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異世界転移したら即魔王に手籠めにされた話
6話「勇者の思惑」非R18
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「魔王様、どうか落ち着きなさいませ」
「これが落ち着いていられるか!あの勇者が我がフィアンセに近付いたのだぞ!」
「そうだよ落ち着きなよ。フィアンセくんにだって人間の友達くらい許してあげなきゃ」
「勇者貴様なんでいるの?!?!」
先程姿をくらましたはずの勇者が少年含む緊急作戦会議に普通に紛れ込んでいた。魔人ばかりの場所に、お伽噺から出てきた王子ような外見を持つ勇者は浮きすぎている。
「まあそう焦らないで、争う気はないよ」
「争う気まんまんじゃろ貴様!フィアンセ殿に近付いておいて!」
「そっちじゃないんだけどなあ。フィアンセくんとは、本当に道に迷ってたら会っただけだよ」
「騙されんぞ!そんな都合良い事があるか!」
「目的地だろうが迷っていようが僕が歩けば何かに出会い。なにかが起こる──勇者ってそんなもんだろ?」
「えっなにそのチート……」
「それに僕が戦う気がないのは君ならわかるだろう、魔王」
「なんじゃと?」
「なにせ僕は───レベル1だからね」
「!!」
「レ、レベル1?」
急に出てきた言葉に少年が聞き返す。捲し立てるように勇者の情報量が多いが、結局はどういう事なのだろう。
「この世界の勇者は魔族と戦わないとレベル、つまりステータス──能力が上がらない。上がらなければ普通の人間と大差はないかな」
「……先々代あたりから、勇者のその秘密に気付き、勇者と魔族をむやみに戦わせないように仕向けてきた。その結果が平和路線の始まりではあったのだが」
「それでつまり……?」
「いまの勇者は武力には無力」
魔王が勇者の状態を結論付けるや否や
「近衛兵!近衛兵!こやつをつまみ出せい!」
「ちょっまだ話は終わってな」
命令を受け、すぐに屈強そうな魔王の部下が二人係りで勇者を引きずるように連れていったのだった。
「はあ、なんじゃあやつは。レベル1の癖に特攻してくる勇者なんて聞いたことないぞ」
「結局なんだったんだろう……」
「うむ。レベル1であるのは確かであろうが、結界をすり抜け、いつの間にか城内に侵入したからには何かあるのだろう。警戒は怠ってはならぬ」
「勇者ってみんなあんななの…?」
「我が見た勇者はあれが初めてだが、ちょっと伝え聞くのと違う気がする」
この世界の事は未だわからない事が多い少年は突然の来訪者に頭の整理が追い付かない。
少年の現世でいうなら、勇者は魔王を倒す存在だ。レベルを上げて、パーティを集め、仲間と共に世界を平和にする存在。
しかしこの世界は魔王が平和にしてしまって、勇者の役割はほぼないように思う。
魔王もそう解釈している事を話していた。1000年も不在だった勇者が今、現れたには何かあるのだろうか。
少年は色々と思考を巡らせるが、勇者は謎が多いし、そもそも少年はこの世界の魔王の事すら知らない。
少年は魔王の事ももっと知りたいと思い始めていた。
「フィアンセ殿よ、勇者についてはもう気にせずとも良い。それよりも、おぬし、本当に何もされなかったか?」
「うん。大丈夫だよ」
「本当か?無理しておらぬか?」
めちゃめちゃ顔が近かった以外は特に何もなかったが、あの接近ぶりは確かに危なかったかもしれない。
魔王の方が出会って即手籠めにしてる事実から比べると勇者は本当に現状無害なのだが、少年は勇者に気を許していけない気がしていた。
「おぬしはすぐ我慢をするからの。本当に困ったことがあったら言うのだぞ」
魔王のその言葉に、なんだかんだ自分を見てくれいるのだという事に少し胸が温かくなる。
「……ありがとう」
「なんじゃその反応は!可愛いではないか!」
「!?」
「愛い奴じゃのう!フィアンセ殿!」
「えっえっえっ」
魔王は少年をぎゅっと抱きしめた。
「ちょっやめろよ人前で!」
