語るに乏しい僕の祖父

藤崎 柚葉

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世界線α・被験者「藤城廣之」の受難

第二十六話 語る葉に揺れる心

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「廣之って、ジャズなんか聴いていたっけ?」
「えっ?」
 僕は見ていたパソコンの画面から背後に立つ姉へと視線を移した。
 煌希の最終的な仮説を聞いた翌日、僕はジャズバーの記憶が鮮明な内にと、特別な思いがこもったビル・エヴァンスの曲をパソコン経由で携帯音楽プレイヤーに入れていた。僕はこの携帯音楽プレイヤーはひとりで静かに音楽に浸りたい時だけ活用していて、その時は自室にあるスピーカーか、ヘッドフォンに繋いで使用している。だからこの機械には、僕のお気に入りの楽曲がぎっしり詰まっていた。
 スマートフォンのアプリでは自分好みの新しい曲を発見しやすいが、広告が邪魔だったりする。ミュージックビデオなどの映像を見るにしては画面が小さいのも難点だ。その点、携帯音楽プレイヤーは広告が入らないし、音楽だけに集中できるのが嬉しい。その代わりこの機械に音楽を入れるには、パソコンを使って楽曲を転送する必要がある。だから僕は時々こうして、リビングにある父のパソコンを借りていた。
「あっ、それ私のお古じゃん。新しいの買えばいいのに」
「別にいいじゃんか。まだ使えるよ」
 姉の視線は僕がお下がりでもらった携帯音楽プレイヤーに注がれている。姉に少しばかり値下げしてもらったとはいえ、それでも一万円はした。これは僕が積み立ててきたお小遣いから支払った貴重な財産だ。そうやってすぐに新しいものに買い替えてなるものか。
 それにしても、相変わらず姉がつける香水の匂いはきつい。ただし姉が今日つけているのは、いつものような複数の花が混ざったような甘ったるい香りではなく、清潔感がある石鹸の香りだった。(石鹸の香りって優しいイメージがあるよね? と、姉に遠回しに注意する勇気は僕にない)
 ここで姉と口論になり、転送作業の邪魔をされるのだけは何としても避けたい。僕は我慢して眉間にぐっと力を入れたまま、光る画面と向き直った。
 姉は最初にした質問に対して回答しなかった僕を気にも留めず、一方的に話しかけてくる。今日は機嫌が良いらしい。
「さっき私がパソコンを使っていたら『ビル・エヴァンス』と『ジャズ』って検索履歴が見つかってさ。アンタの音楽の好みが意外だと思ったの。あっ、パソコンまた使うから次貸して」
「はあ……。僕の家族は身内にすら無関心な人ばかりだなあ」
 姉も今更それを言うのか。僕がジャズを聴くようになったのは、なにも昨日今日の話ではないのに。
 僕の家にあるパソコンは父が所有していて、僕ら家族はこのパソコンを共有して使っていた。パソコンのアカウントも一つしかないために、だからこそ姉が僕の検索履歴を見る事ができたのだ。ちなみに、みんなの主な使用用途は大きな画面で動画共有サイトを見る事だったり、調べ物の印刷をする事だったりする。
「ジャズとか廣之に一番似合わなそうじゃん。お洒落しゃれすぎない?」
「失礼だな。僕はジャズバーに行った事だってあるんだぞ」
「は? ジャズバー?」
 姉が眉をつり上げた。ああ、やっちまった。
 いつもだったら反撃が恐ろしいので姉に食ってかからない僕だが、今回ばかりはそうもいかなかった。なぜなら僕にはあの場所で素敵な時間を過ごした記憶がちゃんとあるからだ。ジャズバーの有無で誰かと論争になるのは嫌だったけれど、僕にはこの真実を周囲に何とか認めてほしい気持ちもあった。
 姉はまだ険しい顔をしている。
「ジャズバーなんかこの辺にあった? というか、アンタはバーなんて行ったらだめよ。お酒は二十歳になってから!」
「はいはい。そんなの当たり前だろ? 僕はただ、歳上の友人に誘われてジャズを聴きに行っただけだよ。それも昼間だ。おっしゃる通り、お酒は成人になってからたしなみますよ」
 僕は姉に反論の隙を与えないよう話を続けながら、一切いっさいの迷いなく指を動かす。
 よし、もうすぐパソコンの電源を切れそうだ。
「アンタねえ、成人って言っても今は……」
「さてと、散歩にでも行こうかな。それじゃあ、僕はもう行くから。パソコンを使うならどうぞ」
「ちょっと! 次使うんだから電源を落とさないでよ!」
 これで姉はしばらく僕に構わないだろう。話がジャズバーの有無から未成年の飲酒にすり替わったところで、僕はより一層冷静になっていた。やはり姉との不毛な争いは避けるべきだ。僕にはまだやらなければいけない事があるのだから。
 僕は姉との会話を一方的に切り上げ、出かける準備をするためにその場から早々に立ち去る。
 だからこそ、僕には姉の呟きが聞こえていなかった。
「廣之、ちゃんとわかっているのかな? 十八歳で成人って言っても、お酒は二十歳からだしなあ……。ぐれなきゃいいけど」

