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ひと騒動が濃すぎるんだが
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村へ戻るため、経由地であるリバフォトの街へ向かう二人と一頭。行きと同じ道なので若干退屈しつつも、ぽつぽつと雑談していれば時間は過ぎていくもので。道中これといった問題もなく進み続け、適当な野営地を設置することに。といっても、タープとテントの間みたいな物を建て、焚き火を作るくらいである。
申し訳程度の手伝いで設置し終わってから、節々の痛みが消えていることに気づくノマル。長距離の移動で腰やら股関節やらを少々痛めていたのだが、少々で済んだのもこうして治ったのも神様パワーのおかげなのだろう。全然気にならない程度なのは有難いことである。できればもっと凄いチートレベルのパワーが欲しかったが、加護があるだけマシといえる。
そろそろ飽きてきた携帯食料を齧りながら、ぱちぱちと爆ぜる火の粉を見やる。ついで、焚き火を挟んで向かいに座るシエマーを見上げ、最後は少し離れたところのエディに視線が移る。視界に映してすぐ、なんとなく気落ちしたのが分かってノマルは小さくため息を吐いた。
リバフォトの街へ行くということは、エディを返すということである。例え村へ帰るために借り直すとしても、これからの長旅に付き合わせるわけには行かないだろう。目に見えている別れを惜しんでしまうのは仕方の無いことであった。
「街に着いたらさ、返すんだよね」
視線の先で気づいたのか、遅れて「ああ」と返事をするシエマー。分かっていた反応が現実になって、ノマルのジメジメ度が増していく。
「そりゃそうだよねぇ……まだ何も起こったことないから落ち着いてるみたいだけど、時々ちょっと怖がってるし。おじさんにとっても大事な子だからこれ以上実家から引き離すのも可哀想だし、そもそも本人は誰にも貰われたくないみたいだし」
自分で並べた理由にすらダメージを受ける始末である。思った以上に情が湧いていたようで、どうにも悲しい気持ちになってしまうノマル。人との別れはまだ耐性があるため、村の人達については比較的割り切れているのだが。
だってこんなんもううちの子やん!!!
よその子である。脳内で勝手にうちの子認定しているところアレだが、どう考えたってよその子である。人には人の生活があるように、マエクスにもマエクスの生活があるのだ。本人とその親の意思は尊重すべきであり、そもそも引き取りたいと思っても無一文のノマルには交渉の権限すら無いのである。
「風変わりだができた子だ、彼女ほどのマエクスはそういない。いずれ調達せねばならないのなら、彼女を連れて行ければいいが……本人にその気がなければ難しいだろう」
「その気にさせるの無理ゲー過ぎる」
細く長い息を吐きながら、ノマルはエディの後ろ姿をぽけっと見つめる。エディはさも『私は何も聞いていないわよ』という風に草をはんでいるが、あのぴこぴこと動いている耳が大変よろしいことは既に知っている。それでも構わず話しているのは、話したところで何が変わるわけでもないと思っているからだ。普通に悲しい。
のっそりと最後の一欠片を水で流し込むように食べ終えた後。シエマーも食べ終えていることを確認し「じゃ、私体拭くから」と言って背を向けてもらう。その間にそそくさとテントの中へ。隙間から結構見えるので、試着室より圧倒的に防御力の低いテントなのが不満ではあるが。
今着ている服も変わらずワンピースタイプの服のため豪快に脱ぐことになるが、もはや慣れたものである。薄いシャツをめくって、適当に濡らしたタオルで拭いていく。今日は下着だけ替えればいいかと横着して、先にパンツを履き替えた。
何の抵抗もなくスポーツブラもどきを脱いだところで──突然、驚いたようなエディの鳴き声。次いで「エディガウラッ!」とシエマーの焦った声。ノマルは慌ててシャツを引っ掴み、さっと被って外へ飛び出した。
ライトを付けていなかったため、暗闇に慣れた目が一瞬焚き火の光で眩む。歪んだシルエットがくっきりエディの姿をとった時、そのすぐ傍に見えたモノ。ノマルは迷うことなく持てる力全てでバリアを形成した。ガギンッと牙が弾かれる硬い音。
「エディガウラ、早く此方へ!」
固まっていたエディは弾かれたように動き出し、最高速度で駆けていく。後を追ってくる黒い影──恐ろしい形相をした大きな狼だ──の前に、シエマーが立ち塞がった。キッと鋭い目で見つめたまま、ただ冷静に剣を構えている。ノマルは念の為シエマーにもバリアをと思って手のひらを向け……いくら念じても出ないことに、じわりと滲む焦燥。
そうこうしている内に勢いよく走り出した狼が、シエマーへと飛びかかる。反射的にギュッと目を瞑ったノマルをよそに、シエマーは難なくすれ違いざまに切り裂いた。
