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VII 夜のお茶会
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父から婚約の話を聞いて、2日が経過した。
あの晩食事をした直後、父は“仕事”という名目で外出をし、2日経過した今もまだ帰宅していない。
父は昔から仕事を理由に外泊する事が多く、今回の事も決して珍しい事では無い。寧ろ、父が家に居ない日は私や使用人が唯一羽を伸ばせる日であり、誰もが心待ちにしている時でもあった。
だが、母だけは父の外泊をどう考えているのか未だに分からない。
父が家を空ける度に真っ先に書斎へ向かい、使用人に沢山の書籍を自室に運ばせたと思ったら、「読書に集中したい」と言って部屋に閉じ籠ったまま出てこなくなってしまう。
それは父が居ない恋しさを読書で紛らわせているのか、それとも父が居る日は読書に集中できないのかは分からないが、誰が部屋を訪ねても返事は無く、日によっては食事すらとらない時もあり、その都度使用人が頭を抱えていた。
「――奥様、今日は1度もお顔を見せてくれなかったんですよ」
23時半の寝室で、紅茶の準備をするメアリーが小さな溜息を吐く。
「それはいつもの事でしょう。大丈夫よ、お腹が空いたら出てくるわ」
そんなメアリーを諭す様に声を掛け、ベッドに深く腰掛ける。
メアリーとのぎこちない関係は、“あの日”以降暫く続いたが、今ではそれもすっかり解けまたティータイムを共に出来る仲に戻っていた。
そして彼女の顔と腕の傷も、適切な治療を受けさせる事は出来なかったものの、今や殆ど目立たない程にまで回復している。
「そんな、奥様を動物みたいに…」
メアリーが呆れ顔で、丁寧な手つきでポットの中に茶葉を入れていく。
両親の監視下に置かれていないメアリーは普段よりも明るく見え、先程突発的に誘ったナイトキャップティーにも快く応じてくれた。今晩の会話も、使用人とというより、1人の女性としている様な気分になれる程、口調も表情も柔らかい。
「お母様の事は、放っておいてあげた方がいいんじゃないかしら」
「そういう訳にはいかないんです。もし奥様のお身体に何か有れば、旦那様に叱られてしまいます」
「そうだけど、お母様は想像している以上に頑固なのよ」
ポットの中に湯が注がれていくのを眺めながら、無意識的に溜息を吐く。
このまま父が帰ってこなければ、母が部屋から出てこなければ、私は、私達はこうして気楽に過ごす事が出来るのだろうか。
婚約だって、全て無かった事に出来るのだろうか。
唯一の楽しい時間の筈なのに、ふとした瞬間に脳裏を過る“現実”。
どうせ数日で父はこの家に戻り、母も部屋に引き籠るのを止め普段通りの生活に戻る。
決して、全て無かった事にはならない。
「――お嬢様?どうかなさいましたか?」
メアリーが、不安気に私の顔を覗き込む。
彼女は、まだ私の婚約の話を知らない。きっと、使用人は“知る必要の無い事”だからと、両親からも敢えて伝えられる事は無いのだろう。
このまま私が伝えず黙っていれば、私が正式に婚約した後人伝てに知る事になる。
使用人ならそれが当然だろうが、彼女は私の大切な友人でもあった。婚約を無かった事に出来ないのなら、せめて彼女には私の口からその事実を伝えたい。
「あのね、メアリー」
彼女の顔が見れず、床の一点を見つめたままゆっくりと言葉を紡ぐ。
彼女は祝福をするだろうか、それとも悲しむだろうか。婚約が決まれば、早急に婚姻に向けて準備を始める。そうなれば彼女とこうしてお茶会を共にする事は出来なくなる上、私はキース様と共に新居へと移る事になる。そうすれば、彼女ともお別れだ。
せめてメアリーとモーリスだけでも、新たな家で使用人として招く事は出来ないかと父に交渉するつもりではあるが、それは父だけでなくキース様にも許可を得なくてはならない事柄だ。きっとスムーズに話が進む事は無い。
「――わ、私」
自然と、声が震える。
私はきっと、彼女が後者の反応を示すと思っているのだろう。
彼女を傷つけたくない。彼女を、この家に1人きりにさせたくない。
そんな気持ちでいっぱいで、中々言葉にする事が出来ない。
「私ね」
深く俯き、強く目を瞑る。
「――婚約…する事に、なったみたいなの」
蚊の鳴くような声で、漸く告げた言葉。だが、メアリーは何も言わなかった。
代わりに聞こえたのは、ぱりん、と何かが割れる音。
瞳を開き、メアリーの方へと視線を向ける。
「…あ、…も、…申し訳、御座いません」
メアリーの足元には、先程まで彼女の手に持たれていたティーカップが粉々になって散らばっていた。
酷く動揺した様子の彼女が、ぎこちない動きでその場に座り込み、カップの破片を拾い集める。
その瞬間、フラッシュバックしたのは“あの日”の光景。
血塗れになったメアリーと、恐ろしい父の顔。
「触らないで!」
思わず叫んだ声に、メアリーの手がぴたりと止まる。
「…私が、私が片付けるから…」
ベッドから腰を上げ、崩れ落ちる様に割れたカップの前に座り込む。そしてゆっくりと破片を拾い集めながら、どうにか脳裏に焼き付いた“あの光景”を消そうと必死に思考を回していた。
「――お嬢様は、婚約を、お望みなのですか?」
だがメアリーの今にも泣きだしそうな声に、その問いに、思考が止まる。
父から婚約の話を聞いて、私は何を思った?何を望んだ?
