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かもめ7440

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 美しい回廊を進む。
 津波のように押し寄せてくる華麗な色彩の乱舞・・。
 ソリアの非日常的に澄んだ眼の光を想起する。
 一瞬の注視もかなわぬ輝き・・。
 、、、、、、、、 、、、、、、、、、、
 声区を移った結果、顕著な換声点が現れる。

 見応えがある世界各国から集められた絵画のコレクション。
 歩くごとに目移りする。
 (美術鑑賞に感じる違和感のような配線的絵画・・)
 [描かれた当時の配色、その画家の意図、名画と贋作の決定的な違い]
 ・・・・・・知識や理解を装って評価されるマネーゲームの根源。金持ちの趣味。
 ―――絵は歴史研究の一つであり、絵それ自体は空間表現の発達。
 >>>絵の情念が静かに招ぶ―――真実の眼・・。

 虚空に凄まじい羽音を響かせる架空の童話じみた夢想・・。
 自我というものの基盤である身体のまとまりを意識化して、
 自意識を発芽させていく―――。

 アーチ型に穿たれた天井。
 そしてどこからともなく聞こえてくるバイオリンの音色・・。
 裏板へ何か小さな物陰がひらりと飛び降りるように・・。
 チョロチョロという謐かな水音―――。
 ・・・妨げるもののない優雅な物語をつづける―――、
 白いぼかし模様の黄昏の時刻・・鼻は二つ穴のボタン・・。
 借り物のきらびやかさとは違う。
 “軽快な合理化”とは違うその[アトリエは「傷口」]のように思える。
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 半分水の入っている桶に浮く草花とは違って、ほとんどすべて発見されたもの、
 もう他の人達には古く、何の不思議もない・・。
 でも負け惜しみだ―――、豪奢な変化のある宝石を惜しみなくばらまくことは称賛に値する。
 (美術品、アンティークのコレクションに舌を巻く。)
 ――でもそれがソリアを、
 深井の一面についた空洞のような瞳に。
 [本質的な認識]と[経験的な認識]とで理解する。
 任意の集合圏。
 (豊かな学識とは、奥ゆかしくものびやかな人柄とは、
 俗事にこだわらぬところから生まれるらしい、と・・)

 真空管の製造を行っているように、耳が痛い・・というイメージ――。
 多くの広間と回廊や通路のある大きな建物の一部分の平面図・・。

 古い教会の拝廊のフレスコ画や壁・・
 小利口で臆病な気質の沈殿物が驚くほどの速度で知識を吸収していく。
 途方もない時間と、途轍もない空間・・。
 宝石のようなこの快楽を、
 うつろなまなざしですりぬける・・。

 夕方の光の中を、煙やエクトプラズムのように彷徨う。
 ―――回廊という名の巨大な環形動物・・・。
 あたかも編み針がよどまずたゆまず毛糸のうえを流れるように。
       、、、、、、、、、、、、、、、、、、 、、、、、
 ただひたすら自他を圧服する力のみを求めた油絵の影・・かなしかり・・。
 謁見の間――。
 まるで『ピラミッドの開口式』だ・・。
 (粘液質の音・・暗欝なものへとずるずると滑り込んでゆく気配。)
 どうしてか、無数の鵞鳥と家鴨が水の上と岸を動きまわっている姿を連想させた。
 (人相学の本にロビンソンやガリヴァーが説明されていたらこんなシーン・・。)
 一際高い壇上に不動の状態の玉座が据え置かれ、
 傍らには近衛騎士団。それから国の重臣たち。
 それから一点の微光のような消息が霹靂のように響いたとして・・。
 秘密の翳りに包まれた、金色の霜降りのような祭服に宝冠、権杖を持った・・。
 神官を見る・・。
 [豪華絢爛な謁見の間の宗教画・・]
 (王国と教会との蜜月、時間と空間に数々の示唆を生む)
 真紅の絨毯のうえをせっせと脇目もふらずに進む第一王女であるソリアと、
 (ちなみにピグはその撫で肩の上でお利巧にしている・・)
 その傍らを歩く侍女のウィズと、それから二歩ほど下がっているシード。
 ―――急制動をかけるエア・ブレーキの噴き裂けるようなひびき。
 光に見放された冷気のような足音。腸が蠢ごめく。
 ソリアの父親に拝謁する。
 額に皺のある、気難しそうな、それでいて貫禄のある体型、召し物をした、
 ギディオン=ラントニー=ウィン王の低い、
    、、
 水車のせきのような威圧的な声。
 真昼の空の天頂に輝く折の太陽―――。
 ふさふさとした金髪に、やわらかい弓型を描いた眉に、温厚そうな瞳。
 悠長――怠惰・・欺瞞。
  ポイント
 ・・宙点。―――首をくびるも、臓腑を引き抜くも、自由を与えるも王の仕事、
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 ひらいた瞳孔は息をひそめる虜囚の夜のよう。
 「娘が、助けてもらったと聞いた。感謝する。」と王様。
 と、柔らかい花を散らしたような、声。
 「それに、娘から、あなたと一緒に旅をしたいと、
 聞きました。」と、王妃様。
 ソリアのように情熱的なダリアの赤い髪・・。
 清らかな白い花が静かに咲いているような美貌。

