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第71話 ド・オデッセリアの攻防? ルミナの魔王化と黒き魔竜② フォース・エレメント
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「ドゥルグ・ムド・クアーズッそのまま押さえつけていてください!」
「フィフス先生?」
ルミナが呟いていると、フィフスは言うが早いか、自分の周囲にいた魔物たちの動きを土属性の精霊の力を借りた魔法で封じると、浮遊の魔法レビテーションを使って自身の身体を浮き上がらせて、そのまま冥界の門が最もよく見える学院の外壁部分へと降り立った。
この町で開き始めている冥界の門。
それを視界に捉えられる場所で、ここが一番地脈の力が強い。
なら、ここの地脈の力を借り受ければかなり強力な魔法が行使できるはず、しかしこれほど巨大な門、しかも相手は門番の印を持つ未知なる力を秘めた魔物グリモア。
相手がどんなものかわからない以上中途半端な魔法は無意味。
ならば、今の私の持つ最大最強の魔法を放ち、相手に反撃の機会すら与えず一撃で仕留めるのみ。それにはこの地にある地脈の力、つまり精霊の力。まずはそれを集めなくてはならない。
学院の外壁に降り立ったフィフスが、この地の地脈に満ちている精霊の力を集め始めた。
「古よりこの地を守りし精霊たちよ、我が呼びかけに応えたまえ……」
フィフスは集中して目を閉じながら、朗々と古きエンシェント・ルーンを口ずさみ始める。
フィフスが古き魔法語と呼ばれる。エンシェント・ルーンを唱え始めると、しばらくして、彼女の足元から地・水・火・風の四大元素の色合いをした精霊の力が立ち上り始めた。
それら四属性の色合いを持った精霊力は、彼女の足元の地脈を伝って、彼女の身体に直接流れ込んでくる。
この地の精霊力を使って、フィフスがこれから何か大きなことをしようとしていることに気付いたルミナが、ドゥルグに向かって叫んだ。
「ドゥルグ! フィフス先生の言うとおりに、今はこいつを死ぬ気で足止めするわよ!」
「なんだかよくわからんが、今の僕なら誰にも負ける気がせん! 足止めといわず、僕があのでかぶつを倒してやろうではないか! 大船に乗ったつもりで任せておきたまえっルミナ女史!」
「なら、いくわよっドゥルグ!」
「うむ!」
二人は気合を入れなおすと、この地の精霊の力を使ってなにかをしようとしているティーチャーフィフスの邪魔をさせまいと、今現在組み合っているミノタウロスに意識と力を集中させた。
この地を満たす精霊の力。これがあるからこそ、この場所にセント・イン・ゴッド学院が建設されたとも言われている。
そして学院の周囲に張り巡らされていた強力な結界も、この力を借りて維持していたものである。そのことから鑑みても、この地に満ちている精霊の力がいかに強大であるかわかるだろう。
その力をフィフスは今、この地に根付いている地脈を通して集めようとしているのである。
まだだ、まだあの魔法を行使するには力が足りない。
もう少し、もう少し力を集めなければ。そう思いながらフィフスがさらなる精霊の力を借りるためにエンシェント・ルーンを唱えていると、まるで精霊たちがこの地を救ってくれと言っているかのように、今までで一番大きなこの地を守護する精霊の力が、大地の地脈を通じてフィフスに流れ込んできた。そしてついに彼女の全身を濃密な精霊の力が満たした。
来た! いまだ! フィフスはそう感じた己自身の感覚を信じて、今現在自分の持てる最大級の魔法を行使するために、朗々と呪を口ずさみ始めた。
「土よ、水よ、火よ、風よ、自然を満たす四大元素よ、我が呼びかけに答え、我らが共にある世界を破壊せんと欲する、邪悪を打ち砕く力を我に与えよ……」
フィフスが朗々と呪を口ずさみ始めると、彼女の全身を満たす精霊の力と共に、足元から更なる力が彼女を包み込むようにして立ち昇り、それらがフィフスが唱えている呪文の意図する形へと変わっていった。
