鬼とか神とか鬼神とか、もうチートすぎるんですけど!おかげで今日も僕等は破茶滅茶です!!

水瀬 こゆき

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初めまして編

自己紹介タイムですね。

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 「てなわけでユラハ。この者たちがさっき話していた異世界人の6人だ。儂はそろそろ執務に戻るから、頑張って纏め役を頼むぞー。ではな。」

 目の前には6人の知らない異世界人たち。
ルンルンで去っていく陛下おっさん
取り残される俺。

 まって。助けて。置いてかないで。

 俺の心の叫びは、誰にも届くことは無かった。

 ◇  ◆  ◇

 その後、場所を改めようということになり、場所を移し今は7人で白いテーブルを囲み、座っている。
気まずい。
何だここ。お見合いか?お見合い会場なのか?
そんな空気の中、口火を切ったのは俺の横に座った女の子だった。
 「えーっと、取り敢えず自己紹介とか、しとかない?ちらっとしか聞いてないけど私達、これから職場仲間になるんだよね?だったら尚更ってね。」
 「そう、だね。うん、じゃあ俺から…」
その女の子の言っていることは正論だったので、それに従うことにして俺は席を立った。

 「ユラハ・ルミエールです。18歳。で、ルミエール公爵家の当主だよ。好きなのは適度な運動。嫌いなのは…かな。皆んなも聞いたかもしれないけど、皆んなを召喚したのはさっきのあのおっさんなんだ。一応、僕の叔父でもある。あのおっさんのせいで急にこんなことになって、本当にごめんなさい!これからよろしく。」

 そうして、頭を下げると何人かに困った顔をされた。
何でだ?と疑問に思っているとさっきの女の子が教えてくれた。


「えっと、ね。私達、ここに召喚された時に元々いた世界での記憶を殆ど全部消されちゃったみたいなんだよね。まぁ既に記憶を取り戻した人も中に入るみたいなんだけど、記憶がないこっちからするとね、ユラハくん、だっけ?君にそうやって頭を下げられると帰って申し訳ないんだ。ごめんね?」
 それに、別にユラハくんのせいじゃないじゃない、とにっこり笑った女の子は、とても美人だ。
彼女はそこまで言うと満足したのか、俺に変わって席を立った。
 
 「次は私の番かな?私は結城 春、16だよ。好きなのは…悪戯かな?で、暗算が得意。嫌いなのは理不尽なもの。記憶は殆どないかな。まあ、多少曖昧には覚えてるけどね。てなわけで、宜しくー。」

 そう言って再び座ったその女の子、春はこの世界では珍しい、波打つ銀髪をツインテールにしていた。
薄い青色の瞳は吸い込まれそうで綺麗だ。
にっこり笑顔は先程から殆ど崩れない。
少しおどけた感じの口調が特徴的だ。
うん、上手くやっていけそうな子だな。

 「次あたしな。あたしは春の双子の姉で、結城 雪。
記憶はなし。でも、春に何かしようもんなら容赦しないから覚悟すること。好きなのは春。得意なのは運動。嫌いなのは勉強。これからよろしく。」

 雪と名乗ったその女の子は、双子なだけあって春とそっくりだ。
ただし、銀髪はストレート。瞳は赤。
口調も淡白、と違いは分かりやすい。
彼女も中々上手くやっていけそうな感じがする。
シスコンっぽいけど…。

 「次オレか?あ、オレは間宮 呉人ってんだ。よろしくな!因みに16歳だ。記憶は殆どないけど、そこの春と雪の幼馴染だったってことは記憶にあるな。好きなのは運動。嫌いなのは勉強。苦手なのも勉強。よろしくな!」

 呉人の見た目は結構派手だ。
赤のメッシュの入った薄茶の髪に、黄緑の目。
髪は天然パーマなのか、すこし癖がついている。
そして、中々の美少年だ。羨ましい!
それにしても、このグループは運動が好きな人が多い。あと、勉強はしてほしい。
宰相だもの。

 「…俺か。俺は、音無 霧夜。18歳だ。記憶は…まぁ、だいたい思い出した。春、雪、呉人、あとそこの男とは幼馴染だった。好きなのは…着物。嫌いなのは敵。運動も勉強もそこそこ得意だ。…よろしく。」

 ぶっきらぼうにそう言った彼は黒髪に金の鋭い双眸をしていて射抜かれそうだ。
無表情がすこしこわかったが、悪い人ではなさそうだ。
それに記憶があるらしい。
そこの男、と言われた人は俺の横に座っている人だ。
まだ紹介されていないから名前は分からない。
うん、いい感じだ。
と言うか、彼の服装は何だろうか。見たことがない。
それに、着物…?あとで聞いてみよう。

 「はいはーい!次うちな、うち!うちは高岡 真由里!二次元は尊い、がモットーの19歳や。んで好きなもの?は、二次元!嫌いなもんは三次元!!得意なんは…暗記やな。あ、うちニートやから運動とか期待せんとって。しくよろー!あ、記憶はビビっと蘇った。」

 勢いよくそう言った彼女は19歳なのかと疑うほど小柄な可愛い女の子?だ。
顔の両サイドで真っ直ぐに切り揃えられた髪は、姫カットと言っただろうか。
とても似合っている。
黒髪はストレートで腰下まで伸びており、瞳は赤。
口調は何だか訛っていたが、何とか聞き取れた。
まあ、上手くやっていけるだろう。

 「えーっと、ボクは霧岡 湊!ボクも記憶はあるよー。春ちゃん、雪ちゃん、呉人くん、霧夜くん、とは友達だったよー。得意なのは情報集め。好きなのは人間観察。苦手なのは…何だろうねぇ。まあ、これからよろしくってことで!」

 ニコニコと愛想の良い笑みを浮かべる湊は何だか単純な性格ではなさそうだ。
でも、見た目は平凡だ。
濃い茶の髪に黒の瞳はこの世界ではお馴染みのカラーだ。
ま、この人も多分上手くやっていけるよね。

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