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事故つがいの夫は僕を愛してる
初デート side天音⑤
しおりを挟む「天音、可愛い」
胸から口を離して、涙で濡れた目の縁や下瞼、頬にキスしてくれた。
白濁で濡れた手はお尻に回して、割れ目から孔にかけてをゆっくりと撫でてくれる。
「好きだよ。天音、愛してる」
仲直りしてから、理人はたくさん愛情を教えてくれる。五年分セックスしようね、って僕をからかう理人だけど、五年分以上の言葉もくれて、僕は心も身体も歓喜に震えてしまう。
「僕も、好き。愛してる」
同じ言葉しか返せないけれど、何度言われても、何度言っても幸せになる魔法の言葉。
僕も理人も「好き」「愛してる」を繰り返しながら身体を重ねた。
理人の胸が僕の胸を撫でる。
理人の腹筋が吐精したばかりの僕のものをこする。
それだけでどんどん体が熱くなり、部屋の中はふたりのフェロモンが充満した。
「ふ……あ、んんっ……」
体への快感だけでなく、愛しいつがいのフェロモンに酩酊して、僕のものは再び淫らに形を変える。
「俺のお腹にこすりつけてくるの、可愛いね。もっと腰を振ってごらん?」
「ん、理人、理人」
優しく言われるのが嬉しくて、理人をもっと感じたくて、僕は理人にしっかりと抱きついて、引き締まった腰に足を絡めた。
お尻を浮かしながら懸命に腰を動かして、理人の腹筋の段差に自分の熱をこすり付ける。
「とっても上手だね。……こっちは俺が気持ち良くするからね」
「ああっ……」
家具のお店にいるときからずっと欲しがっていた孔に、長い指が入ってくる。背中がぞくぞく震えるのと同時に、お腹の中も震えたみたい。
「うわ……ナカ、すごいよ。天音。発情期のときみたいに熱くて、うねうねうねってる」
「気持ちいいんだもん、理人の指、すごく気持ちいいいよぅ……」
「ああ……すごく締まるのに、中から蜜が溢れてくる。天音の香り、酔いそうだよ」
泣きそうな声で言われて、胸が切なくなる。
好きとか愛してる、って言われてるんじゃないのに、そう言われてるみたいな気がしてくる。
「欲しい、欲しいよ、理人の、早く入れて……」
「うん。わかってる。俺も、天音が欲しいよ。ひとつになろうね」
子供に言うみたいに目を細めてから、キスしてくれた。
それから、いつの間にか増えていた指を全部抜いて、代わりに大きくて熱いものを僕に当てがう。
先端がつるつるしているそれで、孔の皺を伸ばすみたいに撫でられるの、好き。
今から入ってくるんだって、期待と嬉しさでドキドキする。
「は……あぁあっ」
ぐちゅりと音がして、濡れきった僕のナカをずぶずぶと進んでくる熱の塊。
熱くて熱くて、お腹の中が溶けてしまいそう。
「理人の、きもちいいっ……」
「ん……俺も気持ちいいよ……もっと奥も、気持ち良くするね」
「あぁ……あっあっ……」
ふくらはぎを持たれて、足の裏が天井に向くくらい身体を折り曲げられる。その姿勢でキスをされれば、奥に理人の熱を感じて、身体がぶるっと震えた。
「奥にきてる、理人の、僕のお腹のここにきてる……!」
「うん、気持ちいいね、ここ、好きだね」
そう言って、お店のベッドでしたように僕のお腹を圧してから、動きを激しくし出す理人。
「あ、あっ、あん!」
何度も何度も穿たれて、体を揺さぶられる。大きな波のような気持ち良さに意識を流されてしまいそうで、僕は再び、しっかりと理人に抱きついた。
理人は首に回った僕の腕をしっかりと持ち、いっそう抽挿を激しくする。
「理人、好き。好き、理人っ!」
「天音、好きだよ、ん、くっ……締まる……! っつ……!」
「ああぁぁっ……!」
お腹の中に熱さが広がるのと同時に、僕の頭の中で光がはじけた。いつもまぶしい理人の顔にたくさん星がちらついて、目の前が暗くなっていく。
そして……。
気がついたらまた「可愛いね」ってまぶしい笑顔で見つめられて、顔を真っ赤にしてる間に唇を奪われて、乳首をクニクニされて……。
「理人、明日月曜だよ……? もう寝ようよ……」
四回連続のセックスに、僕も僕のベッドもギシギシ言って、音を上げ始めた。
「うん、あと一回ね。そしたら寝よ? ね?」
「もう……あ、あぁっ、そこ、や、やあぁん」
結局今日も朝まで五回。これが理人の標準みたい。アルファの性欲って、絶倫という言葉を遥かに凌いでいると僕は思う。
次の僕の発情期は来月。今以上にフェロモンを出す僕を、理人はどんなふうに抱くんだろう。もしラット化したら、理人……凄いだろうな……。
「ねぇ、理人。やっぱり、あのベッド買っておいた方がいいかもしれないね……」
「ん? でしょ? さっき天音が寝てる間にさっと調べたら、別のお店で割引きがあったから、もう注文しておいたよ」
────そんなわけで翌週の日曜日には、僕たちのアパートに新しいベッドが到着したのだった。
次のは長持ちするといいなあ……。
<初デート・おしまい>
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