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第一章 猫に転生~始まりの公園~

可能・不可能

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パトカーは、ガソリン漏れを起こして燃えている
警察官と運転手は気づき、慌てて携帯で消防を呼ぶ
 
「ネル、早く逃げようっ!!」
 
だが、ネルは動こうともせず事故車を見てる
グロウは仕方なくネルの首を軽く甘噛みし、持ち上げた
 
「おっ、お兄ちゃん離してっ!中の子ども助けないと!!」
 
「たふける、まえひ、ひげるよ!」
 
グロウは'助ける前に、逃げるよ'と言っている。だがネルを咥えているため、上手く喋れない
 
「ネルは大丈夫だから、離してー!」
 
「ダへだー!」
 
'ダメだー!'

グロウは暴れるネルを引きずらないように、公園に連れて行く
ネルを、離しグロウは思った
 
『何故、あの人間は子どもがいるのに何もしないんだよ。自分の事ばかり考えるから、人間は嫌いなんだ』
 
「くっ…あの車の中のガキを助けてくれーー!」
 
グロウはいくら人嫌いでも、見殺しは神の名折れになる。さすがにそれは出来ない
空に向かって叫んだが、何も起きない…
 
「っ!?あの車の中の子どもを助けて下さい。願いします!!」
 
言葉を変えても何も起こらない
その様子を見て、グロウの元にへネルがやってきた
 
「・・・あの、お兄ちゃん…お兄ちゃんの力なんだけども…」
 
「何っ?ネル!?」
 
「えっとね、いい人だけが願ったことを、叶えることができるの…」
 
「ということは…」
 
そう、あの車の中の子供は寝ている…願いも言えない、善人かどうかもわからない。
だから、グロウが願っても何も起こらなかったのだ!
 
「しかも一日三回まで…願い叶ったらお兄ちゃんは、はらペコでたおれちゃうの…」
 
ネルは耳をふせ、目をごめんなさいと言わんばかりに潤す
 
「大丈夫、怒ってないよネル。だからちょっと待っててね」
 
「うん!」
 
グロウはネルを残し、警察官の元に走った
警察官の元についたグロウは、足を思いっきり噛む
そして、乗用車の後に行った
 
「痛ってー!こらー野良猫何する!」
 
「シャーッ、ウゥッ!」
(こっちにこい!アホ)
 
警察官はグロウを追い掛ける
火の手は乗用車まで来ていた。雨は弱い
 
「なっ…なんで子供が寝ているんだっ?!」
 
警察は車を開けようとするけども、何故かロックがかかって開かない
 
このままじゃ…猫だと何も出来ない…
ん…?!

グロウは、ふつうの体でない猫を思い出した!
 
「ミャーァオ~」
(ネルっ!おいでっ!)
 
「ニャッ?」
(呼んだ?)
 
すぐグロウの後でネルは鳴いた
ネルはやはり、乗用車の近くにいたのだ
 
「おいっ、何自分の子供を呼んでんだ、お母さん?!」
 
「シャーッ!!ミャーワォー、ミャー!!」
(お母さんじゃない!ネルっあの中のボタン押してきて!)

「ニャンッ!」
(わかった!)
 
ネルは体を硬質化させ、中に飛び込んだ
 
"パリンッ"
 
「あっ!ってえぇっ、小猫がガラスを割った…?!」
 
唖然としている警察官。その間にネルは、ボタンを押しロックを外した
そしてネルはドアを必死に叩く
 
「ニャーニャー!」
(あけてっ!おまわりさん!)
 
「はっ!ロックが、外れてる!待ってろ坊や、小猫!」
 
警察官はドアを開け、子供とネルを抱き公園の方に走ってった。
グロウも後を追う、その瞬間…
 
"ドッーンッ!!"
 
パトカーの火が、乗用車に乗り移り爆発した…
 

 「坊や起きて」
 
警察官は子供を起こす

「う、ん…?ここどこ?知らないおじさんは?」
 
えっ?どういうことだ子供…?知らない人の車に乗っていたの?!
 
グロウは疑問に思う
 
「坊や、どういうこと?!」
 
「うん、なんか道歩いていたら知らないおじさんがきて、そのまま眠くなった」
 
『なんだ…そういうことか…』
 
グロウは草陰で様子を見る

つまり、運転手は子供を眠らせ誘拐したのだ
 
「坊や、ありがとう。さっお母さんのところに帰ろう」
 
「うん!」
 
「猫ちゃんもありがとうな」

ネルの頭をそっと優しくなでる警察官

「ニャ~」
(うん)
 
事情聴取は済ませてあるので、後は逮捕するのみだった
確かにさっきまでいた、運転手はどこにもいない
子供を助けてる間に逃げだした
 
その後警察官は、誘拐犯を捕まえた。だが、誰も猫が子供を助けたとは信じなかった…
 
今は…
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