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いつかのために、さようなら~1~
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あの一騒動──星喰パンツエディ事件(?)から三日目の昼。約一週間ぶりの街の姿に、ノマルはほっと息を吐いた。正直色々ありすぎてわりとお腹いっぱいな上に消化不良だが、旅はまだまだこれからだ。自分達から首を突っ込んでいかなければならない以上、面倒事もといイベントは目白押しだろう。やや憂鬱である。
が、その前に。村に帰るイベントが先であり、なんならエディとのお別れイベントが先であった。さっきからうだうだ「あああヤダ別れたくない」などと面倒くさい彼女みたいなダル絡みをしているが、都度律儀にシエマーが宥めてくれるおかげでなんとか自我を保っていた。
「村へと戻る際に連れて行けるよう、頼んでみるといい」
「その場しのぎ、先延ばし、現実逃避!」
「ふむ、困った人だ……だが、マエクスを単なる移動手段と考える者も少なくない中で、君のような人は貴重な存在だろうな」
不満そうに呻き声を上げたノマル。ならどう返せばいいのかと聞きたくなるような反応である。それでもシエマーはしれっと褒める流れに持っていくあたり、年の功かはたまた性格か。恐らくは両方だろう。
電車通勤の社畜のごとく、為す術もなくエディに揺られること数分。街の外側なのであっという間に厩舎が見えてきた。よっこいせとエディから下りたノマルは厩舎を見上げたかと思うと、一度大きく呼吸して。そして「よし!」と自分の頬をぺちっと叩いた。いつまでもジメジメしていたらまるでシエマーみたいじゃないか、と考えた結果がこれだ。ナチュラルにめちゃくちゃ失礼な気合いの入れ方である。
エディに外で待っててもらって、受付の方へ。前と同じようにカウンターを挟んだ向こう側へ声をかけると、おじさんがパッと明るく笑った。
「お、いつ帰ってくるかと思ってたんだ。無事で良かった、エディの様子はどうだ?あぁいや、直接見た方が早いか」
気持ちが逸っているようで、早々に外へ向かうおじさん。ノマルは本当に大事にしているんだなぁとしみじみ感じながら、そりゃあんな可愛い子に育つわけだと納得した。どちらかと言うと可愛いよりも綺麗なのだが、全てはうちの子フィルターのせいである。
三人でエディの前に立つと、なんとなく緊張してしまうノマル。これまでエディの手入れは欠かさず、毎日草や水を十分に摂っているかの確認は決して怠らなかった。けれども何分初めての経験だったので、きちんとできていたかは少々自信が無いところであった。
「うんうん。楽な道のりじゃなかったろうに、綺麗にしてもらってるな。初めての場所はどうだった、そんなに悪いもんじゃないだろ?」
『まぁまぁってところね』といった様子で鼻を鳴らすエディ。可もなく不可もなく、彼女の性格を考えると可の方が近そうな反応である。正直嫌だったと言われたら立ち直れる自信が無いので、少し安心したノマル。
とはいえ、問題はここからである。そろりとエディを見上げて、なんとか覚悟を決める。それからおじさんにもう少し借りれないかお願いをしようと口を開きかけて。先におじさんが「そういえば」と振り返った。
「アンタらはこれからどうするんだ?見たところ冒険者でもないし、暫く街にいるのか?」
「えーと、一旦村……名前なんだっけ」
「ブラグレオだ。そこに一度戻り、次は首都の方へ行く予定だ」
「そうそれ。今のところ決まってるのはそれだけだけど、そこからもかなり長い旅になるはずだよ」
つまり一度お別れしたら、基本会えることはないのである。そう考えたせいで雑に心臓へ致命傷を食らって、ウッと胸を押さえた。えーん辛い。おじさんが急にどうしたと心配したので慌てて立ち直ったが。
「まァなんだ、ありがとな。エディにとってはいいきっかけになったみたいだ。これでもう少し外へ出るなり、他の子と交流するなりできればいいんだがな。ずっと誰にも貰われず子供も産まずじゃ、寂しいったらないからよ」