ドサ、と重たい音がしてすぐにノマルが目を開けると、丁度シエマーが剣を振って血を飛ばすところで。わぁ侍が刀でやってるヤツ、と脇に逸れた思考を、いやそんなん後やろがと一秒で諌める。
「ねぇ、大丈夫!?二人とも、どこも怪我してないよね!?」
「問題ない。エディガウラも、どうやら君の障壁で無事のようだ」
何故か妙に上を向いているがシエマーは平気そうだ。ならばとエディに駆け寄り、その周りをぐるぐる回って確認していく。ひとしきり見てどこにも傷がないことを確かめると、ノマルは「よかったぁ」と安堵の息を吐いた。
「いやぁ、ホントびっくりしたよ。それ、星喰だよね?普通の獣より大「ノマル」ん?なに?」
話を遮るなんて珍しい。不思議そうにきょとんと目を丸くして、シエマーの様子を窺った。相変わらず目が合わないどころか顔ごと違う方向を向いているが、一体どうしたのだろうか。
んん、と咳払いをした後、ぼそりと一言。
「……先に、服を」
「あ」
上はノーブラシャツに下はパンイチである。わりととんでもない格好をしていると言われて初めて気づいたノマルは、三秒くらい固まってから。
「うーん、いらんもん見せてごめんなぁ!ちゃっちゃと着替えてくるワ!」
あえて意図的に方言で話した声はカッチコチで、テントに向かっていく動きもカッチコチ。シンプルな恥ずかしさと状況の意味不明さがノマルを襲っていた。あの状態で飛び出した時点で結果は予想できたとはいえ、まさかこの状況でラッキースケベイベントが発生するとは毛ほども思っていなかったので。そもそも恐ろしく誰も得しないのでラッキーでも何でもないのだが。
しかしまぁ、その羞恥心も一過性のもの。気を使わせてしまった加害者のようなものなのだから、こちらが気にすることでは無いとバッサリ割り切って。変なところでサッパリしているノマルは、着替えを終えるとケロッとした顔で戻ってきた。すかさず寄ってくるエディにやっぱり怖かったんだろうなと思いながら、なだめるようにその体を撫でる。
ふと気が付けば先程の黒い影、もとい星喰の死体がキレイさっぱり無くなっている。一体どこへと思って聞こうとしたら、先にシエマーが口を開いた。心なしか顔に焦りが見える。
「私は視線の角度的に見えておらず、強いて言うなら視界の端に多少肌が映った程度であり、そもそも辺りは暗かったため」
「いいから、気にしなくていいから!普通に事故だから!……ちなみに、色は?」
「白……あ」
「んんっ、あまりにも口が素直すぎる」
シエマーは嘘をつくのが下手なので雑にカマをかけてみたところ、簡単に口からポロリとこぼれてしまって。危うく吹き出すところだった。少し物言いたげな視線が拗ねているようで「ごめんって。別にいいよ、パンツの一枚くらい安いもんだし」と方向性がおかしいフォローを入れておく。しおらしいとついつい、からかいたくなってしまっていけない。
「って、そうじゃなくて」と我に返るノマル。パンツ云々なんてどうでもいいのだ。さっきもっと大事なことが起こっていたじゃないか。何気に星喰との初戦闘であったので。
「あーもう、一度にいろんなことが起こりすぎ!同時に処理できないんだからやめてほしい……で、さっきのヤツどこいったの?」
「素材を取るには質が悪かったゆえ、星の欠片だけ抜き取って後は遠くの方に。やむを得ない状況でなければ、娘が屍なぞ見るものでは無い」
別にわざわざ見たいわけではなかったので、素直にお礼を言っておくノマル。自然と脳内で倒される前の狼っぽい星喰を思い出し、ふと、その大きさに慄いた。定かではないが、体高がシエマーの半分程もあったような気がする。あのサイズをこの短時間で運んだのかと考えると、異世界人のスペックに驚きを隠せない。
元の世界で一番大きな狼ならタメを張れるだろうかという、普通ならまずお目にかかれない生き物。あんな風に襲ってこなければ、多少怖くとも可愛いと言えるただの狼に見えて。そこまで思い出して、動物好きのノマルはちょっぴり複雑な気持ちになった。
「あの狼っぽい星喰、あ、そういや星喰って種類ごとに名前あるの?」
「ああ。稀に地域ごとに異なる場合もあるようだが……冒険者の組合による情報共有の結果、概ね同じ名が付けられている。先の星喰は黒針の狩人、ブラックウルフだ」
「おわ、手前のはアレだけどシンプルな名前。で、そのブラックウルフはなんで襲ってきたのかな。私の気配で逃げるんじゃなかったっけ?」
「あの個体は薄汚れていて骨の浮いた貧相な体であった。大方、群れから追い出されて食うに困り、仕方なくエディガウラを襲ったのだろう」
動物らしい世知辛い事情を聞いてしまうと、ノマルはますます複雑な気持ちになってしまった。生きるためには食べるしかなくて、肉食動物ならば狩りをするもので、エディが襲われたのは別に理不尽でもない自然なことで。だったらそんな、わざわざ殺さなくったって──