そして、四大元素たる地水火風、四色の色合いをした巨大な四柱が、天を突き破らんばかりの勢いで彼女の四方を取り囲むようにして立ち昇った。
フィフス自身の魔力と、地脈から得た精霊力を受けて立ち昇った巨大な土水火風の四柱は、まるで四属性を司るとされる四大竜の如く彼女の四方に立ち昇り、ここにこの世界最強クラスの術の一つが完成した。
後はこの魔法をフィフス自身の力ある言葉と共に解き放つのみだ。
そしてフィフスは完成した呪文を、冥界の門の中にいる門の守り手に向かって、力ある言葉と共に解き放った。
「フォース・エレメント!」
この世界最強クラスの四属性魔法が、フィフスのもとより同時に解き放たれると、巨大な冥界の門の内側にいる未知なる魔物グリモアに向かっていった。
力ある言葉と共に解き放たれた四属性を模した四つの巨大な柱は、対象物に向かうたびに、それぞれがそれぞれの属性を象徴すべき、四つの巨大な竜巻へとその姿を変えていく。
土属性の柱は、かなりの強度を誇る無数の岩の集合体、アース・トルネードと化すと、その先端を尖らせて、凄まじい勢いで回転しながら、まるで巨大なドリルのようにしてグリモアを貫こうとした。
水属性の柱は、それ自体が高速回転する巨大な渦潮、ウォーター・トルネードと化すと、未知なる魔物グリモアをその高速回転する水の刃によって、切り刻もうとした。
火属性の柱は何もかもを焼き尽くす、渦巻く巨大なフレア・トルネードと化すと、グリモアの全てを焼き尽くしにかかった。
そして最後に、風属性の柱は巨大な大気の渦、エア・トルネードと化して、その中に幾つもの真空の刃を生み出すと、グリモアの身体、その全てをその真空の刃で切り裂きにかかったのであった。
そして、巨大な四つの竜巻。その全てが冥界の門を越えると同時に四方からグリモアに向かって殺到した。
無論こんなものをまともに喰らえば人、いや並みの巨人や魔物ならばひとたまりもないことはいうまでもないだろう。
そして案の定フィフスの放ったフォース・エレメントは冥界の門を超えた後、未知なる魔物グリモアに向かって四方から殺到すると、グリモアの無数にある野太い触手や本体などを貫き切り裂き切り刻み、焼き尽くしていった。
「フィフス先生?」
ルミナが呟いていると、フィフスは言うが早いか、自分の周囲にいた魔物たちの動きを土属性の精霊の力を借りた魔法で封じると、浮遊の魔法レビテーションを使って自身の身体を浮き上がらせて、そのまま冥界の門が最もよく見える学院の外壁部分へと降り立った。
この町で開き始めている冥界の門。
それを視界に捉えられる場所で、ここが一番地脈の力が強い。
なら、ここの地脈の力を借り受ければかなり強力な魔法が行使できるはず、しかしこれほど巨大な門、しかも相手は門番の印を持つ未知なる力を秘めた魔物グリモア。
相手がどんなものかわからない以上中途半端な魔法は無意味。
ならば、今の私の持つ最大最強の魔法を放ち、相手に反撃の機会すら与えず一撃で仕留めるのみ。それにはこの地にある地脈の力、つまり精霊の力。まずはそれを集めなくてはならない。
学院の外壁に降り立ったフィフスが、この地の地脈に満ちている精霊の力を集め始めた。
「古よりこの地を守りし精霊たちよ、我が呼びかけに応えたまえ……」
フィフスは集中して目を閉じながら、朗々と古きエンシェント・ルーンを口ずさみ始める。
フィフスが古き魔法語と呼ばれる。エンシェント・ルーンを唱え始めると、しばらくして、彼女の足元から地・水・火・風の四大元素の色合いをした精霊の力が立ち上り始めた。
それら四属性の色合いを持った精霊力は、彼女の足元の地脈を伝って、彼女の身体に直接流れ込んでくる。
この地の精霊力を使って、フィフスがこれから何か大きなことをしようとしていることに気付いたルミナが、ドゥルグに向かって叫んだ。
「ドゥルグ! フィフス先生の言うとおりに、今はこいつを死ぬ気で足止めするわよ!」
「なんだかよくわからんが、今の僕なら誰にも負ける気がせん! 足止めといわず、僕があのでかぶつを倒してやろうではないか! 大船に乗ったつもりで任せておきたまえっルミナ女史!」
