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第25話 結界の外へ
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近くで見たことは無かった国を守る壁。こうして傍で見てみると、とてつもなくでかい。前世ではそこそこの都会に住んでいた俺でもあまり経験がないほどのでかさだ。見上げてもどのくらいの高さまであるかよく分からない。この壁の中でこの高さを超えるのは城と大きな花くらいのものだろう……。
そんな壁から穴が空いている場所なんて見つけられるのかと不安になりもしたが、問題なくそれは見つかった。タナカ達の秘密基地の後ろを真っ直ぐに進むと、ちょうど正面に石と木材が積まれている場所があった。
こんなところがあるなんて、いったい誰が空けた穴なのだろうか――。邪魔な石と木をどけながら思う。
毎日騎士団が外を見張っているけれど、壁全域に警備が配置されているわけではない。魔物が通り抜けるのだって大きな穴が必要だし、彼らが守っているのは門がある場所だけだ。人数だって門以外まで配置する余裕はない。
たまに空から侵入する弱い魔物がいると、騎士団が駆けつけて対処するが、騎士団の到着が少しでも遅れると、近所の大人が倒しちゃったりする。侵入できる弱さの魔物は、基本的に冥府の大人よりも弱い。
これは多くの場合、魔物が弱いのではなく冥府の魔族が強いのだけど。
つまり、そんなものだということだ。壁の警備は大事な仕事だけれど、日頃から張りつめて行われるほどのことではない。町で、あの仕事は楽だと言われることもある。
とは言っても、定期的に壁に異常がないか点検してるはずなのに、この穴に気づかなかったのか――。
邪魔なものをどけ終わり、町と外との境界線に立つと、まぶしさを感じた。突き抜けるような光に、目を細める。この壁の内側で、こんなに全身で月明りを受けられる場所はない。
ちょうど大人が1人通れるくらいの穴から、広がる景色は辺り一面砂漠。けど、城の窓から見えるものよりも岩だとか枯れた木だとかが散らばっていた。
その中から俺はまず、魔物がいないかを目視で探した。左右に上下から、岩陰や外側の壁にまで素早く首を向ける――。
城の敷地内での度重なるトレーニングで、俺は強くなった確実に……。けれど、俺はまだ1度も実戦経験がなかった。侍女や騎士相手に打ち合い稽古や敵の攻撃を受ける練習なんかはしているが、それは実際の戦いとは程遠いものだ。
そろそろそれが欲しかった。こんなにトレーニングをしているのに戦うことが無いなら、意味がない。結界の中にいる魔物なら余裕で倒せるはずし、なんなら外にいる奴だっていけるかもしれない。なのに、いつまでも力を蓄えていてはもったいないではないか。
……とは思いつつも、ざっと見ていなかったので、本題に戻る。ダラダラと探し回る時間は俺にはない。壁の外へ出た瞬間、魔物を見つけることに必死になっていた俺は我に返った。
でも、まだ諦めるのは早い。これからルシェの宝物を探す作業を行えば、それで地中にいる魔物とかが見つかったりするかもしれない……。
壁から10m先くらいまでは張られている結界、俺は地上からそれに触れられるくらいの距離まで壁外の砂漠を進んだ。砂に足を取られながらも、急ぎ足で。そして脱力して目を閉じると、精神を統一させた。
頭のほうに魔力を集めると、前方にある魔力を感知することだけを考える……。そのことだけで頭の中を満たす……。すると、真っ黒な視界の中に小さな光が1つ生まれた……。
身体能力強化の魔法の1種で、その応用のような魔法である。魔力視の魔法だ。目を閉じて魔力だけを視界に映す。足を速くしたり、重いものを持ち上げられるようにしたりするのとは訳が違って、難しい部類に入る魔法。しかし、俺はもうできるようになっていた。
目を開けて、光っていた場所に目を凝らすと、微かに月明りを受ける水晶玉が見える。思っていたよりは近くにあった。そんなに離れていない距離で良かった。しかし……。
「魔物の反応はなかったか……」
俺はため息を吐くように言った。