「ノマル。君は、同情しているか。あの星喰に」
「へ?いや、別に、仕方ないことだって思ってる、けど」
「けど?」
暗闇が混じって濃くなった灰色の瞳はただ真っ直ぐに、何の淀みもなく、責める素振りすら見せず。見透かされた上で、続きを待たれている。シエマーのことをとやかく言えないほど、ノマルも嘘をつくのが下手だった。それでも、彼の過去を知った上で口にするのは酷く無神経なように思えて。無難な返事をパッと出せずに、無言に耐えかねた口が勝手にもごつく。
不意に、シエマーがふっと表情をゆるめる。眩しそうに目を細め、手を伸ばしかけて──恐らく頭を撫でるためだ──中途半端な位置で引き返した。遠慮ではなく、直前で手袋の汚れに気づいたらしい。
「私が仕留めなければどうなっていたか、などと小言を並べるつもりはない。その心は君の魂が善良で穢れのないものである証だ。決して否定されるべきものではない。ただ」
抜き身のまま持っていた剣に視線を向ける。振り払ってもなお残る血の跡に、自然と目がいった。
「この身も随分汚れたものだと思ってな……」
ノマルには意味が分からなかった。勿論、物理的に体が汚れているという話でないことぐらいは分かる。しかし、何をそんなに自分を卑下する必要があるのだろうか。生きるために命を犠牲にする、それは至って普通の、自然の摂理である。
「先に謝らせてほしい、ノマル。私は、たとえどんな状況であろうと星喰相手に手心を加えることはない……いや、正確に言おう。必ずその息の根を止める、と」
重くて苦しい、息の詰まるような空気。それはシエマーが深く考えて、慮ってくれたからこそのものであり、彼の思いやりと言える。自分の行動でノマルが傷つくとしても決意を曲げられないと、包み隠さず伝えてくれているのだ。それはとても有り難いことである。とても、有り難いのだけれど。
ノマルの口の端がひく、と引きつる。
「数分前のパンツからこんな急に話重くなることある???」
「んぐっ!?ゲホッ、ゴホッ」
雰囲気はまぁものの見事に台無しである。驚いた拍子にシエマーが咽せてしまったらしく、咳き込む声が響く。慌てて大丈夫かと声をかけて、落ち着くまで待ってから。あえて空気を読まなかった自覚があるノマルはわざとらしくへらりと笑う。
「やー、ごめーん。ちょっと空気重すぎて無理かなって。別にさ、そんな気にしてくれなくても大丈夫だから。言うたらキリない話だし。鹿とか猪を狩るのは可哀想って言ったら、じゃあ家畜とかは可哀想じゃないのかってなるじゃん」
「……君は、時折非常に冷静な視点で物事を見るのだな」
「どう思うかは自由だとしても、自分達がやってることの認識くらいはきちんとしたいねって話。まぁ正直、私が分けて考えなきゃやっていけないだけなんだけど」
そしてそれはきっとシエマーも同じ。相手の感情に寄り添えるから、物事を正しく認識した上で冷静に話ができるのだ。星喰への負の感情は並のものではないだろうに、特別露わにしないのだからできた人である。そう考えると改めて胸に罪悪感が広がるのだが。
シエマーは「君が構わぬというのなら」と言った。こうして都度必要がないと言わなければいつまでも気にしてしまうなんて面倒な質だな、と思うノマル。いつも通りのブーメランである。遅れて気づいたように「あぁ、安心してほしい。惨い殺め方はしないと誓う」と聞こえた言葉に軽く頷いて。
「……して、ノマル。一つ気にかかることが」
「ん、何?他になんかあったっけ」
「君の気配……いや、君に宿る神の気配が非常に薄い。微弱で、今にも消えてしまいそうな風前の灯火のようだ」
え、と困惑したノマルは深い呼吸を始め、体内の温もりもとい神の力を感じ取ろうとする。アレなんか全然見つからない気が、と更に困惑する。一応底の方に少し温かな感覚を見つけたのだが、本当に少ししかない。いつもはそれなりに満ちているはずである。
「なんかほぼ無くなってる……あ、そういえばシエマーにもバリア作ろうとしたのに無理だったから、何でかなって思ってたんだった」
考えるように目を伏せた後、シエマーはちらりとエディの方を見た。怖い思いをしたせいか、先程から二人の傍で大人しくしており、ノマルにせっせと撫でられている。
そっと伸ばしたシエマーの手がエディの近くで止まって「あ、シエマーを通すようにするの忘れてた」とノマルが言う。バリアに触れている部分が半透明の状態で揺らいでおり、ゲームチックな耐久値はほぼ無傷を示している。ふむ、と納得したような声。
「単に、力を使いすぎたのでは」
えーそんなことある、と言いかけて。思い返したのはバリアを作るときの念じ方。確か、とにかく固い壁をと思って……ありったけの力でやった、ような……?
