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八章
故郷に帰ってきた!
しおりを挟む 一年経っていないとても短い間ではあったが、母親に会う旅を終えて俺は故郷であるカラカスに戻ってきていた。
この街に戻ってきてからすでに一週間が経過したが、やっぱり落ち着くな。
普通ならこんな街で落ち着くようなもんじゃないんだけど、ここで育ってきた俺にとっては「ぎゃー!」……こんなふうに窓の外から聞こえてくる悲鳴も懐かしく思えてしまう。多分どこかでスリか盗みをしたやつが殺されたか、どっかの馬鹿どもが刃物を使った喧嘩をしてやられたかのどっちかだろう。
今まで旅の途中で立ち寄ったどの場所よりも治安が悪く、騒がしく空気が悪いが、もうすでにこんな環境に慣れてしまっているので、帰ってきた時にそれなりに安心した。
もうすでに親父や他の仲間達には挨拶をしたし、道中で買ったお土産も渡した。ついでに親父には母さんから手紙の束を渡しておいた。
それでひとまずはやることは終わりだ。まだまだこれからやることはいろいろあるけど、俺もソフィアも今はもうしばらくゆっくりしていてもいいだろう。
なお、リリアは森に戻って勝手に抜け出して行ったことで母親の怒りを買い、森へと連れていかれた。連れていかれたってか、元々あっちがあいつの家なんだけどさ。
その際の出来事を簡単に話そう。
「んっん~~~! ようやく帰ってきたわ!」
馬車から降りたリリアは体をほぐすように両手を上にあげて伸びをし、その後に続くように俺とソフィアが降りた。
リリアではないけど、本当に「ようやく」って感じがするな。
だが、リリアの場合は本来なら俺の旅にはマジで余分だったと思う。活躍したし、恩はあるんだが、最初の予定にはこいつはついてこなかったはずだ。実際、後から俺たちのところに来て合流した。
その合流も奴隷として捕まってた状態での再会というなんともカッコつかない感じだったけど。
「ようやく、なんていうくらいなら最初から来なきゃ良かったんじゃねえのか?」
「何言ってんのよ。わたしだけ置いてけぼりとか嫌に決まってんでしょ!」
くるりとこちらを向いてビシッと指を刺してくるリリア。
でもお前を連れて行ったら面倒ごと起こしそうじゃん。
連れていかなくても面倒ごとを起こしたんだから、最初から連れて行っても変わらなかったような気もするけど。
リリアの行動について思い返し、なんか文句を言ってやりたくなったが、どうせ何か言ったところで三日もしれば忘れるだろうし意味はないだろう。
それを理解しているからこそ俺は何もいうことなくただため息を吐き出すが、そこでリリアの向こう側からこちらに向かって来ている人物に気がついた。
「……そうかよ。まあもう終わったことだしどうでもいいけど。それよりも、お前このあとはどうするんだ? 里の方に戻るのか?」
「え? ……ま、まだ戻らなくってもいいかなーって思ったりするんだけど……どう?」
どうやら、こいつはまだ自分の本来の故郷であるはずの里には戻りたくはないようだ。
しかし……
「ダメに決まってるでしょ?」
「そんなこと言わずにさ~。今帰ったらママが起こりそうなのよね。黙って出てきちゃったし」
「怒られるって理解はあるみたいね」
「そりゃあまあね。前にもそれで怒られたんだもん」
「なら、今回も怒られても仕方ないわよね?」
「だからそれが嫌だからまだ帰らないって——あれ?」
俺ではなく背後にいる人物からかけられた声と会話をしていたリリアだが、普通ならすぐに気づきそうなものなのにこれだけ会話してようやく俺が話していないことに気がついたようだ。
「……ママ?」
「お帰りなさい」
リリアが自身の背後へと振り返ると、そこには暗い笑顔をしたレーレーネ——あの森に暮らすエルフ達のまとめ役、自称女王であるリリアの母がいた。
俺は向こうを出発する前に親父にもうすぐ帰るって手紙を出してたからな。おそらく俺たちが帰ってくることを知った親父はレーレーネにそのことを伝え、レーレーネはリリアの帰りをこっちで待っていたんだろうと思う。勝手に里を抜け出して旅に出て行った娘を捕まえるために。
