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6.プロポーズ
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…じゃなかった。
また大事な部分を流すところだった。
さっきから結婚結婚言ってるけど…まさか本気? な、わけないよね?
一応聞いとくか…。
「えーっとアルフィ、一応聞くけど、結婚っていうのは勿論冗談──」
「勿論本気だけど?」
ほ、本気だったーーー!
そっかー、本気かー。
…でもなんで? 私達一応前世では姉と弟だよ?
なんで結婚なんて話になるんだか。
「姉さんが死に際『僕と結婚したい』って言ったんじゃん」
「…え?」
私の『なんで』が顔に出ていたのか、責めるような顔でアルフィが言ってくる。
言ったっけ? そんなこと。
…記憶にない。
「まさか、忘れたの?」
一つ、低くなったアルフィの声。
…いや、覚えてないこともない。うーん…。
「『来世は弟と結婚する』」
「あ、あー! 言ったかも!」
「…かも?」
「いや! 間違いなく言った! 言いました!」
うん、なんとなく思い出した。
でも厳密には『弟みたいに優しい人と結婚したい』って意味だったんだけど…。
まあ言っちゃったもんはしょうがない。
素直に認めよう。
「だよね。だから結婚しよう?」
だが! それとこれとは別だーーー!!
「アルフィ待って! 前世の私が言った通りにする必要なんてないからね!? アルフィだって好きな子いるだろうし…!」
「昔も今も愛しているのは姉さんだけだよ」
「そ、それは家族愛だよね!?」
「いいや? 異性として愛してる」
「で、でもこれから私以上に好きな子ができるかも…! ほら! 隣国のお姫様がとんでもない美少女だって噂聞いたことあるし!」
「それは僕の浮気を疑ってるの? 心外だなぁ…」
「そ、そういうわけじゃ…!」
「それに僕は外見なんて特に気にしないけど、ライラレベルを超える容姿なんてそうそういないと思うよ? まさか自覚なし?」
「じ、自覚はまあそこそこ…」
「なら良かった。ソレで自覚ないとか物語の中のアホヒロインくらいだもんね」
うん、言い過ぎな気がするけどその通りだね。
なんせ妖精にも愛されるビジュアルですから!
あれ、そういえばアルフィもすっごい綺麗なのに妖精が寄り付いてこないなぁ。逆に避けてる様子だったし。
なんでだろう?
綺麗すぎて近寄り難いとか?
確かにアルフィってば綺麗通り越して眩しいもんね…。
今度みんなに聞いてみよう。
なんて関係ないことを考えていたら、こっちを見ろとばかりにアルフィに顔を掴まれた。
「僕は浮気もしないし綺麗な人に目移りもしない。何より姉さん…ライラを愛してる。だから遺言通り僕と結婚しよう」
だ・か・ら!
その遺言誤解なんだってば~~!!
また大事な部分を流すところだった。
さっきから結婚結婚言ってるけど…まさか本気? な、わけないよね?
一応聞いとくか…。
「えーっとアルフィ、一応聞くけど、結婚っていうのは勿論冗談──」
「勿論本気だけど?」
ほ、本気だったーーー!
そっかー、本気かー。
…でもなんで? 私達一応前世では姉と弟だよ?
なんで結婚なんて話になるんだか。
「姉さんが死に際『僕と結婚したい』って言ったんじゃん」
「…え?」
私の『なんで』が顔に出ていたのか、責めるような顔でアルフィが言ってくる。
言ったっけ? そんなこと。
…記憶にない。
「まさか、忘れたの?」
一つ、低くなったアルフィの声。
…いや、覚えてないこともない。うーん…。
「『来世は弟と結婚する』」
「あ、あー! 言ったかも!」
「…かも?」
「いや! 間違いなく言った! 言いました!」
うん、なんとなく思い出した。
でも厳密には『弟みたいに優しい人と結婚したい』って意味だったんだけど…。
まあ言っちゃったもんはしょうがない。
素直に認めよう。
「だよね。だから結婚しよう?」
だが! それとこれとは別だーーー!!
「アルフィ待って! 前世の私が言った通りにする必要なんてないからね!? アルフィだって好きな子いるだろうし…!」
「昔も今も愛しているのは姉さんだけだよ」
「そ、それは家族愛だよね!?」
「いいや? 異性として愛してる」
「で、でもこれから私以上に好きな子ができるかも…! ほら! 隣国のお姫様がとんでもない美少女だって噂聞いたことあるし!」
「それは僕の浮気を疑ってるの? 心外だなぁ…」
「そ、そういうわけじゃ…!」
「それに僕は外見なんて特に気にしないけど、ライラレベルを超える容姿なんてそうそういないと思うよ? まさか自覚なし?」
「じ、自覚はまあそこそこ…」
「なら良かった。ソレで自覚ないとか物語の中のアホヒロインくらいだもんね」
うん、言い過ぎな気がするけどその通りだね。
なんせ妖精にも愛されるビジュアルですから!
あれ、そういえばアルフィもすっごい綺麗なのに妖精が寄り付いてこないなぁ。逆に避けてる様子だったし。
なんでだろう?
綺麗すぎて近寄り難いとか?
確かにアルフィってば綺麗通り越して眩しいもんね…。
今度みんなに聞いてみよう。
なんて関係ないことを考えていたら、こっちを見ろとばかりにアルフィに顔を掴まれた。
「僕は浮気もしないし綺麗な人に目移りもしない。何より姉さん…ライラを愛してる。だから遺言通り僕と結婚しよう」
だ・か・ら!
その遺言誤解なんだってば~~!!
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