「大丈夫じゃ皆知っておる」
「そういう問題じゃ……」
「お熱いねぇ。妬けちゃうよ」
一瞬、その場が凍る。
「勇者なんでまたいるの!?!?!」
「やあフィアンセくん、また会ったね」
「魔王様~こいつめっちゃ良いヤツっすよ」
そこには近衛兵と肩を組んで親しげにしている勇者がいた。
「勇者、貴様まさか我が兵を洗脳……」
「まさか!そんな野蛮な事しないよ」
「魔王様、誤解っすよ。なんか話してたら盛り上がっちゃって」
「え」
「言っただろう?争う気はないって。話は最後まで聞いてほしいなあ」
「くっ……事態が呑み込めぬ以上、聞くだけ聞いてやる。話すがよい勇者」
魔王は納得いかない気持ちを抑え、ここは元凶に聞く事を選んだ。
「感謝するよ魔王。僕の目的はただひとつ───」
勇者の目的が語られるのを、その場の一同が息をのむ。
「いたってシンプル。和睦さ」
「え」
「魔王、君が築いてくれた平和には僕も感謝している。気に入っている。だからこそ、わざわざ壊す事など望んでいない」
「それはよかった。我めっちゃ頑張ったからね、これ」
「だから君が定めた世界秩序に従う。僕のレベルが上がることはないだろう」
「ふむ」
「それによって君たちも僕の権利を尊重する責任が生まれる」
「ん?」
なにやら雲行きが怪しいものになってくる
「仮に。仮にだよ。僕がフィアンセくんと仲良くしようと、どう思っていようとお互いに個人の自由が尊重される範囲内だよね」
「ん?ん?」
「勇者であろうと、今の僕はか弱い人間であり、無一文であり、なおかつ道に迷っていたのだから保護される権利が発生するよね」
「ちょ、ちょっと待たれ」
「そう。僕は君たちに寝食を提供されてもいい立場だと思わないかい?」
「今の貴様ただの不審者だよね!?」
「不審者っていうのは身元も目的もわかないヤツの事だろう?僕は勇者というそちらも承知の上の身元──もう旧知の仲のようなものじゃないか」
「貴様プライドとかないの!?」
「そんなものでお腹は膨れないなあ」
勇者はあっけらかんとして答える。
そしてその魔王と勇者の漫才のような流れを断ち切ったのは意外にも魔王の部下、近衛兵だった。
「魔王様、いいじゃないっすか。こいつ話すと楽しいんすよ~」
「近衛兵!?本気で言っておるの!?」
「だって実害ないじゃないっすか」
「え、確かに現状ないけど不法侵入……」
「つっても勇者、基本無抵抗だし楽しく話するだけっすよ」
「魔王様は勇者の事よくわかってないからそうなんすよ。話してればわかりますって」
「迷い猫みたいな感じで面倒見てやってもいいじゃないんすか?」
「人間だよ!?そんな軽くていいわけないじゃろ、しかも歴代魔王を葬ってきた勇者の役割を持っているのは事実じゃぞ!?おぬしら我への心配ゼロなの!?」
「魔王様~もっと肩の力抜いていきましょうよ~。そんなんじゃストレスで胃に穴があいちまいやすぜ」
「もう開きそうなんじゃが!?」
「どうだい魔王、君の部下たちも平和を望んでいる。──そして何より僕に君の結界は効かない」
「なん……だと……!?」
「ここに来て気づいたんだけどね。どうもこれも勇者としての能力らしい」
「そんなもん初耳なんじゃけど!」
「どうだいフィアンセくん」
少年は勇者から急に話を振られて肩が跳ねる。
「僕がいればきっと楽しいよ」
まぶしい笑顔を向けられる。確かに話していて楽しいかもしれない、かもしれないが───。
「!」
少年はずっと自分を守るように勇者と自分の間に入ってくれている魔王の裾を、視線を落とさず静かにそっと掴む。それに気づいた魔王は、それまで勇者に翻弄され歪めっぱなしだった表情を引き締めた。
「勇者、すまんが貴様は不審者として人間界に送り返す。これは城の主としての決定だ」
「へえ、いいのかな。君の部下は僕がいる事に歓迎しているし、僕に結界は効かない。そして君自身が作った世界秩序の権利保護の上で僕に手を上げる事もできないだろう?」
「貴様の言う通りだ。平和ボケした部下には後でキツく言っておこう」
魔王はパチンと術を解放する
「ちょ、ま、それ反則…!」