「なら、いくわよっドゥルグ!」
「うむ!」
二人は気合を入れなおすと、この地の精霊の力を使ってなにかをしようとしているティーチャーフィフスの邪魔をさせまいと、今現在組み合っているミノタウロスに意識と力を集中させた。
この地を満たす精霊の力。これがあるからこそ、この場所にセント・イン・ゴッド学院が建設されたとも言われている。
そして学院の周囲に張り巡らされていた強力な結界も、この力を借りて維持していたものである。そのことから鑑みても、この地に満ちている精霊の力がいかに強大であるかわかるだろう。
その力をフィフスは今、この地に根付いている地脈を通して集めようとしているのである。
まだだ、まだあの魔法を行使するには力が足りない。
もう少し、もう少し力を集めなければ。そう思いながらフィフスがさらなる精霊の力を借りるためにエンシェント・ルーンを唱えていると、まるで精霊たちがこの地を救ってくれと言っているかのように、今までで一番大きなこの地を守護する精霊の力が、大地の地脈を通じてフィフスに流れ込んできた。そしてついに彼女の全身を濃密な精霊の力が満たした。
来た! いまだ! フィフスはそう感じた己自身の感覚を信じて、今現在自分の持てる最大級の魔法を行使するために、朗々と呪を口ずさみ始めた。
「土よ、水よ、火よ、風よ、自然を満たす四大元素よ、我が呼びかけに答え、我らが共にある世界を破壊せんと欲する、邪悪を打ち砕く力を我に与えよ……」
フィフスが朗々と呪を口ずさみ始めると、彼女の全身を満たす精霊の力と共に、足元から更なる力が彼女を包み込むようにして立ち昇り、それらがフィフスが唱えている呪文の意図する形へと変わっていった。
そして、四大元素たる地水火風、四色の色合いをした巨大な四柱が、天を突き破らんばかりの勢いで彼女の四方を取り囲むようにして立ち昇った。
フィフス自身の魔力と、地脈から得た精霊力を受けて立ち昇った巨大な土水火風の四柱は、まるで四属性を司るとされる四大竜の如く彼女の四方に立ち昇り、ここにこの世界最強クラスの術の一つが完成した。
後はこの魔法をフィフス自身の力ある言葉と共に解き放つのみだ。
そしてフィフスは完成した呪文を、冥界の門の中にいる門の守り手に向かって、力ある言葉と共に解き放った。
「フォース・エレメント!」
この世界最強クラスの四属性魔法が、フィフスのもとより同時に解き放たれると、巨大な冥界の門の内側にいる未知なる魔物グリモアに向かっていった。
力ある言葉と共に解き放たれた四属性を模した四つの巨大な柱は、対象物に向かうたびに、それぞれがそれぞれの属性を象徴すべき、四つの巨大な竜巻へとその姿を変えていく。
土属性の柱は、かなりの強度を誇る無数の岩の集合体、アース・トルネードと化すと、その先端を尖らせて、凄まじい勢いで回転しながら、まるで巨大なドリルのようにしてグリモアを貫こうとした。
水属性の柱は、それ自体が高速回転する巨大な渦潮、ウォーター・トルネードと化すと、未知なる魔物グリモアをその高速回転する水の刃によって、切り刻もうとした。
火属性の柱は何もかもを焼き尽くす、渦巻く巨大なフレア・トルネードと化すと、グリモアの全てを焼き尽くしにかかった。
そして最後に、風属性の柱は巨大な大気の渦、エア・トルネードと化して、その中に幾つもの真空の刃を生み出すと、グリモアの身体、その全てをその真空の刃で切り裂きにかかったのであった。
そして、巨大な四つの竜巻。その全てが冥界の門を越えると同時に四方からグリモアに向かって殺到した。
無論こんなものをまともに喰らえば人、いや並みの巨人や魔物ならばひとたまりもないことはいうまでもないだろう。
そして案の定フィフスの放ったフォース・エレメントは冥界の門を超えた後、未知なる魔物グリモアに向かって四方から殺到すると、グリモアの無数にある野太い触手や本体などを貫き切り裂き切り刻み、焼き尽くしていった。
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