お昼寝から目覚めたらRPGゲームに入り込んでいた件 Lv0からカンスト目指して頑張ります!!

春の七草

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ここ何処だ!?

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どれくらい眠ったのだろうか?暫くして目が覚めると俺は清々しい青空の下で背伸びをしていた。

「ふあーあ、良く寝た~」
どうやら落ち葉の上で寝ていたらしい。

って、え?え?
ええええええええ~~~
ここ何処だああああああああぁぁぁ
え!?待って?俺、学校から帰ってきたら智也から誘われたゲームをダウンロードして、それから寝たよね?
ちゃんと俺の部屋で、ベッドの上で寝たよね?
ならなんで青空の下で寝ている訳?
俺、ひょっとしてまだ夢でも見ている?

俺は恐る恐る自分の頬を抓ってみた。指先に伝わる頬の柔らかな感触と鈍い痛み。
「痛たたた…。」
こんなにも感触を感じるということは、痛みを感じるという事は、つまり…これは…夢なんかじゃない…。

ちゃんと部屋に居たのに、ちゃんとベッドの上で寝たのになんでこんな所に居るんだよ!?
ああ、この清々しいまでの青空が憎たらしくなってきた。

そんなふうにジタバタしていると雑木林から何かが出てくる。

それは直立二足歩行で歩く豚、オークという魔物だった。

ってなんでここにオークが居るんだよ!?
ひょっとしてだけれど俺、寝ているうちに異世界に転送されちゃった!?

まだタイムスリップしたりするのなら構わないけれど異世界に飛ばされるだなんて冗談じゃない!!

そんな事を考えているうちにオークは俺に向かって襲い掛かってくる。
オークの頭上にはLv40と書いてある。
この世界にLvなんて存在するのだな。
ってこんな呑気な事思っている場合じゃなかった!

この直立二足歩行豚オークを何とかしなくては!!
って俺は今何レベなんだ?するとスマホが突然喋りだした。
「あなたは今現在Lv0です。」
Lv0!?俺、今Lv0なのか。って事はどうやってこの直立二足歩行豚オークを何とかしろって言うんだ!?

俺は今Lv0、この魔物は今Lv40とてもじゃないけれど勝てっこない。
勇猛果敢に立ち向かっていっても一瞬であの世行きにされるのは火を見るよりも明らかだ。

どうしたらいい、どうしたらいい!!俺、考えるんだ俺。

とりあえず逃げるか…。

俺は有無を言わずに全力で駆け出した。走って走って走った。
だが直立二足歩行豚オークはしつこく追いかけてくる。
その肉厚なでかい図体に見合わないほどのスピード。
とてもじゃないけれど人間じゃ逃げ切れはしないだろう。

ああ、俺は此処で命を落とすのか、こんな訳の分からない場所で。
こんな所で死んだらきっと葬儀なんて出来ない、遺体すら見つからないままだろう。
お父さんとお母さん、おじいちゃん、おばあちゃんや智也に申し訳ないな。

そう思ったその時だった。その人は木陰から颯爽と現れると華麗に剣を抜き放ち魔物に斬りかかっていく。
魔物は忽ち声にならない断末魔を上げて血溜まりの中に倒れ込んだ。

「大丈夫かしら?」
ふと美しい声が響く。顔をあげるとそこには見たことも無いくらいに美しいエルフの女の人が俺のすぐ前に立っていた。
ターコイズブルーの美しいロングヘアーに中世ヨーロッパで見るような甲冑に髪の毛と同じ色の美しくも殺傷能力の高そうな両手剣。

(綺麗だなあ…。)
思わず女の人に見とれてしまった。
「わたしはレリア。あなたは?」
この女の人はレリアって言うらしい。容姿も名前も綺麗、オマケにカッコイイって何それ最高じゃん。

「俺は横田草平って言います。」
俺がレリアさんに自己紹介すると彼女は優しく微笑んだ。

「あなたってまだLv0なのよね。」

「は、はい。」
俺が恐る恐る答えるとレリアさんは少し考える素振りを見せてから
「ならわたしの家に来るといいわ。此処は恐ろしい魔物がいっぱい居るからね。
それに丸腰じゃ危険だわ。
わたしが何か適当な武器でも選んであげるから。」

「ありがとうございます!!」
俺は嬉しさの余りつい叫んでしまった。俺の声にレリアさんは少し驚いているようだったけれど嬉しくて嬉しくてしょうがなかった。

魔物に襲われて命を落としかけた所を助けて貰った上に武器まで選んでくれるなんて、レリアさんはなんて優しいのだろうか。

そうして俺はレリアさんの家へと向かって行った。
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