【創作BL】溺愛攻め短編集

めめもっち

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【オメガバース】α嫌いのΩとオメガ嫌いのαが番になった話

3話 予感【攻め視点】

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そう、時代は変わったのだ。

平和が約束され、技術が進歩し、あらゆる手段と知識が共有された現代となっては第三の性"アルファ"と"オメガ"は逆に社会を乱しやすいものと見られるようになり"いかに普通に装うか"────それが問われるものになっていた。
アルファは重宝されている事は変わりない。平均能力が高いからだ。財を築きやすい立場も変わらないが───社会性を身に着けなかったアルファの扱いを語るものはいない。
しかしオメガの立場は変わらず悪く、オメガ保護法などが出来、抑制剤の補助も出るので昔よりはコントロールしやすく人権を確保できる環境になったが、抑制剤が効かなくなったオメガは隔離施設送りになる。
そして隔離施設送りになったオメガの行方も、語られる事は無いのだ。



   ◇



「んん~~~……」

昼下がり、資料とのにらめっこに疲れ、腕を上げて伸びをする。

「源っさん、仕事詰まってるんスか?」

思い通りにコトが進まない事に頭をバリバリと掻いていると同僚が様子を聞いてきた。

「まあな~…普段の仕事の方は順調さ。お陰様で。……アルファの抑制剤の件が思いのほか、な。」

「やっぱ無理っスって。プライドの塊のアルファが自ら抑制剤飲むってありえないですって」


「一応需要もなくはないし、技術的に可能なんだよ。やっぱスポンサーが中々つかんし、被験者すらロクに見つからねぇ」

「ですよねー、アルファがそもそも治験応募するって想像つきませんもん。オメガは割と賃金目当てで見つかるみたいっスけど」

「だよなー……」

「アルファのラットはほぼオメガとの接触によってもたらされますし。オメガの抑制剤さえあれば足りるって考えばかりだと思うッス」


「まー確かに副反応もどこまで長期で見るとどんな影響が出るかわからん。今んとこメリットとデメリットが釣り合わんか」

「源サンはどうしてそっちの開発しようと思ったんス?」

「………俺んち、アルファ一家だろ」

「うす。なんでも代々続く名家って聞いてるッス」

「………だからアルファの血を途絶えさせないように色々面倒なプレッシャーがあってな。どんな状況でもラットにならない事での信用を築く目的も確かにあるんだが。一番は兄が本当に一緒になりたい人とはなれずにラットに振り回されたのを見てから……かな」

「………名家も色々あるんスね……源サン本人はベータだけど」

「うるせいやい」

「そんな事言っておいてボロ儲けしたいんじゃないッスか~~~?」

湿っぽくなってきてしまった空気を、ムードメイカーの同僚は換気する為にか茶化してくる。

「人が感動的にシメようとしたってのに……まあ半分以上はそれだけど」

「半分もォ!?」

「驚くのそこ!?」

俺自身も、優秀な兄弟での格差で嫌な思いをしてきた。少しくらい報われてもいいんじゃないだろうかという気持ちはかなりあった。


「おーい、お前らァ。川上見なかったか?」

同僚と話し込んでいると、上司が資料とスマホを手にしながら難しい顔してこちらへやってきた。

「いや」

「今日は見てないッスね」
「そっか~~~今日どうも出社してないっぽいんだよ。なんか聞いてるか?」

「え」

「うっそ、あの川上さんが無断欠勤!?」
「そうなんだよ。スマホに電話してんだが、全然繋がらないんだわ」

「………!」

昨日の川上のふらついた姿が過る。


「昨日の今日だからな、不吉すぎんだろうが!」

嫌な予感がした俺はいてもたってもいられず、すぐに自分の鞄を手に取ると出入口へと駆け出す。

「源サン!川上サンち、わかってるんスか?」

「ああ!住所は覚えてる」

「なら自分も手伝うッスよ!」

同僚の申し出に、心底ありがたいと思うものの、今は一人のほうが都合が良い気がした。

「わりィ!気持ちだけ受け取っとく!ありがとうな!なんかあったらすぐ連絡すっから!」

「おけっス!」

会社から出て駅までダッシュする。
そう、俺は確信していた。川上の抑制剤への異常な熱意、ただの正義感だけで説明できないもの。それが何なのか、直感で感じていた。
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