婚約が無かった事になればいいとは、確かに思った。だが、一度でも婚約を拒んだだろうか。婚約などしたくないと、はっきり思っただろうか。
――思っていない筈だ。
その理由はたった1つ。ここで、婚約などしたくないと、明確に拒んでしまえば私はもう従順出来なくなってしまうからだ。
私は駆け落ちをする相手も居ない。心が弱い所為で、この屋敷を出る決心もつかない。
そんな私が、少しでも生き延びる為。それは、“抗わない事”だった。
「――お父様が、望んでいるの」
顔を上げ、メアリーと視線を交わらせる。
そして彼女を安心させるように笑って、また“私は幸せだ”と心の中で唱える。
「そんな、そんなの、おかしいじゃないですか……」
彼女の手が、破片を拾い集める私の手を握った。
「私は、上流階級の人間は何不自由無く、幸せな暮らしを送っているのだと教わりました。ですが、ですが……今のお嬢様は…、幸せじゃ――」
「――メアリー」
彼女の言葉を遮り、名前を呼ぶ。
「仕方が無い事なの」
メアリーの手を解き、今度は私が彼女の手を強く握る。
「仕方、無いのよ。私は、この家の娘だから」
――今私は、彼女に上手く笑えていただろうか。彼女を安心させられただろうか。
だが彼女の歪んだ表情で、残酷にもその答えを知る。
「――逃げて、しまいましょう」
彼女の腕が、首元に回った。そのまま縋る様に抱きしめられ、彼女が苦し気な声で言葉を紡ぐ。
「私と2人で、何処か、遠い所へ」
私の首に回された腕に、僅かに力が籠った。
「ロンドンを離れて、遠い田舎で、2人で暮らしましょう。ヨークや、ダラムなんていかがでしょうか。ここからも遠く、人も少なく過ごしやすい」
「…メアリー」
「お嬢様は、1人で生きていける程の知識がある筈です。その為に、モーリスさん達から様々な事を教わったのでしょう?私だって、まだ、まだこの家では雑用係ですが、使用人として生きているんです。2人でなら、生きていけます。ねぇ、エルお嬢様」
彼女の言葉は、ただ純粋に嬉しかった。
本当に、彼女と2人で逃げてしまおうかとも思った。このまま、両親が居ない間に、誰にも気づかれぬ様に。
きっと、モーリスだって怒ったりしない。寧ろ彼なら、手助けだってしてくれそうだ。
だが、そんな事してはいけない。
私の大切な、大切なメアリーを、私自身の人生に巻き込んではいけない。
彼女は心優しい女性だ。きっと私を心配するあまりにこんな事を言い出したのだろう。
彼女に甘えてはいけない。これは全て、私1人の問題だ。
「ありがとう、メアリー」
彼女の背を撫で、ゆっくりと身体を離す。
「嬉しいわ。でも、その気持ちだけで十分」
「……どうして…」
「私は大丈夫、大丈夫よ」
彼女の頬を、涙が伝う。いつも冷静で、どんな時でも強かった彼女が、こんな風に泣くだなんて。
メアリーの涙を指で拭い、彼女と額を合わせる。
「大丈夫」
もう一度囁き、今度は私が彼女を抱きしめた。
――ああ愛しい、愛しい私のメアリー。どうか、泣かないで。
共に逃げようと、そう言ってくれただけで私の心は救われた。その言葉だけで、心は軽くなった。
大丈夫、私はこれからも貴族の1人として生きていける。心を、感情を殺す事だって覚えた。
だけどメアリー、貴女だけは。
「――貴女だけは、いつまでも私の友人でいて頂戴」
あの晩食事をした直後、父は“仕事”という名目で外出をし、2日経過した今もまだ帰宅していない。
父は昔から仕事を理由に外泊する事が多く、今回の事も決して珍しい事では無い。寧ろ、父が家に居ない日は私や使用人が唯一羽を伸ばせる日であり、誰もが心待ちにしている時でもあった。
だが、母だけは父の外泊をどう考えているのか未だに分からない。
父が家を空ける度に真っ先に書斎へ向かい、使用人に沢山の書籍を自室に運ばせたと思ったら、「読書に集中したい」と言って部屋に閉じ籠ったまま出てこなくなってしまう。
それは父が居ない恋しさを読書で紛らわせているのか、それとも父が居る日は読書に集中できないのかは分からないが、誰が部屋を訪ねても返事は無く、日によっては食事すらとらない時もあり、その都度使用人が頭を抱えていた。
「――奥様、今日は1度もお顔を見せてくれなかったんですよ」