 室内自体が音を食べて生きている動物みたいにあらゆる音を吸い込んでゆく。
 まるで、ぱたんとスケッチ帳を閉じたみたいに・・。

 長さ約二三.八メートル、幅約十一メートル、高さ約六.二メートル・・。
 広さは約二五十平方メートル。
 神経質なことやものぐさなことをあえて咎めだてしない精神は立派だが、
 誰がどう考えてもこれは馬鹿である。
 
 1、謁見の間は外交使節の謁見や叙勲の授与式に使われる
 2、通常はまったく使われない部屋である
 3、「玉座」と「謁見の間」はラッシード王国においては別物である

 [ピグ・スカンジナビア]
 (・・ねむ―――い・・っつ・・)
 
 //“ご主人様のために起きていたいのだが子守歌的雰囲気”
 【scene《ミスマユキオー仮面の告白ーゲイネスーボディビル幻想》】
 ***関係ナイデス、でもナイスデス、と誰かが言ってイマス・・。

 、、、、
 しきたりがしみこんでいる、機敏と慎み・・。
 おい、と控えている者から、手渡される。
 さてそろそろ、低い雲から雨が落ちだしてきたようだ・・。
 「ラッシード王国で発行している通行手形だ。
 これで、世界中どこへ行っても、
 それ相応の待遇をしてくれるだろう。」
 別にいりません、と正直に言いたくなる。
 しかし吹きこんでくる強い風で、
 開閉式の板窓が休みなく壁に叩きつけられているように、
 娘を連れてゆく男の立場をわきまえようとした。
 口が裂けても商人風な口のきき方をしてはいけない、と思った。
 いま自分は火中の山椒魚みたいなものなのだ、と。
 「ありがとうございます。」
 
 気付かぬ内に変わってゆく名もなき風景・・。
 肩にいる羊は寝そべって口を動かしている―――し・・。 
 、、、、、、、、、、
 でも誤解するなよピグ・・。
 さっきから、こいつらは全員薄暗い気配をさせて―――いる・・。

 「お金もできるだけ持たせるが、重荷となってはなるまい。」
 
 彼等はソリアを連れてゆくことをどう思っているのだろう?
 淡々と進んでゆく儀式的進行・・。
 アクティベート
 確認。
 ポーカーフェイス
 無表情・・。 
 引き返す距離が長いほど力をたくわえる波の激しさ・・。

 ―――サペンタエン先生が・・・。
 と、シードは心の中で呟いた。
 その動きの幅も眼に見えぬほど緩やかに揺れていた・・。
 ―――いまの自分のように・・。
 ―――王から感謝とねぎらいをいただき・・、
 
 (もう終わったことかも知れない―――けど・・)
 (でも終わったなんて―――言わせない・・)

 ―――でも先生、わかるんだ、
 ―――俺も先生と同じように罠にはめられようとしているのが・・。

 [王の声]
 (それにしても、何と存在感のある男だろう・・)

 //“遠い昔、こんな雰囲気を持った男を見たことがある”
 【scene《忌々しい記憶が思い出されて―――くる・・》】
 
 「兵士は?」
 「いえ、誰もいりません。下手に人手を増やせば、
 失わなくてもいい命を増やすだけです。」
 「・・・心配だ。すまないのだがね、」
 、、、、、、、、、、
 媚びをつつむおとがい。
 気配なんて曖昧なものではない、固い床を靴底が叩いて響かせる足音。
 その昔、勝者が死んだ敗者の胸から心臓をえぐりだして喰ってしまった、
 野蛮な時代があった・・行為を知らぬ行為者たちの価値観・・。
 黒と白のチェス盤的な世界がようやく蒼く澱んだ淵に入る・・。
 、、、、、、、、、
 蛇の口から赤を奪え―――。