「ああああ絶対それや間違いない……!エネルギー管理もできずにまた戦犯かましてる馬鹿が私ですホント申し訳ない」
「私があの程度の星喰に後れをとることはない、よってエディガウラを守るべく全力を注いだのは正しい選択といえる」
「そうかもしれないけどぉ」
なんとなく覚えのあるやり取りに、そういえば初めてバリアを使った時もこんな感じだったと思い出す。失敗を経験して学びを得るものとはいえ、自分の頭の悪さを感じずにはいられないノマル。エネルギー管理が大事なのはいろんなゲームで経験済みだというのにこのザマである。
「ノマル。そのように気を落とすよりも、君の手で守れたものを見るといい。恐怖はあれど、それを上回るものがあったようだ」
不思議に思いながらもエディの顔を見て「わぷっ!?」と声を上げるノマル。大きな舌がぺろりと一舐めしてきたかと思えば、顔中ベタベタにする勢いで舐めたくられる。さっき綺麗にしたばっかりなのに!と慌てて離れるノマルだが、当然のように追いかけるエディ。
「ちょ、やめ、んぐ」
「エディガウラ、程々にな」
思いの外素直に顔を引っ込めたエディは、黙ってノマルを見下ろした。さっき勢いよく走ったせいか髪のような長い毛が乱れており、目元には濡れたような跡が見受けられる。しかし今は、その穏やかなエメラルドの瞳に涙はなく。
ゆっくりと頭を下げてから何かを促すような一鳴き。頭を撫でろってことかと解釈したノマルだが、どうやら違うようで。軽く頭を振って『悪くはないけれど、そうじゃないわ』とでも言うような鼻息。
「ああ、なるほど」と言って微笑ましそうに見つめるシエマーだが、分かったのならさっさと教えてほしいノマル。自分の中だけで納得されると困る。
「ノマル、角だ」
「え、角?いつも嫌がるのに?」
「うむ、通常マエクスは角に触られることを酷く嫌う」
だが、信頼できる者に対してはその限りではない。
付け足された言葉にノマルは目を見開いた。それから、まばゆい金の煌めきを放つ角を見て、エディの顔を見た。そろりと逸らされていく目に気恥ずかしさはあれど、嫌悪感はない。
「マジか。えーとエディ、その、本当にいいの?」
返事と思しき鳴き声を聞いて、恐る恐る角に手を伸ばす。左右に一本ずつ生えた内の片方、曲がっている角の表面に指を滑らせてみる。金属のような艶から想像した通りの、伝わるひんやりとした温度とつるりとした感触。その間も大人しく頭を下げ続けてくれるエディ。
そして、ノマルはスーッと大きく息を吸ってから、ぎゅっと眉を寄せたしわくちゃな顔で。
「こんなんうちの子やんかもおおお!!!」
至近距離での大声に驚いたエディが後方へ下がるのを見て「アッ」とやらかしに気づき。
「ごめんエディ、ほんとごめーん!可愛くってつい」と機嫌をとろうとするも、折角の穏やかな顔がツンとすました顔に戻ってしまって。横で笑いを堪えるようなくぐもった音がする。
「おいそこ何わろてんねん」
「ふふ」
「ふふじゃないが???」
ぐぎぎ、とセルフ効果音を口にしたところで。べたべたにされた顔に意識が戻って、あーまた拭かなきゃと呟くノマル。落ち着いたらしいシエマーも同様に気を取り直したのか「さて、私も剣の手入れをせねば」と言った。そういえば今の今まで抜き身で持ちっぱなしだったのである。地味に怖い。
そうして濡らしたタオルを持ってきたノマルはまた焚き火の元に座り、向かいで剣を拭くシエマーを見ながら、一言。
「冷静に考えたら今日だけで色々起こりすぎでは?」
「なるべくしてなった、仕方のないことよ。それに、何も悪いことだけではなかっただろう」
「うーん凄いポジティブシンキング」
明け方にゼンデスと戦ったとはいえ道中は平和だったのにも関わらず、ここにきて畳みかけるような出来事の数々。わりと自分のポカが原因ではあるのだが、何もこんなに同時に起こらなくたっていいじゃないか──だけど、エディが少しでも恐怖を乗り越えられるようになったのなら、確かに悪いことじゃないかもしれない。そう思いながらノマルは顔を拭って、匂いが取れないことに不満の声を上げた。
申し訳程度の手伝いで設置し終わってから、節々の痛みが消えていることに気づくノマル。長距離の移動で腰やら股関節やらを少々痛めていたのだが、少々で済んだのもこうして治ったのも神様パワーのおかげなのだろう。全然気にならない程度なのは有難いことである。できればもっと凄いチートレベルのパワーが欲しかったが、加護があるだけマシといえる。
