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淫内感染

ノンケ交尾‼口舌ご奉仕~淫嵐の始まり~

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 コンビニでナンパされて、知らない男の家にホイホイ転がり込む。
 俺は人生初の局面に立たされる。


 玄関に踏み込んだら秒で、キス。


 交わそうと顔を下げて後退りしたが、正面から距離を詰める晃汰の唇に食い破られる。オリエンタルなラストノート、忍び寄る髭が顔に擦れて…

 いつもと違う感覚に舌を出す。

 壁についた手を肩から胸に下げてくる晃汰は急ぎ早、ライダースを脱ぎながら今度は両手で俺の顔を抑えながら、後頭部に手を差し込みホールド決める。
 ガッついてんな…火が付いたら突っ走るタイプか。

 男を相手にするなら覚えて欲しいことがある

 「いや」
 「だめ」
 「やめて」の三拍子は…
 促進効果があり、例え声を上げて懇願しても歯が立たないどころか、乱暴される。

 そこで、だ。

 否定的でありながら効果のあるパワーワードは、こちら。


 ①「待って」

 言葉だけ置いて何もしないと先手を打たれるので、次に

 ②今の自分の現状を伝える、そして

 ③恥じらいを忘れるべからず。


 このスリーステップでこちらに主導権が移り変わると同時に猛進してくる男の勢いを防ぐことができる。
 晃汰はやっと靴を脱いでリビングに上がっていく。
 「お邪魔します」バスルームの扉を目視して、背中を追う。
 見た目、男の部屋らしいシンプル構成。積み重ねられた雑誌が雪崩おこしてスポーツ誌の裏表紙に足を取られそうになった。
 カーテンを引きながら振り返る、その…際どい半袖から覗かせる発達した筋肉をじっと見てはいけない。
 見たら視線が戻せなくなる。深呼吸。
 仕事じゃないんだから初対面に身体検査とか普通はしない…しないけど、触りたい興味津々。

 「何か飲む?」冷蔵庫から缶ビールを取り出して見せる。

 「あ、お酒はちょっと」

 「未成年?」それよく言われるけど俺、22歳。

 「んー上司に飲まされてから恐怖症で…」

 俺の上司はスピリッツ男爵。あの悪魔に付き合ったら命が幾つあっても足りない。ケトルのスイッチが跳ねるまで、俺達は手を繋いで話をしながらせめぎ合う。最中につい癖が出た。

 「…ねぇ、エロいって言われない」

 「誰からも言われたことないけど」

 「自分から指絡めてきて…本当に俺が初めて?」

 素人を相手にするのは初めて、なんて穴が破れても言えない。

 「じゃあ、俺から質問してもいいですか」

 「何なに、どんなこと知りたいの」

 「結婚してる?」一瞬、無表情になってから歯を見せて笑う。

 だって日焼けしているのにマリッジリングの場所が白い、普段は指輪をつけてる何よりの証拠。
 既婚者ゲイの不倫は勘弁。

 「好きな人はいる。けど暫く会ってないよ」

 手を離してマグカップにつけたドリップパックにお湯を注ぐ横顔はビタースィート、改めて好みの顔だと腕組みを解いてマグカップを受け取る。

 「そっちは?彼氏いないの」

 「親がうるさくて。男に興味あるなんて知れたら…」

 「あー家庭の事情ね。どこも難しいよな。今日は帰らなくて大丈夫?」

 「うん、そのつもりで…来たから」

 顔が近づいて、始まる。
 おっと、その前にシャワー入ろう。お楽しみはそれから、まるで嬢のように振る舞う俺だが脱ぐに脱げない事情を肌に隠しているため、恥ずかしい振りに徹する。

 俺が日常的に受ける折檻は縫合が必要なほど肌が裂傷する。火責めにより細胞が死んで毛が生えてこない箇所も多く継接ぎが全身にあって、一度燃やされた下腹部には美容整形の手術が施されており、こんな体では愛遠き世界だとばかり思っていた。

 でも、どうだろう。

 病気や事故の後遺症だと言えば同情して貰えるではないか。俺の住まう世界は情なんかこれっぽっちも無くて、愛は蜃気楼と同じで揺れる幻だと思い込んでいたが、外にさえ出れば容易く手に入る。
 こんないい男を騙して俺きっと罰が当たるぞ。
 たった一度の遊びのつもりが、上手くいったから次々と手を出すようになるかも知れない。そうやって欲望に埋め尽くされて、俺なんか…死ねばいい。
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