にこやかに礼を言うおじさん。話を聞くようにじーっと見つめていたエディは、おもむろに顔を動かして。おじさんの若干怪しい生え際をやたら鼻先で小突き、そして前のノマルのように顔をべっちゃべちゃに舐めたくり始めた。その動きはどうにも苛立ちをぶつけているような、あるいは鬱憤を晴らしているようだった。
「な、なん!?エディ、むっ、コラ!」
もうやりたい放題である。首元にかけたタオルを引っ張って落とし、服へ雑に唾を飛ばし、髪の毛をもしゃもしゃと食み。あっという間に悲惨な姿になったおじさんを見て、ノマルは驚きよりも絵面の面白さに気をとられた。かろうじて吹き出さずにすんだが、よだれまみれの髪の毛が海藻みたいで。
「んふふ」
「ちょ、笑わないでくれよ嬢ちゃん。ここじゃよくあることだ」
落としたタオルの汚れを払い、多少身なりを整えたおじさんは元凶を見やった。めちゃくちゃ不満そうに鳴き声を上げているが、一体どうしたのだろうか。全く言いたいことが分からずに首を傾げる一行。自分の主張が伝わらないことを悟ると、エディはツンッとそっぽを向いてノマルの斜め後ろに立った。
「え、急にどうしたの。なに、もしかして反抗期?」
『違うわよ!』と流石のノマルでも分かるほど否定されて。とはいえ一度そう思ってしまったらそれ以外にないような気がして、なんとなく生温かい視線で見てしまう。どこかむすっとしたエディは適当にノマルの袖を咥えて、ちょいちょいっと引っ張った。
「その方向は……外のようだが」
もしかして、と思いついた一つの予想。それは大分ノマルの希望が入ったものであったが、何故だか妙に確信があった。
「ね、もしかして私達と一緒に行きたいの?」
いくらか視線が泳いだ後、エディはゆっくりと頷いた。その後すぐ『あなたがどうしてもって言うから仕方なく、仕方なくよ!』とばかりに小突いているが、ノマルにはノーダメージである。それどころか、ぴっかぴかの笑顔を浮かべて「わぁ、エディが一緒に行きたいって!」と大喜び。
だったらおじさんに交渉しなくてはとノマルが視線を移してすぐ、おじさんの様子に目を見張った。なんか両手で顔覆って天仰いでるんだけど何事?
「あのエディが自分から……あの、めちゃくちゃプライドの高い我が儘お転婆娘のエディがまさか、自分で主人を選ぶとは……うおおおお!」
感極まって泣いているところ申し訳ないが非常にうるさい。距離を置いているとはいえエディも引き気味である。
暫くして落ち着いたおじさんはぐちゃぐちゃの顔を拭い。そして気を取り直したのかニッと笑って、ノマルの肩をポンポンと叩いた。
「いやぁ、嬢ちゃんやるな!この子がついて行きたいって言うんだ、よっぽど気に入ったんだろうよ。ようし、娘の意思を尊重しないなんざ男が廃るってもんだ、遠慮なく連れてってくれ!」
「いいの、ホントに!?あ、でもお金」
「はは、別にいいさ。もし普通に買おうもんなら他の子の二倍近い値段になる、兄貴も流石に困るだろ」
二倍と言われても相場が分からないのでピンとこないが、シエマーが困った顔で頷くのを見るに相当らしい。そんな負担かけることにならなくてよかったと、ほっと息を吐くノマル。おじさんの有り難い好意に素直に甘えておくことにする。
「代わりといっちゃ何だが、余裕があればたまに顔を見せに来てくれ。エディの兄貴の方は俺がおいそれと会いに行けるような場所じゃないんでな」
「もちろん!いいよね、シエマー」
「ああ。近くを通ることがあれば、必ず」
エディに向き直るノマル。にへらとゆるんだ顔で白い首元を撫でながら、喜びを噛みしめた。もしかしたら自分の中にある主人公パワーが火を噴いたのか、とかなんとかくだらないことを考えて。
どうも都合が良すぎて不安になってくるが、今はそんなことどうでもいい。もっと単純に考えればいいのだ。この結果はただお互いに気に入ったからという、なるべくしてなった運命であると!
