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八漢地獄
審判者/1,地獄の沙汰も金次第
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いつか夢みた、クリスマス。
好きな人と一緒に買い物してプレゼントを交換して
大袈裟に喜びながら予約したケーキをふたりで食べる。
まるで夢のような情景。
俺は今までリア充してる連中は「全員死ねばいい」CMでお馴染み家族の団らんなど実在するのか?疑ってた。
願いさえすれば、幸せは手に入る。
ほんの少しの勇気と甘えが
こんなにスィートだったなんて…信じられないほど、淡くてあまい。
◇
入院生活に飽きてきた頃
やっと食止めから解放された俺は、コーラのペットボトルから口を離して叫ぶ。
乾いた身体に染みる炭酸が毒だとしても、涙目で悶絶する俺を見て声を上げて笑う玲音がテーブルに白い箱を置いた。
甘い香りを放つ、箱の中から出てきたのはチョコレートの切り株。
「作るの、初めてなんだ」唇を噛みしめる玲音を、下から覗き込む。
料理は何でも作れるのは知ってたけどここまで完璧に仕上げるとはさすが俺の嫁。
ナイフを入れるのが勿体ないデコレーションが切り分けられ、皿を受け取る。
玲音がこうしてくれるのは特別なことじゃない。
今日が…俺にとって掛け替えのない日になった、奇跡のクリスマス。
スポンジと生クリームの間から転がり落ちた指輪と同じ指輪をしてる玲音の手が優しく頬に這わせ…目を閉じて、唇を受け止めた。
「それじゃ、帰るね」
「うん…明日は仕事終わり、何時になる?」
「まだわからない」
「毎日ごめんな」
「いいよ。大事にしてくれたらそれだけで俺、嬉しいから」
部屋の入り口まで見送る俺と手を繋ぐ、玲音の指が擦れながら温もりを遠ざかる
のが惜しい余り、何度も繰り返してしまう。また明日、明日になれば会えるのに離れたくない、そう思う俺の気持ちを遮るように玲音は言う。
「愛してる」
ゆっくりと閉まるドアを背に
俺と玲音は何度目かのキスをして今日の別れを迎えた。
今にして思えば俺がもっと早くに気がつくべきだった。
恋の先に続くのは永遠じゃないこと。
それを知っていながら、なぜ俺に全部を教えてくれなかったのか。
俺が追いかけていたことが間違いだったのか。
離れて往くお前はすれ違う社長の背中を振り返って、ずっと頭を下げていた。
その姿さえも愛しく思う俺は、社長に肩を抱かれて部屋に戻った。
◇
「メリークリスマス。とにかく呑もう、話はそれからだ」
はぁ?酒を持参する見舞いって聞いたことねぇ。
不謹慎にも程があると血圧を上昇させながらテーブルの上を片付けると頭上から差す影に紛れて、死刑宣告が届いた。
聞き返すのも恐ろしい…12月25日と印刷された新聞紙を強く握りしめる。
「だから最後の挨拶はしたのかい?」
頭に血が上って振り子のように揺れ、目が痺れる。
呼吸をすることでさえ拒絶したい衝動を解き、社長を見上げた。
「君、今日で研修期間が終了するのは覚える?」
「それと玲音に何の関係があるんですか」
「正式に言えば、解雇」
弾ける衝動は加速しながら燃え上がり、社長をなぎ倒すと点滴を取り付けた棒の車輪が床を滑り、音を立て倒れた。革張りのソファと俺の間に挟まれた社長は首にチューブを巻かれ、狂った勢いで力任せに絞められているのに…
艶を失わない髪を散らしながら、猫みたいにどこか見ていた。
首に下がるチェーンに通した指輪に噛みつき、俺の両手を掴んで押し倒す。
「飼犬に首輪なんぞつけられて、情けない」
足の間に社長を挟み
指を絡める手繋ぎに…震えて拒めないまま社長の話を聞いた。
日本SM界を代表する歌舞伎一座とは別の海外組織にて
調教された玲音の年季明けを巡り大枚叩いて買取の権利を得たのは青嵐。
玲音の親方に支払われた契約金はこの度米国が戦争に投じた同額。それは単純な投資で、俺の研修期間中に50億流れたと聞かされ驚嘆する。
