不思議な時計屋

simaenaga

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第3章・生きるということ

14話 最高の人生

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俺の名前はレグルス。

父親は大企業の社長をやっている。

俺自身もその会社に勤めていて、それなりの地位を持っている。

だが1つ言っておこう、役職に関しては俺の実力だ。

決して親の七光りではない。

頭脳明晰、眉目秀麗びもくしゅうれい、金があって、権力もある。

欲しいものが手に入らなかったことなんて無い。

そんなわけで、俺は最高の人生を送っている。

いや、送っていたと言った方が正しいかもしれない。




「レグルスさん!私達と一緒にお昼食べに行きませんか?」

そう言いながら3人の女性社員が近づいて来た。

またか、と思いながら俺は素早く柔らかい笑顔を作る。

「ごめんね。昼に社長に来るように言われててさ。空いてたら皆とお昼行きたかったんだけど…。」

「え~。そうなんですか?残念です…。また今度来ますね。」

女性社員達は残念そうな顔をしてそれぞれの部署に帰っていった。

出来れば今度も来て欲しくないんだけどね…。

心の中でそう言ったときに、後ろから声が聞こえてきて振り向く。

「何で断ったんだよ。行ってくれば良かったじゃん。どうせ社長からの呼び出しなんてないんだろ?」

こいつはカイトス。

俺とこいつは同期で腐れ縁だ。

「いいだろ?別に。うるさいの嫌いなんだよね。」

「かー、腹立つなぁ。さっきのあの子達に聞かせてあげたいよ。モテる男は違いますね~。」

「どういう意味だよそれ!」

「さっ、おれも昼食食べに行かないとな。」

そう言いながら手をヒラヒラさせて出て行ってしまった。

「あっ、おい!」

あいつといると腹が立つ事もあるが、基本的には気楽で楽しい。

「俺も行くか…。」

そうして俺は昼食を食べるため、街へ出掛けるのだった。
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