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最初の村

絶望の未来を回避しろよ。

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「と、とりあえず、警吏さんに言って」
「田舎町の警吏に何ができるんだよ。5人とかだろあの組織」
「村長さんに言って王国軍に来てもらう」
「さすがに来週は無理じゃねえか? 今から騎士団を結集しても、間に合わないって」
「みんなで逃げよう!」
「帝国軍の騎馬隊相手に? グリフォン兵とかいたらあっという間に追いつかれるぜ」
「ええっと、ええ……」
「な、無駄なことしないで、次に住む場所考えようぜ。あ、俺みそ汁も飲みたい。味噌作って」

いや、味噌とか言ってる場合か!!
「……そうだ、ユウキがいる。ユウキ強いよな、あのチートスキルでこの村を守ってよ」
「え、ヤダ」
「ヤダって……」
「面倒くさいし……七五三とか全力回避するやつもあんまいないだろ。ほら、流れに身を任せといたほうがラクなんだよ。経験者の言葉だぜ」

キレた。
キレるときって、意外と頭に血が上らない。むしろスッと冷たくなる。
「そっか、じゃあいらない」
「あ、わかってくれた? 次はさ――」
「もうお前には頼らない」
「え?」
「いいやつだと思ってた。結構仲いいと思ってた。今後もずっとこういう気楽な関係が続くんだろうなって思ってた。全部俺の勘違いだったわ。じゃーな。来世ではもう話しかけてくんなよ」
「おい、レン、怒りすぎろだろ。そんなガチな話じゃ――」
ユウキを無視して、俺はうちの荷馬車に向かった。
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