「海外から来る連中は荒稼ぎが目的」だとしたら詐欺紛いな優しさを振りまいていた悪魔の化身かといえばそうではなく歌舞伎青嵐に憧れて飛んで火に入る夏の虫だという。あくまでも純粋に一途な気持ちを実務に望んでいたと社長の見立てで言うのだから間違いない。
玲音の親方・レオンハルトはドイツを拠点とする生物学を研究している学者で裏の顔は世界大戦の生き残り、権威あるマッドサイエンティスト。玲音の身体能力に目を付けて人体実験の被験者とするべくスカウトを果たし、当時現役の一番手だった玲音がオリンピック直前の世界選手権で引退した理由が明かされた。
被験者になった玲音は命の保証もなく5年間、実験に身を投じ屈強な精神力で親方を更なる成功に導いたパートナーとして活躍していたことを知るのは、国家安全保障理事会のトップと裏側に位置する情報機関に属する者だけ。
「そんな大事なこと俺に喋ってもいいんですか」
「私は友人の身の上話をしているだけだよ」
はぁ…左様ですか。
「青の一門を総括する元老・青魄は呆れて謁見も断る始末」
「でしょうね。青魄…さん?」
「ウチの最高責任者だ。日陰の分際で、あの男も偉くなったものだ」
笑いながらシャンパンを注ぐお前どんだけ偉いんだよって話。
誰しも喉から手が出るほど欲しがる玲音を金尽くでせしめた挙げ句、俺みたいな暴君の花形につかせ精神的な責め苦三昧。
同じ土俵で争い奪い合っても俺に勝ち目はない。
玲音はどんな思いで、過ごしていたのか?
くだらない俺の感情に振り回され、さぞかし滑稽な恋愛というごっこ遊びに玲音は最後の最後までど根性を強要されていたとは。
裏切られた気持ちが鈍器のような重さを増し固まる。
感情の波を揺らぎながら涙を留めた。
仕組まれた歯車に、すり潰される俺は悲鳴をあげることもできず
ただ、残酷に挟まれ悲嘆に暮れ…
しあわせな夢が淡くちぎれる困難から目覚め玲音に助けを求め続ける。
最後まで揺るがない想いを引き裂く社長の唇を玲音に置き換える、ワケがない。
「期間限定とか、聞いてねぇーよ」
「レンが帰りたいって。
あの子は史上稀にみるファザコンでね。帰れば命は無いのに、それでもいいと」
「それは玲音が言ったの?」
「青魄からの話だ。
結果お前が死ななかったんだからお役御免でいいだろ」
「本気で言ってるのか?」
「勿論、お前は私の奴隷だからね。勘違いしないでくれ」
手を挙げると今度は掴まれて、引き寄せられた。
「社内恋愛は禁止。
花形と新造が入れ込んで死ぬことなんか、ここじゃ日常茶飯事だ。
だから厳しい戒律を設けているのに
お前と来たら…
こんな物くらいで舞い上がって
お前の初めては全部私のものだと教えてやろう」
玲音のいう
「愛してる」は職業病だったのか。残念だな…浅はかな俺の思い上がりは誰の目にも滑稽で可笑しく見えていたのだろう。そんなに物事上手くいくわけない、騙されていました。
はい、お終い。
問題は「帰りたい」と言ったことだ。
ファザコン?そんなのお前の都合だろ、ふざけんなよ。
郷に入れては郷に従え
ここに一度でも踏み込んだのなら覚悟を決めて骨を埋めろ。
あの男は俺のものだ。
今更、親のところに帰りたいなんて…俺は絶対に認めない。
「わぁ…聖なる夜に何してんの、ねぇ」
脇腹を横から蹴られる社長の愛撫が止まり咳き込む、その広い背中に堂々と腰を下ろす青輝丸の威勢の良いこと。
「人の失恋に漬け込んで抱き尽くすのはお前の勘に触る処ではないだろう」
「男ふたりも泣かしてよく言うね」
コルク抜きの尖った先端を社長の頬に押し当てる青輝丸の言葉に思いがけず絶望からの起死回生に躍り出る。
もしかして…その可能性に一縷の望みを託す。
「レン泣かすなんて余程だよ、何かあったの?」
青輝丸の言葉を受けて伸びてる社長が一言「余計なことを」舌打ちをする。
なんだと?俺の短い導火線は瞬時に燃え尽き、爆発した。
頭に血が上った勢いで男ふたりをなぎ倒し、点滴の棒を拾い上げると社長の頭めがけて投げつけた。腕と繋がった医療テープが腕の毛をかっ浚うように剥がれプラスチックの細い管が血混じりの液を撒き散らす。