「へへ、これからもよろしくね、エディ」
「よろしく頼む、エディガウラ。共に歩むからには守り抜いてみせよう」
うちの子(仮)から正しくうちの子になったエディは『つまらなかったら承知しないから』と勇ましい鳴き声を上げて──態度のわりには随分、穏やかな顔で二人を見下ろしていた。
が、その前に。村に帰るイベントが先であり、なんならエディとのお別れイベントが先であった。さっきからうだうだ「あああヤダ別れたくない」などと面倒くさい彼女みたいなダル絡みをしているが、都度律儀にシエマーが宥めてくれるおかげでなんとか自我を保っていた。
「村へと戻る際に連れて行けるよう、頼んでみるといい」
「その場しのぎ、先延ばし、現実逃避!」
「ふむ、困った人だ……だが、マエクスを単なる移動手段と考える者も少なくない中で、君のような人は貴重な存在だろうな」
不満そうに呻き声を上げたノマル。ならどう返せばいいのかと聞きたくなるような反応である。それでもシエマーはしれっと褒める流れに持っていくあたり、年の功かはたまた性格か。恐らくは両方だろう。
電車通勤の社畜のごとく、為す術もなくエディに揺られること数分。街の外側なのであっという間に厩舎が見えてきた。よっこいせとエディから下りたノマルは厩舎を見上げたかと思うと、一度大きく呼吸して。そして「よし!」と自分の頬をぺちっと叩いた。いつまでもジメジメしていたらまるでシエマーみたいじゃないか、と考えた結果がこれだ。ナチュラルにめちゃくちゃ失礼な気合いの入れ方である。
エディに外で待っててもらって、受付の方へ。前と同じようにカウンターを挟んだ向こう側へ声をかけると、おじさんがパッと明るく笑った。
「お、いつ帰ってくるかと思ってたんだ。無事で良かった、エディの様子はどうだ?あぁいや、直接見た方が早いか」
気持ちが逸っているようで、早々に外へ向かうおじさん。ノマルは本当に大事にしているんだなぁとしみじみ感じながら、そりゃあんな可愛い子に育つわけだと納得した。どちらかと言うと可愛いよりも綺麗なのだが、全てはうちの子フィルターのせいである。
三人でエディの前に立つと、なんとなく緊張してしまうノマル。これまでエディの手入れは欠かさず、毎日草や水を十分に摂っているかの確認は決して怠らなかった。けれども何分初めての経験だったので、きちんとできていたかは少々自信が無いところであった。
「うんうん。楽な道のりじゃなかったろうに、綺麗にしてもらってるな。初めての場所はどうだった、そんなに悪いもんじゃないだろ?」
『まぁまぁってところね』といった様子で鼻を鳴らすエディ。可もなく不可もなく、彼女の性格を考えると可の方が近そうな反応である。正直嫌だったと言われたら立ち直れる自信が無いので、少し安心したノマル。
とはいえ、問題はここからである。そろりとエディを見上げて、なんとか覚悟を決める。それからおじさんにもう少し借りれないかお願いをしようと口を開きかけて。先におじさんが「そういえば」と振り返った。
「アンタらはこれからどうするんだ?見たところ冒険者でもないし、暫く街にいるのか?」
「えーと、一旦村……名前なんだっけ」
「ブラグレオだ。そこに一度戻り、次は首都の方へ行く予定だ」
「そうそれ。今のところ決まってるのはそれだけだけど、そこからもかなり長い旅になるはずだよ」
つまり一度お別れしたら、基本会えることはないのである。そう考えたせいで雑に心臓へ致命傷を食らって、ウッと胸を押さえた。えーん辛い。おじさんが急にどうしたと心配したので慌てて立ち直ったが。
「まァなんだ、ありがとな。エディにとってはいいきっかけになったみたいだ。これでもう少し外へ出るなり、他の子と交流するなりできればいいんだがな。ずっと誰にも貰われず子供も産まずじゃ、寂しいったらないからよ」
にこやかに礼を言うおじさん。話を聞くようにじーっと見つめていたエディは、おもむろに顔を動かして。おじさんの若干怪しい生え際をやたら鼻先で小突き、そして前のノマルのように顔をべっちゃべちゃに舐めたくり始めた。その動きはどうにも苛立ちをぶつけているような、あるいは鬱憤を晴らしているようだった。