 消える意識からの最後の働きかけのように少しだけ首を動かす。
 (千切れた神経の束のように切断された―――処置・・)
 そういう悲惨事はとある人物周辺に起こった不幸というのではなかった。
 これはとても懇切丁寧なやり方だ、反駁しようとする者もない正当な行いなのだ。
 サペンタエン先生の眼が、液体状になってしまったのも、さもあらん・・。 
 ―――しかもこれが宗教国家であるという事実・・神意とは屈折率のことか。
 とまれ、現実の人生の明晰の響きの前で、沈潜の歳月を後にする一日よ。
 名誉に泥を塗られる、傷跡に飾られ、卑怯な者から侮辱を受ける。
 ―――ひとすくいの岩清水、野生の薄荷の香、それに蛇苺の味でよいのに・・
 冷気が吹き上げる傾斜だ、そこに鎧に装われたような頑丈な橋が見えてきた。
 堆積した太古の湿気た河口地帯に殺到した生物の適者生存、
 メッセージは営みの歴史、ひとびとの蝟集し犇めく首都の滑稽、おかしな残滓・・。
 人を魅了するサスペンスに満ちた、壮麗な眺望に変わりつつ・・。
 鋭い眼をみみずくのように寄り眼にさせて・・。
 御座形な閑話休題―――。
 
 >>>神官の差し金?
 次の瞬間、選りすぐりの兵士たち、
 湿った霧が次第に厚い層をなして上方へたちこめるように、
 ―――王の厳粛な顔に微笑の蔭、石の神像の邪悪・・
 すなわち騎士団の精鋭が十数人、
 向こうから・・・・・・。
 ―――人影が僅か一歩先のところにある。

 [騎士団の声]
 (先程は世話になったが、これはこれ、それはそれ、だ。)

 //“飼い犬とはつまりこういうことだ”
 【scene《自分自身を放棄し―――なりふりかまわぬ連中・・》】
 
 ―――ここは、燻されたアスファルト、
 凱旋行列のような、騎士団の隊列・・。
 [侍女のウィズの声]
 (・・・ソリア様、)

 さまざまな映像は現実の見通しによって生まれてゆく、
 出る釘を打てば、火の粉を払えば、より人間の試練は強くなってゆく。

 「お父様!」
 うしろを馳けていく怒号。
 ソリアは驚いて眼を大きく開けた。
 ガラス玉のような突出した眼球――。
 心の中が捻じ曲がって堰き止められては野放図に昂揚し、
 冷たい澱が意識に残る。

 [ソリアの声]
 (老練で不屈な参謀の仕業・・)。
 、、、   、、、、、、、、、、 、、、、
 それが―――しかしそれがどうして・・こうなる・・・。

 (一六一二年、魔女といわれた十人の女性たちが、
 ランカスター城で絞首刑にされたため、)
 今もその地域にその霊が、憑り依いているといわれるみたいに・・。
 いまもそういう一本の冷厳な道がえんえんとつづいて―――ゆ・・く・・
 、、、、、、、、、、、
 報いられざるエスコート・・。
 世間には屈していないという気持ち、素性を知られ観察されているという気持ち、
 それが、眼に見えぬ流氷のようにあるシードにおける鬼門・・。
 政治の周辺にむらがる『利害関係』は“否応なし”に、
 【人間の喜怒哀楽】を激しいものにする。

 [ピグの声]
 (ご主人様の・・辛そうな顔―――)
 、、、 、、
 裏切り、復讐。
 それがいつも政治のカラクリのように動物的本能を刺激する。
 (どうして人間はこんなに馬鹿なんだろ―――う・・)
 >>>孔雀の尾のせいか?
 痙攣した神経をあらわに見せる磯巾着が潮の流れの中でゆらめくように、 
 また蜜蜂があくせくと巣へと出たり入ったりする・・。
 互 い を 見 失 い そ う な 霧 の 中 で ぴ っ た り と 傍 に い る ・・。
 冷たい気持ち、小さな黒い恨みの粒が、真珠の首飾りのようにぶら下がる。

 [ピグの声]
 (だから人間は信用できな―――い・・)

 、、 、、、、 、、、、、 、、、、、、、
 だが、シードは、手を上げて、静かにと言った。
 たたか……う?
 溺れている人間が一本の藁を見るように・・・? 
 いや、取り乱した表情はしていなかった、前方に向いた精神はまっすぐな歩みをやめない。
    コントロール・ライト
 瞳という操縦用光点・・。
 たとえそれが川の水面への投影さながらにゆらゆらと歪め揺すぶっていても。
 し かし だ・・。
 シードはこの悲惨な人間的幻滅の場面をどう思うのだろう。
   、、、             、、、、
 天竺まもりの褐色の莢のなか、鳳仙花のしんがりの中・・。

 ―――群衆が為す無数の会話・・・
 ・・・気に病めば刺客、暗い傷口がぱっくりと開く―――だけ・・。
 そこには何の感興もなく海の岩塊にへばりついている、牡蠣。
 ―――演じなければならぬ役どころはピエロ・・。
 視線の集中砲火。
 でも、武器を足元に置いて、拳をポキポキと鳴らした。
 瞬間、いさましく近寄ってきた精悍な男たちの背がゾクリとした。
 関節に物理的な力が加わったとき、内部では滑液の流れの中で真空に近い部位が出来る。
 そして小さな気泡が多数生じ、それらがはじけて大きな音が出る。
 クラッキング―――。