魔王は三人に分身し、その分身たちによって首根っこ掴まれた猫のように勇者は連れていかれたのだった。
「これが落ち着いていられるか!あの勇者が我がフィアンセに近付いたのだぞ!」
「そうだよ落ち着きなよ。フィアンセくんにだって人間の友達くらい許してあげなきゃ」
「勇者貴様なんでいるの?!?!」
先程姿をくらましたはずの勇者が少年含む緊急作戦会議に普通に紛れ込んでいた。魔人ばかりの場所に、お伽噺から出てきた王子ような外見を持つ勇者は浮きすぎている。
「まあそう焦らないで、争う気はないよ」
「争う気まんまんじゃろ貴様!フィアンセ殿に近付いておいて!」
「そっちじゃないんだけどなあ。フィアンセくんとは、本当に道に迷ってたら会っただけだよ」
「騙されんぞ!そんな都合良い事があるか!」
「目的地だろうが迷っていようが僕が歩けば何かに出会い。なにかが起こる──勇者ってそんなもんだろ?」
「えっなにそのチート……」
「それに僕が戦う気がないのは君ならわかるだろう、魔王」
「なんじゃと?」
「なにせ僕は───レベル1だからね」
「!!」
「レ、レベル1?」
急に出てきた言葉に少年が聞き返す。捲し立てるように勇者の情報量が多いが、結局はどういう事なのだろう。
「この世界の勇者は魔族と戦わないとレベル、つまりステータス──能力が上がらない。上がらなければ普通の人間と大差はないかな」
「……先々代あたりから、勇者のその秘密に気付き、勇者と魔族をむやみに戦わせないように仕向けてきた。その結果が平和路線の始まりではあったのだが」
「それでつまり……?」
「いまの勇者は武力には無力」
魔王が勇者の状態を結論付けるや否や
「近衛兵!近衛兵!こやつをつまみ出せい!」
「ちょっまだ話は終わってな」
命令を受け、すぐに屈強そうな魔王の部下が二人係りで勇者を引きずるように連れていったのだった。
「はあ、なんじゃあやつは。レベル1の癖に特攻してくる勇者なんて聞いたことないぞ」
「結局なんだったんだろう……」
「うむ。レベル1であるのは確かであろうが、結界をすり抜け、いつの間にか城内に侵入したからには何かあるのだろう。警戒は怠ってはならぬ」
「勇者ってみんなあんななの…?」
「我が見た勇者はあれが初めてだが、ちょっと伝え聞くのと違う気がする」
この世界の事は未だわからない事が多い少年は突然の来訪者に頭の整理が追い付かない。
少年の現世でいうなら、勇者は魔王を倒す存在だ。レベルを上げて、パーティを集め、仲間と共に世界を平和にする存在。
しかしこの世界は魔王が平和にしてしまって、勇者の役割はほぼないように思う。
魔王もそう解釈している事を話していた。1000年も不在だった勇者が今、現れたには何かあるのだろうか。
少年は色々と思考を巡らせるが、勇者は謎が多いし、そもそも少年はこの世界の魔王の事すら知らない。
少年は魔王の事ももっと知りたいと思い始めていた。
「フィアンセ殿よ、勇者についてはもう気にせずとも良い。それよりも、おぬし、本当に何もされなかったか?」
「うん。大丈夫だよ」
「本当か?無理しておらぬか?」
めちゃめちゃ顔が近かった以外は特に何もなかったが、あの接近ぶりは確かに危なかったかもしれない。
魔王の方が出会って即手籠めにしてる事実から比べると勇者は本当に現状無害なのだが、少年は勇者に気を許していけない気がしていた。
「おぬしはすぐ我慢をするからの。本当に困ったことがあったら言うのだぞ」
魔王のその言葉に、なんだかんだ自分を見てくれいるのだという事に少し胸が温かくなる。
「……ありがとう」
「なんじゃその反応は!可愛いではないか!」
「!?」
「愛い奴じゃのう!フィアンセ殿!」
「えっえっえっ」
魔王は少年をぎゅっと抱きしめた。
「ちょっやめろよ人前で!」
「大丈夫じゃ皆知っておる」
「そういう問題じゃ……」
「お熱いねぇ。妬けちゃうよ」
一瞬、その場が凍る。
「勇者なんでまたいるの!?!?!」
「やあフィアンセくん、また会ったね」
「魔王様~こいつめっちゃ良いヤツっすよ」
