望んで酷い女になったわけじゃない!

mugi

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「え」


「だから、今日は来なくていいよ」



いつも帰りは先輩のことを待っていた。用事があろうとずっと部活が終わるのを待っていた。
ただその日、その日だけは外せない用事があり先輩を学校で待てなかったのだ。


もう辺りは暗く、確かにこれから学校へ向かうのは危ないだろう。しかしもう既に私は向かっていて、会えるのを楽しみにしていたのだ。



「ちょっと先輩、花咲来たがってたらどうするんですか」



スマホから女の笑い声が聞こえる。私の同級生だ。
自転車にまたがり、呆然とする私は"そうですか"としか言えなかった。



「うん!」


「分かりました。それでは失礼します。」



いつになく丁寧な口調で、私は先輩との通話をきった。



「寒いな」



マフラーをして、タイツを履いていても寒い冬、私は先輩に嫌われた、用無しだと思われてた。
…そう考えていた。


その日から、私から先輩にLINEすることも話しかけることも無くなり、世界には危険なウイルスが充満し、感染予防のため、本当ならまだ始まらない春休みが早めに始まった。


先輩はどうしているだろうか、先輩と話したい。その想いも、時がたてば次第に薄れていった。
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