そろそろ飽きてきた携帯食料を齧りながら、ぱちぱちと爆ぜる火の粉を見やる。ついで、焚き火を挟んで向かいに座るシエマーを見上げ、最後は少し離れたところのエディに視線が移る。視界に映してすぐ、なんとなく気落ちしたのが分かってノマルは小さくため息を吐いた。
リバフォトの街へ行くということは、エディを返すということである。例え村へ帰るために借り直すとしても、これからの長旅に付き合わせるわけには行かないだろう。目に見えている別れを惜しんでしまうのは仕方の無いことであった。
「街に着いたらさ、返すんだよね」
視線の先で気づいたのか、遅れて「ああ」と返事をするシエマー。分かっていた反応が現実になって、ノマルのジメジメ度が増していく。
「そりゃそうだよねぇ……まだ何も起こったことないから落ち着いてるみたいだけど、時々ちょっと怖がってるし。おじさんにとっても大事な子だからこれ以上実家から引き離すのも可哀想だし、そもそも本人は誰にも貰われたくないみたいだし」
自分で並べた理由にすらダメージを受ける始末である。思った以上に情が湧いていたようで、どうにも悲しい気持ちになってしまうノマル。人との別れはまだ耐性があるため、村の人達については比較的割り切れているのだが。
だってこんなんもううちの子やん!!!
よその子である。脳内で勝手にうちの子認定しているところアレだが、どう考えたってよその子である。人には人の生活があるように、マエクスにもマエクスの生活があるのだ。本人とその親の意思は尊重すべきであり、そもそも引き取りたいと思っても無一文のノマルには交渉の権限すら無いのである。
「風変わりだができた子だ、彼女ほどのマエクスはそういない。いずれ調達せねばならないのなら、彼女を連れて行ければいいが……本人にその気がなければ難しいだろう」
「その気にさせるの無理ゲー過ぎる」
細く長い息を吐きながら、ノマルはエディの後ろ姿をぽけっと見つめる。エディはさも『私は何も聞いていないわよ』という風に草をはんでいるが、あのぴこぴこと動いている耳が大変よろしいことは既に知っている。それでも構わず話しているのは、話したところで何が変わるわけでもないと思っているからだ。普通に悲しい。
のっそりと最後の一欠片を水で流し込むように食べ終えた後。シエマーも食べ終えていることを確認し「じゃ、私体拭くから」と言って背を向けてもらう。その間にそそくさとテントの中へ。隙間から結構見えるので、試着室より圧倒的に防御力の低いテントなのが不満ではあるが。
今着ている服も変わらずワンピースタイプの服のため豪快に脱ぐことになるが、もはや慣れたものである。薄いシャツをめくって、適当に濡らしたタオルで拭いていく。今日は下着だけ替えればいいかと横着して、先にパンツを履き替えた。
何の抵抗もなくスポーツブラもどきを脱いだところで──突然、驚いたようなエディの鳴き声。次いで「エディガウラッ!」とシエマーの焦った声。ノマルは慌ててシャツを引っ掴み、さっと被って外へ飛び出した。
ライトを付けていなかったため、暗闇に慣れた目が一瞬焚き火の光で眩む。歪んだシルエットがくっきりエディの姿をとった時、そのすぐ傍に見えたモノ。ノマルは迷うことなく持てる力全てでバリアを形成した。ガギンッと牙が弾かれる硬い音。
「エディガウラ、早く此方へ!」
固まっていたエディは弾かれたように動き出し、最高速度で駆けていく。後を追ってくる黒い影──恐ろしい形相をした大きな狼だ──の前に、シエマーが立ち塞がった。キッと鋭い目で見つめたまま、ただ冷静に剣を構えている。ノマルは念の為シエマーにもバリアをと思って手のひらを向け……いくら念じても出ないことに、じわりと滲む焦燥。
そうこうしている内に勢いよく走り出した狼が、シエマーへと飛びかかる。反射的にギュッと目を瞑ったノマルをよそに、シエマーは難なくすれ違いざまに切り裂いた。
ドサ、と重たい音がしてすぐにノマルが目を開けると、丁度シエマーが剣を振って血を飛ばすところで。わぁ侍が刀でやってるヤツ、と脇に逸れた思考を、いやそんなん後やろがと一秒で諌める。
「ねぇ、大丈夫!?二人とも、どこも怪我してないよね!?」
「問題ない。エディガウラも、どうやら君の障壁で無事のようだ」
何故か妙に上を向いているがシエマーは平気そうだ。ならばとエディに駆け寄り、その周りをぐるぐる回って確認していく。ひとしきり見てどこにも傷がないことを確かめると、ノマルは「よかったぁ」と安堵の息を吐いた。
