上 下
403 / 589
12章

状況確認

しおりを挟む
「第二王女って言うと、坊の妹との賭けに負けたって言う、あれかい?」
「ああ。それだ」
「親に捨てられたと思っての腹いせ、ってことかい。あるいは、望郷の念が昂って、かねえ」

 婆さんの言葉に俺が頷くと、婆さんはそう呟いてからゆっくりと首を振った。
 直接的な関わりは無いはずだが、それでもあの王女様に何か思うものがあるのかもしれない。

「そのスキル……天職とはなんでしょう?」
「『扇動者』。対集団用の洗脳系スキルだな。なんでも、一人一人に対する効果は弱いけど、集団を動かすことができるらしい」

 婆さんとは違いエドワルドは姉王女の事情なんてどうでもいいようで、天職について問いかけてきたので俺の知ったことを答えた。

「ただ、問題が一つ。どうやらその王女様、第十位階になったらしい」

 そう。あの姉王女様、どう言うわけか第十位階になったらしいのだ。普通なら何十年とスキルを使い続けてようやく辿り着けるような境地だってのに、明らかにおかしい。
 まあ、そのスキルを使うペース次第では何十年って時間は短縮できる。実際、俺だって数年でできたからな。
 でもそれは、どれほど頑張っても、数年はかかるということだ。
 にもかかわらず、あの姉王女が第十位階というのは、正直訳がわからない。

 妹に負けて追い出された怒りや悔しさから死に物狂いで鍛えたとしても、全然時間が足りないはずだ。

「第十位階? ……前は違ったんだろう?」
「ああ。どうしてそうなったのかまでは俺が聞いた限りでは口にしてなかったけど、自分は第十位階なんだと自慢してた」

 しかし、理由はわからないが、実際に「私は第十位階になった」と周りに言いふらしているんだからまず間違いないだろう。

「それが嘘の可能性は?」
「あるかもしれないけど、それだと何十万も操れる理由がわからなくなるだろ」

 親父が言ったように、ただ言いふらしているだけで実際にはもっと位階が低い可能性は俺も考えた。でも、結局はそれは無理だろうという結論になるのだ。確かに、第十位階でもなければこんな状況は作れないのだから。

「第七程度を複数集めて……いえ、それも現実的ではありませんね。数万規模の集団を動かせる者を何十人と集めるのは難しいでしょう」

 エドワルドは一瞬第十位階がいなくてもできそうな案を出したが、世間的には第七位階だって十分に高位の存在だ。そんなやつを何十人と用意できるわけがないのだと自分の言葉を自分で否定した。

「それで? 具体的な戦力はどれくらいなんだい? 坊ならそれもわかってんだろ?」

 第十位階の真偽については一旦置いておくことにしたのか、婆さんは別のことを尋ねてきた。

「まあ一応。ただ、今の状況ってなると……フローラ」

 一旦言葉を止めてから俺はフローラの名前を呼び、フローラはそんな俺の呼びかけに応えるように、すうっとどこからともなく姿を現した。

 フローラ——ある意味で俺の娘のような存在であるこの子は、普段は依代としてトレントでできた人形を使っているが、今回は呼びかけに応えて急いで来てくれたようで、その体を捨てて精霊としての本来の姿で駆けつけてくれたらしい。
『本来の』と言っても正確にいうならこの子の本来の姿は聖樹としての姿なので、この精霊としての姿は借り物といえば借り物なのだが、まあそれは今は放っておこう。

「なぁに~?」

 現れるなり俺をみて笑いかけ、抱きついてくるフローラ。いつもならこうしてくるのは構ってほしいって合図だから遊んでやるんだが、今は状況が状況だ。悪いが一仕事してもらわないと。

 ちなみに、リリアもフローラと同じように構って欲しい時は抱きついてきたり俺の腕を引っ張ったりするが、その時は容赦なくはっ倒してから全身に水をかけてびしょ濡れにしておしまいだ。だってあいつは俺の子でもなんでもないし。たまにならいいが、いつも対応していると疲れるんだよな。

「前に国境方面でのことを聞いたけど、それをまた教えて欲しいんだ。今はどうなってる? どのくらいの数がいるとかわかるか?」
「ん~、ちょっと待ってね~」

 俺も植物たちから話を聞いたりすることはできるが、距離が開くと伝言ゲームのようにちょっと間に挟まないといけなくなるので、正確に伝わるかは微妙だ。
 だがその点フローラなら聖樹として世界中の植物に話をつなげることができるので、フローラに頼んだほうが正確だ。