 「さっきの―――城へ攻め込まれた体たらく、
 ソリアを危険に晒した罪は許し難い。
 駄目な奴等をしごきたかったところだ。」
 、、、、、、、、、、
 眼は完全に狩人のそれ。
 音符数条件、跳躍条件、
 世界の、流れ出る諸々の力の中へ躍りこんでゆく・・。
 逆の立場だったらどうか、強がりでも、こんな発酵の仕方は出来まい・・。
 ごく―――り・・咽喉が鳴る・・。
 ヒートアップ・・ハイテンション・・ボルテージ・・。
 まるで蟻にペルシャ猫が前脚で戯れる・・。
 閃光弾――のような、白い牙・・。
 シードは騎士団連にフットワークをきかせながら軽快に懐に飛び込んで、
 燃料気化爆弾並みの渾身の右ストレートを決めようと動く。

 [騎士団員ヴァン・デル・ポスト]
 (何だ、この動きは・・)
 
 リズムを狂わされる不思議な動き―――攻撃のタイミングと場所を誘導・・。
 ―――心のヴァイオリンが奏でる新しい音を陶然として聞く。
 顔の真ん中を捉えた―――回避しようにも速すぎて身を躱すことができなかった・・。
 左足を滑らすようにして踏み込み、軌道上に、鈍い音が響く。
 突進した気配を感じながらもガードができない・・。
 先頭の男の鼻面を見事に直撃し、当たった相手の鼻が折れて気絶。
  タイミングは絶妙だった、開始十一秒、
 、、、、、、、、、、、、、、、、、、、
 一発で流れを変えてしまうクリーンヒット。
 場は回転する機械、間歇的なあらわれから特殊な天候へ、スルリ・・。
 ウエイトトレーニングを積極的に行った、ヘビー級の肉体が吹っ飛ばされる。
 それはフィニッシュ・ブローになった・・。
 映っているものは―――赤く光る拳・・。
 と、箪笥の引き出しから舌でも出てきたように・・。

 「どうしてお前が焦熱赫怒拳を!」
 (・・・武道の心得のある騎士団長が、喊ぶ―――)

 [騎士団長グスタフ・クレジオ]
 (シシ・リー・ジュリー先生の教えを・・)
 >>>世界でも五本の指に入る武闘家の名前・・。
 マニュアルプログラムでは変更の出来ない部分の操作。
 近接格闘。無駄のない動き、隙のない十全を期した運動操作。
 速度そのものではなく、速度のかわりかた――。
 無思考の条件的な反射で大きく呼吸をして、手のひらを握ったり開いたりする。
 拳に伝わるインパクトの感触、鈍い衝撃音。多彩な技。

 「我が蹄よ野に高く響け、衝破!」
 >>>衝撃波。
 「魂の底に湧出るをおぼゆべし―――千針!」
 >>>マシンガンパンチ。

 比肩するのもおこがましい、手紙の下手な文字のようなセリフ・・。
 ぐるぐるー、して・・・え。
 相手が怯んでるこの隙に一気に畳み掛けられるかどうかで勝負の明暗が分かれる。
 ―――確かにシードは強い。
 だが、多人数の卑怯な手法にはまれば苦戦を強いられることはある。
 かえすがえすも、冷静さを欠くということは、
 即、死につながるということなのだ。
 [全員で一気に襲い掛かってくる][飛び道具を使う]
 (判断力がある人間なら、まともなやり方では勝てないとわかった瞬間、
 ・・・形振り構わない戦いをするべき―――シードだって無敵ではないのだ、)
          、、、、、、、、、、
 逆の立場だったら、剣を槍のように投げる。
 ともあれ、彼等も派手な技によってシードの術中にはまっていき、
 先程の意味不明な人物の名が、ようやくわかってくる・・。

 「俺は、シシ・リー・ジュリー先生のお教え子だ。」
  
 それを聞くやいなや騎士団長グスタフ・クレジオは、武者震いを覚えた。
 ―――戦力の分散、統率の崩壊によって勝率はゼロになる・・。
 (いかなる形であっても敗北は不名誉なことと考えていた、
 スパルタ人がボクシングの競技会に参加することはなかったみたいに、)
 嘲笑とも憫笑とも違う、翼の折れた鳥のような作り笑い・・。
 ソフト・ウォッシュ
 柔洗浄・・。
 ―――万に一つも勝てるわけがねえ。
 「お前たちは俺が剣だけの男だと思っているのか。」

 [ソリアの声]
(・・そういえば、さっきの中庭での動き・・)