光って見えた個所は1つだけ。つまり、この近くに現在魔物はいないということも分かった。かなり楽しみにしながらここへ来たのだけど、今日のところは会えそうにない。がっかりである。
でも、今回このままここへ来たことがバレずに帰れたら、また来る機会もあるかもしれないな。すぐ来れることも分かったし。
今日のところはさっさと目的を果たして、帰ろう。そう決めると、結界のほうへ手を伸ばす。
それまで余裕だった俺もその瞬間には緊張が走った。悪いことをしている感がピークに達したのだ。今世で親の言いつけや校則を破るのは初めてのことだった。
大丈夫だよな……ゆっくりと体を進めながら考える。
この結界は外からくる強い力を弾くことに特化した結界。弱い者の移動や、内側から外側への移動には何の制限もない。母が張っている結界だ。
小さな頃から何度もこの結界の外に出るなと言われてきたものだ。本当にこの先へ出ても……。
と、そんな時だった。
「坊ちゃまー!」
後方、少し遠くから微かに俺を呼ぶ声が聞こえた。見ると、壁に空いた穴のところから、俺を探すように首を振る侍女のユイネの姿があった。
さらに次の瞬間、そのユイネの黒い瞳と目が合う。
やばい――そう思った俺は、連れ帰られる前に水晶玉だけでも取っておかなければという思考にいたり、迷っていた1歩を踏み出す。
「はっ、坊ちゃま!いけません!」
薄い膜を抜ける不思議な感覚、それを感じると俺はダッシュした。ユイネは俺より強いし速く動ける。距離が離れていても取り押さえるのなんて一瞬だ。
だから、早く水晶玉を取らなければ、その意識が先行する。
全速力で飛ぶような移動、数歩で数十m先の水晶玉までたどり着いた。
しかし、ものの2秒ほど――水晶玉を拾い上げた俺はそんな一瞬で結界の外へ出たことを後悔した――。
魔力視なんて使わなくても分かった――それほど大きな力の塊、強大な魔力を持った何かがこちらへ接近している――そんな嫌な感じが俺の足をすくませたのだ――。
さらに1秒後、砂の中から出現したのは大きな口、鋭い牙が3重になっていくつも生えている。何の魔物の口かも分からないが、瞬く間に見える視界はすべてその口の中になった。
怖い――そんな感情すらも抱けない速度――。
俺は何が起きているかも分からないまま、その巨大な魔物の口は勢いよく閉じられた。
そんな壁から穴が空いている場所なんて見つけられるのかと不安になりもしたが、問題なくそれは見つかった。タナカ達の秘密基地の後ろを真っ直ぐに進むと、ちょうど正面に石と木材が積まれている場所があった。
こんなところがあるなんて、いったい誰が空けた穴なのだろうか――。邪魔な石と木をどけながら思う。
毎日騎士団が外を見張っているけれど、壁全域に警備が配置されているわけではない。魔物が通り抜けるのだって大きな穴が必要だし、彼らが守っているのは門がある場所だけだ。人数だって門以外まで配置する余裕はない。
たまに空から侵入する弱い魔物がいると、騎士団が駆けつけて対処するが、騎士団の到着が少しでも遅れると、近所の大人が倒しちゃったりする。侵入できる弱さの魔物は、基本的に冥府の大人よりも弱い。
これは多くの場合、魔物が弱いのではなく冥府の魔族が強いのだけど。
つまり、そんなものだということだ。壁の警備は大事な仕事だけれど、日頃から張りつめて行われるほどのことではない。町で、あの仕事は楽だと言われることもある。
とは言っても、定期的に壁に異常がないか点検してるはずなのに、この穴に気づかなかったのか――。
邪魔なものをどけ終わり、町と外との境界線に立つと、まぶしさを感じた。突き抜けるような光に、目を細める。この壁の内側で、こんなに全身で月明りを受けられる場所はない。
ちょうど大人が1人通れるくらいの穴から、広がる景色は辺り一面砂漠。けど、城の窓から見えるものよりも岩だとか枯れた木だとかが散らばっていた。
その中から俺はまず、魔物がいないかを目視で探した。左右に上下から、岩陰や外側の壁にまで素早く首を向ける――。
城の敷地内での度重なるトレーニングで、俺は強くなった確実に……。けれど、俺はまだ1度も実戦経験がなかった。侍女や騎士相手に打ち合い稽古や敵の攻撃を受ける練習なんかはしているが、それは実際の戦いとは程遠いものだ。