「いやぁ、ホントびっくりしたよ。それ、星喰だよね?普通の獣より大「ノマル」ん?なに?」
話を遮るなんて珍しい。不思議そうにきょとんと目を丸くして、シエマーの様子を窺った。相変わらず目が合わないどころか顔ごと違う方向を向いているが、一体どうしたのだろうか。
んん、と咳払いをした後、ぼそりと一言。
「……先に、服を」
「あ」
上はノーブラシャツに下はパンイチである。わりととんでもない格好をしていると言われて初めて気づいたノマルは、三秒くらい固まってから。
「うーん、いらんもん見せてごめんなぁ!ちゃっちゃと着替えてくるワ!」
あえて意図的に方言で話した声はカッチコチで、テントに向かっていく動きもカッチコチ。シンプルな恥ずかしさと状況の意味不明さがノマルを襲っていた。あの状態で飛び出した時点で結果は予想できたとはいえ、まさかこの状況でラッキースケベイベントが発生するとは毛ほども思っていなかったので。そもそも恐ろしく誰も得しないのでラッキーでも何でもないのだが。
しかしまぁ、その羞恥心も一過性のもの。気を使わせてしまった加害者のようなものなのだから、こちらが気にすることでは無いとバッサリ割り切って。変なところでサッパリしているノマルは、着替えを終えるとケロッとした顔で戻ってきた。すかさず寄ってくるエディにやっぱり怖かったんだろうなと思いながら、なだめるようにその体を撫でる。
ふと気が付けば先程の黒い影、もとい星喰の死体がキレイさっぱり無くなっている。一体どこへと思って聞こうとしたら、先にシエマーが口を開いた。心なしか顔に焦りが見える。
「私は視線の角度的に見えておらず、強いて言うなら視界の端に多少肌が映った程度であり、そもそも辺りは暗かったため」
「いいから、気にしなくていいから!普通に事故だから!……ちなみに、色は?」
「白……あ」
「んんっ、あまりにも口が素直すぎる」
シエマーは嘘をつくのが下手なので雑にカマをかけてみたところ、簡単に口からポロリとこぼれてしまって。危うく吹き出すところだった。少し物言いたげな視線が拗ねているようで「ごめんって。別にいいよ、パンツの一枚くらい安いもんだし」と方向性がおかしいフォローを入れておく。しおらしいとついつい、からかいたくなってしまっていけない。
「って、そうじゃなくて」と我に返るノマル。パンツ云々なんてどうでもいいのだ。さっきもっと大事なことが起こっていたじゃないか。何気に星喰との初戦闘であったので。
「あーもう、一度にいろんなことが起こりすぎ!同時に処理できないんだからやめてほしい……で、さっきのヤツどこいったの?」
「素材を取るには質が悪かったゆえ、星の欠片だけ抜き取って後は遠くの方に。やむを得ない状況でなければ、娘が屍なぞ見るものでは無い」
別にわざわざ見たいわけではなかったので、素直にお礼を言っておくノマル。自然と脳内で倒される前の狼っぽい星喰を思い出し、ふと、その大きさに慄いた。定かではないが、体高がシエマーの半分程もあったような気がする。あのサイズをこの短時間で運んだのかと考えると、異世界人のスペックに驚きを隠せない。
元の世界で一番大きな狼ならタメを張れるだろうかという、普通ならまずお目にかかれない生き物。あんな風に襲ってこなければ、多少怖くとも可愛いと言えるただの狼に見えて。そこまで思い出して、動物好きのノマルはちょっぴり複雑な気持ちになった。
「あの狼っぽい星喰、あ、そういや星喰って種類ごとに名前あるの?」
「ああ。稀に地域ごとに異なる場合もあるようだが……冒険者の組合による情報共有の結果、概ね同じ名が付けられている。先の星喰は黒針の狩人、ブラックウルフだ」
「おわ、手前のはアレだけどシンプルな名前。で、そのブラックウルフはなんで襲ってきたのかな。私の気配で逃げるんじゃなかったっけ?」
「あの個体は薄汚れていて骨の浮いた貧相な体であった。大方、群れから追い出されて食うに困り、仕方なくエディガウラを襲ったのだろう」
動物らしい世知辛い事情を聞いてしまうと、ノマルはますます複雑な気持ちになってしまった。生きるためには食べるしかなくて、肉食動物ならば狩りをするもので、エディが襲われたのは別に理不尽でもない自然なことで。だったらそんな、わざわざ殺さなくったって──
「ノマル。君は、同情しているか。あの星喰に」
「へ?いや、別に、仕方ないことだって思ってる、けど」
「けど?」