「あっ!」
「なんかわかったか?」
「うん! えっとね……」

 そうしてフローラに頼んでからしばらく待っていると、ついにフローラは閉じていた目を勢いよく見開き、俺の言葉に頷きながら答えた。

 だが、どう説明すればいいのかわからないのか、迷った様子を見せている。

「ソフィア、地図をくれ」
「どうぞ」

 地図があれば指で示しながら話してもらえるだろうと考え、ソフィアから地図を受け取った。

 今までその手には何も持っていなかったはずなのに、俺が頼んだ直後に地図を用意できたのは、ソフィアが『従者』の位階が第六にまで上がっていたからだ。

『従者』の第六位階で覚えるのスキルは《収納》。ここではないどこぞの異空間にものを保管して持ち運ぶことのできる超有能便利スキルだ。ただし、なんでもというわけにはいかず、まず生物は不可で、一定以下の大きさのものでないとだめだそうだ。
 それから、従者として必要なものだけを保管できる、とのことだ。その〝必要なもの〟の基準は、本人の認識によるとのことなので、どこまでを〝必要なもの〟として認識できるのかが従者としての優秀さに繋がる。……らしい。

 まあそんなわけでソフィアは第六位階の従者となったわけだが……俺が言うのもなんだが、ソフィアの歳で第六ってのはなかなかに化け物だと思う。俺の真似して限界までスキルを使って鍛えたんだからそうなるのも理解できるけど。
 もっとも、ソフィアの場合は俺とは違って気絶するまでではなく、翌日に差し障りがあるから気絶間近までではあるが、それでも結構やばいと思う。あんなのを気絶しないギリギリとはいえ毎日こなすなんて、常識からはだいぶ逸脱してる気がする。これも俺が言うことではないと思うけど。

「ああ、ありがとう。——で、フローラ。これで説明できるか?」
「うん! えっと、今はこの辺りにいっぱいいるみたい。それで~、こっちにこう進んでる~」

 広げられた地図の上に指を這わせながら、なぜかはわからないがどこか楽しげな様子で今の状況について説明してくれた。
 その敵の様子は、昨日聞いた時よりも進んでいた。まだカラカスの領土内には入っていないが、それでも明らかにこっちへと進んでいる。

「いっぱいって、具体的にはどのくらいの数かわかるか?」
「う~ん、いっぱい居すぎてよくわかんないけどぉ~……一万よりもっとおっきくって、それよりももっとおっきいくらいかな~?」
「そうなると……一万より大きいってのが、まあ仮に五倍として五万。それがさらに五倍で二十五万くらいか?」

 やっぱり言葉だけじゃよくわからないな。直接光景を送ってもらった方がいいだろうか?
 でも、俺もそれだけの大軍になると見ただけじゃどれくらいの数がいるとかわからないんだよなぁ。
 そもそも、フローラの知識って基本的に俺と同じようなもんだし、フローラがわからなければ俺もわからない場合が多い。俺が敵の様子を見たとしても、多分フローラみたいに何人の塊が何個ぶん、とかそんな感じで判断するしかないと思う。

「であれば、前情報と同じ程度の数ですね。もっと多くなっているかもしれないと思いましたが、もしかしたら道中で立ち寄った場所を占領するために置いてきたのかもしれませんね」

 元々の数が二十数万くらいで、道中で洗脳しながら数を増やして進んでるって話だったし、なんだったら総数は三十万を超えてもおかしくないと思ってたんだが、確かに支配して乗っ取るつもりなら、全員を連れてくるわけにはいかないか。

「でも、二十五万……まあエド坊の言った『予備』がいたとして、全部で三十万くらいかそこいらだろう? 今の状況でそんなに多くの兵……いや、人を連れてきて、何を考えてるのかねえ。よしんば本当にザヴィートを奪い取ることができたとしても、南は魔王の被害があるだろうに。放置しておけば死んじまうってのに、何を考えてそんなに大量の人材を持ってきたんだろうねえ」

 婆さんの言葉は、確かにな、って感じがする。
 ザヴィート国内の者達は、洗脳して志願兵として連れてきている者達もいるが、その地にいた全員をってわけじゃない。その街や村を支配するために、洗脳してもある程度はそのまま置いてきて普通の暮らしをさせている。

 だが、最初から引き連れていた奴らはそうじゃない。南の連合は根こそぎ戦力を持ってきた、って感じがする規模だ。今は魔王の被害からの復興に人手が必要だろうに、それだけの数を持ってくるとか正気を疑う。

「単純に、乗り換えるつもりなのでは?」

 だが、そんな俺たちの疑問に対して、エドワルドはなんでもないかのように答えた。

「どういうことだ?」
「南の連合全てを乗っ取ることができたとしても、王国の方が国土の面や政治的な立ち位置で言えば上です。どちらがより欲しいのかと言われれば王国でしょうし、乗り換えようと思っても不思議では無いでしょう。まあ、私は南の連合全てがもらえるのであればそちらを選びますが。そちらの方が金になりそうですし」