リリアは自身の母親の姿を認めるとこっちに助けを求めるような視線を向けてきたが、スッと顔を逸らして無視することにした。
それをみたリリアは絶望したっ、とばかりに目を見開いて驚愕を顔に浮かべたが、黙って出て行ったのは擁護できないし怒られとけ。
だが、リリアは何を思ったのか突然ダッシュし始めた。
多分逃げ切れば怒られないで済むとでも思ったんだろうが、ここは素直に怒られとけよ。
逃げるリリアが踏み出した足の下に直径二十センチ程度の天地返しを発動すると……
「んべっ!?」
リリアは綺麗に脚を取られて転んだ。そして背後から追いかけていたレーレーネに捕まって、どこから取り出したのか縄でぐるぐる巻にされた。
「は、離してえ~~~!」
「いーやー! 絶対に離さないんだからあ~~~! どれだけ探したと思ってるのよお~~~!」
「親子喧嘩っていうか姉妹喧嘩の方が近いな」
縛られてもなおも暴れるリリアと、それを抱きついて抑えるレーレーネ。それは親子というよりも少し歳の離れた姉妹のように見える。
そんな俺の声が聞こえたのか、レーレーネはハッとした様子を見せるとリリアを縛った縄を持ちながら立ち上がり、こちらを向いた。
「んんっ! ——今回は娘が失礼しました。本日はこれにて失礼させていただきますね。娘を保護していただいた件につきましては、また後日御礼に参りたいと思います」
「え、あ、ああはい。大変だとは思いますが、女王陛下もお体にお気をつけください」
「はいっ! ありがとうございますっ!」
レーレーネはやっぱり今でも仲間達からは女王扱いされていないのか、俺が丁寧に礼をすると嬉しそうに喜んだ。
そしてリリアを引きずってるんるん気分で帰って——あ、転んだ。……親子だなぁ~。
——以上、当時の状況の再現でした、と。
まああいつのことだ。そのうちいつものようにこっちに来てお菓子でも食べるだろうから気にする必要もないだろう。
「——さて、そろそろお前もまともに育ててやらないとだな」
そう言って取り出したのは以前旅立つ前にエルフ達の里にある聖樹からもらった聖樹の種だ。
植えるつもりでもらったんだが、すっかり忘れてた。
いや俺だって悪気があったわけじゃないんだ。忘れてたのは確かだが、一応言い訳をさせて欲しい。
あの時種をもらった後は、中央区の奴らとゴタゴタがあってそれどころじゃなかったんだ。ベルとカイルが怪我をして倒れてたし、その後悔と仕返しのことで頭いっぱいだったし、その後は流れで旅に出ることになったしで、忘れたくて忘れていたわけではないのだ。
だが、旅の目的である母との再会を果たして今はこうしてカラカスに戻ってきたわけだし、もうしばらくはここを離れる予定がないわけだから種を植えて聖樹を育て始めるにはちょうどいい感じのタイミングだろ。
——お前だって、そろそろまともに育ちたいよな。
手の中にある聖樹の種に視線を落とすと、なんだか反応したような気がした。
「しっかし……んー。あそこまででかくなると、街中に植えるのはまずいよな。そうなると街の外か」
前に見た聖樹はかなりデカかった。大木という言葉程度じゃ表せないほどの大きさで、普通に街の中に植えたのなら周りの家を破壊することになるだろう。
そうでなくても聖樹なんて貴重なものを街の中——言ってしまえば誰でも触ることのできる場所においておくことはできない。
聖樹はその全てが高価な素材になるため、こんなところに植えていたら坊主になるまでむしり取られる可能性があるし、最悪の場合は枯れることになる。それは認められない。
そうなると、聖樹を育てるのは街の中ではなく、それ専用の場所を街の外に作るべきだろう。
一つの植物のために専用の拠点をを作るなんて規模が大きな話だが、拠点そのものについては前から考えてたんだし、ちょうどいいと言えばちょうどいい。