 、、、、、、、、、、、、、、
 ことさら調子を抑えた平坦な声。

 [でも、バターの塊を鋭いナイフで切り落としたように・・]
 >>>格闘技や魔法を何で習うんだろうと最初は思っていた・・。
 (けれど、格闘技も、魔法も、剣と変わらない・・)
 ―――格闘技は呼吸法、間合いを。
 魔法は剣や、肉体自体にかける強化系呪文に繋がっていった。
 対位法―――に似ている・・。
 そして、渚のような曲線の、汗まみれの青春の日々・・。

 やってしまえとフェイント無しで真っ直ぐ放たれたフォームが、
 選択的に属性や特例を考慮しながら結合する。
 筋肉質な男たちの繰り出すパンチと、弧を描く足先。
 だがいかんせん、遅い。毎日訓練しているはずの男たちの拳があたらない。
    、、、、、、、、、、
 率直にわけがわからなかった・・。
 でも相手が拳だからと遠慮をしたり、
 相手が武闘の心得があるからと腰が引けば―――。
 このような具合・・。
 feint/feint/feint

 [「物理攻撃を回避する性質」の部屋]にでも迷い込んだみたいだ・・。
 どころか、―――二つの白い影・・・。
    、、 、、、、、、  
 ―――ない・・ということは――つかみどころがなくてぼやけてゆくということ・・。
 瞬間移動・・・蜃気楼。
 堰きもかなわぬ山沿いの早瀬を泳ぐ魚さながらの神経。
 z.o.n.e...前歯が五本吹っ飛ぶほどのパンチ・・。
 視界がわずかしかない特殊サングラスのような狭窄状態。
 >>>もう眼を瞑っていたって勝てる。
 ビシュッ、とジャンプしたのは攻撃を躱すため、驚異的な身のこなしで反転し、
 騎士団の拳の上に片足立ちするシード。

 [騎士団員シラー・エリュアール]
 (何というバランス感覚・・)

 「剣を使ってもいいぞ・・使えるならな―――」
 次の瞬間、嚇熱した拳から炎が巻き上がり、
 足元に落ちていた騎士団の剣をどろどろに融かしてしまった。
 (戦力低下で最後の足掻きが生まれるワンチャンスを、シードは握りつぶす・・)
 [多人数は戦力を削ることがPOINTだ]
 死亡確定コース、崖から真っ逆さまコース・・。
 激しい活動的な景色―――。
 五分持ったかどうか、全員が次々に吹っ飛ばされ、シードの圧勝。
 というか、もうこれ以上やられたくないと立ち上がらない騎士団員もいた。
 なんでこんな強い奴と戦わなくちゃいけないんだ・・と―――。
 硬派も男気も、騎士団の誇りも、戦闘力の差を埋めるものではない。
 がま
 蝦蟇がつくばったような惨状―――蘚苔類・・。


 [ギディオン=ラントニー=ウィン王
 (やってくれるじゃないか・・)

 「腕には自信があるのはわかったよ、」
 そうは言いつつ、両手の爪を肘掛けにめりこませる。
 口角を窪ませ、
 暗い水のゆれるような光を瞳は・・。
 くらい水の黒い鏡のように謎めいた光・・・。

 [ギディオン=ラントニー=ウィン王]
 (使うつもりはなかったが・・)

 室内には閑散と先行きが不安になる空気。
 側頭葉は聴覚処理に関わり、一次聴覚野の本拠地・・。
 ラッシード王国自慢の騎士団を軽く捻られてその態度はいささか奇妙だ。
    、、
 答えはノウ・・
 別の視点から見れば・・奥の手、切り札、ジョーカー・・
 にわかの付け焼刃の言葉はそらぞらしく、取ってつけたようだったが。
 ―――ソリアは、お父様は何を考えているのだろう、と思う。

 「馬鹿なことをしたよ。」

 [シードの声]
 (まだ、何かあるな・・)

 諸将が、失策の責任をかぶるのを恐れて消極的戦法に終始するような言い方。
 でも彼は手元にある小さな宝箱の蓋を開けた・・
 微笑は消え、織りなすさまざまの影を形作る・・。
 (周囲にあるアイテムに近寄ると、
 「調べる」や「取る」などの選択肢が表示される)
 ひらきます・・か―――?
 あれは『魔法の箱』
 、、、、 、、、、、、、
 次の瞬間、魔法空間が現れ、
 砂漠地帯に出没する土の木偶人形であるゴーレムに、
 (ゴーレム」とはヘブライ語で「胎児」の意味。)
 [魔核で動く忠実な泥人形][耳がどうしてないのに命令は聞こえるの不思議]
 >>>反応範囲は正面七〇度程度の黄土色野郎。
 荒野地帯に出現する巨人タイタン、
 [呪文抵抗力][火事場の糞力]
 (タイタンは黒筋肉、やたら肩幅が広く、腕が長い。
 かろうじて、人型している・・)
 >>>鋼に身を包んだ怪力系まっくろくろすけ。
 森林地帯に出没する樹木系のドライアド、
 [足が根っこ、身体中が樹の幹が出ており、頭はこんもりとしたボブ風の葉っぱの繁り。かろうじて人型だとわかるが、樹じゃねえかという眼にやさしい緑色戦闘機]
 (ちなみに腕は樹なのにヨガ野郎のように、何故か
 両肘や両膝の関節を自由に外して手足を伸ばすことができる。撓る。)
 ―――萌豚専用ドライアドになれない、ここに出てくるモンスター。
 (相手を誘惑して木の中に引きずり込んでしまうが・・)
 ―――ここにそのような“森”はないので打撃系緑色野郎。
 そして氷河地帯に出没する氷のライカンスコープが現れた。
 [氷河より荒野の方がよかったのではないかという意見もある]
 (北欧神話にもウールヴヘジンと呼ばれる狼に由来した戦士がいるが、)
 ・・・この面子の中では一番まともな印象があるが、所詮は狼のかぶりもの野郎。
 ―――闇の中の生き物、狼男・・。