暗闇が混じって濃くなった灰色の瞳はただ真っ直ぐに、何の淀みもなく、責める素振りすら見せず。見透かされた上で、続きを待たれている。シエマーのことをとやかく言えないほど、ノマルも嘘をつくのが下手だった。それでも、彼の過去を知った上で口にするのは酷く無神経なように思えて。無難な返事をパッと出せずに、無言に耐えかねた口が勝手にもごつく。
不意に、シエマーがふっと表情をゆるめる。眩しそうに目を細め、手を伸ばしかけて──恐らく頭を撫でるためだ──中途半端な位置で引き返した。遠慮ではなく、直前で手袋の汚れに気づいたらしい。
「私が仕留めなければどうなっていたか、などと小言を並べるつもりはない。その心は君の魂が善良で穢れのないものである証だ。決して否定されるべきものではない。ただ」
抜き身のまま持っていた剣に視線を向ける。振り払ってもなお残る血の跡に、自然と目がいった。
「この身も随分汚れたものだと思ってな……」
ノマルには意味が分からなかった。勿論、物理的に体が汚れているという話でないことぐらいは分かる。しかし、何をそんなに自分を卑下する必要があるのだろうか。生きるために命を犠牲にする、それは至って普通の、自然の摂理である。
「先に謝らせてほしい、ノマル。私は、たとえどんな状況であろうと星喰相手に手心を加えることはない……いや、正確に言おう。必ずその息の根を止める、と」
重くて苦しい、息の詰まるような空気。それはシエマーが深く考えて、慮ってくれたからこそのものであり、彼の思いやりと言える。自分の行動でノマルが傷つくとしても決意を曲げられないと、包み隠さず伝えてくれているのだ。それはとても有り難いことである。とても、有り難いのだけれど。
ノマルの口の端がひく、と引きつる。
「数分前のパンツからこんな急に話重くなることある???」
「んぐっ!?ゲホッ、ゴホッ」
雰囲気はまぁものの見事に台無しである。驚いた拍子にシエマーが咽せてしまったらしく、咳き込む声が響く。慌てて大丈夫かと声をかけて、落ち着くまで待ってから。あえて空気を読まなかった自覚があるノマルはわざとらしくへらりと笑う。
「やー、ごめーん。ちょっと空気重すぎて無理かなって。別にさ、そんな気にしてくれなくても大丈夫だから。言うたらキリない話だし。鹿とか猪を狩るのは可哀想って言ったら、じゃあ家畜とかは可哀想じゃないのかってなるじゃん」
「……君は、時折非常に冷静な視点で物事を見るのだな」
「どう思うかは自由だとしても、自分達がやってることの認識くらいはきちんとしたいねって話。まぁ正直、私が分けて考えなきゃやっていけないだけなんだけど」
そしてそれはきっとシエマーも同じ。相手の感情に寄り添えるから、物事を正しく認識した上で冷静に話ができるのだ。星喰への負の感情は並のものではないだろうに、特別露わにしないのだからできた人である。そう考えると改めて胸に罪悪感が広がるのだが。
シエマーは「君が構わぬというのなら」と言った。こうして都度必要がないと言わなければいつまでも気にしてしまうなんて面倒な質だな、と思うノマル。いつも通りのブーメランである。遅れて気づいたように「あぁ、安心してほしい。惨い殺め方はしないと誓う」と聞こえた言葉に軽く頷いて。
「……して、ノマル。一つ気にかかることが」
「ん、何?他になんかあったっけ」
「君の気配……いや、君に宿る神の気配が非常に薄い。微弱で、今にも消えてしまいそうな風前の灯火のようだ」
え、と困惑したノマルは深い呼吸を始め、体内の温もりもとい神の力を感じ取ろうとする。アレなんか全然見つからない気が、と更に困惑する。一応底の方に少し温かな感覚を見つけたのだが、本当に少ししかない。いつもはそれなりに満ちているはずである。
「なんかほぼ無くなってる……あ、そういえばシエマーにもバリア作ろうとしたのに無理だったから、何でかなって思ってたんだった」
考えるように目を伏せた後、シエマーはちらりとエディの方を見た。怖い思いをしたせいか、先程から二人の傍で大人しくしており、ノマルにせっせと撫でられている。
そっと伸ばしたシエマーの手がエディの近くで止まって「あ、シエマーを通すようにするの忘れてた」とノマルが言う。バリアに触れている部分が半透明の状態で揺らいでおり、ゲームチックな耐久値はほぼ無傷を示している。ふむ、と納得したような声。
「単に、力を使いすぎたのでは」
えーそんなことある、と言いかけて。思い返したのはバリアを作るときの念じ方。確か、とにかく固い壁をと思って……ありったけの力でやった、ような……?
