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Ⅱ.入学編
34.初めての友達
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“私のこと、好き?”
なんて馬鹿げた質問をしてから数日経った。もうあんな質問絶対しない。
私が怒りながら教室に戻ったせいか、その後焦ったように皆口を開こうしたが、二度とあんな恥ずかしい思いをしないために魔法で全員の口を封じてやった。
取り繕ったような好きなんて聞きたくないしね。よく男女の修羅場で同じような質問をする場合があると聞くけど、即答できなかった時点で即破局だろう。
まあ私の場合は誰とも恋愛関係にないので特に気にしていないけれど。
「ルリアーノ様、聞きました? 今日の魔法の授業は模擬戦ですって」
「模擬戦かぁ…」
運動着に着替えてぼけっとしていたら、肩をちょんと叩かれた。振り向くと、最近友達になったナタリー・ディアス侯爵令嬢が。常にザック達が引っ付いているせいで社交性が著しく低下していた私に、唯一喋りかけてくれた優しい子だ。身分のせいで敬語は崩してくれないけれど、結構ハッキリ言うタイプなので話しやすい。
ゲームの中では見た限りルリアーノに友達いなかったからなぁ…喋りかけてくれて嬉しいよほんと。
「2人1組になって制限時間まで各々の魔法を出し合うそうですよ」
「へぇ、面白そうね。ナタリー、もし良かったら一緒に……」
「うふふ、私なんか、魔法科目で2位だったルリアーノ様と試合したら悲惨なことになっちゃいますよ。それにアゼン・ラハード殿下やザック・アルランデ様が黙っていませんわ」
「そ、そんなこと……」
ないとは言い切れないけれど。残念だ、折角できた友達と一緒にやりたかったのに。ナタリーだって魔法の成績は悪くないのだから、そんなに謙遜する必要はないと思うけれど。
でも思ったことはハッキリ言う子だし、多分一緒にやりたくない気持ちは本当なんだろうなぁ…。悲しい。
「あ、噂をすればザック様が……他のご令嬢に話しかけられていますわ」
「え、どこ?」
ナタリーに指を刺された方を向くと、確かにそこにはザックと──お、あれはヒロインのミシェルじゃない! なるほど、アゼン様の次はザックというわけね。
アゼン様に拒否されたのが相当ショックだったのか、あれから特に接触してくる気配はなかったから心配していたのだ。立ち直ったようで良かったわ。
「良いんですの? 止めに入らなくて」
「え? 何故? 折角ミシェルが頑張っているのに──」
あ、でもそういえば悪役令嬢としては止めに入るべきよね。アゼン様の時みたいに“私の弟に近付かないで!”って言わないと…。
……うん、でもここからザックの場所まで軽く30メートルはある。ちょっと立ち上がって歩いていくには遠い距離だ。それに今はナタリーと一緒にいるし。友達>悪役令嬢キャラというわけで、今回は様子見としよう。
「……意外ですわ。てっきりルリアーノ様は嫉妬深い方だと」
「え?」
「だっていつも周りに殿方を侍らせているでしょう? 付き人は原則、別教室で待機なのに毎回側にいらっしゃるし……」
「いや、それはローレンスが勝手に……」
「けれど案外寛容なのですね。最初は近寄り難い雰囲気でしたけど、喋ってみたらちゃんと応えてくれますし」
おお…さすがハッキリ言うなぁ。やっぱりルリアーノの外見は近寄り難く見られちゃうのね。氷のような髪色に涼しげな目つきだもんなぁ。でもゲームの中のルリアーノもきっと喋りかけて欲しかったと思うよ? 私が今回違う令嬢に転生していたら絶対友達になっていた。
「思っていたより遥かに良い方で、仲良くなれて光栄ですわ」
「そ、それはありがとう…?」
面と向かって言われるのはなんだか照れ臭くて俯いてしまった。
──と、その時。
「あ! ザック様に動きがありましたわ!」
ナタリーの声にそちらを見れば、ザックが炎の鎖でミシェルを締め上げていた。
いや、え? うちの子ったら何してんの!?
