世話になります」
「こちらこそ、安眠様が起きてしまうとか周辺の魔物のことで悩んでいたんですけど、一気に心が軽くなりました。ありがとうございます」
「はーい」
軽く頭を下げると、大きく頭を下げて返される。俺はメリヤスが頭を上げる前に手を上げながら背を向けて、外へ向かって歩き出す。
それを表情や素振りに出さないように振舞っていたけれど、早く1人になって考えたいことや試したいことがあったのだ――。
「それから、ああなってこうなって――――」
「――だから、悪気はなかったんですけど眠ったら、その村の呪術師に眠りの呪いをかけられてしまって、1000年間眠って、今に至ります……」
本当のことを正直に話したらこの人たちはどういう反応をするのだろう。やっぱり幻滅されるのだろうか。そんなことを思いながら話した。
自分たちの村の守り神で大昔に魔王を倒した勇者。そいつは結局ただのクズだった。そう思われたらどんな扱いを受けるのか……まあ、たとえ追い出されたとして、俺にとっては今日出会ったばかりのまだ他人。また1人になるだけだ……。
そこまで考えていたんだけど、話し終わった時の2人の態度は思いもしないものだった。
「眠かったんなら仕方ないですよ……!」
「ええ、そうですとも。勇者様は何も悪くないと思います。不眠で眠たい人間を働かせよう、断ったら呪いをかけるだなんてひどい話ですね……!」
「やっぱり、伝説の勇者様は疑惑の勇者なんかではなく、本当のヒーローだったのですね!」
め……めっちゃ納得された……!
2人の獣人族は俺の境遇に同情してくたようで、怒りや悲しみの感情をあらわにした。両の拳を強く握って、私たちはあなたの味方ですと言わんばかりに。ウールちゃんに至っては涙を流してしまっている。
さすがは眠りを重んじる町と言ったところか。俺は嬉しいと共に驚愕していた。
「あ、ありがとうございます。でもそんなに泣かなくても」
「ひぐっ……だって私悲しいです。安眠様は何も悪くないのにそんな目にあって、世間では安眠様が本当に魔王を倒したことさえ疑う人もいるのですよ」
「そうなんだ……。でも、それは別に気にならないかな」
「私が気にするんです!呪いをかけた呪術師は許せません!」
「あはは……許さないって言ってもその呪術師ももう絶対に……」
感情が高ぶってしまっているウールは涙を拭くために取り出していたハンカチを噛んでいた。
「勇者様、私たちがお力になれることはありませんか?我々2人はもちろん、この村のものも皆きっと、勇者様がこの時代で生きるために必要な協力を喜んで致しますぞ」
メリヤスは力強く言った。
「そうですか。じゃあ……ご飯食べたいです。すごいお腹減っちゃってて……」
長い間眠っていたことと、ここに入ってきてから香ってくる美味しそうな匂いで俺の腹は空腹を訴えていた。
「はい。喜んで。ちょうどお昼時ですし、スープを煮ていたところなんですよ――」
それから、俺は起きてから初めての食事を頂いた。ウールとメリヤスと共に食卓を囲んで。
調理器具や食器には周りのものと同じく、見たことのない魔法アイテムが使われていたりしたけれど、料理そのものは1000年前のものと変わらない。家庭的においしく、野菜もたくさん入ったスープは栄養バランスも抜群である。
やたら腹は減っていたし、どんどん勧めてくるので遠慮せずにおかわりしていると、他の料理やパンも含めて10皿も食べてしまった。
けれど、そんな俺と同じくらい2人も料理をたいらげていた。見ていて気持ちが良いくらい。そもそもスープを煮こんでいた鍋は見たことが無いくらいでかかった。
「ごちそうさまでした。おいしかったです」
「それは良かったです。我が家自慢のスープなので言ってくれたらまたいつでも作りますよ」
「それで、そういえばさっきウールちゃんが頼みたいことがあるって言ってたと思うんだけど、それってまだ聞いてなかったよね」
大量の皿をテーブルに残したまま、俺は聞いた。
「はい。実は魔物退治を楽しみたかったんですけど……もういいです。安眠様の事情を聞いた今、起きてすぐの安眠様を戦わせる訳には……」
「魔物退治?」
「最近のことです、隣の村が数匹の魔物に襲われるという事件がありまして……周辺の魔物達が急激に力をつけ、徒党を組んでいるようで、そのうち本格的に人を襲うのではないかと。我が村にも時折、物騒な爆発音が聞こえてくるのですよ。先程も大きな音がしました――」
「あ、それたぶん俺です」
詳細を語り始めたメリヤスの話の途中で手を挙げる。
「そう。私、森でドラゴンに襲われて安眠様に助けて頂いたの。凄かったんだよおじいちゃん。なんとドラゴンが大きな魔法で1発」
「森でドラゴン!?そんなことがあったのか……孫娘がお世話になりました。ありがとうございます」
「いえいえ。それで話の続きは」
「ええ。ですから冒険者にも依頼して、周辺の村で戦える者も集まって討伐隊を編成しているところなんです。決行予定は10日後。ウールはたぶんそれに勇者様も参加してほしいと頼もうとしていたと思うんですけど」
メリヤスの言葉にウールが首を縦に何度か振る。
「でも、勇者様は少なからず傷心でしょうし、今はゆっくり休まれたほうがいいかと……」
「いやいや。全然問題ないっすよ。やります魔物退治。これからまた俺も冒険者として生きていこうと思ってましたしちょうどいいです」
「え、もうそうやって決められているのですか。しかも冒険者になると?」
「もともとそうやって生きていましたし、というか感覚的には現在進行形で冒険者です。勇者なんて言ってみれば熟練冒険者、魔物を倒してお金を稼ぐのは俺の生活そのものですよ」
「左様ですか。それは私たちにとっては大変心強くてありがたいことです。ただ、今はたぶん冒険者の制度が勇者様の時代と少し変わっているのですよ」
メリヤスは手を口元に持っていって表情を曇らせる。
「え、そうなんですか」
「はい。私が子供の頃の話です。だから、それほど昔の話ではありません。冒険者周りの取り決めが大きく細かく変わりました。勇者様と関係があって1番変わったところは冒険者に資格制度が導入されて、冒険者としてお金を稼ぐのにライセンスが必要になったことでしょうか」
「ええ。じゃあ冒険者になりたかったらまずどっかで試験を受けなきゃいけないんですか」
「そうです。これがまた競争率の高い難しい試験でして……」
「そんなに?」
メリヤスは口にあった手をさらに頭まで持っていって、苦しそうに目を閉じる。
「いや、勇者様の力であれば余裕でしょうね。難しい試験であることは本当ですけど」
そこでメリヤスが冗談を言うのが好きなおじいさんであることは完全に理解したけど、ご飯もご馳走になったし俺はまだツッコミを入れるには至らなかった。
「…………。その試験のことはまた周辺の魔物退治が終わったら詳しく教えてください。魔物退治についての話も後で。俺、ちょっと周辺を散歩してきていいですか?」
「はい。しばらくの寝食はこの家を使ってください。空いている部屋もありますので」
「ありがとうございます。お世話になります」
「こちらこそ、安眠様が起きてしまうとか周辺の魔物のことで悩んでいたんですけど、一気に心が軽くなりました。ありがとうございます」
「はーい」
軽く頭を下げると、大きく頭を下げて返される。俺はメリヤスが頭を上げる前に手を上げながら背を向けて、外へ向かって歩き出す。
それを表情や素振りに出さないように振舞っていたけれど、早く1人になって考えたいことや試したいことがあったのだ――。
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