   *

 僕は今、どんな世界で生きているのか。
 煌希曰く、僕と祖父はこの世界に固定されていて、周囲の人間や物体だけに違う平行世界が干渉しているらしい。それを確かめられる場所が僕の祖父母の家だとか。僕らを混乱させたこの世のことわりとは、一体どんなものなのか。ずっと謎だったその答えは、最初から祖父のそばにあった事に僕は戸惑いを感じている。
 祖父が愛した風景は今どのようになっているだろう。もし、今も桜の木が庭にあるのなら、この世界は僕と祖父が元々いた世界とは完全に異なる。あるいは知らない木が植えられていたり、逆に何もない状態なら、また別の行世界がこの世界に干渉している事になってしまう。
 ──結局、イチョウの葉の栞も紅葉していたしなあ……。
 実はここへ来る前、僕は自宅で黄色く紅葉したイチョウの葉の栞をこの目で確認していた。一度ジャズバーで煌希に尋ねられて思い出した通り、残念ながら僕の記憶は操作されていたのだ。僕はずっと自然教室で採取していたと思っていたばかりに、当時はかなりショックを受けてしまった。
 どうやら僕の記憶エラーというのは、偽りの記憶が複雑に入り乱れているらしい。というのも、最初に紅い椿の花を思い出したのをきっかけとして、今まで僕がと思い込んでいた風景が幻へと変わり始めたのだ。現実が幻だったと気付いた時の、あの独特な感覚はいつまで経っても慣れそうもない。熟睡中に突然叩き起こされたはずなのに、実はそれも夢の中だったみたいな精神状態だった。最初に記憶エラーに気付いた時は寝起きのように頭がぼんやりしていたので、あの場に煌希たちがいてくれて助かった。きっと、ひとりですぐに本当の現実を受け入れるのは困難だったはずだ。
「そっか…。やっぱりこれも椿の木だったんだ……」
 自宅を出て祖父母の家にある庭に来た僕は、今まさにそんな記憶エラーの恐ろしさを痛感していた。
 以前ここへ来た時はまだ祖父の記憶違いについて調査をし始めたばかりで、準備不足だった僕は実家の庭に入るための鍵を持っていなくて、外塀を挟んで桜の木を見る事しかできなかった。でも、今日はこの家の鍵を父から借りてきている。だからこうして祖父母の庭に入る事ができたのだ。
 間近で見た椿の木は桜の木と違って、つやつやとした肉厚な葉が生い茂っている。加えて、あの桜の木は異様な雰囲気で僕を高みの見物でもしているような佇まいをしていたけれど、この椿の木はずっとここで誰かを待っていたかのようにただ静かに僕を見守っていた。
 この椿の木に何か声を掛けたい。なんとなくそんな気になり、僕は思いつきで言葉を発した。
「ただいま。爺ちゃん、婆ちゃん」
 不意に夏の終わりの風が吹き、目の前にある椿の葉をカサカサと強く揺らす。それはまるで椿の葉が僕に何かを語りたがっているかのようだった。風が止んだ頃、僕は唐突に、以前にも桜の木で似たような場面を見ていた事を思い出す。あの時の僕は、音を立てて葉を揺らす桜に妙な焦燥感を感じていた。もしかしたら、あれは桜の木が僕を不気味な世界に引きずり込もうとしてやっていた仕草だったのかもしれない。
 確かにあの桜の木を見てから僕の周囲で次々と平行世界への移動が起きていた。きっと、あれこそが連続する変化の前触れだったんだ。あの桜の木はさっきの椿のように僕の名前を呼んでいた。そちら側に連れて行かれないよう、僕をこの世界に引き止めたのは、この庭の主である祖父だったのかもしれない。願わくばそうであってほしい。
 ──記憶エラーも爺ちゃんの仕業なら良いのに……。
 この特殊なマンデラエフェクトが起きたのは、宇宙人による宇宙規模の大実験のためではなくて、亡くなった祖父が僕に人と繋がる大切さを教えるためだったら、どれだけマシだったか。
 僕はもはや御神木ごしんぼくとなった木を見つめながらそんな事を思った。恐らく、この椿の木には祖父の魂が宿っているのだろう。そのせいか、次々と一連の騒動についての考えが頭に浮かんできて、思考が止まらない。
 そもそも、煌希や皆川さんが唱えていた「マンデラエフェクトは宇宙規模の大実験が行われている事の現れ」という説は正しいのだろうか……。いや、今さら疑うのはやめておこう。僕ひとりではそれを確かめる手段が思いつかない。
 じゃあ、平行世界への移動は悪い事なのか。これはわかりやすい。平行世界への移動はそれぞれの世界に混乱をもたらす。僕たちがその良い例だ。
「いや、待てよ……」
 僕たちはこのカオスと化した世界に一生いるのだろうか。終わりが見えないからそう思っているだけで、元の世界の状態には二度と戻れないと決まったわけじゃない。現に僕と祖父を繋ぐ椿の木はここにあるじゃないか。