そこには近衛兵と肩を組んで親しげにしている勇者がいた。
「勇者、貴様まさか我が兵を洗脳……」
「まさか!そんな野蛮な事しないよ」
「魔王様、誤解っすよ。なんか話してたら盛り上がっちゃって」
「え」
「言っただろう?争う気はないって。話は最後まで聞いてほしいなあ」
「くっ……事態が呑み込めぬ以上、聞くだけ聞いてやる。話すがよい勇者」
魔王は納得いかない気持ちを抑え、ここは元凶に聞く事を選んだ。
「感謝するよ魔王。僕の目的はただひとつ───」
勇者の目的が語られるのを、その場の一同が息をのむ。
「いたってシンプル。和睦さ」
「え」
「魔王、君が築いてくれた平和には僕も感謝している。気に入っている。だからこそ、わざわざ壊す事など望んでいない」
「それはよかった。我めっちゃ頑張ったからね、これ」
「だから君が定めた世界秩序に従う。僕のレベルが上がることはないだろう」
「ふむ」
「それによって君たちも僕の権利を尊重する責任が生まれる」
「ん?」
なにやら雲行きが怪しいものになってくる
「仮に。仮にだよ。僕がフィアンセくんと仲良くしようと、どう思っていようとお互いに個人の自由が尊重される範囲内だよね」
「ん?ん?」
「勇者であろうと、今の僕はか弱い人間であり、無一文であり、なおかつ道に迷っていたのだから保護される権利が発生するよね」
「ちょ、ちょっと待たれ」
「そう。僕は君たちに寝食を提供されてもいい立場だと思わないかい?」
「今の貴様ただの不審者だよね!?」
「不審者っていうのは身元も目的もわかないヤツの事だろう?僕は勇者というそちらも承知の上の身元──もう旧知の仲のようなものじゃないか」
「貴様プライドとかないの!?」
「そんなものでお腹は膨れないなあ」
勇者はあっけらかんとして答える。
そしてその魔王と勇者の漫才のような流れを断ち切ったのは意外にも魔王の部下、近衛兵だった。
「魔王様、いいじゃないっすか。こいつ話すと楽しいんすよ~」
「近衛兵!?本気で言っておるの!?」
「だって実害ないじゃないっすか」
「え、確かに現状ないけど不法侵入……」
「つっても勇者、基本無抵抗だし楽しく話するだけっすよ」
「魔王様は勇者の事よくわかってないからそうなんすよ。話してればわかりますって」
「迷い猫みたいな感じで面倒見てやってもいいじゃないんすか?」
「人間だよ!?そんな軽くていいわけないじゃろ、しかも歴代魔王を葬ってきた勇者の役割を持っているのは事実じゃぞ!?おぬしら我への心配ゼロなの!?」
「魔王様~もっと肩の力抜いていきましょうよ~。そんなんじゃストレスで胃に穴があいちまいやすぜ」
「もう開きそうなんじゃが!?」
「どうだい魔王、君の部下たちも平和を望んでいる。──そして何より僕に君の結界は効かない」
「なん……だと……!?」
「ここに来て気づいたんだけどね。どうもこれも勇者としての能力らしい」
「そんなもん初耳なんじゃけど!」
「どうだいフィアンセくん」
少年は勇者から急に話を振られて肩が跳ねる。
「僕がいればきっと楽しいよ」
まぶしい笑顔を向けられる。確かに話していて楽しいかもしれない、かもしれないが───。
「!」
少年はずっと自分を守るように勇者と自分の間に入ってくれている魔王の裾を、視線を落とさず静かにそっと掴む。それに気づいた魔王は、それまで勇者に翻弄され歪めっぱなしだった表情を引き締めた。
「勇者、すまんが貴様は不審者として人間界に送り返す。これは城の主としての決定だ」
「へえ、いいのかな。君の部下は僕がいる事に歓迎しているし、僕に結界は効かない。そして君自身が作った世界秩序の権利保護の上で僕に手を上げる事もできないだろう?」
「貴様の言う通りだ。平和ボケした部下には後でキツく言っておこう」
魔王はパチンと術を解放する
「ちょ、ま、それ反則…!」
魔王は三人に分身し、その分身たちによって首根っこ掴まれた猫のように勇者は連れていかれたのだった。
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