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19話

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「ほとんど徹夜しちゃったけど、バイト大丈夫?」
「へーき!一回寝たし!」

僕たちは結局夜明けになるまで更け込んでしまっていた。し終わってから余韻に浸り、落ち着いたらシャワーを浴び、洗濯。そして二人して力尽きたように一度昼寝。ダラダラしながら起きて、いそいそと食事を済ませていると早くもタツマのバイトの時間が迫っていた。

「じゃあ、俺そろそろ行ってくる」
「うん」
「バイト終わったら連絡入れる!」
「大丈夫だって、また明日も普通に顔合わせるんだし」
「そー…だけどさ……ほ、ほら気持ち的に……アレじゃん?頻繁に連絡取っておきたいっていうか……」
「ふふ、そうだね。多分起きてるとは思うからいつでも連絡して」
「お、おう。ユーマもさ!メッセならいつでも大丈夫だから何かあったら気軽にして」
「おっけー」

「行ってきまーす!」
「いってらしゃーい」

行ってくるのキス、と唇を突き出してキスをせがんできて、思わず笑みが溢れてしまう。それに応えて軽く触れるだけのキスをすると、満足気に彼は笑ってバイト先へと向かって行った。

彼が家を出たあとも、しばらく彼を見送った状態のまま惚けているとハッと我に返る。

「………あ、片付けしなきゃ……」

テーブルにある食器をシンクに運ぶ。スポンジに洗剤を付け、水道を開けて水を濡らし、食器を洗っていく。カチャカチャと洗い流されていく汚れをぼんやり見つめながら、それはあっという間に終わった。

今日は家に僕一人しかいない。洗濯ものを干し終われば散らかりを軽く片付けつつ、掃除機も掛けていく。他にする事あったかな?と探しながら、整理していくと、もう何もする事がなくなると自分の部屋へ向かった。

もう何もする事がないのだと思うと、急に昨日から彼がバイトに行くまでの出来事が一気に反芻されていく。

「~~~~~~!!!!!」

ばふっとベットへ突っ伏する。一気に反芻された感情は、堰を切ったように雪崩て、情緒がめちゃくちゃくになっていく。声にならない声を上げてベットの上で悶え転がる。

「信じられない……僕たち本当に心も体もひとつになっちゃったんだ……」

殆どいつものように過ごしていたから、あまり実感がないけれど。確かに身体も心も覚えている。ああ、どうしよう。いざ、本当に恋人になったらどうするか何も考えてなかった。今まで何だかんだ友達の延長線として接してきてしまっていたから。次会う時、どんな顔してればいいんだろ……!

───ピンポーン

「え」

ぐるぐる悶えていると突然呼び鈴が鳴った。こんな夜更けに──……?
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