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14.美味しい料理
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「食事ができるまで身支度を整えましょう」とラピに言われ、自分がボロボロなことに気付いた。
暫くお風呂も入っていなかっただろうし着替えもしていなかったからね。
さすが侯爵の部屋と言うべきか、バスタブはゆったりしていて最高だった。ラピが丹念に磨いてくれて身も心もすっきり。
そしてお風呂から上がると、憑依してから初めて鏡の前に立った。
「侯爵様! 相変わらずお美しいです!」
ラピの言う通り、プレイシアは文句のつけようのない美人だった。
とてもじゃないが豚と猪から生まれたとは思えない。
艶やかな黄金色の髪に、ルビーのように輝く瞳。
スタイルも抜群で肌も白い。
さすがゲームの登場キャラだ。両親がアレでも外見補正はちゃんとあるらしい。
ゲームでプレイシアの外見は知っていたけど、こうして生で見ると感心するな。
前世は黒髪黒眼だったので新鮮だ。
容姿はピカイチなのに、性格が終わっているせいでバッドエンドにしかならないなんて世知辛いものだ。
私はゲームのプレイシアとは違って馬鹿みたいな行動はしないが、良い子ちゃんになるつもりもない。
この身に降りかかる困難を薙ぎ倒して欲しい物は手に入れる。
人生を楽しむ為なら全力で何でもする所存だ。
ラピが着せてくれたのは青いドレス。綺麗な色だけど、無駄にギラギラしていて着心地が悪い。
明日にでも街へ行ってドレスを買わなきゃだな。
ついでに領地を見て回ろう。
両親はろくに領地の管理をしていなかっただろうから、ところどころ腐敗していると思う。
そんなところを歩けば命の危険に晒されるかもしれない…。
なんてね。
早速スリルある体験ができそうで今から楽しみだ。
「侯爵様…! お口に合いますでしょうか…?」
着替え終わった直後にミーグルが訪れて、食卓まで案内された。
するとテーブルの上に所狭しと豪華な料理が並べられていて、その前には緊張した面持ちの料理長と思わしき人物が立っていた。
確か名前はコーディだったかしら。
「ええ、美味しいわ。あなたの料理がまた食べれて良かった」
ステーキを一口食べ、ゆっくり味わった後笑みを零す。
するとコーディは見る見るうちに喜色満面になった。
「…ありがとうございます! ありがとうございます…! 侯爵様のおかげでまた大好きな料理を振る舞うことができました! 俺には小さい息子がいるので、侯爵家の闇を知った後も言われるがままで…侯爵様が救ってくれなければ家族諸共ただでは済まなかったでしょう…」
満面の笑みから一変、ぐすぐすと男泣きし始めたコーディ。
ミーグルのように犯罪に加担した背景があったわけね。私は美味しい料理が毎日食べれれば本人の性格なんてどうでもいいのだけど、性格が悪いよりは良い方が日々安心して食事できる。
ミーグルは涙を拭っているコーディに同情するよう深く頷いており、ラピは不思議そうに首を傾げていた。
…ラピ、やっぱり何も知らないのね。あんだけ大騒ぎしていたのになんとも幸せな奴だ。
暫くお風呂も入っていなかっただろうし着替えもしていなかったからね。
さすが侯爵の部屋と言うべきか、バスタブはゆったりしていて最高だった。ラピが丹念に磨いてくれて身も心もすっきり。
そしてお風呂から上がると、憑依してから初めて鏡の前に立った。
「侯爵様! 相変わらずお美しいです!」
ラピの言う通り、プレイシアは文句のつけようのない美人だった。
とてもじゃないが豚と猪から生まれたとは思えない。
艶やかな黄金色の髪に、ルビーのように輝く瞳。
スタイルも抜群で肌も白い。
さすがゲームの登場キャラだ。両親がアレでも外見補正はちゃんとあるらしい。
ゲームでプレイシアの外見は知っていたけど、こうして生で見ると感心するな。
前世は黒髪黒眼だったので新鮮だ。
容姿はピカイチなのに、性格が終わっているせいでバッドエンドにしかならないなんて世知辛いものだ。
私はゲームのプレイシアとは違って馬鹿みたいな行動はしないが、良い子ちゃんになるつもりもない。
この身に降りかかる困難を薙ぎ倒して欲しい物は手に入れる。
人生を楽しむ為なら全力で何でもする所存だ。
ラピが着せてくれたのは青いドレス。綺麗な色だけど、無駄にギラギラしていて着心地が悪い。
明日にでも街へ行ってドレスを買わなきゃだな。
ついでに領地を見て回ろう。
両親はろくに領地の管理をしていなかっただろうから、ところどころ腐敗していると思う。
そんなところを歩けば命の危険に晒されるかもしれない…。
なんてね。
早速スリルある体験ができそうで今から楽しみだ。
「侯爵様…! お口に合いますでしょうか…?」
着替え終わった直後にミーグルが訪れて、食卓まで案内された。
するとテーブルの上に所狭しと豪華な料理が並べられていて、その前には緊張した面持ちの料理長と思わしき人物が立っていた。
確か名前はコーディだったかしら。
「ええ、美味しいわ。あなたの料理がまた食べれて良かった」
ステーキを一口食べ、ゆっくり味わった後笑みを零す。
するとコーディは見る見るうちに喜色満面になった。
「…ありがとうございます! ありがとうございます…! 侯爵様のおかげでまた大好きな料理を振る舞うことができました! 俺には小さい息子がいるので、侯爵家の闇を知った後も言われるがままで…侯爵様が救ってくれなければ家族諸共ただでは済まなかったでしょう…」
満面の笑みから一変、ぐすぐすと男泣きし始めたコーディ。
ミーグルのように犯罪に加担した背景があったわけね。私は美味しい料理が毎日食べれれば本人の性格なんてどうでもいいのだけど、性格が悪いよりは良い方が日々安心して食事できる。
ミーグルは涙を拭っているコーディに同情するよう深く頷いており、ラピは不思議そうに首を傾げていた。
…ラピ、やっぱり何も知らないのね。あんだけ大騒ぎしていたのになんとも幸せな奴だ。
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