そろそろそれが欲しかった。こんなにトレーニングをしているのに戦うことが無いなら、意味がない。結界の中にいる魔物なら余裕で倒せるはずし、なんなら外にいる奴だっていけるかもしれない。なのに、いつまでも力を蓄えていてはもったいないではないか。
……とは思いつつも、ざっと見ていなかったので、本題に戻る。ダラダラと探し回る時間は俺にはない。壁の外へ出た瞬間、魔物を見つけることに必死になっていた俺は我に返った。
でも、まだ諦めるのは早い。これからルシェの宝物を探す作業を行えば、それで地中にいる魔物とかが見つかったりするかもしれない……。
壁から10m先くらいまでは張られている結界、俺は地上からそれに触れられるくらいの距離まで壁外の砂漠を進んだ。砂に足を取られながらも、急ぎ足で。そして脱力して目を閉じると、精神を統一させた。
頭のほうに魔力を集めると、前方にある魔力を感知することだけを考える……。そのことだけで頭の中を満たす……。すると、真っ黒な視界の中に小さな光が1つ生まれた……。
身体能力強化の魔法の1種で、その応用のような魔法である。魔力視の魔法だ。目を閉じて魔力だけを視界に映す。足を速くしたり、重いものを持ち上げられるようにしたりするのとは訳が違って、難しい部類に入る魔法。しかし、俺はもうできるようになっていた。
目を開けて、光っていた場所に目を凝らすと、微かに月明りを受ける水晶玉が見える。思っていたよりは近くにあった。そんなに離れていない距離で良かった。しかし……。
「魔物の反応はなかったか……」
俺はため息を吐くように言った。
光って見えた個所は1つだけ。つまり、この近くに現在魔物はいないということも分かった。かなり楽しみにしながらここへ来たのだけど、今日のところは会えそうにない。がっかりである。
でも、今回このままここへ来たことがバレずに帰れたら、また来る機会もあるかもしれないな。すぐ来れることも分かったし。
今日のところはさっさと目的を果たして、帰ろう。そう決めると、結界のほうへ手を伸ばす。
それまで余裕だった俺もその瞬間には緊張が走った。悪いことをしている感がピークに達したのだ。今世で親の言いつけや校則を破るのは初めてのことだった。
大丈夫だよな……ゆっくりと体を進めながら考える。
この結界は外からくる強い力を弾くことに特化した結界。弱い者の移動や、内側から外側への移動には何の制限もない。母が張っている結界だ。
小さな頃から何度もこの結界の外に出るなと言われてきたものだ。本当にこの先へ出ても……。
と、そんな時だった。
「坊ちゃまー!」
後方、少し遠くから微かに俺を呼ぶ声が聞こえた。見ると、壁に空いた穴のところから、俺を探すように首を振る侍女のユイネの姿があった。
さらに次の瞬間、そのユイネの黒い瞳と目が合う。
やばい――そう思った俺は、連れ帰られる前に水晶玉だけでも取っておかなければという思考にいたり、迷っていた1歩を踏み出す。
「はっ、坊ちゃま!いけません!」
薄い膜を抜ける不思議な感覚、それを感じると俺はダッシュした。ユイネは俺より強いし速く動ける。距離が離れていても取り押さえるのなんて一瞬だ。
だから、早く水晶玉を取らなければ、その意識が先行する。
全速力で飛ぶような移動、数歩で数十m先の水晶玉までたどり着いた。
しかし、ものの2秒ほど――水晶玉を拾い上げた俺はそんな一瞬で結界の外へ出たことを後悔した――。
魔力視なんて使わなくても分かった――それほど大きな力の塊、強大な魔力を持った何かがこちらへ接近している――そんな嫌な感じが俺の足をすくませたのだ――。
さらに1秒後、砂の中から出現したのは大きな口、鋭い牙が3重になっていくつも生えている。何の魔物の口かも分からないが、瞬く間に見える視界はすべてその口の中になった。
怖い――そんな感情すらも抱けない速度――。
俺は何が起きているかも分からないまま、その巨大な魔物の口は勢いよく閉じられた。
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