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【睡姦】恋人の淫夢を見る話
3話
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約束の日。
淫夢のせいもあって、気持ちの整理がぐちゃぐちゃだ。
ここまでテンション高々に来てしまったが実践で実際に行為が成功するかどうかはわからない。でも触れ合いたいのは確かだ。
妙な緊張感で風呂湯舟に浸かりながら自分に気合を入れる。
いや気合よりも、リラックス。リラックスが大事かも。
髪を乾かして、寝床に戻ると、恋人は優しく微笑んで「おいで」とベッドに来るよう促す。
余裕そうなのが何だか気になってしまう。お互い初めてなのに、この余裕の差は悔しい。変に意識しすぎなのだろうか。
恋人はいつものように腕枕をして抱き締めてくれる。そしてキスをした。触れるだけの優しい口付けだった。
ああ、やっぱり好きだ。
好きすぎて胸が苦しくなる。もっとくっつきたくなって脚も絡めた。すると彼は少し驚いた様子だったがすぐにまた笑ってくれた。それが嬉しくて自分も笑う。幸せだと思った。
こんな風に好きな人と抱き合って、笑いあってるだけでいいのだ。たとえ一線を越えてもそれはこれからもそうであってほしい。
気が付くと彼の手は自分の太腿の内側をするりと撫でていた。その指先はどんどん際どい部分へと進んでいく。
やがて下着に触れられ
「あっ……」
思わず声を出してしまった。
何とも恥ずかしくて顔が熱くなった。
「いいよ、大丈夫。我慢しないで」
なんでこんなにも相手は余裕なのだろう。あれか、医学部だから触診みたいなものなのだろうか。なんであれ羞恥心と悔しさでいたたまれなくなって、口に手を当てる。彼は無理に引きはがそうとはせず、行為を続けた。
指先が布越しに触れたり離れたりする感覚がどうしようもなく感じてしまい
「……んぅっ……ふぁ……」
抑えきれない吐息が口から洩れてしまう。自分がとても淫らな事をしている気がしてくるが止められなかった。次第に濡れていく感触があって更に居たたまれない気分になる。
そんな自分の気持ちとは裏腹に相手の行為は段々と大胆になっていく。
ついには下着を脱がされ直接触れてきた。最初は優しくなぞられるように。それから強く擦るように動かされると
「や……っ」
腰が大きく跳ね上がった。快感が強く押し寄せてくる。身体の奥底から何か大きなものがせり上がってくるようだ。このままではどうにかなってしまいそうだった。必死になって相手にすがりついたが彼はそのまま行為を続ける。
想像以上に刺激が過ぎて怖くなってきた。おかしくなってしまうのではないかと、不安で堪らない。しかし止めてくれとは言わなかった。
不安な気持ちに反して、もっと続けてほしいと身体が求めて理性が溶けていくようだった。
しかし限界まで達する直前に相手は手を止めて行為を終わらせてしまう。中途半端に投げ出された身体には熱が残り燻ったままだ。切なくて仕方がない。
するとローションを手に取り、下肢にも垂らしていく。冷たいものだと想像し、瞬間ビクリと反応してしまうが、それは丁度よい温さだった。
下肢に伸ばし、際どいところに官能的に塗り付けて、そしてゆっくりと秘部の入り口に塗り込んでいく。
自分すら触れた事がない奥へと進められていく動きは、初めてのはずなのに、求めるように彼の指を飲み込んでいく。
指を奥に入れられ、引き抜かれ、徐々に抜き差しを繰り返しながら出し入れを繰り返される。その度にゾクッとする不思議な気持ちよさが沸き起こってくる。
自分を安心させる為だろうか。チュ、と顔にキスを落とされる。それからちろりと舌が様子を見るように唇に触れ、口を少し開くと、ぬるりと入ってきたそれは舌を絡めていく。
お互い貪るように唾液を交換しあう。その甘美な感覚は麻薬のように思考を奪っていった。口付けを交わしている間も彼の指は中を刺激し続ける。時折、敏感な部分を掠めればピクンと震える身体を抑えられない。同時に攻めたてられていく。