なんて馬鹿げた質問をしてから数日経った。もうあんな質問絶対しない。
私が怒りながら教室に戻ったせいか、その後焦ったように皆口を開こうしたが、二度とあんな恥ずかしい思いをしないために魔法で全員の口を封じてやった。
取り繕ったような好きなんて聞きたくないしね。よく男女の修羅場で同じような質問をする場合があると聞くけど、即答できなかった時点で即破局だろう。
まあ私の場合は誰とも恋愛関係にないので特に気にしていないけれど。
「ルリアーノ様、聞きました? 今日の魔法の授業は模擬戦ですって」
「模擬戦かぁ…」
運動着に着替えてぼけっとしていたら、肩をちょんと叩かれた。振り向くと、最近友達になったナタリー・ディアス侯爵令嬢が。常にザック達が引っ付いているせいで社交性が著しく低下していた私に、唯一喋りかけてくれた優しい子だ。身分のせいで敬語は崩してくれないけれど、結構ハッキリ言うタイプなので話しやすい。
ゲームの中では見た限りルリアーノに友達いなかったからなぁ…喋りかけてくれて嬉しいよほんと。
「2人1組になって制限時間まで各々の魔法を出し合うそうですよ」
「へぇ、面白そうね。ナタリー、もし良かったら一緒に……」
「うふふ、私なんか、魔法科目で2位だったルリアーノ様と試合したら悲惨なことになっちゃいますよ。それにアゼン・ラハード殿下やザック・アルランデ様が黙っていませんわ」
「そ、そんなこと……」
ないとは言い切れないけれど。残念だ、折角できた友達と一緒にやりたかったのに。ナタリーだって魔法の成績は悪くないのだから、そんなに謙遜する必要はないと思うけれど。
でも思ったことはハッキリ言う子だし、多分一緒にやりたくない気持ちは本当なんだろうなぁ…。悲しい。
「あ、噂をすればザック様が……他のご令嬢に話しかけられていますわ」
「え、どこ?」
ナタリーに指を刺された方を向くと、確かにそこにはザックと──お、あれはヒロインのミシェルじゃない! なるほど、アゼン様の次はザックというわけね。
アゼン様に拒否されたのが相当ショックだったのか、あれから特に接触してくる気配はなかったから心配していたのだ。立ち直ったようで良かったわ。
「良いんですの? 止めに入らなくて」
「え? 何故? 折角ミシェルが頑張っているのに──」
あ、でもそういえば悪役令嬢としては止めに入るべきよね。アゼン様の時みたいに“私の弟に近付かないで!”って言わないと…。
……うん、でもここからザックの場所まで軽く30メートルはある。ちょっと立ち上がって歩いていくには遠い距離だ。それに今はナタリーと一緒にいるし。友達>悪役令嬢キャラというわけで、今回は様子見としよう。
「……意外ですわ。てっきりルリアーノ様は嫉妬深い方だと」
「え?」
「だっていつも周りに殿方を侍らせているでしょう? 付き人は原則、別教室で待機なのに毎回側にいらっしゃるし……」
「いや、それはローレンスが勝手に……」
「けれど案外寛容なのですね。最初は近寄り難い雰囲気でしたけど、喋ってみたらちゃんと応えてくれますし」
おお…さすがハッキリ言うなぁ。やっぱりルリアーノの外見は近寄り難く見られちゃうのね。氷のような髪色に涼しげな目つきだもんなぁ。でもゲームの中のルリアーノもきっと喋りかけて欲しかったと思うよ? 私が今回違う令嬢に転生していたら絶対友達になっていた。
「思っていたより遥かに良い方で、仲良くなれて光栄ですわ」
「そ、それはありがとう…?」
面と向かって言われるのはなんだか照れ臭くて俯いてしまった。
──と、その時。
「あ! ザック様に動きがありましたわ!」
ナタリーの声にそちらを見れば、ザックが炎の鎖でミシェルを締め上げていた。
いや、え? うちの子ったら何してんの!?
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