好きな人と一緒に買い物してプレゼントを交換して
大袈裟に喜びながら予約したケーキをふたりで食べる。
まるで夢のような情景。
俺は今までリア充してる連中は「全員死ねばいい」CMでお馴染み家族の団らんなど実在するのか?疑ってた。
願いさえすれば、幸せは手に入る。
ほんの少しの勇気と甘えが
こんなにスィートだったなんて…信じられないほど、淡くてあまい。
◇
入院生活に飽きてきた頃
やっと食止めから解放された俺は、コーラのペットボトルから口を離して叫ぶ。
乾いた身体に染みる炭酸が毒だとしても、涙目で悶絶する俺を見て声を上げて笑う玲音がテーブルに白い箱を置いた。
甘い香りを放つ、箱の中から出てきたのはチョコレートの切り株。
「作るの、初めてなんだ」唇を噛みしめる玲音を、下から覗き込む。
料理は何でも作れるのは知ってたけどここまで完璧に仕上げるとはさすが俺の嫁。
ナイフを入れるのが勿体ないデコレーションが切り分けられ、皿を受け取る。
玲音がこうしてくれるのは特別なことじゃない。
今日が…俺にとって掛け替えのない日になった、奇跡のクリスマス。
スポンジと生クリームの間から転がり落ちた指輪と同じ指輪をしてる玲音の手が優しく頬に這わせ…目を閉じて、唇を受け止めた。
「それじゃ、帰るね」
「うん…明日は仕事終わり、何時になる?」
「まだわからない」
「毎日ごめんな」
「いいよ。大事にしてくれたらそれだけで俺、嬉しいから」
部屋の入り口まで見送る俺と手を繋ぐ、玲音の指が擦れながら温もりを遠ざかる
のが惜しい余り、何度も繰り返してしまう。また明日、明日になれば会えるのに離れたくない、そう思う俺の気持ちを遮るように玲音は言う。
「愛してる」
ゆっくりと閉まるドアを背に
俺と玲音は何度目かのキスをして今日の別れを迎えた。
今にして思えば俺がもっと早くに気がつくべきだった。
恋の先に続くのは永遠じゃないこと。
それを知っていながら、なぜ俺に全部を教えてくれなかったのか。
俺が追いかけていたことが間違いだったのか。
離れて往くお前はすれ違う社長の背中を振り返って、ずっと頭を下げていた。
その姿さえも愛しく思う俺は、社長に肩を抱かれて部屋に戻った。
◇
「メリークリスマス。とにかく呑もう、話はそれからだ」
はぁ?酒を持参する見舞いって聞いたことねぇ。
不謹慎にも程があると血圧を上昇させながらテーブルの上を片付けると頭上から差す影に紛れて、死刑宣告が届いた。
聞き返すのも恐ろしい…12月25日と印刷された新聞紙を強く握りしめる。
「だから最後の挨拶はしたのかい?」
頭に血が上って振り子のように揺れ、目が痺れる。
呼吸をすることでさえ拒絶したい衝動を解き、社長を見上げた。
「君、今日で研修期間が終了するのは覚える?」
「それと玲音に何の関係があるんですか」
「正式に言えば、解雇」
弾ける衝動は加速しながら燃え上がり、社長をなぎ倒すと点滴を取り付けた棒の車輪が床を滑り、音を立て倒れた。革張りのソファと俺の間に挟まれた社長は首にチューブを巻かれ、狂った勢いで力任せに絞められているのに…
艶を失わない髪を散らしながら、猫みたいにどこか見ていた。
首に下がるチェーンに通した指輪に噛みつき、俺の両手を掴んで押し倒す。
「飼犬に首輪なんぞつけられて、情けない」
足の間に社長を挟み
指を絡める手繋ぎに…震えて拒めないまま社長の話を聞いた。
日本SM界を代表する歌舞伎一座とは別の海外組織にて
調教された玲音の年季明けを巡り大枚叩いて買取の権利を得たのは青嵐。
玲音の親方に支払われた契約金はこの度米国が戦争に投じた同額。それは単純な投資で、俺の研修期間中に50億流れたと聞かされ驚嘆する。
「海外から来る連中は荒稼ぎが目的」だとしたら詐欺紛いな優しさを振りまいていた悪魔の化身かといえばそうではなく歌舞伎青嵐に憧れて飛んで火に入る夏の虫だという。あくまでも純粋に一途な気持ちを実務に望んでいたと社長の見立てで言うのだから間違いない。