頭がボーっとしてきて何も考えられなくなってきた時、突如指とは違う異物感に襲われた。それが彼のモノである事にすぐに気付いた。
「あ……っ」
ぬるぬると入口を擦りつけて
「大丈夫?」
と耳元で彼が囁くように尋ねる
「っん……うん……」
淫らな熱と恥ずかしさで顔に火が噴きそうな気持ちで必死に返事を返す。
ぐっと奥へ挿入っていく。痛みは思ったほど無かった。ただ圧迫感が凄い。息が止まりそうになる。それでもゆっくり少しずつ挿入していった。そして全部入りきった頃にはお互い汗ばんでいた。
暫くそのままの体勢で過ごしてからようやく彼は動き出した。ゆっくりと腰を動かして中を突き上げられる感覚は苦しくて辛い筈だった。しかし何故か甘く疼くような快楽を感じるようになっていた。まるでもっとしてほしいと言っているかのように、ぎゅうぎゅう締め付けてしまっているのがわかる。
「痛くない?平気?」
彼はそう尋ねながらも、突き上げる動作は止めなかった。
「あっ、……ん……んぅ……あっ、んっ、んぅっ……」
もう言葉らしい言葉を返せない程感じてしまっていた。彼は何度も「好きだ」と繰り返し、自分もなんとか返そうと彼の背中に手を回し抱きしめて、首を縦に振り、求めあった。
*****
一通り落ち着いたら、べたべたになった身体を洗い流す為に二人でシャワーを浴びた。
もうキスする事に抵抗も躊躇いもなく、触れあうくらいのものは気が付いたら何度も重ねていた。
改めて寝支度をして、向かい合って寄り添いあい、眠りについた。
気分はとても晴れやかで、きっともうあんなあられもない夢も見ないだろう。
そう思っていた。
*****
「あ……はあ……あん……あっあ」
気が付いたらまた揺さぶられていた。
ずっと止めなく信じられない自分の甘い声がひっきりなしに漏れている。
どうも耳を舐められているようだ。ピチャピチャとした音と蠢く舌らしきものが、脳を直接犯されているように甘く痺れる刺激を与えている。不快なようで気持ちいい。
下から伸びている手がクリクリと胸の突起をこねくり、時折きゅっと摘まんだりしている。
どうやら自分は相手の身体の上にいて、下にいる相手から身体をまさぐられ、突き上げられている。
下肢はもうどろどろで、奥が甘く痺れてもはや快楽しか拾えなくなり、どこから自分で相手なのかわからない。
パンパンと肌がぶつかる音と抽挿のぱちゅぱちゅとした水音がひっきりなしに聞こえる。
いつも以上に体の感覚や意識が遠い。それなのに快楽だけは貪欲に拾い続ける。
「あっあっあ……あっ!…あ…!あ!」
甘い痺れがひと際強く身体に走り、身体が下肢から痙攣する。
頭も真っ白になって、またこんなあられもない夢を見てしまったな、と思いながら意識を手放した。
───気が付いたらバスルームにいた。
珍しく視界がぼんやりながらも開けている。
いつも見る、このあられもない夢は瞼が開かない事が多い。開けたくても開かないのだ。今見ている夢は、重たくとも、薄く光が入り込んでくる。湯気、そして音と感覚で風呂に入っている事が分かる。
どうやら相手に後ろから抱きしめられているようだ。ちゃぷちゃぷと揺さぶられて気持ちがいい。
身体がふわふわ浮いているようで、身体の中が熱かった。下肢がじんわり蕩けそうな快感に包まれている。
「んっ……ふぁ…ぁぁん……はぁァ…んぅ……」
水面が揺れる度に、自分の身体が熱く、蕩ける。体の中にお湯がじわりと拡がっていくような、ふしぎな感覚もある。密着している肌の感触に、きっと彼である事はわかる。
自分はこんなにも彼を求めてやまなかったのに、今まで一歩が踏めなくて先送りにしてしまっていた。
でもこれからは違う───これから、こんな淫夢を見ずに済むくらい、二人は共に進めていくスタートラインに立てたのだから。
安心して、感覚にそのまま身を預けてまた意識が薄れていった。
*******
それからも度々彼とは肌を重ねたが、淫夢は解消されなかった。
想像以上に自分の欲求は強すぎたようだ。
そんな風に悩みながらも、淫夢の事は気にしないようにした。彼と一緒にいられるだけで幸せなのだから。