 [ピグの声]
 (という・・解説でいいのだろうな)
 
 ともあれ・・

 (LEVEL50で相手にできるような強力なモンスター)
 [四対一][闇の不透明な充溢]
 、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、
 嫌悪がぞろぞろ背筋を蜈蚣のように這い上がってくる。
 ねじの廻転―――。
 顔からすうっと血の気が引き、想いの切実さを嘲笑うように、言葉が先辷りする。
 ―――それで報告。-継続。・・・ほろ苦い、
 意図的に動作モーションの一部を消すみたいに。
        ハンドオブグローリー
 死蝋化された、栄光の手・・。

 [ソリアの声]
 (一度ならず、二度も・・)

 「お父様!」
 しかし、シードはまたもや手を上げ制止した。
 これに、ピグが反応する・・その声にソリアが反応する。
       マジ
 「ご主人様の本気モードが見れるなんて、今日はついてるなあ・・」

 スイィッチを切るように頭の中からすべての灯りを消し去る。
 ヨガの呼吸法―――咽喉仏が、動く・・。
 (・・彼はいま、冷えた溶岩さながら、あるいは砕けやすい氷さながら、)
 次の瞬間、―――シードの身体が王朝絵巻のような黄金色に・・。
 迸る闘気―――黄金の色には、
 『崇高さ』と『神聖』なエネルギーが宿っている・・。
 (本来は、実用的・経済的価値よりも、美意識上や呪術上の価値・・・)
 [『旧約聖書』の「創世記」にあるエデンの園、シュメール人の金製の兜]
 ―――金は魔力や呪術の象徴的な意味合いのもの・・
 闘気や殺気、怒りや悲しみそれらが、魔素を伝って物質化していく現象。

 あかるくてあたらしい―――いろ・・、
 ひとのこころに・・えいきょうをあたえる―――いろ・・。

 、、、、、、、、、、
 塑像を見ているようだ―――。
 人の自由な感情の流路が平衡を得た秤のようになる。
 その凝然とした感じにドメスティックな真情を吐露する段―――。
 よほどの達人でも到達できないとされる、―――『黄金領域』
 、、、、 、、、、、、、 、、、、、 、、、、、、
 その剣は、山をも切り裂き、雲をも貫き、海に道を作る。
 白 日 夢 の 出 現 。
 [金のような重い元素は、星の爆発などのすさまじい天文現象で生成されるもの。]
 >>>天上人・・神の偉大な権利と自覚を促す・・。
 (壁画に残された古代エジプトの王や女王たちのような不思議な感銘・・)
 ・・マルコ・ポーロの『東方見聞録』などで、
 「黄金の国」と呼ばれていたのは、日本産の金が出回っていたからだ、
 と知ったみたいに、
 <黄金領域>は人を魅了する、
 (テクストに注釈を書くような反射作用――)
 も・・う・・一度、言おう・・。
 動かされるままに身を寄せ合って生きるわれわれに、
 文明という頑強な障害物であるsystemが脆弱であることを思い知らせる、
 ―――魅了・・さながら鸛鳥・・
 キャッチターゲット・・・タイムフリーズ・・。
 あたかも『花瓶の亀裂から水の流れる』ように・・。
 だんだん 遠 の い て い く・・・・・・   
 
