宇宙(そら)の魔王

鳴門蒼空

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青の星 エリスティア小隊の到着と隕石群③ ナノエフェクトとニーナの降下

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 惑星降下用の小型カプセルのある艦内の小型ドックへとたどり着いていたニーナは、そこに常備されている惑星降下用装備をいくつか身に着けながら、青の星への降下準備に入っていた。

 そこへ艦内通信で、エリスに声をかけられる。

「ニーナ」

「エリスか、何の用だ?」

 艦内通信でエリスに声をかけられたニーナは、腕のコンソールに備え付けられている小型の通信機から返答する。

「念のため、あれを持っていけ」

「あれ?」

「ああ、魔王の尖兵の潜んでいる隕石群の襲撃を受けたにもかかわらず、青の星の者たちが運よく生き残っていた場合。かの星の者たちの技術力では、隕石群の落ちた惑星内の環境には適応できず、生き残れないだろう。だから彼らがその環境に適応できるように、環境適応型のナノエフェクトを持っていけ。今ジーンがそれを取りに行っている」

「了解した」

「それからニーナ。念のために緊急時のランデブー地点を決めておこう。あの惑星内で電波を発している一番高い人工の塔だ」

「電波を発している塔?」

「ああ、そこが一番こちらから探知しやすいからな。青の星の惑星座標軸でいうところの122地点だ。そこで緊急用の信号を送れ、そうすればジーンに小型艇で迎えに行かせる」

「了解した」

 答えるなりニーナは、艦内ドックの入り口の壁を背にし佇んで、ジーンの到着を待っていた。

 しばらくすると、エリスのラボからナノエフェクトを持ってきたジーンが到着する。

「わりいっ待たせたなっニーナ」

「ジーン」

 ニーナは、艦内の小型ドックに訪れたジーンから、環境適応型ナノエフェクトが入った注入装置を数本手渡される。

「これか?」

 ニーナがジーンから手渡された数本のナノエフェクト注入装置を見て、ジーンに確認するかのように呟く。

「おう」

「なら、これで準備は整ったな。青の星への降下を開始する」

 準備を整えたニーナが、すぐさま小型ドックの中にある流線型の惑星降下カプセルに身を沈めると、ジーンがニーナに向かって声をかけてくる。

「ニーナ。死ぬなよ」

「ああ、わかっている。それよりジーン

「あん、なんだ?」

「相手はあの魔王の本体と思われるものだ。お前たちの方こそ気を付けていけ」

「おうっ任せとけってっ」

 ジーンがドンッと自らの胸板を叩いて、自信満々に言う姿を見たニーナは、自分もなすべきことをなすために、一人乗りの惑星降下用小型カプセルの蓋を閉めると、腕のコンソールに備え付けられている通信機を使いエリスに合図を送る。

「エリス」

「ああ、では射出する。くれぐれも死ぬなよ、ニーナ」

「エリス。お前たちこそな」

 エリスとニーナの二人は、それだけ言葉を交わしあうと、エリスの操作によってニーナの乗っている惑星降下用の小型カプセルは、小型戦艦ナノグリフより射出されて、青の星。地球へと向かって降下していったのだった。
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