淫夢のせいもあって、気持ちの整理がぐちゃぐちゃだ。
ここまでテンション高々に来てしまったが実践で実際に行為が成功するかどうかはわからない。でも触れ合いたいのは確かだ。
妙な緊張感で風呂湯舟に浸かりながら自分に気合を入れる。
いや気合よりも、リラックス。リラックスが大事かも。
髪を乾かして、寝床に戻ると、恋人は優しく微笑んで「おいで」とベッドに来るよう促す。
余裕そうなのが何だか気になってしまう。お互い初めてなのに、この余裕の差は悔しい。変に意識しすぎなのだろうか。
恋人はいつものように腕枕をして抱き締めてくれる。そしてキスをした。触れるだけの優しい口付けだった。
ああ、やっぱり好きだ。
好きすぎて胸が苦しくなる。もっとくっつきたくなって脚も絡めた。すると彼は少し驚いた様子だったがすぐにまた笑ってくれた。それが嬉しくて自分も笑う。幸せだと思った。
こんな風に好きな人と抱き合って、笑いあってるだけでいいのだ。たとえ一線を越えてもそれはこれからもそうであってほしい。
気が付くと彼の手は自分の太腿の内側をするりと撫でていた。その指先はどんどん際どい部分へと進んでいく。
やがて下着に触れられ
「あっ……」
思わず声を出してしまった。
何とも恥ずかしくて顔が熱くなった。
「いいよ、大丈夫。我慢しないで」
なんでこんなにも相手は余裕なのだろう。あれか、医学部だから触診みたいなものなのだろうか。なんであれ羞恥心と悔しさでいたたまれなくなって、口に手を当てる。彼は無理に引きはがそうとはせず、行為を続けた。
指先が布越しに触れたり離れたりする感覚がどうしようもなく感じてしまい
「……んぅっ……ふぁ……」
抑えきれない吐息が口から洩れてしまう。自分がとても淫らな事をしている気がしてくるが止められなかった。次第に濡れていく感触があって更に居たたまれない気分になる。
そんな自分の気持ちとは裏腹に相手の行為は段々と大胆になっていく。
ついには下着を脱がされ直接触れてきた。最初は優しくなぞられるように。それから強く擦るように動かされると
「や……っ」
腰が大きく跳ね上がった。快感が強く押し寄せてくる。身体の奥底から何か大きなものがせり上がってくるようだ。このままではどうにかなってしまいそうだった。必死になって相手にすがりついたが彼はそのまま行為を続ける。
想像以上に刺激が過ぎて怖くなってきた。おかしくなってしまうのではないかと、不安で堪らない。しかし止めてくれとは言わなかった。
不安な気持ちに反して、もっと続けてほしいと身体が求めて理性が溶けていくようだった。
しかし限界まで達する直前に相手は手を止めて行為を終わらせてしまう。中途半端に投げ出された身体には熱が残り燻ったままだ。切なくて仕方がない。
するとローションを手に取り、下肢にも垂らしていく。冷たいものだと想像し、瞬間ビクリと反応してしまうが、それは丁度よい温さだった。
下肢に伸ばし、際どいところに官能的に塗り付けて、そしてゆっくりと秘部の入り口に塗り込んでいく。
自分すら触れた事がない奥へと進められていく動きは、初めてのはずなのに、求めるように彼の指を飲み込んでいく。
指を奥に入れられ、引き抜かれ、徐々に抜き差しを繰り返しながら出し入れを繰り返される。その度にゾクッとする不思議な気持ちよさが沸き起こってくる。
自分を安心させる為だろうか。チュ、と顔にキスを落とされる。それからちろりと舌が様子を見るように唇に触れ、口を少し開くと、ぬるりと入ってきたそれは舌を絡めていく。
お互い貪るように唾液を交換しあう。その甘美な感覚は麻薬のように思考を奪っていった。口付けを交わしている間も彼の指は中を刺激し続ける。時折、敏感な部分を掠めればピクンと震える身体を抑えられない。同時に攻めたてられていく。
頭がボーっとしてきて何も考えられなくなってきた時、突如指とは違う異物感に襲われた。それが彼のモノである事にすぐに気付いた。
「あ……っ」
ぬるぬると入口を擦りつけて
「大丈夫?」
と耳元で彼が囁くように尋ねる