「ああああ絶対それや間違いない……!エネルギー管理もできずにまた戦犯かましてる馬鹿が私ですホント申し訳ない」
「私があの程度の星喰に後れをとることはない、よってエディガウラを守るべく全力を注いだのは正しい選択といえる」
「そうかもしれないけどぉ」
なんとなく覚えのあるやり取りに、そういえば初めてバリアを使った時もこんな感じだったと思い出す。失敗を経験して学びを得るものとはいえ、自分の頭の悪さを感じずにはいられないノマル。エネルギー管理が大事なのはいろんなゲームで経験済みだというのにこのザマである。
「ノマル。そのように気を落とすよりも、君の手で守れたものを見るといい。恐怖はあれど、それを上回るものがあったようだ」
不思議に思いながらもエディの顔を見て「わぷっ!?」と声を上げるノマル。大きな舌がぺろりと一舐めしてきたかと思えば、顔中ベタベタにする勢いで舐めたくられる。さっき綺麗にしたばっかりなのに!と慌てて離れるノマルだが、当然のように追いかけるエディ。
「ちょ、やめ、んぐ」
「エディガウラ、程々にな」
思いの外素直に顔を引っ込めたエディは、黙ってノマルを見下ろした。さっき勢いよく走ったせいか髪のような長い毛が乱れており、目元には濡れたような跡が見受けられる。しかし今は、その穏やかなエメラルドの瞳に涙はなく。
ゆっくりと頭を下げてから何かを促すような一鳴き。頭を撫でろってことかと解釈したノマルだが、どうやら違うようで。軽く頭を振って『悪くはないけれど、そうじゃないわ』とでも言うような鼻息。
「ああ、なるほど」と言って微笑ましそうに見つめるシエマーだが、分かったのならさっさと教えてほしいノマル。自分の中だけで納得されると困る。
「ノマル、角だ」
「え、角?いつも嫌がるのに?」
「うむ、通常マエクスは角に触られることを酷く嫌う」
だが、信頼できる者に対してはその限りではない。
付け足された言葉にノマルは目を見開いた。それから、まばゆい金の煌めきを放つ角を見て、エディの顔を見た。そろりと逸らされていく目に気恥ずかしさはあれど、嫌悪感はない。
「マジか。えーとエディ、その、本当にいいの?」
返事と思しき鳴き声を聞いて、恐る恐る角に手を伸ばす。左右に一本ずつ生えた内の片方、曲がっている角の表面に指を滑らせてみる。金属のような艶から想像した通りの、伝わるひんやりとした温度とつるりとした感触。その間も大人しく頭を下げ続けてくれるエディ。
そして、ノマルはスーッと大きく息を吸ってから、ぎゅっと眉を寄せたしわくちゃな顔で。
「こんなんうちの子やんかもおおお!!!」
至近距離での大声に驚いたエディが後方へ下がるのを見て「アッ」とやらかしに気づき。
「ごめんエディ、ほんとごめーん!可愛くってつい」と機嫌をとろうとするも、折角の穏やかな顔がツンとすました顔に戻ってしまって。横で笑いを堪えるようなくぐもった音がする。
「おいそこ何わろてんねん」
「ふふ」
「ふふじゃないが???」
ぐぎぎ、とセルフ効果音を口にしたところで。べたべたにされた顔に意識が戻って、あーまた拭かなきゃと呟くノマル。落ち着いたらしいシエマーも同様に気を取り直したのか「さて、私も剣の手入れをせねば」と言った。そういえば今の今まで抜き身で持ちっぱなしだったのである。地味に怖い。
そうして濡らしたタオルを持ってきたノマルはまた焚き火の元に座り、向かいで剣を拭くシエマーを見ながら、一言。
「冷静に考えたら今日だけで色々起こりすぎでは?」
「なるべくしてなった、仕方のないことよ。それに、何も悪いことだけではなかっただろう」
「うーん凄いポジティブシンキング」
明け方にゼンデスと戦ったとはいえ道中は平和だったのにも関わらず、ここにきて畳みかけるような出来事の数々。わりと自分のポカが原因ではあるのだが、何もこんなに同時に起こらなくたっていいじゃないか──だけど、エディが少しでも恐怖を乗り越えられるようになったのなら、確かに悪いことじゃないかもしれない。そう思いながらノマルは顔を拭って、匂いが取れないことに不満の声を上げた。
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