俺は母とは再会したが一緒に暮らせるようになったわけじゃない。だが、それでもいずれは……長くても数年以内には一緒に暮らせるようになりたいと思っている。俺が向こうに行くにしても母をこっちに呼ぶにしても、どっちにしてもそのためには俺の実父である国王が邪魔だ。
どうにかするのは確定だが、そのどうにかするにしても俺一人じゃ色々と問題がある。
なので、ここらで俺が使うようの拠点を作ろうかな、とここに戻ってくる前から思っていたのだ。
カラカスがあるじゃないか、と思うかもしれないが、ここはあくまでも親父の拠点だ。俺は底を間借りしてるに過ぎない。
喩えるなら、そうだな……俺はこれからテロを起こそうとしている。そしてそのために武器や道具の準備をし、計画を練ろうと思っている。これからテロを起こすってのに、アパートで武装を整えたりする奴がいるか? ……いるかもしれない。自分で言っておいてなんだが、多分そういうやつは普通にいるだろう。
いやでも、一軒家の方が準備をするには安全だし便利なはずだ。多分。少なくとも俺はそう思う。
そんなわけで、親父の拠点を借りるんじゃなくて本当の意味で自分の拠点が欲しいと思ったわけだ。このカラカスの街以外の場所に。
だが、カラカス以外にと言っても、あまり離れすぎるとそれはそれで問題があるだろうし面倒なので、カラカスの衛生都市みたいな感じのものを作るのがいいんじゃないだろうかと考えている。
で、ちょうどいいのでそこについでに聖樹を育てようかなってな。聖樹のついでに街を作るのか、街のついでに聖樹を作るのか。どっちが優先なのかは微妙なところだが、まあそんなのはどうでもいいだろう。
「せっかくいろんなところに行って種を買ったことだし、花畑とか庭でも作ってみるか?」
どんな特殊な条件じゃないと育たない植物であっても、俺が管理していれば枯れることはないし、何か異変があればすぐにその問題を植物自身から教えてもらうことができる。
なので、なんかいい感じのものが育てられないかな~、と旅の途中で見たことのない種を買い集めていたんだが、せっかくだしその中で聖樹の周りに植えられそうなものを植えてみよう。
この街に戻ってきてからすでに一週間が経過したが、やっぱり落ち着くな。
普通ならこんな街で落ち着くようなもんじゃないんだけど、ここで育ってきた俺にとっては「ぎゃー!」……こんなふうに窓の外から聞こえてくる悲鳴も懐かしく思えてしまう。多分どこかでスリか盗みをしたやつが殺されたか、どっかの馬鹿どもが刃物を使った喧嘩をしてやられたかのどっちかだろう。
今まで旅の途中で立ち寄ったどの場所よりも治安が悪く、騒がしく空気が悪いが、もうすでにこんな環境に慣れてしまっているので、帰ってきた時にそれなりに安心した。
もうすでに親父や他の仲間達には挨拶をしたし、道中で買ったお土産も渡した。ついでに親父には母さんから手紙の束を渡しておいた。
それでひとまずはやることは終わりだ。まだまだこれからやることはいろいろあるけど、俺もソフィアも今はもうしばらくゆっくりしていてもいいだろう。
なお、リリアは森に戻って勝手に抜け出して行ったことで母親の怒りを買い、森へと連れていかれた。連れていかれたってか、元々あっちがあいつの家なんだけどさ。
その際の出来事を簡単に話そう。
「んっん~~~! ようやく帰ってきたわ!」
馬車から降りたリリアは体をほぐすように両手を上にあげて伸びをし、その後に続くように俺とソフィアが降りた。
リリアではないけど、本当に「ようやく」って感じがするな。
だが、リリアの場合は本来なら俺の旅にはマジで余分だったと思う。活躍したし、恩はあるんだが、最初の予定にはこいつはついてこなかったはずだ。実際、後から俺たちのところに来て合流した。
その合流も奴隷として捕まってた状態での再会というなんともカッコつかない感じだったけど。
「ようやく、なんていうくらいなら最初から来なきゃ良かったんじゃねえのか?」
「何言ってんのよ。わたしだけ置いてけぼりとか嫌に決まってんでしょ!」
くるりとこちらを向いてビシッと指を刺してくるリリア。