玲音の親方・レオンハルトはドイツを拠点とする生物学を研究している学者で裏の顔は世界大戦の生き残り、権威あるマッドサイエンティスト。玲音の身体能力に目を付けて人体実験の被験者とするべくスカウトを果たし、当時現役の一番手だった玲音がオリンピック直前の世界選手権で引退した理由が明かされた。
被験者になった玲音は命の保証もなく5年間、実験に身を投じ屈強な精神力で親方を更なる成功に導いたパートナーとして活躍していたことを知るのは、国家安全保障理事会のトップと裏側に位置する情報機関に属する者だけ。
「そんな大事なこと俺に喋ってもいいんですか」
「私は友人の身の上話をしているだけだよ」
はぁ…左様ですか。
「青の一門を総括する元老・青魄は呆れて謁見も断る始末」
「でしょうね。青魄…さん?」
「ウチの最高責任者だ。日陰の分際で、あの男も偉くなったものだ」
笑いながらシャンパンを注ぐお前どんだけ偉いんだよって話。
誰しも喉から手が出るほど欲しがる玲音を金尽くでせしめた挙げ句、俺みたいな暴君の花形につかせ精神的な責め苦三昧。
同じ土俵で争い奪い合っても俺に勝ち目はない。
玲音はどんな思いで、過ごしていたのか?
くだらない俺の感情に振り回され、さぞかし滑稽な恋愛というごっこ遊びに玲音は最後の最後までど根性を強要されていたとは。
裏切られた気持ちが鈍器のような重さを増し固まる。
感情の波を揺らぎながら涙を留めた。
仕組まれた歯車に、すり潰される俺は悲鳴をあげることもできず
ただ、残酷に挟まれ悲嘆に暮れ…
しあわせな夢が淡くちぎれる困難から目覚め玲音に助けを求め続ける。
最後まで揺るがない想いを引き裂く社長の唇を玲音に置き換える、ワケがない。
「期間限定とか、聞いてねぇーよ」
「レンが帰りたいって。
あの子は史上稀にみるファザコンでね。帰れば命は無いのに、それでもいいと」
「それは玲音が言ったの?」
「青魄からの話だ。
結果お前が死ななかったんだからお役御免でいいだろ」
「本気で言ってるのか?」
「勿論、お前は私の奴隷だからね。勘違いしないでくれ」
手を挙げると今度は掴まれて、引き寄せられた。
「社内恋愛は禁止。
花形と新造が入れ込んで死ぬことなんか、ここじゃ日常茶飯事だ。
だから厳しい戒律を設けているのに
お前と来たら…
こんな物くらいで舞い上がって
お前の初めては全部私のものだと教えてやろう」
玲音のいう
「愛してる」は職業病だったのか。残念だな…浅はかな俺の思い上がりは誰の目にも滑稽で可笑しく見えていたのだろう。そんなに物事上手くいくわけない、騙されていました。
はい、お終い。
問題は「帰りたい」と言ったことだ。
ファザコン?そんなのお前の都合だろ、ふざけんなよ。
郷に入れては郷に従え
ここに一度でも踏み込んだのなら覚悟を決めて骨を埋めろ。
あの男は俺のものだ。
今更、親のところに帰りたいなんて…俺は絶対に認めない。
「わぁ…聖なる夜に何してんの、ねぇ」
脇腹を横から蹴られる社長の愛撫が止まり咳き込む、その広い背中に堂々と腰を下ろす青輝丸の威勢の良いこと。
「人の失恋に漬け込んで抱き尽くすのはお前の勘に触る処ではないだろう」
「男ふたりも泣かしてよく言うね」
コルク抜きの尖った先端を社長の頬に押し当てる青輝丸の言葉に思いがけず絶望からの起死回生に躍り出る。
もしかして…その可能性に一縷の望みを託す。
「レン泣かすなんて余程だよ、何かあったの?」
青輝丸の言葉を受けて伸びてる社長が一言「余計なことを」舌打ちをする。
なんだと?俺の短い導火線は瞬時に燃え尽き、爆発した。
頭に血が上った勢いで男ふたりをなぎ倒し、点滴の棒を拾い上げると社長の頭めがけて投げつけた。腕と繋がった医療テープが腕の毛をかっ浚うように剥がれプラスチックの細い管が血混じりの液を撒き散らす。
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