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第44話 ド・オデッセリアの攻防② 学生小隊② フィフスの不満
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この救援が決まった折に部隊を編成すると私が言うと、勇者科の担当教諭である彼、エルシス・ユル・ユグドラシルという世界樹の家名を持つ彼は、小隊編成部隊の名を聞いて彼、カナタ・ユア・モーティスの名を口にしたのだった。
私は彼が魔王科の中でも落ちこぼれだということを当然知っていたから、そのことを彼に話し反対もした。しかし彼は、
「彼は魔王科の『中』では落ちこぼれだっていうんだろ?」
「ええ、そうよ。今回の遠征に彼を連れて行っても私たちに何の理もないわ。そればかりか彼の実力からして十中八、九私たちの足手まといになるのが落ちよ。だからエルシス、いくらあなたの頼みでも今回ばかりは呑むわけにはいかないわ。それにパーティの編成に当たってメンバーの一人でも実力が劣るものがいれば、それはパーティの足を引っ張り命取りになりかねない事態を招くもの。そのことは昔パーティを率いていたあなた自身が一番よくわかっているはずよ、エルシス。そしてその一人のためにパーティが危機に陥るのはよくあることよ。だから、今度ばかりはあなたの要求を飲むわけには行かないわ」
と私は強く言ったのだけれど彼は、
「いいから、今回は僕の言うとおりに彼を連れて行ってくれ」
と元勇者で英雄である彼に半ば強引にねじ込まれたので仕方なしに彼、カナタ。ユア・モーティスを今回の小隊編成に組み込んだのである。
私は彼が魔王科の中でも落ちこぼれだということを当然知っていたから、そのことを彼に話し反対もした。しかし彼は、
「彼は魔王科の『中』では落ちこぼれだっていうんだろ?」
「ええ、そうよ。今回の遠征に彼を連れて行っても私たちに何の理もないわ。そればかりか彼の実力からして十中八、九私たちの足手まといになるのが落ちよ。だからエルシス、いくらあなたの頼みでも今回ばかりは呑むわけにはいかないわ。それにパーティの編成に当たってメンバーの一人でも実力が劣るものがいれば、それはパーティの足を引っ張り命取りになりかねない事態を招くもの。そのことは昔パーティを率いていたあなた自身が一番よくわかっているはずよ、エルシス。そしてその一人のためにパーティが危機に陥るのはよくあることよ。だから、今度ばかりはあなたの要求を飲むわけには行かないわ」
と私は強く言ったのだけれど彼は、
「いいから、今回は僕の言うとおりに彼を連れて行ってくれ」
と元勇者で英雄である彼に半ば強引にねじ込まれたので仕方なしに彼、カナタ。ユア・モーティスを今回の小隊編成に組み込んだのである。
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