「な、なん!?エディ、むっ、コラ!」
もうやりたい放題である。首元にかけたタオルを引っ張って落とし、服へ雑に唾を飛ばし、髪の毛をもしゃもしゃと食み。あっという間に悲惨な姿になったおじさんを見て、ノマルは驚きよりも絵面の面白さに気をとられた。かろうじて吹き出さずにすんだが、よだれまみれの髪の毛が海藻みたいで。
「んふふ」
「ちょ、笑わないでくれよ嬢ちゃん。ここじゃよくあることだ」
落としたタオルの汚れを払い、多少身なりを整えたおじさんは元凶を見やった。めちゃくちゃ不満そうに鳴き声を上げているが、一体どうしたのだろうか。全く言いたいことが分からずに首を傾げる一行。自分の主張が伝わらないことを悟ると、エディはツンッとそっぽを向いてノマルの斜め後ろに立った。
「え、急にどうしたの。なに、もしかして反抗期?」
『違うわよ!』と流石のノマルでも分かるほど否定されて。とはいえ一度そう思ってしまったらそれ以外にないような気がして、なんとなく生温かい視線で見てしまう。どこかむすっとしたエディは適当にノマルの袖を咥えて、ちょいちょいっと引っ張った。
「その方向は……外のようだが」
もしかして、と思いついた一つの予想。それは大分ノマルの希望が入ったものであったが、何故だか妙に確信があった。
「ね、もしかして私達と一緒に行きたいの?」
いくらか視線が泳いだ後、エディはゆっくりと頷いた。その後すぐ『あなたがどうしてもって言うから仕方なく、仕方なくよ!』とばかりに小突いているが、ノマルにはノーダメージである。それどころか、ぴっかぴかの笑顔を浮かべて「わぁ、エディが一緒に行きたいって!」と大喜び。
だったらおじさんに交渉しなくてはとノマルが視線を移してすぐ、おじさんの様子に目を見張った。なんか両手で顔覆って天仰いでるんだけど何事?
「あのエディが自分から……あの、めちゃくちゃプライドの高い我が儘お転婆娘のエディがまさか、自分で主人を選ぶとは……うおおおお!」
感極まって泣いているところ申し訳ないが非常にうるさい。距離を置いているとはいえエディも引き気味である。
暫くして落ち着いたおじさんはぐちゃぐちゃの顔を拭い。そして気を取り直したのかニッと笑って、ノマルの肩をポンポンと叩いた。
「いやぁ、嬢ちゃんやるな!この子がついて行きたいって言うんだ、よっぽど気に入ったんだろうよ。ようし、娘の意思を尊重しないなんざ男が廃るってもんだ、遠慮なく連れてってくれ!」
「いいの、ホントに!?あ、でもお金」
「はは、別にいいさ。もし普通に買おうもんなら他の子の二倍近い値段になる、兄貴も流石に困るだろ」
二倍と言われても相場が分からないのでピンとこないが、シエマーが困った顔で頷くのを見るに相当らしい。そんな負担かけることにならなくてよかったと、ほっと息を吐くノマル。おじさんの有り難い好意に素直に甘えておくことにする。
「代わりといっちゃ何だが、余裕があればたまに顔を見せに来てくれ。エディの兄貴の方は俺がおいそれと会いに行けるような場所じゃないんでな」
「もちろん!いいよね、シエマー」
「ああ。近くを通ることがあれば、必ず」
エディに向き直るノマル。にへらとゆるんだ顔で白い首元を撫でながら、喜びを噛みしめた。もしかしたら自分の中にある主人公パワーが火を噴いたのか、とかなんとかくだらないことを考えて。
どうも都合が良すぎて不安になってくるが、今はそんなことどうでもいい。もっと単純に考えればいいのだ。この結果はただお互いに気に入ったからという、なるべくしてなった運命であると!
「へへ、これからもよろしくね、エディ」
「よろしく頼む、エディガウラ。共に歩むからには守り抜いてみせよう」
うちの子(仮)から正しくうちの子になったエディは『つまらなかったら承知しないから』と勇ましい鳴き声を上げて──態度のわりには随分、穏やかな顔で二人を見下ろしていた。
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