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初心者冒険者と他1名編

マスコット枠て。

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「マスコット枠ってひどくない!?」
「いや、最重要だから。俺のモチベーションの100%がお前。やる気も癒しもお前にかかってるから」
「……ってことは、そっちのガキは――」
「ファイアボール」
ギオさんのすぐ横を、人間より巨大な火球が通り過ぎて、すぐに消えた。
「こいつの名前はレン。ガキ、なんて名前じゃないぜ」
「……れ、レン君は何か戦闘スキルは」
「えーっと……ごめんなさい、特にないです……」
というか、俺武器さえ持っていない。この町で買おうと思ってたから、こんなことなら先のとがった農具でも持ってくればよかった。
「ご、ごめんなさい……あの、建物を倒壊させたり崖を崩落させたりはできるんですけど……」
「!?」

「で、これからどうするってんだ? まさか、何も考えてねえわけじゃねえだろうな」
「ど、どうしよう……」
「あー、レン。俺を頼ってる? 気分いいなこれ!! 初心者に教えてるベテランの優越感がある!!」
「うるせぇよ。そういうのいいから、どうしたらいいか教えろよ!」
「あー、じゃ、作戦会議かな。ギオさん、町に伏兵は15人、北側街路に陽動8人、町の外の『輪』は2重で60人、残りは町が燃えた後に殴りこんでくる。決行は月が2時の位置でいいかな?」
「……っは、あの参謀さんとやらも大した事ねえな。こんなガキに何もかもお見通しかよ」
「ゆ、ユウキさん、すごいです……!!」
「じゃあ、騎士団と警吏官と連携しようか」
「おい、俺は行かねえぞ!! 誰があんな官憲の犬のところに」
「ファイア――」
「おい、ユウキ! それやめろって!!」
すぐに武力に訴えるユウキの袖を引っ張って、ギオさんに頭を下げる。
「この町、俺のお得意さんがたくさん住んでて……みんな無事に済ませたいんです! お願いします、ギオさん! 力を貸して下さい!!」
ギオさんが、舌打ちして背を向ける。
「……ギオさん?」
「俺と、妹の身の安全を保障しろ。約束を破ったら、すぐにその首をへし折るからな」
「はい!!」
「よ、よかった……これで、無一文を回避できますっ」
「へー」
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