【創作BL】溺愛攻め短編集

めめもっち

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異世界転移したら即魔王に手籠めにされた話

3話「アプローチの変化」

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「フ、我にかかれば会議に分身を置いて逃げ出すなど造作もないことよ」


セリフだけは威勢がいいが
この魔王、めちゃくちゃ息切れしている。

「………本人いなくていいのか?」

「賢者の部下がめっちゃ目ざといが、聞いて頷いているだけの会議だ。分身でもなんとかなるだろう」

その目ざとい部下から逃れる為に
体力的にも色々使ったのだろうか
しかしその労力虚しくバレそうな気がする

「フィアンセを退屈させる訳にはいかんからな」

そう言いながら
こちらの隣に腰を掛け
魔王は距離を詰めてくる

今までが今までだっただけに
近寄って来られると身構えてしまうが
今日はすぐに押し倒す気はないようだ

「どうだ、城には慣れてきたか?」

「殆どこの部屋と浴室くらいしか出入りしてないが……悪くはないよ」

「ほう。含んだ言い方だな」

「ん……もうちょっと色々見て回りたいかな」

「うむ、望むのなら使い者に案内させよう。なにせ広いからなこの城は」

「あとスマホがなくて手持ち無沙汰かな」

「スマホとな」

「スマートフォン……ていうんだけど。これくらいの小さいサイズで、色々見れるから時間つぶしの必需品。この世界には着の身着のまま来たけど、ついチェックする癖が抜けてなくて」

身振り手振りで表現しながら自分の生活様相を伝える

「ほう、お前の国にもそんな魔導の道具があるとは。占術の鏡のようだな」

どうもこの世界には機械そのものの概念がないようだ
類似するようなものはないか尋ねてみると

「ふむ、大体魔法でなんとかなるからな。道具の進歩というのは考えもしなかった」

「だよね……」

魔法の世界だ。
便利なものが元々あるなら開発される事はないだろう。

そうこう話している内に
そっと手を握られてドキっとする

そのまま肩を寄せてくる

今までが今までだっただけに
控えめなアプローチにくすぐったさを感じる

今までがあまりにもストレートどころか
正面衝突なアプローチすぎたのだ

「どうした?今さら慣れぬ行為でもないというのに」

低音で耳元で囁きながら
服の隙間から侵入した手が
胸元をまさぐり
指先で胸の先端を押し潰され
体がびくりとする

「なんだ?いつもより敏感ではないか」

「ひぁ……!ちが……!」

「まあよい、たっぷり可愛がってやらねばな。フィアンセ殿」

首筋に舌を這わせられながら
ベッドに押し倒される

先程までの紳士的な態度とは裏腹に
荒々しく唇を奪われ
激しく口内を攻め立てられる

「っふぅ……んむ……んん……」

キスの合間に漏れ出る吐息すら逃さないようにと
角度を変え何度も貪るように求められる
しばらく堪能した後ようやく離されると
どちらのものともしれない唾液が糸を引き
淫靡な雰囲気を醸し出す
酸素を求めて呼吸を整えようとするが
それを許さないとばかりに再び塞がれてしまう

今度は優しく労わるような
甘い口づけを与えられながら
胸元の突起を弄ばれ
徐々に下半身へと熱が集まっていく

「ん……んん……ちゅ……はぁ……」

やっと解放されて大きく息をつくと
額に軽く口付けを落としてから
ゆっくりと体を撫ぜられる

それだけでビクビクと反応してしまうほど敏感になっているようで
思わず身を捩ってしまう

「今日はずいぶんと愛らしい反応をするものだな。我も我慢できなくなってしまうぞ?」

普段の偉そうで陽気な声とは違い
その低音で掠れた囁きで
相手の余裕のなさを
察せられる程にはなってしまった

恥ずかしくて目を逸らていると
顔に軽いキスを降らされた

こちらの様子を伺いながら
秘所を徐々に解きほぐしていく

「んん……あっ……んん……っ……!」

焦らすような緩慢とした動きにじれったくなり
腰を動かしてしまいそうになる
するとこちらの心情を読み取ったのか
突然一番感じる箇所を強く擦り上げられ
一際大きな矯声を上げてしまう

「ここがよいか。もっと善くしてやるゆえ、安心せよ」

「ああ……んん……ふぅ……んん……!!」

「どうだ、気持ちいいか?」

「うん……んん……あ……ふぁ……んん……!」

執拗に同じところを責め続けられ 快楽に溺れていく

「素直なのは良いことだ。お前の可愛いところを見せてくれ」

「んん……はぁ……んん……んん……っ……!」

絶頂を迎えそうなところで 指の動きを止められる

「んん……なん……で……?」

「ん。そろそろ我も、な」

そう言いながらまた軽いキスを頬にし
熱い屹立を秘所に擦り付けられる

「入れるぞ」

「んん……んんん……んんん……!!!」

一気に奥まで突き上げられると
あまりの質量に一瞬意識が飛びかける
そのまま律動が開始され
容赦なく攻めたてられる

「あ……あ……あ……あ……あ……!」

抽挿の度 卑猥な水音が部屋に響き渡る

「あ……はぁ……んん……んん……んん……!!」

「う……っ……そろそろ限界だ……!受け止めよ……!」

「んん……はぁっ……あああ…っ…!!!」


お互いほぼ同時に果てると
余韻に浸るように抱き締められた


*********


そして魔王は案の定
空気を読んで一通り終わって
余韻を嗜む時間が過ぎるまで
待機していた賢者の部下に
か細い悲鳴をしながら引きずられていったのだった

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