 「剣よ、光れ、唸れ、魂の叫びを聞かせろ・・」
 ゴーレムが凸レンズのように透き盛りあがって襲いかかる、
 イジョウジタ―――イ・・
 ・・・テン―――スウィ・・?
 ・・・・・・ソレトモ・・・・・・・・・カミ・・・・・・
 タイタンが闇を齧り減らすように頭上から押し潰そうとする、
 <瞬間に、満足し――困難な問題は複雑化する・・>  
 (原始的な恐怖―――畏怖・・・)
 [でもその「正体への追及」はいつも攻撃から・・]
 >>>浄化の火・・
 ―――コノ・・“ヌンゲン”ハ・・ナンダ・・コノ・・・“ヒカリ”ハ・・
 規則に関連した様々な問題は無限の遡及・・。
    、、、、、、       、、、、、、、、、
 問題は意味すること、そしてそれが何かを表象すること。
 ドライアドが自らを鞭のようにして異様なその枝を高速でしならせる!
 (―――発光性プランクトン・・)
 ・・・イヤチガウ・・・コノヒカリハ―――カミノイカヅチ・・
 ライカンスロープは凍死者続出の氷の息!
 ・・・タオセ、タオセ、タオセ―――。

 「金翅鳥よ、切り裂け!」

 芝居気にあふれながらも蒼古な英雄的感慨。
 吹く風に浴みすべし・・。
 (強い光によって、くらんだ目の網膜には閃光と点滅が見えただろう・・)
 胸部―――肩部の漲り・・膨張―――。
 シードの裸の本音。
 記憶の中の色褪せた捺し花にも似た、動かない表情が、身体が、
 魚のえらに突き刺さった釣り針のようなものとして処理されてゆく。
 居合抜きの要領で、抜いたのだろう、しかしそれは見えなかったのだ。
 黄金の衝撃波が放たれて十数秒後、そこにモンスターは立っていなかった。
 かすみ   ぎょくけい じゅうはんはんせん
 霞のからまる玉憩・・縦帆帆船のいたずらなる道―――。
 まぎれもない、一太刀。絶対的な強者が蟻の群れを踏み潰すような光景。
 
 「LEVEL50クラスのモンスター複数を、
 たったの一太刀で・・」
 、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、
 立ち上がろうにも腰が抜けているのかも知れない。
 ソリアは、周囲を見渡す。
 こ-わ-く-な-か-っーた-
 倒された騎士団たちも口々に、何て凄さだ、これが勇者か、と言っている・・。
 上陸。号砲。
 降車をしらせるバスのボタン・・。
 (ちなみに、私は先程そのように両親に話したのだ・・)
 でも、シードは、この城中にいる騎士団を束にしても勝てない、
 神力無双の人物。
 たった一太刀による劈頭で実力の片鱗は窺い知れる。
 逆に王―――あるいは神官の陋劣、歪曲にして矮小、
 そう虚栄心に満ちた外道の言葉などが底浅く思い返される。
 本当の力の前では、跳ね返される。
 棺のように緘黙を守ったソネットのように思えてくる・・
 棺のように緘黙を守ったソネットのように思えてくる・・
 それが―――人間の最後の無邪気、最後の臆病というものではないだろうか・・。
 私には民族色豊かな人形や銅像が並んでいるみたいに見えた。
 お父様が『魔法の箱』を閉めると魔法空間は解除される・・。
 シードの雄渾たる表情は、多くの者を退嬰させ、須臾、
 その生き方や考え方を斟酌し、またその偉大さを肌で感じて、
 誰もがシードに憧れにも似た感情を覚えたのではないだろうか。
 精神の力がそれほど感覚を目醒ましく美しくするし、
 感覚のすばらしさが精神にこまやかな艷やかな粘着力を与える。
 >>>お父様も、シードが泣き言をいうのを待っていたはずだ。
 ・・何処とも知れぬ馬の骨と旅など言語道断だと思ったから。


 [ギディオン=ラントニー=ウィン王]
 (これは・・)

 「―――これは大魔王征伐の可能性がある。」

 (では邪気のない見世物は終わろう、愚劣な悪徳と、おさらばだ) 
 「さて、神官様」
 「な、何だね、」
 ・・・喋るだけ面汚し、おお麗しい悪魔よ、
 ―――俺は何度この匂いを嗅いだだろう・・。
 「―――あの賊の証言を聞きましたか?」
 「聞いたよ。何もわからなかったそうだね。」
 「・・・ですが、この城には、ステータス・オープンというのがある。
 知っていますか? お金を入れてみたことがありますか?」
 「・・・何を言ってるんだね、君は。」
 王様と王妃様の表情が強張る。
 ソリアが、疑わしげな表情で見つめる。
 背後に、ヒースが腕を組んで構えている。
 くっきり と 浮かびあがって ゆ く―――

 「お金を入れると、
 その持ち主を明らかにするようになってる。
 人間とは違ってね、立派なものでしょう。 
 神官様―――あなたの名前が出た!」
 、、、
 それに、と、シードは言った。
 「いつまでその薄汚い顔をしているつもりか。
 ―――悪魔よ、姿を現せ!」