「っん……うん……」
淫らな熱と恥ずかしさで顔に火が噴きそうな気持ちで必死に返事を返す。
ぐっと奥へ挿入っていく。痛みは思ったほど無かった。ただ圧迫感が凄い。息が止まりそうになる。それでもゆっくり少しずつ挿入していった。そして全部入りきった頃にはお互い汗ばんでいた。
暫くそのままの体勢で過ごしてからようやく彼は動き出した。ゆっくりと腰を動かして中を突き上げられる感覚は苦しくて辛い筈だった。しかし何故か甘く疼くような快楽を感じるようになっていた。まるでもっとしてほしいと言っているかのように、ぎゅうぎゅう締め付けてしまっているのがわかる。
「痛くない?平気?」
彼はそう尋ねながらも、突き上げる動作は止めなかった。
「あっ、……ん……んぅ……あっ、んっ、んぅっ……」
もう言葉らしい言葉を返せない程感じてしまっていた。彼は何度も「好きだ」と繰り返し、自分もなんとか返そうと彼の背中に手を回し抱きしめて、首を縦に振り、求めあった。
*****
一通り落ち着いたら、べたべたになった身体を洗い流す為に二人でシャワーを浴びた。
もうキスする事に抵抗も躊躇いもなく、触れあうくらいのものは気が付いたら何度も重ねていた。
改めて寝支度をして、向かい合って寄り添いあい、眠りについた。
気分はとても晴れやかで、きっともうあんなあられもない夢も見ないだろう。
そう思っていた。
*****
「あ……はあ……あん……あっあ」
気が付いたらまた揺さぶられていた。
ずっと止めなく信じられない自分の甘い声がひっきりなしに漏れている。
どうも耳を舐められているようだ。ピチャピチャとした音と蠢く舌らしきものが、脳を直接犯されているように甘く痺れる刺激を与えている。不快なようで気持ちいい。
下から伸びている手がクリクリと胸の突起をこねくり、時折きゅっと摘まんだりしている。
どうやら自分は相手の身体の上にいて、下にいる相手から身体をまさぐられ、突き上げられている。
下肢はもうどろどろで、奥が甘く痺れてもはや快楽しか拾えなくなり、どこから自分で相手なのかわからない。
パンパンと肌がぶつかる音と抽挿のぱちゅぱちゅとした水音がひっきりなしに聞こえる。
いつも以上に体の感覚や意識が遠い。それなのに快楽だけは貪欲に拾い続ける。
「あっあっあ……あっ!…あ…!あ!」
甘い痺れがひと際強く身体に走り、身体が下肢から痙攣する。
頭も真っ白になって、またこんなあられもない夢を見てしまったな、と思いながら意識を手放した。
───気が付いたらバスルームにいた。
珍しく視界がぼんやりながらも開けている。
いつも見る、このあられもない夢は瞼が開かない事が多い。開けたくても開かないのだ。今見ている夢は、重たくとも、薄く光が入り込んでくる。湯気、そして音と感覚で風呂に入っている事が分かる。
どうやら相手に後ろから抱きしめられているようだ。ちゃぷちゃぷと揺さぶられて気持ちがいい。
身体がふわふわ浮いているようで、身体の中が熱かった。下肢がじんわり蕩けそうな快感に包まれている。
「んっ……ふぁ…ぁぁん……はぁァ…んぅ……」
水面が揺れる度に、自分の身体が熱く、蕩ける。体の中にお湯がじわりと拡がっていくような、ふしぎな感覚もある。密着している肌の感触に、きっと彼である事はわかる。
自分はこんなにも彼を求めてやまなかったのに、今まで一歩が踏めなくて先送りにしてしまっていた。
でもこれからは違う───これから、こんな淫夢を見ずに済むくらい、二人は共に進めていくスタートラインに立てたのだから。
安心して、感覚にそのまま身を預けてまた意識が薄れていった。
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それからも度々彼とは肌を重ねたが、淫夢は解消されなかった。
想像以上に自分の欲求は強すぎたようだ。
そんな風に悩みながらも、淫夢の事は気にしないようにした。彼と一緒にいられるだけで幸せなのだから。
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