でもお前を連れて行ったら面倒ごと起こしそうじゃん。
連れていかなくても面倒ごとを起こしたんだから、最初から連れて行っても変わらなかったような気もするけど。
リリアの行動について思い返し、なんか文句を言ってやりたくなったが、どうせ何か言ったところで三日もしれば忘れるだろうし意味はないだろう。
それを理解しているからこそ俺は何もいうことなくただため息を吐き出すが、そこでリリアの向こう側からこちらに向かって来ている人物に気がついた。
「……そうかよ。まあもう終わったことだしどうでもいいけど。それよりも、お前このあとはどうするんだ? 里の方に戻るのか?」
「え? ……ま、まだ戻らなくってもいいかなーって思ったりするんだけど……どう?」
どうやら、こいつはまだ自分の本来の故郷であるはずの里には戻りたくはないようだ。
しかし……
「ダメに決まってるでしょ?」
「そんなこと言わずにさ~。今帰ったらママが起こりそうなのよね。黙って出てきちゃったし」
「怒られるって理解はあるみたいね」
「そりゃあまあね。前にもそれで怒られたんだもん」
「なら、今回も怒られても仕方ないわよね?」
「だからそれが嫌だからまだ帰らないって——あれ?」
俺ではなく背後にいる人物からかけられた声と会話をしていたリリアだが、普通ならすぐに気づきそうなものなのにこれだけ会話してようやく俺が話していないことに気がついたようだ。
「……ママ?」
「お帰りなさい」
リリアが自身の背後へと振り返ると、そこには暗い笑顔をしたレーレーネ——あの森に暮らすエルフ達のまとめ役、自称女王であるリリアの母がいた。
俺は向こうを出発する前に親父にもうすぐ帰るって手紙を出してたからな。おそらく俺たちが帰ってくることを知った親父はレーレーネにそのことを伝え、レーレーネはリリアの帰りをこっちで待っていたんだろうと思う。勝手に里を抜け出して旅に出て行った娘を捕まえるために。
リリアは自身の母親の姿を認めるとこっちに助けを求めるような視線を向けてきたが、スッと顔を逸らして無視することにした。
それをみたリリアは絶望したっ、とばかりに目を見開いて驚愕を顔に浮かべたが、黙って出て行ったのは擁護できないし怒られとけ。
だが、リリアは何を思ったのか突然ダッシュし始めた。
多分逃げ切れば怒られないで済むとでも思ったんだろうが、ここは素直に怒られとけよ。
逃げるリリアが踏み出した足の下に直径二十センチ程度の天地返しを発動すると……
「んべっ!?」
リリアは綺麗に脚を取られて転んだ。そして背後から追いかけていたレーレーネに捕まって、どこから取り出したのか縄でぐるぐる巻にされた。
「は、離してえ~~~!」
「いーやー! 絶対に離さないんだからあ~~~! どれだけ探したと思ってるのよお~~~!」
「親子喧嘩っていうか姉妹喧嘩の方が近いな」
縛られてもなおも暴れるリリアと、それを抱きついて抑えるレーレーネ。それは親子というよりも少し歳の離れた姉妹のように見える。
そんな俺の声が聞こえたのか、レーレーネはハッとした様子を見せるとリリアを縛った縄を持ちながら立ち上がり、こちらを向いた。
「んんっ! ——今回は娘が失礼しました。本日はこれにて失礼させていただきますね。娘を保護していただいた件につきましては、また後日御礼に参りたいと思います」
「え、あ、ああはい。大変だとは思いますが、女王陛下もお体にお気をつけください」
「はいっ! ありがとうございますっ!」
レーレーネはやっぱり今でも仲間達からは女王扱いされていないのか、俺が丁寧に礼をすると嬉しそうに喜んだ。
そしてリリアを引きずってるんるん気分で帰って——あ、転んだ。……親子だなぁ~。
——以上、当時の状況の再現でした、と。
まああいつのことだ。そのうちいつものようにこっちに来てお菓子でも食べるだろうから気にする必要もないだろう。
「——さて、そろそろお前もまともに育ててやらないとだな」
そう言って取り出したのは以前旅立つ前にエルフ達の里にある聖樹からもらった聖樹の種だ。