23時半の寝室で、紅茶の準備をするメアリーが小さな溜息を吐く。
「それはいつもの事でしょう。大丈夫よ、お腹が空いたら出てくるわ」
そんなメアリーを諭す様に声を掛け、ベッドに深く腰掛ける。
メアリーとのぎこちない関係は、“あの日”以降暫く続いたが、今ではそれもすっかり解けまたティータイムを共に出来る仲に戻っていた。
そして彼女の顔と腕の傷も、適切な治療を受けさせる事は出来なかったものの、今や殆ど目立たない程にまで回復している。
「そんな、奥様を動物みたいに…」
メアリーが呆れ顔で、丁寧な手つきでポットの中に茶葉を入れていく。
両親の監視下に置かれていないメアリーは普段よりも明るく見え、先程突発的に誘ったナイトキャップティーにも快く応じてくれた。今晩の会話も、使用人とというより、1人の女性としている様な気分になれる程、口調も表情も柔らかい。
「お母様の事は、放っておいてあげた方がいいんじゃないかしら」
「そういう訳にはいかないんです。もし奥様のお身体に何か有れば、旦那様に叱られてしまいます」
「そうだけど、お母様は想像している以上に頑固なのよ」
ポットの中に湯が注がれていくのを眺めながら、無意識的に溜息を吐く。
このまま父が帰ってこなければ、母が部屋から出てこなければ、私は、私達はこうして気楽に過ごす事が出来るのだろうか。
婚約だって、全て無かった事に出来るのだろうか。
唯一の楽しい時間の筈なのに、ふとした瞬間に脳裏を過る“現実”。
どうせ数日で父はこの家に戻り、母も部屋に引き籠るのを止め普段通りの生活に戻る。
決して、全て無かった事にはならない。
「――お嬢様?どうかなさいましたか?」
メアリーが、不安気に私の顔を覗き込む。
彼女は、まだ私の婚約の話を知らない。きっと、使用人は“知る必要の無い事”だからと、両親からも敢えて伝えられる事は無いのだろう。
このまま私が伝えず黙っていれば、私が正式に婚約した後人伝てに知る事になる。
使用人ならそれが当然だろうが、彼女は私の大切な友人でもあった。婚約を無かった事に出来ないのなら、せめて彼女には私の口からその事実を伝えたい。
「あのね、メアリー」
彼女の顔が見れず、床の一点を見つめたままゆっくりと言葉を紡ぐ。
彼女は祝福をするだろうか、それとも悲しむだろうか。婚約が決まれば、早急に婚姻に向けて準備を始める。そうなれば彼女とこうしてお茶会を共にする事は出来なくなる上、私はキース様と共に新居へと移る事になる。そうすれば、彼女ともお別れだ。
せめてメアリーとモーリスだけでも、新たな家で使用人として招く事は出来ないかと父に交渉するつもりではあるが、それは父だけでなくキース様にも許可を得なくてはならない事柄だ。きっとスムーズに話が進む事は無い。
「――わ、私」
自然と、声が震える。
私はきっと、彼女が後者の反応を示すと思っているのだろう。
彼女を傷つけたくない。彼女を、この家に1人きりにさせたくない。
そんな気持ちでいっぱいで、中々言葉にする事が出来ない。
「私ね」
深く俯き、強く目を瞑る。
「――婚約…する事に、なったみたいなの」
蚊の鳴くような声で、漸く告げた言葉。だが、メアリーは何も言わなかった。
代わりに聞こえたのは、ぱりん、と何かが割れる音。
瞳を開き、メアリーの方へと視線を向ける。
「…あ、…も、…申し訳、御座いません」
メアリーの足元には、先程まで彼女の手に持たれていたティーカップが粉々になって散らばっていた。
酷く動揺した様子の彼女が、ぎこちない動きでその場に座り込み、カップの破片を拾い集める。
その瞬間、フラッシュバックしたのは“あの日”の光景。
血塗れになったメアリーと、恐ろしい父の顔。
「触らないで!」
思わず叫んだ声に、メアリーの手がぴたりと止まる。
「…私が、私が片付けるから…」
ベッドから腰を上げ、崩れ落ちる様に割れたカップの前に座り込む。そしてゆっくりと破片を拾い集めながら、どうにか脳裏に焼き付いた“あの光景”を消そうと必死に思考を回していた。
「――お嬢様は、婚約を、お望みなのですか?」
だがメアリーの今にも泣きだしそうな声に、その問いに、思考が止まる。
父から婚約の話を聞いて、私は何を思った?何を望んだ?