 まああっちは海があるし、金になるってのは理解できるが、それはエドワルドの好みなので置いておこう。

 それよりも、エドワルドの言っていることは、今まで使っていた家よりも良い家が手に入るからそっちを使うことにした、ってことだろ? それならば理解できるが、疑問も出てくる。

「あんたの好みはどうでもいいよ。でも、確かにどちらが上なのか、って言えばそうかもしれないけど、だからって捨てることはないんじゃ無いか? まずは南を手に入れた。その後数年、数十年かけて王国も手に入れる。あるいは自身の子、孫を使って支配させれば、どっちも手に入るだろ?」

 王国を手に入れたい、なんて願いだったら、一旦南を一つの国としてまとめ上げてしまえばいい。それができるだけの力があるんだから、難しいことではないだろう。
 そうしてまとめて時間をかけて国を安定させ、国力を上げさせる。それから自分の子供をザヴィートに嫁がせればいいし、なんだったらその時に戦争をすれば良い。そうすれば、南もザヴィートも、両方とも手に入れることができる。少なくとも、今無理やり進軍するよりは良いはずだ。

 だが、エドワルドはそんな俺の言葉に首を振った。

「わかってませんね。エルフのように寿命が長い方……ほぼ寿命が存在しないような方であれば、それでもいいでしょう。所詮は束の間の出来事でしょうから。ですが、普通の人間は違います。自分の子や孫が手に入れたところで、そんなものに価値はありません。自分が生きている間に、自分の手で自分のものにしたいのです。金と同じですよ。いくら稼いだところで、自分が死んでしまえばなんの意味もない。私は私が今を楽しく過ごすために金を稼いでいるのであって、別の誰かのためになんて考えたことはありません。今の私の気持ちが全てなのです。それと同じようなものだと考えれば、理解してもらえるでしょうか?」
「……なるほどね。確かに、そうだな。エルフと付き合いがあるせいで、考え方もズレてたみたいだ」

 自分が幸せでないのなら、全ての出来事に意味はない、か。その考えは、理解できるな。俺だって、俺が幸せでないのなら、楽しいと思えないのなら、どんな素晴らしいことでも無価値に思えるし、自分の幸せのために今まで動いてきたんだから。

 子や孫が栄華を極めようと、それは自分の幸せではない。なら、意味がない。だから自分が楽しめるように強引でも奪いに行くと決めたわけだ。

「仮にその追い出された王女が王国に固執しているのであれば、尚更でしょう。他の全てを捨ててでも本来の自分のものを取り戻す。そして復讐をする。やることの規模は違えど、そんな人間は、今まで飽きるほど見てきました。それはあなた方もでしょう?」
「ま、そうだな。そんなやつはこの街に大勢いるし、いたな」

 エドワルドが親父と婆さんのことを見ると、親父はエドワルドの言葉に同意するようにそう口にした。
 確かに、ここはそんな捨てられた奴ら、裏切られた奴らが集まる場所だったな。
しおりを挟む
感想 517

あなたにおすすめの小説

日本帝国陸海軍 混成異世界根拠地隊

北鴨梨
ファンタジー
太平洋戦争も終盤に近付いた1944(昭和19)年末、日本海軍が特攻作戦のため終結させた南方の小規模な空母機動部隊、北方の輸送兼対潜掃討部隊、小笠原増援輸送部隊が突如として消失し、異世界へ転移した。米軍相手には苦戦続きの彼らが、航空戦力と火力、機動力を生かして他を圧倒し、図らずも異世界最強の軍隊となってしまい、その情勢に大きく関わって引っ掻き回すことになる。

異世界帰りの底辺配信者のオッサンが、超人気配信者の美女達を助けたら、セレブ美女たちから大国の諜報機関まであらゆる人々から追われることになる話

kaizi
ファンタジー
※しばらくは毎日(17時)更新します。 ※この小説はカクヨム様、小説家になろう様にも掲載しております。 ※カクヨム週間総合ランキング2位、ジャンル別週間ランキング1位獲得 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 異世界帰りのオッサン冒険者。 二見敬三。 彼は異世界で英雄とまで言われた男であるが、数ヶ月前に現実世界に帰還した。 彼が異世界に行っている間に現実世界にも世界中にダンジョンが出現していた。 彼は、現実世界で生きていくために、ダンジョン配信をはじめるも、その配信は見た目が冴えないオッサンということもあり、全くバズらない。 そんなある日、超人気配信者のS級冒険者パーティを助けたことから、彼の生活は一変する。 S級冒険者の美女たちから迫られて、さらには大国の諜報機関まで彼の存在を危険視する始末……。 オッサンが無自覚に世界中を大騒ぎさせる!?

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!

仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。 しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。 そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。 一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった! これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる

十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。

sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。 目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。 「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」 これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。 なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

処理中です...