 もしかすると、僕と祖父が記憶する通りの世界の状態に少しずつ戻ってきているのかもしれない。世界線が入り乱れているこの混乱は一時的なものだと考られなくもない。それなら、いつかは皆川さんとマスターもこの世界に戻って来られるはずだ。そしたらまたふたりに会いに行こう。
「あっ、そういやみんなにも記憶エラーがあるんだっけか……」
 煌希の考えだと、記憶エラーは変わってしまった世界に対して人間が適応するために起こった脳の誤作動の事を言うらしい。
 果たして、ここへ戻ってきたマスターと皆川さんには、僕たちとジャズバーで過ごした記憶があるのだろうか。祖父と関係があったマスターはともかく、皆川さんとは新たに接点を作るしかなさそうだ。それとも、気付きの種が芽吹いている事によって、ふたりの記憶は引き継がれているのだろうか。もしそうなら、僕たちが離れ離れになったこの状況も悪くないはずだ。
「……よし!」
 意図的に口角を上げてみる。祖母の教えで、気持ちを切り替えたい時は笑顔を作ると良いと聞いていたからだ。
 ここは一旦ポジティブに考えてみよう。この大規模な実験の目的は、例えば人類を精神的に進化させる事で、マンデラエフェクトは宇宙そのものが人類に送った洗脳からのを促すメッセージだったんだ。他には、テクノロジーの進化によって失われつつある人との絆を現代人に確かめさせる事とかも有り得る。
 ──さ、帰りてえな。
 葉擦れの音が僕の思考が加速したところに待ったを掛ける。それで僕がはっきりと思い出したのは、祖父の最期の言葉だった。
「そうだ……」
 結局、祖父は自分が望む世界に帰れずに無念のままこの世を去ったじゃないか。
 やっぱり一概に平行世界の移動が良いものとは言えない。でも、もしかしたら、体調不良を起こしている祖母が元気になっている世界線にいつか変わるかも……。いや、やめておこう。こんな風に考えたらきりがない。人間の欲望の数だけ世界が変わってしまう。混沌とした世界の理はここで崩壊させたい。
「どうか……」
 せめてどうか、平行世界に飛ばされた人々の孤独が今どこかで解消されているといい。周りの誰かが彼らの異変に気付く事ができたのなら……。
 僕も煌希に記憶エラーの話を教えてもらうまで、桜の木がある光景を当たり前のように感じていた。きっかけがなければ、あのまま記憶エラーでこの勘違いがずっと続いていたかと思うと末恐ろしい。思い込みがいかに危険か身を持って体験できたのは、煌希の存在が大きい。
 ──マンデラエフェクト。このシステムが生み出された本当の理由は何なのだろうか。世界の創造主は何を望み、どんな計画を実行しているのか。僕らはまだ迷路の入口に立っている。
 僕の十六年間の人生を激変させたのは、一体どこの誰なのか。それもこの椿の木が導いてくれれば……。僕はそんな事を思いながら自分より少し高い椿の木に目を向ける。生い茂った葉の間には、まだ蕾とも言えない微妙なふくらみが点々と見受けられた。
 今までずっと隠されていた真実は複雑な道のりの先にあった。その通り道では、自分の思い込みと周囲からの同調圧力によって、進むべき道どころか自分の現在地すらわからなくなった事もあった。でも、それはただ単に自分で抜け道を塞いでいただけだ。いくら目や耳から様々な情報が入ってきたとしても、僕を惑わしていたのは思考停止した自分自身だ。周りに流されていては、自分で立ち上がる事すらできない。
 僕が望む世界にどうやって行き着くべきかは、全て自分の中に最適な答えがある。それを教えてくれた祖父やみんなが、ここまで僕を導いてくれた。
 ──希望を捨てないで。
 昨日の煌希の言葉が頭に浮かぶ。
「煌希……」
 一抹の不安がよぎる。煌希は明日も変わらず僕の前にいてくれるだろうか……。いや、暗い考えに引っ張られてはダメだ。他人が作った現実に自分が変えられてしまってどうする。僕の思考で現実を作るんだ。
 自然と目線が下がっていたので気持ちを切り替えようと空を仰ぐ。見上げた空は庭にある椿の葉やヤツデの葉で軽く塞がっていて、僕が思っていたよりも狭かった。視界の端で椿の濃い緑の葉がゆらゆらと揺れ動く。今はまだ紅い色を見せない小さな蕾は、花開くその時を待っている。僕が紅く美しい椿の花を見られるのは恐らく、冷たくて白い雪が降る未来だろう。その未来こそ、僕が求めている正常な状態に戻った世界のはずだ。
 風が吹き、椿の葉が僕の名前を呼ぶ。明日、僕が過ごした激動の夏休みが明ける。今日と変わらぬ風景はそこにあるのだろうか。さっきまで僕の肌を撫でていた風がピタリと止んでも、不安で揺れる僕の心が凪ぐ事はなかった。
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