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15話

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つぷ、とタツマの中指が窄まりに埋まっていく。ローションのおかげですんなり入ったようだ。そのままゆっくり根元まで挿入され、内壁を擦るように浅く出し入れされる。その指が動く度に身体が跳ねて声が漏れた。

「あぅ……♡ん、んん……ッ♡」
「ユーマの中……すっごいあったかい……」

優しく中を押し広げるように指を動かされると、それだけでまた声が勝手に漏れてしまう。

「ん……ッ♡あぅ……♡」
「ユーマ、声我慢しないで?俺しか聞いてないよ?」
「や……っ、だって……!……」
「俺、その声、もっと聞きたいなぁ……」

指が二本に増え、中を広げるように動かされる。その圧迫感がなんだか心地よくて、思わず腰が揺れてしまった。

「ぁっはあ……ん!♡」

粘膜が段々と柔らかくなってきているのがわかる。十分かと思ったのか、三本に増やし、様子見の動きをしたあと。タツマの指の動きがどんどん激しくなる。その指が奥を突く度に全身に甘い痺れが走り、頭がぼうっとして何も考えられなくなっていく。ただこの快楽に身を任せてしまいたくて仕方ない。

「あッ♡ぁッ!♡はぁ……っ♡」
「すご……ユーマのナカ……うねってやばい……っ」
「ぅ……くぅ……タツ、まぁ……タツマの指きもちいいよぉ……っ」
「ユーマ……ッ」

そのままイキそうになっていると彼の指が止まり、静かに引き抜かれた。

「ね……もう、大丈夫?……俺、もう我慢できない……」
「あ♡……ああ、タツマの……タツマのが……」

酷く焦った様子で、タツマは下着ごと自分のズボンを降ろし、その猛りをゆっくりと窄まりへと擦り付け始めた。彼の猛りも先走りでぐちょぐちょで、それが擦れる度にくちゅ、ぬちゅ、と卑猥な水音が部屋に響く。その体温のぬめり、お互いの発情した匂いで頭がクラクラして考えが巡らない。無意識に擦りつけられているものを欲しがるように腰が揺れ、期待に胸が高鳴る。ずっと、ずっと欲しかった、繋がり……。

「ま、まって……!」
「ユーマ……?」

「本当に……こんなことしちゃっていいのかな……」

快楽に流されかかっていたぼんやりした頭が、急に冴え、夕飯の時に考えていた事を思い出す。好きだからってその場の勢いで、超えていい一線なのだろうか。突然の制止に、彼は息を詰めて静かに動揺していた。

「……やっぱり、嫌……?」
「ちがっ……違う、そうじゃなくて……!」

慌てて否定し、タツマの目をしっかりと見て伝える。もう後戻りは出来ない。いや、したくないから──

「……僕、タツマのこと好きだよ」
「………」
「けど、友達としてこのまま過ごすのも悪くないかなって今日、思って……」

いいところで中断させてしまって、きっととても辛い思いをさせてしまっているに違いない。呼吸に不規則にタメがある。僕も身体が疼いて仕方ない。けれど、本当にこのまま、踏み込んでしまっていいのだろうか。そうどこかで微かに残った理性が、ずっと警鐘を鳴らし続けている。もし本当に一線を越えてしまったら───。
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