異世界転生しすぎたコイツと初めての俺のアルファレードぐだぐだ冒険記

最初の村

異世界転生における顔面格差について。

起きた。
顔を洗って鏡を見ると、いつもの俺の顔。
前世は１５歳で死んだけれど、今は１４歳と７か月。
黒い髪に黒い目。あんまり日焼けしていない、でもちょっと農作業の日焼けで赤らんだ顔。
「……俺の顔、前世と１００％同じじゃね？」

「お、おはよ。大豆持ってきたか？」
ユウキの顔を見る。
まず銀髪。
シルバーっていうかプラチナ？　みたいな輝く髪。
肌の色は褐色。いや、ここは前世もあんまり変わらないな。こいつ何部だったっけ？　なんか運動部だった気がする。
瞳。金。いやいや、金の瞳ではなかった。少なくとも前世は

「その……今更聞いていい？」
「何？　あ、発酵食品マスターだったら大豆水につけたくてもいいぜ」
「お前さぁ、顔よくない？」
「塩ってどのタイミングで入れるんだろ。そりゃ、顔いいけど？」
「なんで！？　俺、前世と同じ顔！！　１００％完全一致！！　なんでお前は顔違うの！？」
「いや……え、普通に美形に生まれたからだけど……」
「顔面格差！！」
「いや……逆に美形以外に生まれたことないから……まあ今回はこの顔かって感じだけど……」
「人類史上最もクソオブクソ」
「俺、お前の顔好きだぜ。魅力……６だっけ？　まあ、普通って感じで」
「ギャラクシービッグバンクソ」
「あ、その顔かわいい。ちょっとカピバラに似てるよな」
「なんで、なんでお前はずっと美形で、俺は普通顔なの！？」
「俺はお前の顔好きだから、それでいいけど」
「えー、美形になりたかった！」
「あの、もういいからさ、醤油作ろうぜ」
「えー、俺も格好よく生まれたかった！　女子にモテたかった！」
「はーい、樽ですよ、レン君」
「うぎー！」