婚約が無かった事になればいいとは、確かに思った。だが、一度でも婚約を拒んだだろうか。婚約などしたくないと、はっきり思っただろうか。
――思っていない筈だ。
その理由はたった1つ。ここで、婚約などしたくないと、明確に拒んでしまえば私はもう従順出来なくなってしまうからだ。
私は駆け落ちをする相手も居ない。心が弱い所為で、この屋敷を出る決心もつかない。
そんな私が、少しでも生き延びる為。それは、“抗わない事”だった。
「――お父様が、望んでいるの」
顔を上げ、メアリーと視線を交わらせる。
そして彼女を安心させるように笑って、また“私は幸せだ”と心の中で唱える。
「そんな、そんなの、おかしいじゃないですか……」
彼女の手が、破片を拾い集める私の手を握った。
「私は、上流階級の人間は何不自由無く、幸せな暮らしを送っているのだと教わりました。ですが、ですが……今のお嬢様は…、幸せじゃ――」
「――メアリー」
彼女の言葉を遮り、名前を呼ぶ。
「仕方が無い事なの」
メアリーの手を解き、今度は私が彼女の手を強く握る。
「仕方、無いのよ。私は、この家の娘だから」
――今私は、彼女に上手く笑えていただろうか。彼女を安心させられただろうか。
だが彼女の歪んだ表情で、残酷にもその答えを知る。
「――逃げて、しまいましょう」
彼女の腕が、首元に回った。そのまま縋る様に抱きしめられ、彼女が苦し気な声で言葉を紡ぐ。
「私と2人で、何処か、遠い所へ」
私の首に回された腕に、僅かに力が籠った。
「ロンドンを離れて、遠い田舎で、2人で暮らしましょう。ヨークや、ダラムなんていかがでしょうか。ここからも遠く、人も少なく過ごしやすい」
「…メアリー」
「お嬢様は、1人で生きていける程の知識がある筈です。その為に、モーリスさん達から様々な事を教わったのでしょう?私だって、まだ、まだこの家では雑用係ですが、使用人として生きているんです。2人でなら、生きていけます。ねぇ、エルお嬢様」
彼女の言葉は、ただ純粋に嬉しかった。
本当に、彼女と2人で逃げてしまおうかとも思った。このまま、両親が居ない間に、誰にも気づかれぬ様に。
きっと、モーリスだって怒ったりしない。寧ろ彼なら、手助けだってしてくれそうだ。
だが、そんな事してはいけない。
私の大切な、大切なメアリーを、私自身の人生に巻き込んではいけない。
彼女は心優しい女性だ。きっと私を心配するあまりにこんな事を言い出したのだろう。
彼女に甘えてはいけない。これは全て、私1人の問題だ。
「ありがとう、メアリー」
彼女の背を撫で、ゆっくりと身体を離す。
「嬉しいわ。でも、その気持ちだけで十分」
「……どうして…」
「私は大丈夫、大丈夫よ」
彼女の頬を、涙が伝う。いつも冷静で、どんな時でも強かった彼女が、こんな風に泣くだなんて。
メアリーの涙を指で拭い、彼女と額を合わせる。
「大丈夫」
もう一度囁き、今度は私が彼女を抱きしめた。
――ああ愛しい、愛しい私のメアリー。どうか、泣かないで。
共に逃げようと、そう言ってくれただけで私の心は救われた。その言葉だけで、心は軽くなった。
大丈夫、私はこれからも貴族の1人として生きていける。心を、感情を殺す事だって覚えた。
だけどメアリー、貴女だけは。
「――貴女だけは、いつまでも私の友人でいて頂戴」
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