 運命より一足前へ出て、
 、、、、
 ぐぢよん、と、金色の霜降りのような祭服から怪物の手が出る。
 教義の純潔も何処へやら、聖職者も何処へやら、
 おしへ まちがひ
 訓導る過誤なしの人は今いずこ・・?
 ―――悪虐非道の妖魔をピック・アップ。
 眼と眼のあいだは広く、そして鼻梁はないに等しい、魔族・・。
 ずんぐりとした角、黒い肌・・。
 ・・・人間の魔獣化という事例は一度も聞いていない。
 ということはやはり、本物の神官は殺されたのだろ――う・・。

 「グギィヤオ・・グギギ―――くそう、ぬかったわ、
 このシードという男め、赦さんぞ、赦さんぞ!」
 “神官の正体”は『モンスター』だった。
 そこにおける人間間の困惑や憎悪・・湯気を立てるような赫怒・・。
 不安定なランプの火の燃ゆる音。
 だんだん―――もつれてくる頭・・
 距離について我々が貧弱に抱いた観念は数倍に膨らむ・・。
 瘴気は尾を引く眠気・・切なげな眼をするソリア―――。
 沈黙は金、雄弁は銀―――騎士団連の青色吐息・・。
               、、    、、
 国家権力を無意識化したような震動ないしは戦慄・・。
 “発言する資格”など夙うに剥奪された『城を守る者』たちの失態・・。
 見るに堪えない光景に心かき乱され王妃が眼を背ける。
 それでもさざなみのかたちはよびもどされ、
 これでわかった、やはりソリアは狙われたのだ。
 (たとえば)も(けっして)も使えない――
 モンスターを操って襲わせたのだろう。

 「みんな、逃げて!」
 薪小屋みたいに燃え尽きやすい憐れな心を感じながら・・。
 ソリアが、避難を指示する。
 悪魔に誤読された聖書がようやく死んでゆく・・。
 「その必要はない」
 
 「ちなみに言っておこう、神官様、
 ステータス・オープンの話は嘘だ!」

 と言ったのが聞こえたかどうか、
 次の瞬間には、シードの滅多切りが入ったからだ。 
 ***言葉は失われた
 ドア―――、ドア―――、ドア―――の、向、こ、う(で、)
 そして、歓声が聞こえた。
 シードが高らかに宣言したからである。
 右上へスライド・イン す る 吹き出し画面、
 法令・税制・規制の変更や解釈の相違、
 あるじゃないか、あるじゃないか、
 空中に浮かんだ眼に見えない壁を感じながら、
 ―――激叉の一撃、火の滴・・
 
 「・・・この国の宗教を作るのは、神官ではない!
 人々の本当の宗教心だ。
 神に対する愛と感謝だ!」

 [ソリアの声]
 (おお―――光が満ちてゆく・・)

 「そしてここにいるソリア姫のように、
 あるいは国を愛する心の前で、
 お前たちひとりひとりが、
 この国の宗教を立ち直らせるのだ!」
 
 この人は大変な危険な人物なのかも知れない。
 世界を変えてしまう『秘密』をいくつも知っている・・。
 新しい季節の訪れを―――感じた・・

 「眼を醒ませ、ソリア姫がどうして神官を批判したのか。
 政治的立場という理由で、何故黙殺したのか。
 そしてその神官の正体は、ソリア姫の敵を作ってでもと正直に発言した、
 その真心とはくらべものにならないほど、下劣だ。
 お前たちは愚かだ!」

 [ギディオン=ラントニー=ウィン王]
 (何と、頼もしい男だろう・・)

 「国家よ、立ちあがれ! 
 そして兵よ、何度でも立ち上がれ、 
 勇者シード・リャシァットは、
 お前のそういう気持ちと向かい合っているのだ。
 この剣に誓え、俺達は必ず勝つ、と。
 すばらしい国を作る、と。ならば、俺はこの剣に誓おう、
 かならずや大魔王を倒し、
 世界平和を取り戻してみせる、と。」

 雷に打たれて―――。
 、、、、、、、、、、、、
 ソリアの眼に涙が浮かんだ。
 睫毛の甘い曲線が濡れた・・。
 (『春の舞踏』に向かって差しのべられた燭台・・
 迷信が真実へと向かう、月の道―――)
 映像の豊かさを持ち、倨傲に、峻厳に、罪を糾弾し、そして救済する。
 夢の中のような、理不尽で、しかしそれに疑問も抱かずにいる奇妙な感覚。
 彼女がこれまで夢に見てきた本当の勇者が、そこにいた。
 その途方もない、強烈な、圧倒するような、堂々とした響き・・。
 たった一人ですべての人の心を動かしてみせる、カリスマ性を持って。

 ―――でも、ピグがソリアのところにきて、 
 本当に吹きだしてしまった。

 「・・・あれ図書室で、そのセリフ、練習してたんだよ。
 ご主人様、演説苦手だから。」


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