植えるつもりでもらったんだが、すっかり忘れてた。
いや俺だって悪気があったわけじゃないんだ。忘れてたのは確かだが、一応言い訳をさせて欲しい。
あの時種をもらった後は、中央区の奴らとゴタゴタがあってそれどころじゃなかったんだ。ベルとカイルが怪我をして倒れてたし、その後悔と仕返しのことで頭いっぱいだったし、その後は流れで旅に出ることになったしで、忘れたくて忘れていたわけではないのだ。
だが、旅の目的である母との再会を果たして今はこうしてカラカスに戻ってきたわけだし、もうしばらくはここを離れる予定がないわけだから種を植えて聖樹を育て始めるにはちょうどいい感じのタイミングだろ。
——お前だって、そろそろまともに育ちたいよな。
手の中にある聖樹の種に視線を落とすと、なんだか反応したような気がした。
「しっかし……んー。あそこまででかくなると、街中に植えるのはまずいよな。そうなると街の外か」
前に見た聖樹はかなりデカかった。大木という言葉程度じゃ表せないほどの大きさで、普通に街の中に植えたのなら周りの家を破壊することになるだろう。
そうでなくても聖樹なんて貴重なものを街の中——言ってしまえば誰でも触ることのできる場所においておくことはできない。
聖樹はその全てが高価な素材になるため、こんなところに植えていたら坊主になるまでむしり取られる可能性があるし、最悪の場合は枯れることになる。それは認められない。
そうなると、聖樹を育てるのは街の中ではなく、それ専用の場所を街の外に作るべきだろう。
一つの植物のために専用の拠点をを作るなんて規模が大きな話だが、拠点そのものについては前から考えてたんだし、ちょうどいいと言えばちょうどいい。
俺は母とは再会したが一緒に暮らせるようになったわけじゃない。だが、それでもいずれは……長くても数年以内には一緒に暮らせるようになりたいと思っている。俺が向こうに行くにしても母をこっちに呼ぶにしても、どっちにしてもそのためには俺の実父である国王が邪魔だ。
どうにかするのは確定だが、そのどうにかするにしても俺一人じゃ色々と問題がある。
なので、ここらで俺が使うようの拠点を作ろうかな、とここに戻ってくる前から思っていたのだ。
カラカスがあるじゃないか、と思うかもしれないが、ここはあくまでも親父の拠点だ。俺は底を間借りしてるに過ぎない。
喩えるなら、そうだな……俺はこれからテロを起こそうとしている。そしてそのために武器や道具の準備をし、計画を練ろうと思っている。これからテロを起こすってのに、アパートで武装を整えたりする奴がいるか? ……いるかもしれない。自分で言っておいてなんだが、多分そういうやつは普通にいるだろう。
いやでも、一軒家の方が準備をするには安全だし便利なはずだ。多分。少なくとも俺はそう思う。
そんなわけで、親父の拠点を借りるんじゃなくて本当の意味で自分の拠点が欲しいと思ったわけだ。このカラカスの街以外の場所に。
だが、カラカス以外にと言っても、あまり離れすぎるとそれはそれで問題があるだろうし面倒なので、カラカスの衛生都市みたいな感じのものを作るのがいいんじゃないだろうかと考えている。
で、ちょうどいいのでそこについでに聖樹を育てようかなってな。聖樹のついでに街を作るのか、街のついでに聖樹を作るのか。どっちが優先なのかは微妙なところだが、まあそんなのはどうでもいいだろう。
「せっかくいろんなところに行って種を買ったことだし、花畑とか庭でも作ってみるか?」
どんな特殊な条件じゃないと育たない植物であっても、俺が管理していれば枯れることはないし、何か異変があればすぐにその問題を植物自身から教えてもらうことができる。
なので、なんかいい感じのものが育てられないかな~、と旅の途中で見たことのない種を買い集めていたんだが、せっかくだしその中で聖樹の周りに植えられそうなものを植えてみよう。
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