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最初の村
旅立ちの決意なんですが?
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朝起きて、水瓶の水で顔を洗って、食卓に向かった。
「わー。ほんとにジャガイモ」
「文句を言わずに食べろよ? 畑仕事もたっぷりあるからな」
「それなんだけどさ」
「旅に出たい?」
「……さすが、わかるんだ」
「何年、お前の兄ちゃんやってると思ってるんだよ」
「なんか、世界が一気に開けちゃって、帝国軍も怖かったけど、あそこで役に立てたなら、やっぱり行ってよかったなって思って」
「うんうん」
「心配かけたのは本当に申し訳ないし、今度から、もっとちゃんと考えて行動するから」
「はー……」
「世界を見て回りたいなって。旅、出ちゃダメ?」
「いいぞ」
兄ちゃんが、どんと袋を食卓に置いた。
「少しだけれど、銀貨をためておいた」
「つ、使っていいの? うち貧乏だし」
「心配するなよ。でも、これじゃすぐに足りなくなるぞ。自分で路銀を稼げるようにならなきゃな」
「うん……」
「辛い時や困ったときはいつでも戻って来いよ」
「うん」
「ここはいつもお前の家だし、兄ちゃんはいつでもお前の兄ちゃんだからな!」
「うん!!」
「あと、15歳の誕生日には兄ちゃんから会いに行くから、戻ってこなくていいぞ」
「……うん?」
「この村も心配するな。兄ちゃん、こう見えて強いんだからな。あんな奴ら、一人残らず永久凍土の牢獄に閉じ込めてやるから」
「……う、うん」
「世界のどこにいたって、兄ちゃんはお前の存在を感じているからな」
「……うん???」
なんだろう、すごくうれしいのに、何かがおかしい気がする。
「わー。ほんとにジャガイモ」
「文句を言わずに食べろよ? 畑仕事もたっぷりあるからな」
「それなんだけどさ」
「旅に出たい?」
「……さすが、わかるんだ」
「何年、お前の兄ちゃんやってると思ってるんだよ」
「なんか、世界が一気に開けちゃって、帝国軍も怖かったけど、あそこで役に立てたなら、やっぱり行ってよかったなって思って」
「うんうん」
「心配かけたのは本当に申し訳ないし、今度から、もっとちゃんと考えて行動するから」
「はー……」
「世界を見て回りたいなって。旅、出ちゃダメ?」
「いいぞ」
兄ちゃんが、どんと袋を食卓に置いた。
「少しだけれど、銀貨をためておいた」
「つ、使っていいの? うち貧乏だし」
「心配するなよ。でも、これじゃすぐに足りなくなるぞ。自分で路銀を稼げるようにならなきゃな」
「うん……」
「辛い時や困ったときはいつでも戻って来いよ」
「うん」
「ここはいつもお前の家だし、兄ちゃんはいつでもお前の兄ちゃんだからな!」
「うん!!」
「あと、15歳の誕生日には兄ちゃんから会いに行くから、戻ってこなくていいぞ」
「……うん?」
「この村も心配するな。兄ちゃん、こう見えて強いんだからな。あんな奴ら、一人残らず永久凍土の牢獄に閉じ込めてやるから」
「……う、うん」
「世界のどこにいたって、兄ちゃんはお前の存在を感じているからな」
「……うん???」
なんだろう、すごくうれしいのに、何かがおかしい気がする。
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